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第二話
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ふと目覚めると、なぜか背中に固い感触が広がっていた。ああ、俺あのまま教室で寝ちゃったんだな。そう思ってこれは起き上がる。早く本所に進路希望用紙を出さないといけない。
「おお、救世主様じゃ」
「リプリの通りじゃ」
なんだかよくわからないが、周りが騒がしい。俺は起き上がり、その声がするほうを見た。あれ? なんで大勢の
人がいるの? おかしくないか? そう思って、俺はふと下を見る。そこに広がっていたのは無機質な学校の床ではなく、一面まばゆいばかりに光る白い大理石の床であった。
「どういうことだ……?」
まさか、あの夢の中の神の言うままに俺が異世界転生してしまったということなのか?
そうだとすると、さっき聞こえた救世主ってどういうことだ? 俺のことを指しているのかそれは。そんなことを考えていたら、その大勢の人の中から、一人の女の子が前に出てきた。どうやら、俺に用があるらしく、こっちに向かってきている。その女の子は、青みのかかった黒髪を腰のあたりまで伸ばし、目鼻立ちの整っている顔を持ち、しかし胸がない。そんな容貌をしていた。
「あなた、どこから来たの」
「え、えー。日本だ」
「日本? そんな国ないわよ」
「は? じゃあここはどこだ」
「ここは、リオワ王国の王都ナコヤのアツダ神殿です」
「え、名古屋?」
「ナゴヤじゃないです! ナコヤです!」
「オッケー。ナコヤね。覚えた。……それで、君は?」
「王国の姫、兼執政官のリサです。教典リプリの通りに異国からの人間が現れた場合、その人間の護送をするよう、王に命令されえて参りました」
つまり、このリサとかいう女の子は、俺を王宮に連れていくために来たということだ。きっと、急に異世界に来るということは、よっぽど来られる側からしたらリスキーなのだろう。まあ、俺の場合は魔王討伐とかする気満々ですからね。異世界チート万歳。俺にはきっと何かしら能力があって、俺tueeeeeeeを実践できる日がいつか来るんだ。俺はそう信じてるよ。
「行きますよ。えーと、その……。名前をうかがってもよろしいですか?」
「本郷渡です」
「ホンゴウワタル……?」
「ああ、渡でいいです。普段からそう呼ばれてるんで」
「では、ワタルさん。馬車がありますから、そこまでご案内します」
リサはそう言うと、ついてくるように命じ、俺は行く当てもないのでその命令に従うことにした。馬車は、すぐ近くに止めてあった。おびただしい人の波をかき分けて、馬車のあるほうへと進んでゆく。人の波をかき分けて、やっと俺とリサは馬車にたどり着く。馬車に乗り、リサが一言出してと言うと、馬車を操縦する御者が馬に動くように命じる。馬は一度いななき、そこそこのスピードで走り出す。石畳の道路の上を軽快に馬車が走る中、俺は外をぼんやりと眺めていた。
外には、石造りの立派な建物や木造の家屋がずらっと並んでいる。時には、家の一階を店にしたようなものも見えて、とても面白い。これこそ、異世界の街だと言って差し支えないような中世ヨーロッパ風の街並み。
そんな風に、異世界の街並みを見ることを楽しんでいた。
「ワタル。もうすぐ王宮につくわ」
リサが俺にそう話しかけてきた。目の前に、大きな城のような建物が見えてきた。おそらくあれが王宮なんだろう。そう思っていると、王宮の門を馬車が通過していく。初めて王宮というものに入った。なんか、緊張するな。ここに国の王が住んでいるとなると、失礼なことが無いようにしよう。さもないと、いきなり激怒した王に死刑にされてしまう危険性がある。やっぱ街で冒険者パーティーとか作ってのほほんと旅がしたかった。ほのぼの系みたいな感じで。
王宮の立派な城のような建物の前で馬車が止まった。ここで降りろと言うことだろうか。ええと、俺心の準備がまだなんで降りなくていいですか?
「ワタル。降りて」
リサが俺にそう言った。そう言われてもだな……。いきなり連れてこられて、馬車から降りろと言われてもいろいろ準備があるものでして……。
しかし、ここで降りなくてこのまま馬車に乗り続けるというのも、なんか違う。せっかくの異世界だ。堂々と行ってみようじゃないか。なにが王だ。こちとら転生者様だぞ! いや、まあ何が偉いのかって言われたら何も偉くないんだけどね。
俺はそんなことを考えつつ、馬車から降りる。ところで、馬車とかから降りるときって右足と左足どっちを先に出せばいいんだろうね。なんかルールとかあるのかな。知らんけど。あ、ちなみに俺は右足から何時もおります。なんか、ハリウッド女優とかいつもそうじゃない? レッドカーペットに降り立つときとかさ。
「おお、救世主様」
「リプリの通りじゃ」
「あれがデウス神の神託の人か」
「リプリは本物だったのか」
何か騒がしい声が俺の周りから聞こえてくる。いつの間にか、大勢の人に俺は囲まれて、救世主だの、リプリがどうのこうのだという言葉を聞く。なに? もしかして、俺って子の異世界に降り立った救世主かなんかなの? ちょっとそう言うのテンション上がるけど、困惑しちゃう。だって、今まで普通のオタクの高校生だった俺だぜ? そんな急に救世主だとか言われても困るだけじゃない。
「いまから、王に謁見しますので、どいてください!」
大勢の人にたまりかけたのか、リサが大声でそう言う。すると、人だかりの中に一筋の通り道ができ、その道をリサが歩いて行く。その道は城の入り口まで続いており、リサはさっさと城の中へと入っていった。
「ワタル。早く来なさい」
そうリサが俺のことを呼ぶ。おお、なんかヒロインみたいだね。王国の姫といい、こうもヒロインの設定のテンプレらしきものを詰め放題のように詰め込まれると、おれもうどうしていいかわかんねぇや。
とりあえず、王に謁見しないわけにはいかないので、リサの呼ぶほうへと向かう。相変わらず、救世主様だとか、リプリがどうとか話す周りの人を相手にせず、城の中へと入る。
城の中は、一面大理石の床と、花崗岩を切り出した石の塊で出来ていた。石でできてるんですね。この城。まあ、確かに木とかだとしょぼいし、この時代にコンクリートもないしね。コンクリートあったら楽だろうなあ。なんでも鉄筋コンクリート! って感じで。まあ、中世感がなくなるからやめてほしいけど。
そう考えているうちにも、リサはどんどん先へと進んでいってしまった。いや、置いてくなよ。仮にも客人だと思うんだけど。客人を普通置いていくか?
「ちょっと、リサさん歩くの速くないですか」
俺は、やっとの思いでリサに追いつき、リサにそう尋ねる。
「リサでいいわよ。それに、あなたが遅いだけなんじゃないかしら」
なんだこいつ。かわいげがないな。前言撤回。こいつは俺のヒロインじゃない。いや、ヒロインの決定権は俺にあるのかは分からないけどね?
「いや、少なくとも俺を連れてきてるんだから、俺に合わせてくれないか?」
「仕方ないわね……。ならあなたの歩くスピードに合わせてあげるわよ」
「なんでそんな偉そうなんだ……」
「だって、私偉いもの。王国の姫にして、王国の政治を統べる執政官よ?」
「その執政官とやらが偉いのかは分からんが、姫でプライドの高い子だってのは分かった」
「いいじゃない。それとも、プライドの高い女の子は嫌い?」
そう言って、リサは俺のことを前のめりになって、上目遣いで見つめる。あの、前のめりになったら服の合間からその……控えめな胸が……見えるんですけど……。
俺は、思わずその隙間から目をそらし、リサにこう答える。
「ま、嫌いではない。嫌いでは」
「なによ。素直に好きって言えばいいのに。ひねくれているわね。まったく。つまらないわ」
そう言って、リサは俺に背を向けて背中で自分の左手の指と右手の指を組む。そして鼻歌を歌いながら、先へ先へと進んでいき、歩いていた城の廊下のつきあたりでこう言った。
「あなたとは、仲良くなれそう。よろしくね。ワタル」
そう言って俺に微笑みかけるリサの笑顔は、今まで俺が見た女の子の笑顔で一番美しかった。
「おお、救世主様じゃ」
「リプリの通りじゃ」
なんだかよくわからないが、周りが騒がしい。俺は起き上がり、その声がするほうを見た。あれ? なんで大勢の
人がいるの? おかしくないか? そう思って、俺はふと下を見る。そこに広がっていたのは無機質な学校の床ではなく、一面まばゆいばかりに光る白い大理石の床であった。
「どういうことだ……?」
まさか、あの夢の中の神の言うままに俺が異世界転生してしまったということなのか?
そうだとすると、さっき聞こえた救世主ってどういうことだ? 俺のことを指しているのかそれは。そんなことを考えていたら、その大勢の人の中から、一人の女の子が前に出てきた。どうやら、俺に用があるらしく、こっちに向かってきている。その女の子は、青みのかかった黒髪を腰のあたりまで伸ばし、目鼻立ちの整っている顔を持ち、しかし胸がない。そんな容貌をしていた。
「あなた、どこから来たの」
「え、えー。日本だ」
「日本? そんな国ないわよ」
「は? じゃあここはどこだ」
「ここは、リオワ王国の王都ナコヤのアツダ神殿です」
「え、名古屋?」
「ナゴヤじゃないです! ナコヤです!」
「オッケー。ナコヤね。覚えた。……それで、君は?」
「王国の姫、兼執政官のリサです。教典リプリの通りに異国からの人間が現れた場合、その人間の護送をするよう、王に命令されえて参りました」
つまり、このリサとかいう女の子は、俺を王宮に連れていくために来たということだ。きっと、急に異世界に来るということは、よっぽど来られる側からしたらリスキーなのだろう。まあ、俺の場合は魔王討伐とかする気満々ですからね。異世界チート万歳。俺にはきっと何かしら能力があって、俺tueeeeeeeを実践できる日がいつか来るんだ。俺はそう信じてるよ。
「行きますよ。えーと、その……。名前をうかがってもよろしいですか?」
「本郷渡です」
「ホンゴウワタル……?」
「ああ、渡でいいです。普段からそう呼ばれてるんで」
「では、ワタルさん。馬車がありますから、そこまでご案内します」
リサはそう言うと、ついてくるように命じ、俺は行く当てもないのでその命令に従うことにした。馬車は、すぐ近くに止めてあった。おびただしい人の波をかき分けて、馬車のあるほうへと進んでゆく。人の波をかき分けて、やっと俺とリサは馬車にたどり着く。馬車に乗り、リサが一言出してと言うと、馬車を操縦する御者が馬に動くように命じる。馬は一度いななき、そこそこのスピードで走り出す。石畳の道路の上を軽快に馬車が走る中、俺は外をぼんやりと眺めていた。
外には、石造りの立派な建物や木造の家屋がずらっと並んでいる。時には、家の一階を店にしたようなものも見えて、とても面白い。これこそ、異世界の街だと言って差し支えないような中世ヨーロッパ風の街並み。
そんな風に、異世界の街並みを見ることを楽しんでいた。
「ワタル。もうすぐ王宮につくわ」
リサが俺にそう話しかけてきた。目の前に、大きな城のような建物が見えてきた。おそらくあれが王宮なんだろう。そう思っていると、王宮の門を馬車が通過していく。初めて王宮というものに入った。なんか、緊張するな。ここに国の王が住んでいるとなると、失礼なことが無いようにしよう。さもないと、いきなり激怒した王に死刑にされてしまう危険性がある。やっぱ街で冒険者パーティーとか作ってのほほんと旅がしたかった。ほのぼの系みたいな感じで。
王宮の立派な城のような建物の前で馬車が止まった。ここで降りろと言うことだろうか。ええと、俺心の準備がまだなんで降りなくていいですか?
「ワタル。降りて」
リサが俺にそう言った。そう言われてもだな……。いきなり連れてこられて、馬車から降りろと言われてもいろいろ準備があるものでして……。
しかし、ここで降りなくてこのまま馬車に乗り続けるというのも、なんか違う。せっかくの異世界だ。堂々と行ってみようじゃないか。なにが王だ。こちとら転生者様だぞ! いや、まあ何が偉いのかって言われたら何も偉くないんだけどね。
俺はそんなことを考えつつ、馬車から降りる。ところで、馬車とかから降りるときって右足と左足どっちを先に出せばいいんだろうね。なんかルールとかあるのかな。知らんけど。あ、ちなみに俺は右足から何時もおります。なんか、ハリウッド女優とかいつもそうじゃない? レッドカーペットに降り立つときとかさ。
「おお、救世主様」
「リプリの通りじゃ」
「あれがデウス神の神託の人か」
「リプリは本物だったのか」
何か騒がしい声が俺の周りから聞こえてくる。いつの間にか、大勢の人に俺は囲まれて、救世主だの、リプリがどうのこうのだという言葉を聞く。なに? もしかして、俺って子の異世界に降り立った救世主かなんかなの? ちょっとそう言うのテンション上がるけど、困惑しちゃう。だって、今まで普通のオタクの高校生だった俺だぜ? そんな急に救世主だとか言われても困るだけじゃない。
「いまから、王に謁見しますので、どいてください!」
大勢の人にたまりかけたのか、リサが大声でそう言う。すると、人だかりの中に一筋の通り道ができ、その道をリサが歩いて行く。その道は城の入り口まで続いており、リサはさっさと城の中へと入っていった。
「ワタル。早く来なさい」
そうリサが俺のことを呼ぶ。おお、なんかヒロインみたいだね。王国の姫といい、こうもヒロインの設定のテンプレらしきものを詰め放題のように詰め込まれると、おれもうどうしていいかわかんねぇや。
とりあえず、王に謁見しないわけにはいかないので、リサの呼ぶほうへと向かう。相変わらず、救世主様だとか、リプリがどうとか話す周りの人を相手にせず、城の中へと入る。
城の中は、一面大理石の床と、花崗岩を切り出した石の塊で出来ていた。石でできてるんですね。この城。まあ、確かに木とかだとしょぼいし、この時代にコンクリートもないしね。コンクリートあったら楽だろうなあ。なんでも鉄筋コンクリート! って感じで。まあ、中世感がなくなるからやめてほしいけど。
そう考えているうちにも、リサはどんどん先へと進んでいってしまった。いや、置いてくなよ。仮にも客人だと思うんだけど。客人を普通置いていくか?
「ちょっと、リサさん歩くの速くないですか」
俺は、やっとの思いでリサに追いつき、リサにそう尋ねる。
「リサでいいわよ。それに、あなたが遅いだけなんじゃないかしら」
なんだこいつ。かわいげがないな。前言撤回。こいつは俺のヒロインじゃない。いや、ヒロインの決定権は俺にあるのかは分からないけどね?
「いや、少なくとも俺を連れてきてるんだから、俺に合わせてくれないか?」
「仕方ないわね……。ならあなたの歩くスピードに合わせてあげるわよ」
「なんでそんな偉そうなんだ……」
「だって、私偉いもの。王国の姫にして、王国の政治を統べる執政官よ?」
「その執政官とやらが偉いのかは分からんが、姫でプライドの高い子だってのは分かった」
「いいじゃない。それとも、プライドの高い女の子は嫌い?」
そう言って、リサは俺のことを前のめりになって、上目遣いで見つめる。あの、前のめりになったら服の合間からその……控えめな胸が……見えるんですけど……。
俺は、思わずその隙間から目をそらし、リサにこう答える。
「ま、嫌いではない。嫌いでは」
「なによ。素直に好きって言えばいいのに。ひねくれているわね。まったく。つまらないわ」
そう言って、リサは俺に背を向けて背中で自分の左手の指と右手の指を組む。そして鼻歌を歌いながら、先へ先へと進んでいき、歩いていた城の廊下のつきあたりでこう言った。
「あなたとは、仲良くなれそう。よろしくね。ワタル」
そう言って俺に微笑みかけるリサの笑顔は、今まで俺が見た女の子の笑顔で一番美しかった。
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