39 / 117
Sky turn Sky tune
しおりを挟む
ほのかは空になったお弁当箱のバッグを持ちながら廊下を走った。
答えはいつもすぐそばにあった。
あの二人といつも居るのが楽しかった。
居心地が良くて、今の関係に甘えていた。
ほのかは今一歩、自分から前に進みたいと思った。
そして、前方を歩いている陽太と冬真と愛華を見つけた。
ほのかはすぐに追いつくと、引き止めたくて陽太の背後からシャツを引っ張った。
「おわっ、月島さん!? 慌ててどうしたの?」
陽太は肩を上下させて、いかにも走ってきたかの様なほのかを見て言った。
ほのかはスケッチブックを手に取った。
そこで筆が止まった。
今更ながら、何を書こうかと迷っていた。
今よりも仲良くなりたい?
友達第一号二号三号になって?
考えれば考える程混乱し、恥ずかしくなり、困惑した顔でスケッチブックとにらめっこしていると肩を叩かれた。
目線を上げるといつもの優しい笑顔の陽太が言った。
「月島さん、予鈴鳴ったからそろそろ教室行こうか」
「あ、じゃああたしも自分の教室に戻るから~」
そう言って愛華は一足先に奥の教室へと戻って行った。
予鈴と言われて、音の聞こえないほのかはもうそんな時間になっていた事に初めて気がついた。
ほのかは陽太に付いていき、とりあえず教室に戻る事にした。
冬真はそんなほのかの後ろ姿を真面目な表情で見詰めていた。
ほのかの腕に揺れるお弁当のバッグ、冬真はそれが気になっていた。
その後、午後の授業になり、ほのかはずっと伝えるタイミングを逃していた。
【次のページめくってだって】
陽太はいつも通りメモでページ数を伝えたり、授業でほのかのサポートをしていた。
【いつもありがとう】
ほのかは自分のメモでそう書いて渡した。
そこでほのかは思いついた。
陽太だけでも先に友達になって欲しいとメモを渡せばいいだけだ。
早速メモに書こうとした時、陽太からメモを渡された。
【お世話係としてトーゼン!】
勿論それは嬉しいと思ったが、その『お世話係』の文字にどこか無機質で、機械的で、言い知れぬ寂しさを感じていた。
そして出しかけたメモはそのままポケットにしまい込んだ。
化学の時間、教室を移動し、ほのかは冬真と同じグループになった。
冬真はテキパキと先生が言った事が分かりやすいようにほのかのプリントに書き込みを加えてくれた。
いつも無表情に近い反面、優しいところもある冬真なら友達になってくれるだろうかとほのかは思案した。
【ありがとう】
冬真はチラとスケッチブックを見ると伏し目がちに言った。
「別に・・・・・・お世話係だからな」
『お世話係』その単語にほのかは浮かない顔をした。
分かっていた。
二人がいつも親切なのはお世話係だからであって、友達だからではない。
そしてそれが二人の重荷になっているんじゃないかとほのかは心配になった。
「どうした? 分からないところがあれば教えるけど」
【大丈夫】
ほのかは心配かけさせまいと笑ってみせた。
それからも、ほのかは話を切り出そうとするもとことんタイミングが合わず、放課後になってしまった。
「授業終わったー、月島さん帰ろっか」
陽太はいつもの様に一緒に帰ろうと声を掛けてくれた。
「そう言えば、月島さん、お昼何か話があったんじゃなかった?」
冬真が二人に近づきそう言った。
「ああ、そう言えば! ごめんごめん、話なら聞くからさ」
陽太がに明るく笑ってそう言うので、ほのかは今なら言い出せそうだと思った。
だが、そうは問屋が卸さなかった。
「おーい、春野、それからもう一人・・・・・・氷室でいいか、ちょっと職員室まで来てくれないか?」
二人を呼び出したのは担任の福島先生だった。
「ごめん、ちょっと行ってくる。多分すぐ戻ると思うけど」
「先生が面倒な事を頼んでこなければだろ? ごめん、行ってくる」
二人は口々にそう言い、ほのかは教室に取り残された。
また言い出す機会を失ってしまった。
一人ぽつんと教室で待っていると教室に愛華がやってきた。
「あれー、二人とも居ないんだ? せっかく一緒に帰ろうと思ったのになー」
愛華は一人取り残されたほのかを見て何かを思いついたのかニヤリと笑った。
「ねえ、月島さん! たまには女同士で一緒に帰らない?」
女同士で・・・・・・そんな友達っぽい響にほのかは心が揺れた。
【でも二人が戻ってきてなくて】
「あー、それならあたしから二人に連絡入れとくからさー」
愛華はスマホを取り出すとサクサクとメールを打ち始めた。
「はい、完了ー、さっ、行こ行こ!」
なかば強引に、ほのかは愛華に連れ出され教室を出た。
ほのかは愛華と二人で帰るのが初めてで少し緊張しつつも、今時の女子高生と帰るのはどんな感じになるのだろうかとソワソワしていた。
仲良くなれたらゲームセンターでプリクラを撮ったり、カフェで女子会的な事をするのだろうかと想像した。
ふと、愛華の方を見ると愛華と目が合った。
「ねえ、月島さんさー、ちょっと元気無い様に見えるけどどうかしたの?」
ほのかは悩んでいる事を顔に出さないようにしているつもりだったが、愛華にはあっさりと悟られてしまい驚いた。
やはり女性だから鋭いのだろうか等と考えた。
【大丈夫】
「えー、そうかなあ、あたしで良ければ相談乗るよ? あ、そこにカフェもあるしさー、行こ行こ!」
ほのかはまたも強引に愛華に連れられ、気がつくと憧れのカフェでカフェ・オ・レとパンケーキを食べていた。
「やーん、ふわっふわっで美味しい~」
愛華とほのかはフルーツと生クリームたっぷりのふわふわ生地のパンケーキに舌鼓を打っていた。
【これが伝説のパンケーキ!】
ほのかはいつぞやの部活探しの時にパンケーキを焦がし、失敗したのをずっと悔しく思っていた。
パンケーキをこんなにも美味しい物だとは思わずほのかは感動していた。
「あはは、伝説とかマジうけるー、なんの伝説よ」
愛華はケラケラと笑いながらスマホを弄り、コーヒーを飲んだ。
これが今時女子高生ライフというものだろうかとほのかはぼんやりと考えていた。
だが、すぐにほのかは今時女子高生ライフから現実に引き戻された。
「で? そろそろ何を悩んでいるのか聞きたいんだけど?」
ほのかは喉の奥にパンケーキを詰まらせそうになった。
ゆっくりと飲み込むと、ほのかは愛華に全てを打ち明けた。
「なるほどね、友達ねぇ・・・・・・」
そう言いつつも愛華は内心では、友達なんてガキ臭いと思っていた。
だが、それを利用しない手はないと考えていた。
「だったらさー、いっそのこと、お世話係やめてもらえば?」
【?】
ほのかには何故愛華がそう言うのかが分からなかった。
あの二人にお世話係をやめてもらうだなんて考えてもみなかった。
「だってさー、友達になりたいんでしょ? だったら、お世話とかそんな事させるの変でしょ?」
そう言われて、ほのかは一理あるような気がした。
ずっと心のどこかでモヤモヤを抱えていた。
二人は自分のせいで『お世話係』という肩書きを付けられて縛られている。
だったらそんな肩書きは取り払って解放すべきなのかもしれないと考えた。
「簡単よ、ちょっと勇気を出して、お世話係なんて要らないって言うだけなんだから。ね? 月島さん、頑張って?」
愛華はさもそれが正しいと思わせるようなにこやかな笑顔で言った。
【ありがとう! やってみる】
ほのかは早速明日そう話してみようと決心した。
「・・・・・・たーんじゅん」
愛華は口元を手で隠し、笑いを堪えながら呟いた。
答えはいつもすぐそばにあった。
あの二人といつも居るのが楽しかった。
居心地が良くて、今の関係に甘えていた。
ほのかは今一歩、自分から前に進みたいと思った。
そして、前方を歩いている陽太と冬真と愛華を見つけた。
ほのかはすぐに追いつくと、引き止めたくて陽太の背後からシャツを引っ張った。
「おわっ、月島さん!? 慌ててどうしたの?」
陽太は肩を上下させて、いかにも走ってきたかの様なほのかを見て言った。
ほのかはスケッチブックを手に取った。
そこで筆が止まった。
今更ながら、何を書こうかと迷っていた。
今よりも仲良くなりたい?
友達第一号二号三号になって?
考えれば考える程混乱し、恥ずかしくなり、困惑した顔でスケッチブックとにらめっこしていると肩を叩かれた。
目線を上げるといつもの優しい笑顔の陽太が言った。
「月島さん、予鈴鳴ったからそろそろ教室行こうか」
「あ、じゃああたしも自分の教室に戻るから~」
そう言って愛華は一足先に奥の教室へと戻って行った。
予鈴と言われて、音の聞こえないほのかはもうそんな時間になっていた事に初めて気がついた。
ほのかは陽太に付いていき、とりあえず教室に戻る事にした。
冬真はそんなほのかの後ろ姿を真面目な表情で見詰めていた。
ほのかの腕に揺れるお弁当のバッグ、冬真はそれが気になっていた。
その後、午後の授業になり、ほのかはずっと伝えるタイミングを逃していた。
【次のページめくってだって】
陽太はいつも通りメモでページ数を伝えたり、授業でほのかのサポートをしていた。
【いつもありがとう】
ほのかは自分のメモでそう書いて渡した。
そこでほのかは思いついた。
陽太だけでも先に友達になって欲しいとメモを渡せばいいだけだ。
早速メモに書こうとした時、陽太からメモを渡された。
【お世話係としてトーゼン!】
勿論それは嬉しいと思ったが、その『お世話係』の文字にどこか無機質で、機械的で、言い知れぬ寂しさを感じていた。
そして出しかけたメモはそのままポケットにしまい込んだ。
化学の時間、教室を移動し、ほのかは冬真と同じグループになった。
冬真はテキパキと先生が言った事が分かりやすいようにほのかのプリントに書き込みを加えてくれた。
いつも無表情に近い反面、優しいところもある冬真なら友達になってくれるだろうかとほのかは思案した。
【ありがとう】
冬真はチラとスケッチブックを見ると伏し目がちに言った。
「別に・・・・・・お世話係だからな」
『お世話係』その単語にほのかは浮かない顔をした。
分かっていた。
二人がいつも親切なのはお世話係だからであって、友達だからではない。
そしてそれが二人の重荷になっているんじゃないかとほのかは心配になった。
「どうした? 分からないところがあれば教えるけど」
【大丈夫】
ほのかは心配かけさせまいと笑ってみせた。
それからも、ほのかは話を切り出そうとするもとことんタイミングが合わず、放課後になってしまった。
「授業終わったー、月島さん帰ろっか」
陽太はいつもの様に一緒に帰ろうと声を掛けてくれた。
「そう言えば、月島さん、お昼何か話があったんじゃなかった?」
冬真が二人に近づきそう言った。
「ああ、そう言えば! ごめんごめん、話なら聞くからさ」
陽太がに明るく笑ってそう言うので、ほのかは今なら言い出せそうだと思った。
だが、そうは問屋が卸さなかった。
「おーい、春野、それからもう一人・・・・・・氷室でいいか、ちょっと職員室まで来てくれないか?」
二人を呼び出したのは担任の福島先生だった。
「ごめん、ちょっと行ってくる。多分すぐ戻ると思うけど」
「先生が面倒な事を頼んでこなければだろ? ごめん、行ってくる」
二人は口々にそう言い、ほのかは教室に取り残された。
また言い出す機会を失ってしまった。
一人ぽつんと教室で待っていると教室に愛華がやってきた。
「あれー、二人とも居ないんだ? せっかく一緒に帰ろうと思ったのになー」
愛華は一人取り残されたほのかを見て何かを思いついたのかニヤリと笑った。
「ねえ、月島さん! たまには女同士で一緒に帰らない?」
女同士で・・・・・・そんな友達っぽい響にほのかは心が揺れた。
【でも二人が戻ってきてなくて】
「あー、それならあたしから二人に連絡入れとくからさー」
愛華はスマホを取り出すとサクサクとメールを打ち始めた。
「はい、完了ー、さっ、行こ行こ!」
なかば強引に、ほのかは愛華に連れ出され教室を出た。
ほのかは愛華と二人で帰るのが初めてで少し緊張しつつも、今時の女子高生と帰るのはどんな感じになるのだろうかとソワソワしていた。
仲良くなれたらゲームセンターでプリクラを撮ったり、カフェで女子会的な事をするのだろうかと想像した。
ふと、愛華の方を見ると愛華と目が合った。
「ねえ、月島さんさー、ちょっと元気無い様に見えるけどどうかしたの?」
ほのかは悩んでいる事を顔に出さないようにしているつもりだったが、愛華にはあっさりと悟られてしまい驚いた。
やはり女性だから鋭いのだろうか等と考えた。
【大丈夫】
「えー、そうかなあ、あたしで良ければ相談乗るよ? あ、そこにカフェもあるしさー、行こ行こ!」
ほのかはまたも強引に愛華に連れられ、気がつくと憧れのカフェでカフェ・オ・レとパンケーキを食べていた。
「やーん、ふわっふわっで美味しい~」
愛華とほのかはフルーツと生クリームたっぷりのふわふわ生地のパンケーキに舌鼓を打っていた。
【これが伝説のパンケーキ!】
ほのかはいつぞやの部活探しの時にパンケーキを焦がし、失敗したのをずっと悔しく思っていた。
パンケーキをこんなにも美味しい物だとは思わずほのかは感動していた。
「あはは、伝説とかマジうけるー、なんの伝説よ」
愛華はケラケラと笑いながらスマホを弄り、コーヒーを飲んだ。
これが今時女子高生ライフというものだろうかとほのかはぼんやりと考えていた。
だが、すぐにほのかは今時女子高生ライフから現実に引き戻された。
「で? そろそろ何を悩んでいるのか聞きたいんだけど?」
ほのかは喉の奥にパンケーキを詰まらせそうになった。
ゆっくりと飲み込むと、ほのかは愛華に全てを打ち明けた。
「なるほどね、友達ねぇ・・・・・・」
そう言いつつも愛華は内心では、友達なんてガキ臭いと思っていた。
だが、それを利用しない手はないと考えていた。
「だったらさー、いっそのこと、お世話係やめてもらえば?」
【?】
ほのかには何故愛華がそう言うのかが分からなかった。
あの二人にお世話係をやめてもらうだなんて考えてもみなかった。
「だってさー、友達になりたいんでしょ? だったら、お世話とかそんな事させるの変でしょ?」
そう言われて、ほのかは一理あるような気がした。
ずっと心のどこかでモヤモヤを抱えていた。
二人は自分のせいで『お世話係』という肩書きを付けられて縛られている。
だったらそんな肩書きは取り払って解放すべきなのかもしれないと考えた。
「簡単よ、ちょっと勇気を出して、お世話係なんて要らないって言うだけなんだから。ね? 月島さん、頑張って?」
愛華はさもそれが正しいと思わせるようなにこやかな笑顔で言った。
【ありがとう! やってみる】
ほのかは早速明日そう話してみようと決心した。
「・・・・・・たーんじゅん」
愛華は口元を手で隠し、笑いを堪えながら呟いた。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
神を助けて異世界へ〜自重知らずの転生ライフ〜
MINAMI
ファンタジー
主人公は通り魔に刺されそうな女の子を助けた
「はじめまして、海神の息子様。私は地球神ティエラです。残念ながら貴方はなくなりました。」
「……や、知ってますけど…」
これは無駄死にした主人公が異世界転生してチートで無双するというテンプレな話です。
利己的な聖人候補~とりあえず異世界でワガママさせてもらいます
やまなぎ
ファンタジー
9/11 コミカライズ再スタート!
神様は私を殉教者と認め〝聖人〟にならないかと誘ってきた。
だけど、私はどうしても生きたかった。小幡初子(おばた・はつこ)22歳。
渋々OKした神様の嫌がらせか、なかなかヒドイ目に遭いながらも転生。
でも、そこにいた〝ワタシ〟は6歳児。しかも孤児。そして、そこは魔法のある不思議な世界。
ここで、どうやって生活するの!?
とりあえず村の人は優しいし、祖父の雑貨店が遺されたので何とか居場所は確保できたし、
どうやら、私をリクルートした神様から2つの不思議な力と魔法力も貰ったようだ。
これがあれば生き抜けるかもしれない。
ならば〝やりたい放題でワガママに生きる〟を目標に、新生活始めます!!
ーーーーーー
ちょっとアブナイ従者や人使いの荒い後見人など、多くの出会いを重ねながら、つい人の世話を焼いてしまう〝オバちゃん度〟高めの美少女の物語。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです
鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。
十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。
そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり──────
※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。
※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。
ヤンデレ幼馴染が帰ってきたので大人しく溺愛されます
下菊みこと
恋愛
私はブーゼ・ターフェルルンデ。侯爵令嬢。公爵令息で幼馴染、婚約者のベゼッセンハイト・ザンクトゥアーリウムにうっとおしいほど溺愛されています。ここ数年はハイトが留学に行ってくれていたのでやっと離れられて落ち着いていたのですが、とうとうハイトが帰ってきてしまいました。まあ、仕方がないので大人しく溺愛されておきます。
甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし旦那様は、冷酷陛下です!?)
夕立悠理
恋愛
伯爵令嬢ミレシアは、恐れ多すぎる婚約に震えていた。
父が結んできた婚約の相手は、なんと冷酷と謳われている隣国の皇帝陛下だったのだ。
何かやらかして、殺されてしまう未来しか見えない……。
不安に思いながらも、隣国へ嫁ぐミレシア。
そこで待っていたのは、麗しの冷酷皇帝陛下。
ぞっとするほど美しい顔で、彼はミレシアに言った。
「あなたをずっと待っていました」
「……え?」
「だって、下僕が主を待つのは当然でしょう?」
下僕。誰が、誰の。
「過去も未来も。永久に俺の主はあなただけ」
「!?!?!?!?!?!?」
そういって、本当にミレシアの前では冷酷どころか、甘すぎるふるまいをする皇帝ルクシナード。
果たして、ルクシナードがミレシアを溺愛する理由は――。
死を回避したい悪役令嬢は、ヒロインを破滅へと導く
miniko
恋愛
お茶会の参加中に魔獣に襲われたオフィーリアは前世を思い出し、自分が乙女ゲームの2番手悪役令嬢に転生してしまった事を悟った。
ゲームの結末によっては、断罪されて火あぶりの刑に処されてしまうかもしれない立場のキャラクターだ。
断罪を回避したい彼女は、攻略対象者である公爵令息との縁談を丁重に断ったのだが、何故か婚約する代わりに彼と友人になるはめに。
ゲームのキャラとは距離を取りたいのに、メインの悪役令嬢にも妙に懐かれてしまう。
更に、ヒロインや王子はなにかと因縁をつけてきて……。
平和的に悪役の座を降りたかっただけなのに、どうやらそれは無理みたいだ。
しかし、オフィーリアが人助けと自分の断罪回避の為に行っていた地道な根回しは、徐々に実を結び始める。
それがヒロインにとってのハッピーエンドを阻む結果になったとしても、仕方の無い事だよね?
だって本来、悪役って主役を邪魔するものでしょう?
※主人公以外の視点が入る事があります。主人公視点は一人称、他者視点は三人称で書いています。
※連載開始早々、タイトル変更しました。(なかなかピンと来ないので、また変わるかも……)
※感想欄は、ネタバレ有り/無しの分類を一切おこなっておりません。ご了承下さい。
元婚約者様の勘違い
希猫 ゆうみ
恋愛
ある日突然、婚約者の伯爵令息アーノルドから「浮気者」と罵られた伯爵令嬢カイラ。
そのまま罵詈雑言を浴びせられ婚約破棄されてしまう。
しかしアーノルドは酷い勘違いをしているのだ。
アーノルドが見たというホッブス伯爵とキスしていたのは別人。
カイラの双子の妹で数年前親戚である伯爵家の養子となったハリエットだった。
「知らない方がいらっしゃるなんて驚きよ」
「そんな変な男は忘れましょう」
一件落着かに思えたが元婚約者アーノルドは更なる言掛りをつけてくる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる