5 / 5
第5話 お金の価値
しおりを挟む王城を出たアリトは悩んでいた。
「目的地には着いたけどこれからどうしよう……」
「とりあえず王都を散策するか~」
スタスタスタ....
王都をぶらつくと気になったのは街の様子。
「飲食店や服屋が並ぶ見慣れた景色だが…武器、防具屋がある」
「ファンタジーだなぁ~んっ?あれは……」
「お前ら!木材を運ぶぞー!」
「へい!親分!」
目に入ったのは家を建てている大工。
機械などは見当たらず、人力で木材を運んでいる様子だ。
(ダイエットならジムに通うより効果ありそうだな…)
スタスタスタ....
「ん!??」
いきなりキツい臭いがした。
「クサッ!!」
「敵襲か…?」
「なんだ兄ちゃん貴族の出かい?」
「冗談は顔だけにしてくれ、おっちゃん」
「飲食店…じゃないよな?」
「ここは質屋だ、俺は店長のリュー」
「アリトだ」
「質屋は何をする所なんだ?」
「討伐した魔物を買い取って解体する」
「皮は衣類や防具に、肉は食用になるんだ」
「鼻の曲がる様なニオイが心配だな」
「それは平気だ、ある程度の加工をすればニオイは無くなる」
「死骸は適切な処理で不思議と綺麗さっぱりさ」
「曖昧な言い方だな?」
「何故そうなるかは加工を生業にしてる連中も分からないらしい」
(手を加えるとアイテム化してるって具合か)
「あっ……おっちゃん、魔物買い取ってくれよ」
「おう!構わないぜ」
…
アリトが辿り着いたのは王都の入り口近くにある質屋。
店長のリューと会話を弾ませていたのだがある事を思い出す。
それは討伐した魔物が何らかの方法で武器に保管されていた事だ。
店内でリューの言う通り、受け皿に武器をかざすと討伐した魔物が出てきた。
だが受け皿にあふれ出るほどの数に驚く従業員。
そそくさと店の外に出されて、少し待つとリューが呆れた顔で店の中から現れた。
「買取金額が15万ルフェンだ…」
「15万ルフェンってどのくらいの価値があるんだ?」
「誰かさんが一度に675体も持ってくるから今日は大忙しだ」
「悪いが他を当たってくれ、捌くのに俺も手伝わないといけねぇからな」
「すいません……自分で解決するよ…」
「金額の内訳はこの紙に書いてあるから、ほら」
「また今度な」
「今度からは気を付けます!」
「待て!」
「あの切り口を見るにアリト…只者じゃねぇな?」
「……」
「お前うちで働かねぇか?」
------------------------
お読みくださいましてありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
ぜひお気に入り登録、評価などをしていただけたら今後の参考と活力にさせていただきます!
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】空飛ぶハンカチ!!-転生したらモモンガだった。赤い中折れ帽を被り、飛膜を広げ異世界を滑空する!-
ジェルミ
ファンタジー
俺はどうやら間違いで死んだらしい。
女神の謝罪を受け異世界へ転生した俺は、無双とスキル習得率UPと成長速度向上の能力を授かった。
そしてもう一度、新しい人生を歩むはずだったのに…。
まさかモモンガなんて…。
まあ確かに人族に生まれたいとは言わなかったけど…。
普通、転生と言えば人族だと思うでしょう?
でも女神が授けたスキルは最強だった。
リスサイズのモモンガは、赤で統一された中折れ帽とマント。
帽子の横には白い羽を付け、黒いブーツを履き腰にはレイピア。
神獣モモンガが異世界を駆け巡る。
物語はまったり、のんびりと進みます。
※カクヨム様にも掲載しております。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

黒豚辺境伯令息の婚約者
ツノゼミ
ファンタジー
デイビッド・デュロックは自他ともに認める醜男。
ついたあだ名は“黒豚”で、王都中の貴族子女に嫌われていた。
そんな彼がある日しぶしぶ参加した夜会にて、王族の理不尽な断崖劇に巻き込まれ、ひとりの令嬢と婚約することになってしまう。
始めは同情から保護するだけのつもりが、いつの間にか令嬢にも慕われ始め…
ゆるゆるなファンタジー設定のお話を書きました。
誤字脱字お許しください。

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。
みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。

ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる