【短編集】霊感のない僕が体験した奇妙で怖い話

初めての書き出し小説風

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第9話 夜の病院

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病院に入院した経験はありますか?
僕は小学生の頃に交通事故にあい3ヶ月間入院してた経験があります。
大人になってみると夜の病院はなんともないですが、子供の頃ってすごい恐怖ですよね。これはその恐怖とアレは…と感じたお話。

--------------
「…なんかめっちゃ怖いんだけど。。」

「誰もいないしすごい静かなのが余計に怖いな…」

当時小学3年生の僕が入院した先の大部屋で一緒になったのは2歳年上の男の子「けんた」。
部屋にはこの僕らしかいなくて、長い入院生活の中で仲良くなりたくさん話したり、お互いが持っているゲームを交換して夜遅くまで遊ぶ仲に。


今日もいつものようにゲームしながら遊んでいるとけんたが
「ごめん、めっちゃトイレ行きたいんだけど…一緒に行かない?」

「えぇ~…」
夜の病院は怖いから消灯する前にトイレ行くように言われてたし、なにより足を骨折しているから車椅子で移動しないといけない。

「ごめんごめん、でもお願い」
けんたが申し訳なさそうな顔をしながらも、もう漏れそうな感じで言ってきた。

「もう、、しょうがないなぁ」
「車椅子乗るからちょっと待って」

嫌がりながらも用意する。


トイレまで距離にして15メーターもないくらいのところにある。

「準備できたよ」

「ありがとう~じゃあ行こう」
ゆっくりと部屋の扉を開く。

スゥー

横に開いた扉の先には暗い廊下。
所々にある非常ベルの赤色や、非常口の緑色が光っていて、より不気味さをかもし出している。

ごくり…
僕らはお互いに唾を飲み込んだのがわかった

「…なんかいつも見てるところを違うな、、」
そう言うけんたに

「…だね、、めっちゃ怖い」
初めて感じた夜の病院は、とても静かで冷んやり。
それで、真っ暗ではないものの、歩きたくないと感じた。

「…い、行くぞ」

「…うん」
もはやおしっこどころではない僕だったが、けんたに付いていく。

きゅる、きゅる
ゆっくりと車椅子を手で漕ぎ進む。

けんたも1歩、2歩と進む。





「ふぅ、無事に着いたな」

「…はぁ、、、だね」
いつも使っているトイレが今回すごい長くて、まるでジャングルを冒険したくらいの疲労感。

「もう、はやくして戻ろ」
と、けんたに声をかけた。

「うん、ちょっと待ってて」

しゃー・・・・

無事におしっこが出来たけんたはスッキリしていた。

「ありがとうね。さっ戻ろう」

「うん…」


先ほど来た道を戻る。

ふぅ、めっちゃ怖かった。
トイレに行けたことで達成感とすでに来た道がゆえに安心があった。

きゅる、きゅる
僕らの部屋が近く。

きゅる、きゅる

きゅる、きゅる


と、背後から

…コツ…コツ


微かに聞こえた。

「…えっ」
その場に立ち止まる僕ら。
「…」
怖くて後ろを振り向けない。
けんたも正面を見たまま固まっている。

…コツコツ
確かに音がして近づいてる。

「…」
「…」
2人とも声がだせない。

コツコツ

真後ろから聞こえる。



「コラっ!」
いきなり声が背後からした。

「!!!!」

びっくりした僕ら。
けんたは、その勢いで部屋までダッシュし、僕は車椅子から落ちて動けない。

「…あっやばい」
そう思った。

すると。
「あんた達こんな時間に何してるの~!」

「えっ…」
僕が振り返ると、夜間の看護師さんがいた。
いつも見ている看護師さんがそこにいて僕は安堵から泣いてしまった。

「ごめんなぁ~い、、トイレに行ってただけなの~」
泣きながら伝える。

「あっそうなのね。こんな時間に行くなんてだめでしょ~」
「いつも消灯する前にトイレは済ませなさいって言ってるのに」

「ごめんなさ~い。だってけんたが~」
その場からいなくなったけんたの名前を出しながらも車椅子に乗せてもらった。

「もう泣かないの。さぁ部屋に戻るよ」
と看護師さんに車椅子を押してもらった。

きゅる、きゅる
すた、すた

部屋に着くと布団で寝たフリをしているけんたがいた。
「…」
と思いながらも看護師さんに布団に運んでもらった。

「もうこんな時間なんだから早く寝るんだよ。約束ね」
そう言う看護師さんは車椅子を端に寄せ、部屋を出る。

すたすた、すたすた

ふぅ、疲れた。
けんたはひどいやつだと思いながらも静かに寝ることにした。



冷静になった布団でふと思った。
あの看護師さん、靴は白いナースシューズを履いていた。
「…」
部屋に送ってもらった時も足音は
すた、すた

部屋を出る時も
すたすた、すたすた


でも、僕らが聞いた音は

…コツ…コツ

…あの足音って。。。


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