39 / 40
第39話 2人の時間1
しおりを挟む
「ゆうまさん…もういいのよ。。」
「あっ…何言ってるんですか!大丈夫です!」
「もう一年もずっといてくれて、支えてくれて…」
病室で話すのは、はるかのご両親。
はるかの意思で絶縁だったけど、こうなった事はご両親にも伝わっていた。
はるかが入院した次の日に病室で久しぶりにお会いして話しをしていた。
ゆうまの人柄ではるかのご両親には信頼を得ていたから特に問題はなかった。
あれから変わらずにずっと生活をしていたこと。
こうなってしまったこと。
けいすけとの事は話さなかったけど…色々話した。
…
「僕は、はるかが目を覚ますまで側にいますので!!」
「お医者さんの話だと目を覚ますこともあるって…だから」
「…ゆうまさん、これまでも色々とありがとうね」
「…なんでこうなっちゃったのかな…あの子がこんな事に…」
涙しているご両親。
それを見て「なんでこうなっちゃったのかな」という言葉を聞いて複雑になった…
口にはしなかったけど…
色々あった。
そして、こうなった。
僕のせいだ。
そう思ってしまう。
あのけいすけの時、もっとちゃんと話してたら動いてたら…
こうはなっていなかったのかもしれないって…
それ以外もそう…もっとちゃんと話をしていたら…
「でも…きっとあの子は幸せだったと思います」
「ゆうまさんと出会い付き合った事で変わったの感じていたし、なにより素で笑う事が増えていたと思いますから…」
「…はい」
「だから私達も諦めないので…ね」
…
「あの子はずっと幸せだったと思うから…」
「何言ってるんですか!!きっと大丈夫です!」
スッ
ギュ…
「なぁはるか、大丈夫だからな」
「はるか!…大丈夫だから…」
横に変わらず眠るはるかの細くなった手を握って大きな声をあげた。
うぅ…あぁ………
それを見て啜り泣くお母さんの声が聞こえた。
「…」
泣くのを堪えた。
心が折れそうになるのを堪えた。
「はるか、僕がいるからね」
ギュギュ
強く強くこれまで握った事がないくらい強く。
そして、大きく。
「僕がいるからね!」
「はるかの事ずっと大好きだよ」
願いも込め強く声を出した。
「だから…だから…」
…
…ギュ
「…えっ」
ギュ…
「…はるか、、、」
ギュ
…気のせいではない。
少し手を握り返された。
「はるか!」
反応はない…でも確かに…
はるかの手が動いた。
手を握り返された。
「はるか!はるか!」
ギュウ…
スッ……
間違いじゃなく、はるかの目尻から涙が溢れた。
「はるか!はるか!!!」
「僕だよ!わかる!!?」
…スッ……
「………ゆうま」
「…………私も大好きだよ」
------------------------
お読みくださいましてありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
ぜひお気に入り登録、評価などをしていただけたら今後の参考と活力にさせていただきます!
次回で最終回となりますので、更新までしばらくお待ちくださいませ。
「あっ…何言ってるんですか!大丈夫です!」
「もう一年もずっといてくれて、支えてくれて…」
病室で話すのは、はるかのご両親。
はるかの意思で絶縁だったけど、こうなった事はご両親にも伝わっていた。
はるかが入院した次の日に病室で久しぶりにお会いして話しをしていた。
ゆうまの人柄ではるかのご両親には信頼を得ていたから特に問題はなかった。
あれから変わらずにずっと生活をしていたこと。
こうなってしまったこと。
けいすけとの事は話さなかったけど…色々話した。
…
「僕は、はるかが目を覚ますまで側にいますので!!」
「お医者さんの話だと目を覚ますこともあるって…だから」
「…ゆうまさん、これまでも色々とありがとうね」
「…なんでこうなっちゃったのかな…あの子がこんな事に…」
涙しているご両親。
それを見て「なんでこうなっちゃったのかな」という言葉を聞いて複雑になった…
口にはしなかったけど…
色々あった。
そして、こうなった。
僕のせいだ。
そう思ってしまう。
あのけいすけの時、もっとちゃんと話してたら動いてたら…
こうはなっていなかったのかもしれないって…
それ以外もそう…もっとちゃんと話をしていたら…
「でも…きっとあの子は幸せだったと思います」
「ゆうまさんと出会い付き合った事で変わったの感じていたし、なにより素で笑う事が増えていたと思いますから…」
「…はい」
「だから私達も諦めないので…ね」
…
「あの子はずっと幸せだったと思うから…」
「何言ってるんですか!!きっと大丈夫です!」
スッ
ギュ…
「なぁはるか、大丈夫だからな」
「はるか!…大丈夫だから…」
横に変わらず眠るはるかの細くなった手を握って大きな声をあげた。
うぅ…あぁ………
それを見て啜り泣くお母さんの声が聞こえた。
「…」
泣くのを堪えた。
心が折れそうになるのを堪えた。
「はるか、僕がいるからね」
ギュギュ
強く強くこれまで握った事がないくらい強く。
そして、大きく。
「僕がいるからね!」
「はるかの事ずっと大好きだよ」
願いも込め強く声を出した。
「だから…だから…」
…
…ギュ
「…えっ」
ギュ…
「…はるか、、、」
ギュ
…気のせいではない。
少し手を握り返された。
「はるか!」
反応はない…でも確かに…
はるかの手が動いた。
手を握り返された。
「はるか!はるか!」
ギュウ…
スッ……
間違いじゃなく、はるかの目尻から涙が溢れた。
「はるか!はるか!!!」
「僕だよ!わかる!!?」
…スッ……
「………ゆうま」
「…………私も大好きだよ」
------------------------
お読みくださいましてありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
ぜひお気に入り登録、評価などをしていただけたら今後の参考と活力にさせていただきます!
次回で最終回となりますので、更新までしばらくお待ちくださいませ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
亡くなった王太子妃
沙耶
恋愛
王妃の茶会で毒を盛られてしまった王太子妃。
侍女の証言、王太子妃の親友、溺愛していた妹。
王太子妃を愛していた王太子が、全てを気付いた時にはもう遅かった。
なぜなら彼女は死んでしまったのだから。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる