だから明日もきっと笑ってる

saki

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人が嫌いになったわけ

大きな傷5

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逃げた先は保健室。

登校拒否だった子も何人かいて保健室で勉強をしていた。

その子たちもきっと“学校”というより“教室”に行きたくないからここにいるんだろう。だから私もここに逃げてきた。


逃げた時は耐えられなくて泣いて保健室の先生に慰めてもらった。


家に帰っても、明日も学校に行きたくないな……。

っと毎日思っていたから教室に行っていじめてくる四人に会うのが相当嫌だったんだと思う。


でも風邪も引いていないのに逃げ出したら担任の先生がやってくる。


「亜衣、どうしたんだ?なにかあったのか?」

授業が終わった後に担任の先生がすぐに保健室に来た。



○○くんと○○くんと○○ちゃんと○○ちゃんにいじめられているんです……。


はっきりそう言いたかったのに言えなかった。

いじめられている自分が認められなくて、いじめられている自分が普通の子じゃなくて人間としておかしいような気がして。

あったことをすぐに言いたいのに言えない。


されたことを思い出すと私はまた泣き出してしまった。

だけど、泣いてばかりでは話が進まないから私は少しだけ話す。



「嫌な事されたんです……」

これを言うので精一杯だった。


他の人にいじめられていることを知られたくなくて、先生には知られたくなかったからだ。

知られたら私は本当に情けないダメな人間になってしまう、っとどこかでそう思っていた。

しかし、先生に怒られるかと思いきや、返ってきた言葉は意外なものだった。


「オレがなんとかしてやるから全部話してみろ」

先生はそう言った。ただ言っただけではなく、向けてきた瞳は真剣なものだった。

四人にいじめられていることでずっと悩んでいた。
自分や友達ではこの状態を何ともできなくて何も変わらないままだった。
苦しくて、悲しくて、早くこの暗闇から抜け出したいと思っていた。

だから先生を信じて何を言われていたのか、何をされたのか話してみる。


そこまで答えられたけど、いじめられた相手を悪者にしたくなくて言えなかったことがあった。


「一体、誰にされたんだ?」

先生に聞かれたそれだ。
これからもいじめられないように自分をいじめてくる相手を無意識に庇ってしまう。

「ちゃんと答えてくれ。じゃないとオレもどうしてやることもできないんだから」

確かにそうだ。加害者が分からなければ何もできない。


もうどうにでもなれ。

そう思った私はいじめてきた四人の名前を声に出したくないけど先生に教える。



「あいつらか。……よく言えたな。オレから言っておくから亜衣は何も気にしないで教室に来いよ」

「はい……」

本当にどうかしてくれるんだろうか。

すぐに解決しそうもない問題なのに……。

この時にはもう人を信じるのが怖くなっていた。

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