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お正月だよ全員集合!? if
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「今日は元旦ということで、特別に皆にインタビューしてくるよ。正月からこんな事やらされるなんて、ほんとやれやれだよ。じゃ早速あんたから」
そう言ってマイクを向けたの相手はこたつでおせちをパクついているほのかだった。
「・・・・・・あー、あんた、喋れなくなったんだっけ? じゃあマイク意味ないじゃん。僕もう帰っていいかな。ん、何、カンペ? 『読唇術が使えるからそのまま続行せよ』えー、めんどくさ。じゃあ早速だけど今年の抱負は?」
ほのかは栗きんとんを口に入れながらスケッチブックに【豆腐は揚げ出し豆腐にかぎる!】と書いた。
「何それ、ボケなの? 馬鹿なの? 確かに抱負と豆腐の発音は似てるけどさ。どんだけ食いしん坊なのさ。まあ・・・・・・あんたの振袖、似合ってるから許してやるけど。じゃ次、春野君だっけ?」
急に名前を呼ばれた陽太は庭で夏輝と餅つきをしているところだった。
「ん? 俺?」
「そうそう、時間無いからさっさと答えてよね。今年の抱負は?」
「抱負かぁー、抱負、抱負・・・・・・・・・・・・抱負って何だっけ?」
「・・・・・・何? ここは馬鹿ばっかなの? もういいや、次、隣のあんたは」
「俺か? そうだな・・・・・・取り敢えず不良や裏社会の人間に絡まれないようにする。だな!」
「・・・・・・あんたそれ鏡見て言ってる? その髪! そのピアス! そのジャラジャラしたネックレス! そんでもってその羽織り! 背中の金の龍の刺繍とか悪目立ちし過ぎだから! はい次!」
マイクを向けられたのは卓上コンロでおしるこを作っている時雨だった。
「ん、そうだねぇ、ほのかちゃんの健やかな成長を見守る為に、完璧な栄養コントロールと、日々の観察日記を付けて、それから安全を守る為に二十四時間の監視体制と・・・・・・」
「ちょっと、ちょっと、なにその危ない発言・・・・・・怖いんだけど。ここはまともな奴居ない訳? もう、次、次! えっと、露木先輩だっけ、今年の抱負お願いします」
書き初めをしていた翠は筆を置いて言った。
「はい、私は文字で人の心を動かせるような、そんな字を書きたいですね」
「お、今までで一番まともな答えが・・・・・・」
「文字には人の心が宿ると言います。また、心を文字で表す事で他の者の心も震わせる、それは時として・・・・・・(中略)・・・・・・数多くの名作はこうして・・・・・・」
「あの、それまだ続きますか? ちょっと高尚過ぎて僕には理解出来ないんですけど。尺が無いから次行きますんで、じゃ・・・・・・」
インタビューが終わった後も翠は一人で喋り続けていた。
「次はっと、氷室君か、今年の抱負をどうぞ」
冬真はこたつに入りながらテレビでお笑いを見ていた。
そのお笑い番組にくすりと笑う事なく淡々と見続け、マイクが向けられると冬真はチラリと視線だけ動かした。
「抱負ね・・・・・・、それ、何か意味ある?」
「え、ここに来て企画を根底から崩す発言!? 何かあるでしょ? 勉学に励むとかさ」
「はあ、学生なら勉学に励むのは当たり前な事。それを抱負にって、ふっ」
冬真は鼻で笑った。
「あ、もういいや、次はー、五十嵐さんね」
愛華は振袖姿をスマホで自撮りしまくっている所だった。
その写真はきっと加工してネットにあげる予定なのだろう。
「なにー、あたし? あたしは勿論世の中の男を虜にする事かな! あと、今落としたいのは三寒四温の二人でぇ、でもなかなか手強くって」
「ふーん、これは中々肉食系だね。でもそういうの、嫌いじゃないよ。ね、その世の中の男には僕も入ってる?」
「そうねえ・・・・・・、勿論ターゲットに入れてもいいわよ?」
愛華は目の前の少年を値踏みする様に見るとそう言った。
「でも、残念、ターゲットにするのは勝手だけど、僕はあんたに興味無いかな。さて、これで大体かな」
「ところで、君は誰なの?」
そう言ったのは時雨だった。
「そう言えば、この学校の制服じゃないし、その口もとだけ開いた狐のお面してるから顔を見えないし」
陽太の声に皆が一斉に謎の少年に注目した。
「あー、僕の事はどうでもいいでしょ? 時が来れば分かる事だし・・・・・・ね? さ、全員揃ったから最後に綺麗に締めてよね。せーの」
【『あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします!』】
そう言ってマイクを向けたの相手はこたつでおせちをパクついているほのかだった。
「・・・・・・あー、あんた、喋れなくなったんだっけ? じゃあマイク意味ないじゃん。僕もう帰っていいかな。ん、何、カンペ? 『読唇術が使えるからそのまま続行せよ』えー、めんどくさ。じゃあ早速だけど今年の抱負は?」
ほのかは栗きんとんを口に入れながらスケッチブックに【豆腐は揚げ出し豆腐にかぎる!】と書いた。
「何それ、ボケなの? 馬鹿なの? 確かに抱負と豆腐の発音は似てるけどさ。どんだけ食いしん坊なのさ。まあ・・・・・・あんたの振袖、似合ってるから許してやるけど。じゃ次、春野君だっけ?」
急に名前を呼ばれた陽太は庭で夏輝と餅つきをしているところだった。
「ん? 俺?」
「そうそう、時間無いからさっさと答えてよね。今年の抱負は?」
「抱負かぁー、抱負、抱負・・・・・・・・・・・・抱負って何だっけ?」
「・・・・・・何? ここは馬鹿ばっかなの? もういいや、次、隣のあんたは」
「俺か? そうだな・・・・・・取り敢えず不良や裏社会の人間に絡まれないようにする。だな!」
「・・・・・・あんたそれ鏡見て言ってる? その髪! そのピアス! そのジャラジャラしたネックレス! そんでもってその羽織り! 背中の金の龍の刺繍とか悪目立ちし過ぎだから! はい次!」
マイクを向けられたのは卓上コンロでおしるこを作っている時雨だった。
「ん、そうだねぇ、ほのかちゃんの健やかな成長を見守る為に、完璧な栄養コントロールと、日々の観察日記を付けて、それから安全を守る為に二十四時間の監視体制と・・・・・・」
「ちょっと、ちょっと、なにその危ない発言・・・・・・怖いんだけど。ここはまともな奴居ない訳? もう、次、次! えっと、露木先輩だっけ、今年の抱負お願いします」
書き初めをしていた翠は筆を置いて言った。
「はい、私は文字で人の心を動かせるような、そんな字を書きたいですね」
「お、今までで一番まともな答えが・・・・・・」
「文字には人の心が宿ると言います。また、心を文字で表す事で他の者の心も震わせる、それは時として・・・・・・(中略)・・・・・・数多くの名作はこうして・・・・・・」
「あの、それまだ続きますか? ちょっと高尚過ぎて僕には理解出来ないんですけど。尺が無いから次行きますんで、じゃ・・・・・・」
インタビューが終わった後も翠は一人で喋り続けていた。
「次はっと、氷室君か、今年の抱負をどうぞ」
冬真はこたつに入りながらテレビでお笑いを見ていた。
そのお笑い番組にくすりと笑う事なく淡々と見続け、マイクが向けられると冬真はチラリと視線だけ動かした。
「抱負ね・・・・・・、それ、何か意味ある?」
「え、ここに来て企画を根底から崩す発言!? 何かあるでしょ? 勉学に励むとかさ」
「はあ、学生なら勉学に励むのは当たり前な事。それを抱負にって、ふっ」
冬真は鼻で笑った。
「あ、もういいや、次はー、五十嵐さんね」
愛華は振袖姿をスマホで自撮りしまくっている所だった。
その写真はきっと加工してネットにあげる予定なのだろう。
「なにー、あたし? あたしは勿論世の中の男を虜にする事かな! あと、今落としたいのは三寒四温の二人でぇ、でもなかなか手強くって」
「ふーん、これは中々肉食系だね。でもそういうの、嫌いじゃないよ。ね、その世の中の男には僕も入ってる?」
「そうねえ・・・・・・、勿論ターゲットに入れてもいいわよ?」
愛華は目の前の少年を値踏みする様に見るとそう言った。
「でも、残念、ターゲットにするのは勝手だけど、僕はあんたに興味無いかな。さて、これで大体かな」
「ところで、君は誰なの?」
そう言ったのは時雨だった。
「そう言えば、この学校の制服じゃないし、その口もとだけ開いた狐のお面してるから顔を見えないし」
陽太の声に皆が一斉に謎の少年に注目した。
「あー、僕の事はどうでもいいでしょ? 時が来れば分かる事だし・・・・・・ね? さ、全員揃ったから最後に綺麗に締めてよね。せーの」
【『あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします!』】
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