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エイプリルフール if 前編 One day magic
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深夜、時雨は一人千鳥足で道を歩いていた。
普段酒を飲まない時雨だったが、飲み会でどうしても断れず、一口だけウーロンハイを飲んでしまった。
「はあ・・・・・・、頭が朦朧とする・・・・・・」
苦しさからそんな独り言を言っていると、どこからか老婆の声がした。
「お兄さん」
「んー・・・・・・何だぁ、空耳かなー」
時雨はぼんやりとした視界で辺りを見たが声の主を認める事が出来なかった。
「お兄さん、こちらですよ」
「え?」
もう一度、声のした方をよくよく目を凝らして見れば闇で溶けて消えそうな程暗い裏道の入口で、黒いベールを被ったいかにも怪しげな老婆が露店を開いているのが分かった。
「あのー、僕に何か御用でしょうかぁ?」
「おや、随分と酔って、まあまあまあ・・・・・・、それじゃあ明日もお辛いのでは?」
「そーですねぇ、二日酔いになるかもしれない、ヒック」
時雨は怪しいと分かりつつも、酔っているせいで頭が上手く回らず、いつもなら取り合わないであろう相手と会話を続けた。
「ならお兄さんにピッタリな物があるよ」
そう言って老婆は金色の台座に載った透明な玉を差し出した。
一つの気泡すらないそれは良く出来たビー玉なのか、価値のある水晶なのか、時雨には判別がつかなかった。
「それは?」
「願いが叶う女神の涙じゃ」
「へえー」
適当な相槌を打っていると老婆はここぞとばかりに畳み掛けた。
「こっちは五万円、こっちは五十万円、こっちは五百万円、金額によって叶えられる願いの大きさや効果が事なる。二日酔いくらいならこの五万円のでも良いじゃろう」
「ふーん、どれも同じ大きさだし、それでそんなに値段が違うのかぁ。でも二日酔い位ならぁ、薬局の薬でも十分だしなー」
「むむ、な、ならばこっちはどうじゃ? 使い捨ての屑石で一万円」
老婆は時雨の前に不揃いで小さな結晶が入った小瓶を差し出した。
「へえー、一万円ですか、じゃあ僕はそろそろこれで・・・・・・」
時雨が立ち去ろうとすると老婆は時雨の服の裾をむんずと掴んだ。
「待てい! ご、五千円でどうじゃ? もー、これ以上は値下げ出来ぬ」
「んー、値引き交渉はしてないつもりだけど・・・・・・、二日酔いに五千円は出さないかなー」
そう言って時雨は今度こそと去ろうとしたが、老婆は服の裾を離さなかった。
「ええーい、持ってけドロボー、に、二千円、二千円でどうじゃ? というか頼むから買ってくれ。出ないと家賃が払えぬのじゃ!」
血走った眼で老婆は時雨の両肩を力強く掴むと前後にガクガクと揺らし、悲痛な声で訴えた。
「わ、わ、わ、分かりました。分かりましたから! 揺らさないで・・・・・・気持ち悪、吐きそ・・・・・・」
その朝は春休みも半ば、昨日と特に何も変わらない朝になる筈だった。
ほのかはそんないつもと同じ今日に挨拶でもするかの様に窓のカーテンを思い切り開けた。
起きがけには少し眩しい太陽の光が目に入り、ほのかはほんの少し目を瞑った。
そんな時、『いつもと同じ』を打ち消す出来事が起きた。
ふと、何気なく見た窓の外、こちらをずっと見ている人物が居た。
陽の光に照らされる見覚えのある色の髪、整った目鼻立ち、柔らかく笑む口。
一目で時雨だとほのかは認識した。
だが、いつも見慣れている筈の彼にほのかはどこか違和感を覚えた。
「ほのかちゃん」
彼の唇はここからでもハッキリと分かる様にそう動いた。
そして彼はほのかに向かって手招きをした。
ほのかは時雨が珍しく呼んでいると思い、大きく頷くと外に出る準備をした。
「おはよう、ほのかちゃん」
ほのかは呆然としていた。
先程感じていた違和感の正体はこれだったのだと今になって分かった。
今、目の前に居る人物は時雨よりも明らかに身長が低く、顔も幼く見え、歳はほのかと同じ位の年齢に見えた。
つまり、彼は良く知る時雨とは別人であるとほのかは気が付いた。
【どちら様ですか?】
ほのかは混乱しながらもスケッチブックにそう書き、男から数歩距離を取り、思考をめぐらせた。
時雨に似ているという事は親戚である可能性があるが、こんな親戚がいたかどうか記憶に無かった。
「ああ、そう言えば初めましてだったよね。僕は・・・・・・秋本 氷雨、時雨の遠い親戚だよ。君の事は時雨から聞いているよ」
【親戚・・・・・・?】
ほのかはまだ警戒していた。
お正月等の集まりでも会った事がないし、そんな親戚が居るとは時雨から聞いた事がなかった。
「あ、まだ疑ってる? でも無理もないよね。僕はずっと海外に留学していたから親族の集まりにも居なかったし。今は春休みだからこうして会いに来たんだ」
【私に会いに?】
そう問うと氷雨は時雨がいつもするような満面の笑みを見せた。
「そうそう、今日はほのかちゃんにお願いがあって、一日だけデートして欲しいんだ」
【デート!?】
そんなセリフにほのかは狼狽えた。
今日会ったばかりの人間とデートをするなんて、ほのかにとってはハードルが高過ぎる。
「うん、デート♪ ダメ?」
【知らない人について行ったらダメだって時雨兄が言ってた】
「ええっ、さっき自己紹介したのに」
氷雨は笑顔から一転して困った様な顔でほのかから背を向け呟いた。
「うーん、決まりを守ってくれるのは嬉しいんだけどなー、仕方ないな」
再び氷雨がほのかの方に向き直った時、丁度ほのかのスマホが小さく振動した。
ほのかはスマホを確認すると時雨からメールが届いているのを見つけた。
そこには『今日僕の親戚で氷雨が訪ねてくるから、一日だけ相手をしてあげて欲しい』と書いてあった。
それを読んだほのかは時雨の頼みならば聞くしかないと判断した。
【で、デートします・・・・・・】
ほのかは『デート』の文字を書くのすら恥ずかしく、赤くなった頬をスケッチブックで隠しながら氷雨を見やった。
氷雨は満足気に笑うとやや強引にほのかの手を取り「じゃあ行こうか」と言って歩き出した。
氷雨の頼みでやって来たのは特別な場所なんかではなく、いつも見慣れた商店街だった。
色んな店をただ見て回る、所謂ウィンドウショッピングだ。
「その服もいいね、とっても可愛いよ」
【ありがとう】
ほのかは氷雨に言われるまま服屋でファッションショーの如く色んな服を着させられた。
「じゃあ、試着した服全部買おっか」
いきなりとんでもない事を言い出す氷雨にほのかは肩を震え上がらせた。
【ぜ、全部って結構な金額ですが・・・・・・】
単純に計算しても軽く数万円にはなってしまう。
「んー? そこはほらカード払いで」
【カード!?】
ほのかは更に震え上がった。
高校生に見える男子がこの歳でカードを持っているのは不自然な気がした。
それとも海外ではこれが普通なのだろうかとも考えた。
「あー、あー、あー・・・・・・いや、現金で?」
【服は大丈夫です。お気持ちだけで】
高校生に高額な物を買わせるのは気が引けたほのかは急いで選んでもらった服を全部ハンガーに掛けて戻し始めた。
「そう、それは残念だなぁ」
氷雨は渋々財布を戻した。
そして、いい事を思い出したという様な顔をした。
「そうだ! 服を買わせてもらえないなら一つお願いがあるんだけど」
【何ですか?】
「それそれ、敬語。折角同い年なんだし、タメ口にして欲しいな」
【タメ口・・・・・・】
「うん、タメ口♪」
氷雨は期待を込めた瞳でほのかを見詰めた。
ほのかはというとタメ口にするのは何となく抵抗があった。
今日会ったばかりという理由もあったが、氷雨を見る度に別人だと分かりつつも時雨と面影を重ねている自分が居たからだった。
【分かった。努力する】
「うんうん、素直でよろしい」
氷雨はほのかの頭を撫でた。
時雨よりも少しだけ小さな手。
だけれど、その手つきは時雨と一寸違わず、時雨にいつもの様にされているみたいでほのかは思わずドキリとした。
普段酒を飲まない時雨だったが、飲み会でどうしても断れず、一口だけウーロンハイを飲んでしまった。
「はあ・・・・・・、頭が朦朧とする・・・・・・」
苦しさからそんな独り言を言っていると、どこからか老婆の声がした。
「お兄さん」
「んー・・・・・・何だぁ、空耳かなー」
時雨はぼんやりとした視界で辺りを見たが声の主を認める事が出来なかった。
「お兄さん、こちらですよ」
「え?」
もう一度、声のした方をよくよく目を凝らして見れば闇で溶けて消えそうな程暗い裏道の入口で、黒いベールを被ったいかにも怪しげな老婆が露店を開いているのが分かった。
「あのー、僕に何か御用でしょうかぁ?」
「おや、随分と酔って、まあまあまあ・・・・・・、それじゃあ明日もお辛いのでは?」
「そーですねぇ、二日酔いになるかもしれない、ヒック」
時雨は怪しいと分かりつつも、酔っているせいで頭が上手く回らず、いつもなら取り合わないであろう相手と会話を続けた。
「ならお兄さんにピッタリな物があるよ」
そう言って老婆は金色の台座に載った透明な玉を差し出した。
一つの気泡すらないそれは良く出来たビー玉なのか、価値のある水晶なのか、時雨には判別がつかなかった。
「それは?」
「願いが叶う女神の涙じゃ」
「へえー」
適当な相槌を打っていると老婆はここぞとばかりに畳み掛けた。
「こっちは五万円、こっちは五十万円、こっちは五百万円、金額によって叶えられる願いの大きさや効果が事なる。二日酔いくらいならこの五万円のでも良いじゃろう」
「ふーん、どれも同じ大きさだし、それでそんなに値段が違うのかぁ。でも二日酔い位ならぁ、薬局の薬でも十分だしなー」
「むむ、な、ならばこっちはどうじゃ? 使い捨ての屑石で一万円」
老婆は時雨の前に不揃いで小さな結晶が入った小瓶を差し出した。
「へえー、一万円ですか、じゃあ僕はそろそろこれで・・・・・・」
時雨が立ち去ろうとすると老婆は時雨の服の裾をむんずと掴んだ。
「待てい! ご、五千円でどうじゃ? もー、これ以上は値下げ出来ぬ」
「んー、値引き交渉はしてないつもりだけど・・・・・・、二日酔いに五千円は出さないかなー」
そう言って時雨は今度こそと去ろうとしたが、老婆は服の裾を離さなかった。
「ええーい、持ってけドロボー、に、二千円、二千円でどうじゃ? というか頼むから買ってくれ。出ないと家賃が払えぬのじゃ!」
血走った眼で老婆は時雨の両肩を力強く掴むと前後にガクガクと揺らし、悲痛な声で訴えた。
「わ、わ、わ、分かりました。分かりましたから! 揺らさないで・・・・・・気持ち悪、吐きそ・・・・・・」
その朝は春休みも半ば、昨日と特に何も変わらない朝になる筈だった。
ほのかはそんないつもと同じ今日に挨拶でもするかの様に窓のカーテンを思い切り開けた。
起きがけには少し眩しい太陽の光が目に入り、ほのかはほんの少し目を瞑った。
そんな時、『いつもと同じ』を打ち消す出来事が起きた。
ふと、何気なく見た窓の外、こちらをずっと見ている人物が居た。
陽の光に照らされる見覚えのある色の髪、整った目鼻立ち、柔らかく笑む口。
一目で時雨だとほのかは認識した。
だが、いつも見慣れている筈の彼にほのかはどこか違和感を覚えた。
「ほのかちゃん」
彼の唇はここからでもハッキリと分かる様にそう動いた。
そして彼はほのかに向かって手招きをした。
ほのかは時雨が珍しく呼んでいると思い、大きく頷くと外に出る準備をした。
「おはよう、ほのかちゃん」
ほのかは呆然としていた。
先程感じていた違和感の正体はこれだったのだと今になって分かった。
今、目の前に居る人物は時雨よりも明らかに身長が低く、顔も幼く見え、歳はほのかと同じ位の年齢に見えた。
つまり、彼は良く知る時雨とは別人であるとほのかは気が付いた。
【どちら様ですか?】
ほのかは混乱しながらもスケッチブックにそう書き、男から数歩距離を取り、思考をめぐらせた。
時雨に似ているという事は親戚である可能性があるが、こんな親戚がいたかどうか記憶に無かった。
「ああ、そう言えば初めましてだったよね。僕は・・・・・・秋本 氷雨、時雨の遠い親戚だよ。君の事は時雨から聞いているよ」
【親戚・・・・・・?】
ほのかはまだ警戒していた。
お正月等の集まりでも会った事がないし、そんな親戚が居るとは時雨から聞いた事がなかった。
「あ、まだ疑ってる? でも無理もないよね。僕はずっと海外に留学していたから親族の集まりにも居なかったし。今は春休みだからこうして会いに来たんだ」
【私に会いに?】
そう問うと氷雨は時雨がいつもするような満面の笑みを見せた。
「そうそう、今日はほのかちゃんにお願いがあって、一日だけデートして欲しいんだ」
【デート!?】
そんなセリフにほのかは狼狽えた。
今日会ったばかりの人間とデートをするなんて、ほのかにとってはハードルが高過ぎる。
「うん、デート♪ ダメ?」
【知らない人について行ったらダメだって時雨兄が言ってた】
「ええっ、さっき自己紹介したのに」
氷雨は笑顔から一転して困った様な顔でほのかから背を向け呟いた。
「うーん、決まりを守ってくれるのは嬉しいんだけどなー、仕方ないな」
再び氷雨がほのかの方に向き直った時、丁度ほのかのスマホが小さく振動した。
ほのかはスマホを確認すると時雨からメールが届いているのを見つけた。
そこには『今日僕の親戚で氷雨が訪ねてくるから、一日だけ相手をしてあげて欲しい』と書いてあった。
それを読んだほのかは時雨の頼みならば聞くしかないと判断した。
【で、デートします・・・・・・】
ほのかは『デート』の文字を書くのすら恥ずかしく、赤くなった頬をスケッチブックで隠しながら氷雨を見やった。
氷雨は満足気に笑うとやや強引にほのかの手を取り「じゃあ行こうか」と言って歩き出した。
氷雨の頼みでやって来たのは特別な場所なんかではなく、いつも見慣れた商店街だった。
色んな店をただ見て回る、所謂ウィンドウショッピングだ。
「その服もいいね、とっても可愛いよ」
【ありがとう】
ほのかは氷雨に言われるまま服屋でファッションショーの如く色んな服を着させられた。
「じゃあ、試着した服全部買おっか」
いきなりとんでもない事を言い出す氷雨にほのかは肩を震え上がらせた。
【ぜ、全部って結構な金額ですが・・・・・・】
単純に計算しても軽く数万円にはなってしまう。
「んー? そこはほらカード払いで」
【カード!?】
ほのかは更に震え上がった。
高校生に見える男子がこの歳でカードを持っているのは不自然な気がした。
それとも海外ではこれが普通なのだろうかとも考えた。
「あー、あー、あー・・・・・・いや、現金で?」
【服は大丈夫です。お気持ちだけで】
高校生に高額な物を買わせるのは気が引けたほのかは急いで選んでもらった服を全部ハンガーに掛けて戻し始めた。
「そう、それは残念だなぁ」
氷雨は渋々財布を戻した。
そして、いい事を思い出したという様な顔をした。
「そうだ! 服を買わせてもらえないなら一つお願いがあるんだけど」
【何ですか?】
「それそれ、敬語。折角同い年なんだし、タメ口にして欲しいな」
【タメ口・・・・・・】
「うん、タメ口♪」
氷雨は期待を込めた瞳でほのかを見詰めた。
ほのかはというとタメ口にするのは何となく抵抗があった。
今日会ったばかりという理由もあったが、氷雨を見る度に別人だと分かりつつも時雨と面影を重ねている自分が居たからだった。
【分かった。努力する】
「うんうん、素直でよろしい」
氷雨はほのかの頭を撫でた。
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だけれど、その手つきは時雨と一寸違わず、時雨にいつもの様にされているみたいでほのかは思わずドキリとした。
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