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第3章
9.帰る場所、それは君の隣
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カトライア城に戻ると、ユキの姿を見つけた城の者たちが一斉に駆け寄ってきた。
たった一日とはいえ、王妃が誘拐されたと聞いた人々は皆心配していた。口々におかえりなさい、と声をかけてくれる皆に、ユキは嬉しそうに礼を言って歩いた。
夕餉の時間になっても、今度は調理場の者たちに囲まれて無事を喜び合っていた。ユキからしてみれば、普段話すことの少ない人たちからも話しかけられて、嬉しくて仕方無いのだろう。
この城での生活に慣れてきたとはいえ、生まれ育ったノース城から初めて離れ、ふと寂しそうな表情をするユキを何度か目にしたことがある。故郷を離れる寂しさはソウにも分からないし、他の何かで埋めることもできない。しかし今回の一件で、カトライアももう一つの帰る場所なのだとユキに思ってもらうことができたようだ。
「ただいまぁ。あれ? ソウ、まだ起きてたの?」
「当たり前やん。お姫様がいつまで経っても帰ってきいひんから、待ちくたびれたわぁ」
湯浴みを済ませてさっさと部屋に戻ってきたソウに対して、ユキはまた城の誰かに捕まって話をしていたらしい。嬉しそうにそれを報告してくれるけれど、それを遮って強引に口づけた。
「んうっ……! ちょ、ちょっと、まだ話の途中っ」
「うん、それは明日聞くから。今日はもういい加減、ボクだけのユキちゃんになってや」
「な、なにそれ?」
頬を赤らめながら、ユキがおかしそうに笑う。その頬を優しく撫でると、気持ち良さそうに目を閉じた。
昨夜は、ユキの無事が確認できたとはいえ冷たいベッドで一人寂しく眠った。一人で眠るのは久しぶりで、こんなにも物足りないものだったかとユキの存在の大きさを改めて感じたのだ。
「昨日も、今日も……なんやユキちゃんが遠くに行ってもうたみたいやったわ」
「そんな遠くには行ってないじゃない」
「そういう意味やのうて……ああもう、ええわ。ボクのことしか考えられへんようにしたらええだけやな」
「えっ? っあ、そ、ソウっ……!?」
頬を撫でていた手を移動させて、夜着の上からやわやわと胸を触るとユキが焦って声を上げた。
それを無視して、頬や首筋、そして唇に口付けを落とす。それだけで甘い声をあげるユキに、ソウは満足気に笑みを深めた。
「昨夜は、一人で寝たん?」
「んんっ……! あ、当たり前、でしょ……っ、レイさんが、客間を用意してくれて……あ、やんっ!」
「他の男の名前出さんといて」
「だ、だって、ソウが聞いたんじゃない!」
「ほんまに、あいつに何もされてへん? あの手の男は真面目そうな顔して変態やからな」
「な、そんなわけないでしょっ……!」
「……それも腹立つわ。ユキちゃん、やけにあいつの肩持つし」
胸を弄りながら話していると、だんだんとユキの息が荒くなってくる。
そっけない返事をしながらも、今日は本気で抵抗してこない。どうやら、ユキはユキで寂しかったようだ。
「はぁ、もうっ……そこばっかりっ……!」
「どないしたん? ああ、こっちも……触ってほしいん?」
夜着の中に手を入れて、胸の先端ばかりを執拗に弄っていると、焦れたようにユキが声をあげる。
左手はそのまま胸を弄り続けて、右手をユキの閉じた脚の間に差し込むと、微かに閉じた脚の力が緩むのが分かった。そして下着の上から大事な場所に触れると、ユキの身体がびくりと跳ねた。
「ああっ!」
「……ユキちゃん、今日は素直やな。ここ、気持ちいいん?」
「し、知らなっ……! は、はぁっ……やぁんっ!」
「すご……ほら、ここ膨らんでるん、下着の上からでも分かるで? 触ってほしいみたいやね」
「ふああっ! あ、だめっ、それぇっ……!」
「……なぁ、ここ触ったん、ボクだけ? ユキちゃんのそのいやらしい声聞いたんも、ボクだけやんな?」
敏感な場所を攻められて、ユキにはソウの問いに答える余裕がない。ただただソウの体にしがみついて声を上げるユキの耳元で、ソウが囁き続ける。
「ほら……もうここ、ぬるぬるやで? こないいやらしいユキちゃん見たことあるん、ボクだけやろ?」
「はぁ、やだぁっ……!」
「嫌なん? でもほら、ユキちゃんのここ、簡単にボクの指飲み込んでまうんやけど……なんで?」
「あ、ああっ……! あ、やだ、音出さないでぇっ!」
「けど、くちゅくちゅ音さしてるんはユキちゃんやで? ほら……ユキちゃんがボクとこうやってセックスしてるん、城の皆も……『レイさん』も、みんな知ってんで?」
「へっ……!?」
「そらそうやろ。結婚して、思い合ってたらセックスするもんやし」
「や、やだっ! そういうこと、いわないでぇっ……!」
ソウの言葉に、ユキが今にも泣きだしそうな声を上げる。その間もずっと体内で指を動かしているせいで、既に息も絶え絶えだ。そんなユキの反応を見て楽しんでいるソウの息もまた、荒くなってくる。
ユキをベッドに横たえて、さらに指の動きを速めた。
「はあぁっ……! あ、ああっ!」
「けど……みんなは、知らんやろねぇ? ユキちゃんが、ちょっと弄っただけでこない濡らしてまうえっちな子やって」
「ち、ちがっ……! ああんっ!」
「ああ、それから……ここ触ったらすぐいってまうんも、ボクしか知らんなぁ」
「あ、や、やだっ! あ、いっ……!」
右手の指で中をかき回しながら、左手で敏感な突起を擦りあげるとユキは簡単に達した。身を縮ませて快感をやりすごしているユキを見て、ソウが笑う。そしてまだ息も整わないうちに、中に入れた指を再び動かした。
「ああっ! や、そうっ、だめぇっ!」
「……ユキちゃん。今日はちょっと頑張って、『初体験』してみよか?」
「は……っ?」
「たぶん、ユキちゃんできると思うし。いつもと違う感じしたら教えてな」
そう言って、中に入れた人差し指と中指を、何かを探るように動かし始める。指の付け根まで入れてみたり、向きを変えてみたり、その度にぐちゅぐちゅと淫靡な水音が聞こえる。ユキはといえば、ソウの言葉の意味も分からないままただ喘ぐことしかできない。
そしてソウが指を曲げてある部分を擦ると、ユキが甲高い声をあげて体を震わせた。
「んんぅっ!」
「やっぱ、ここかな。ユキちゃん、ここ擦るとどんな感じ?」
「あ、あ、ああっ……! だ、だめ、なんかっ……!」
違和感はあっても、それをうまく言葉にできないらしい。わずかに抵抗しながら、ユキは未知の感覚を受け入れている。
そのうち、ぴちゃぴちゃと水音が大きくなってきて、ユキは慌ててソウを止めた。
「だ、だめっ、ソウっ! それ、あのっ……!」
「駄目なん? ほら、どんな感じか言うてみ?」
「あ、だめ、なのっ……! そ、の……っ、なんかっ……!」
言いよどむユキに、ソウはにやりと口角を上げる。
前々から、ここを触るとユキがやけに嫌がるのには気付いていた。しかし、まだ経験の浅いユキのことを思って止めていたのだ。
指を動かしながらユキの表情を窺うと、戸惑いと羞恥が入り混じった顔をしていた。その表情に、ソウの中の加虐心が煽られる。
「なんや……出てまいそう?」
「っ……!?」
意地の悪い笑みを浮かべながらユキの耳元でそう囁くと、ユキの身体が固まるのが分かった。当たりだ。
そのまま再び指を動かすと、今度はユキが体をじたばたさせて抵抗する。
「やだっ、やだぁっ! ソウ、それやだぁっ!」
「大丈夫やから。ほら、大人しくしい」
「んああっ! だめ、だってっ……! そ、それ、したらっ……でちゃうぅっ……!」
悲痛な声で叫んで、とうとうユキが泣きだしてしまった。よっぽど恥ずかしいらしい。
しかし、ここまで来たらソウも止める気はない。脚を大きく開かせて、さらに激しく一点を攻める。
「やだっ、やだぁっ!! そう、やだっ、でちゃ、でちゃうのっ! こわいぃっ……!」
「うん、出してええよ。ボクがちゃんと見とくから」
「ひっ……! や、だぁっ、みちゃ、だめっ……! ほんとに、でちゃうっ……んんんんっ!」
「ほら、もう我慢できひんやろ? 楽にしい、気持ちようなるから」
「ふああっ! あ、で、るっ……でちゃ、でちゃうっ、そうっ、でちゃうよぉっ……! ああああっ!!」
一際大きく啼いたかと思うと、ユキの陰部からぷしゃっと液体が噴出される。ソウが指を動かすたびにそれは続いて、その都度ユキの身体がびくびくと波打った。
そしてようやく止んだかと思うと、ユキが両手で顔を覆って本格的に泣き出してしまった。それを見て、今度はソウの方が慌てふためく。
「ゆ、ユキちゃん!? なんで泣いてるん? そない嫌やったん?」
「ひっ、だっ、だってっ……! わたし、こんな、ソウの前でっ……!」
「……もしかしてユキちゃん、お漏らしした思うてる?」
恐る恐るそう尋ねると、ユキがきょとんとした顔で答えた。
「ち、違うの……?」
「お漏らしと違うよ。ちょっと似てるけど、潮吹き言うんやで」
「し、お……?」
「うん。気持ちよすぎるとな、女の子のここから出てまうねん。潮吹きする子としいひん子がおるんやけど、ユキちゃんはする子やったんやねぇ」
そう言ってソウは嬉々としてユキの頭を撫でる。もしかすると普通に粗相をするより恥ずかしいことをしてしまったのではないかと、頭を撫でられながらユキは思った。
ひとまず安堵して息をつくと、ユキの上にソウが覆いかぶさってきた。
「そ、ソウ?」
「ユキちゃんがあない乱れるとこ見たら、いつもより興奮してもうた。責任とって?」
「はっ……!? そんな、わたしもう無理っ……!」
「無理とちゃうよ、ほらっ……!」
「あああっ!」
つい先程まで散々弄って濡らした場所に、怒張したものを押し込んだ。意外とすんなり受け入れられたことに喜びを感じて、それでもやはり圧迫感に顔を歪めるユキを抱きしめた。
「はぁ……っ、ごめんな、いきなり入れて」
「ほ、ほんとにねっ……! あ、ま、まだ動かないでっ」
「うん。動かんでも、ユキちゃんの中勝手に動いてるから気持ちいいわ……」
そう言って、ぎゅっとユキの身体を強く抱きしめる。両腕にすっぽりと入ってしまうその小さな体が、たまらなく愛おしかった。
しばらくそのままでユキの顔のあちこちにキスを落としていると、緊張で強張っていたユキの身体から力が抜けてくる。窺うように一度ゆっくりと腰を打ち付けても、ユキは何も言わなかった。ということは、もう動いていいということだ。
ソウに対してだけ、ユキはやけに強気な面を見せる。素直になるのを恥ずかしがって、こうして何度も抱いているが「気持ちいい」と自分から言ったことがない。
でも、それでいい。そんなユキを好きになったのだから。
口には出さなくても、力いっぱいソウを抱きしめて快感を受け入れているユキを見れば分かる。
自分もまた、ユキに愛されている。自惚れではなく、本当にそう思える。
今まで感じたことのないほどの幸福感の中、ただひたすらユキを求め続けた。
たった一日とはいえ、王妃が誘拐されたと聞いた人々は皆心配していた。口々におかえりなさい、と声をかけてくれる皆に、ユキは嬉しそうに礼を言って歩いた。
夕餉の時間になっても、今度は調理場の者たちに囲まれて無事を喜び合っていた。ユキからしてみれば、普段話すことの少ない人たちからも話しかけられて、嬉しくて仕方無いのだろう。
この城での生活に慣れてきたとはいえ、生まれ育ったノース城から初めて離れ、ふと寂しそうな表情をするユキを何度か目にしたことがある。故郷を離れる寂しさはソウにも分からないし、他の何かで埋めることもできない。しかし今回の一件で、カトライアももう一つの帰る場所なのだとユキに思ってもらうことができたようだ。
「ただいまぁ。あれ? ソウ、まだ起きてたの?」
「当たり前やん。お姫様がいつまで経っても帰ってきいひんから、待ちくたびれたわぁ」
湯浴みを済ませてさっさと部屋に戻ってきたソウに対して、ユキはまた城の誰かに捕まって話をしていたらしい。嬉しそうにそれを報告してくれるけれど、それを遮って強引に口づけた。
「んうっ……! ちょ、ちょっと、まだ話の途中っ」
「うん、それは明日聞くから。今日はもういい加減、ボクだけのユキちゃんになってや」
「な、なにそれ?」
頬を赤らめながら、ユキがおかしそうに笑う。その頬を優しく撫でると、気持ち良さそうに目を閉じた。
昨夜は、ユキの無事が確認できたとはいえ冷たいベッドで一人寂しく眠った。一人で眠るのは久しぶりで、こんなにも物足りないものだったかとユキの存在の大きさを改めて感じたのだ。
「昨日も、今日も……なんやユキちゃんが遠くに行ってもうたみたいやったわ」
「そんな遠くには行ってないじゃない」
「そういう意味やのうて……ああもう、ええわ。ボクのことしか考えられへんようにしたらええだけやな」
「えっ? っあ、そ、ソウっ……!?」
頬を撫でていた手を移動させて、夜着の上からやわやわと胸を触るとユキが焦って声を上げた。
それを無視して、頬や首筋、そして唇に口付けを落とす。それだけで甘い声をあげるユキに、ソウは満足気に笑みを深めた。
「昨夜は、一人で寝たん?」
「んんっ……! あ、当たり前、でしょ……っ、レイさんが、客間を用意してくれて……あ、やんっ!」
「他の男の名前出さんといて」
「だ、だって、ソウが聞いたんじゃない!」
「ほんまに、あいつに何もされてへん? あの手の男は真面目そうな顔して変態やからな」
「な、そんなわけないでしょっ……!」
「……それも腹立つわ。ユキちゃん、やけにあいつの肩持つし」
胸を弄りながら話していると、だんだんとユキの息が荒くなってくる。
そっけない返事をしながらも、今日は本気で抵抗してこない。どうやら、ユキはユキで寂しかったようだ。
「はぁ、もうっ……そこばっかりっ……!」
「どないしたん? ああ、こっちも……触ってほしいん?」
夜着の中に手を入れて、胸の先端ばかりを執拗に弄っていると、焦れたようにユキが声をあげる。
左手はそのまま胸を弄り続けて、右手をユキの閉じた脚の間に差し込むと、微かに閉じた脚の力が緩むのが分かった。そして下着の上から大事な場所に触れると、ユキの身体がびくりと跳ねた。
「ああっ!」
「……ユキちゃん、今日は素直やな。ここ、気持ちいいん?」
「し、知らなっ……! は、はぁっ……やぁんっ!」
「すご……ほら、ここ膨らんでるん、下着の上からでも分かるで? 触ってほしいみたいやね」
「ふああっ! あ、だめっ、それぇっ……!」
「……なぁ、ここ触ったん、ボクだけ? ユキちゃんのそのいやらしい声聞いたんも、ボクだけやんな?」
敏感な場所を攻められて、ユキにはソウの問いに答える余裕がない。ただただソウの体にしがみついて声を上げるユキの耳元で、ソウが囁き続ける。
「ほら……もうここ、ぬるぬるやで? こないいやらしいユキちゃん見たことあるん、ボクだけやろ?」
「はぁ、やだぁっ……!」
「嫌なん? でもほら、ユキちゃんのここ、簡単にボクの指飲み込んでまうんやけど……なんで?」
「あ、ああっ……! あ、やだ、音出さないでぇっ!」
「けど、くちゅくちゅ音さしてるんはユキちゃんやで? ほら……ユキちゃんがボクとこうやってセックスしてるん、城の皆も……『レイさん』も、みんな知ってんで?」
「へっ……!?」
「そらそうやろ。結婚して、思い合ってたらセックスするもんやし」
「や、やだっ! そういうこと、いわないでぇっ……!」
ソウの言葉に、ユキが今にも泣きだしそうな声を上げる。その間もずっと体内で指を動かしているせいで、既に息も絶え絶えだ。そんなユキの反応を見て楽しんでいるソウの息もまた、荒くなってくる。
ユキをベッドに横たえて、さらに指の動きを速めた。
「はあぁっ……! あ、ああっ!」
「けど……みんなは、知らんやろねぇ? ユキちゃんが、ちょっと弄っただけでこない濡らしてまうえっちな子やって」
「ち、ちがっ……! ああんっ!」
「ああ、それから……ここ触ったらすぐいってまうんも、ボクしか知らんなぁ」
「あ、や、やだっ! あ、いっ……!」
右手の指で中をかき回しながら、左手で敏感な突起を擦りあげるとユキは簡単に達した。身を縮ませて快感をやりすごしているユキを見て、ソウが笑う。そしてまだ息も整わないうちに、中に入れた指を再び動かした。
「ああっ! や、そうっ、だめぇっ!」
「……ユキちゃん。今日はちょっと頑張って、『初体験』してみよか?」
「は……っ?」
「たぶん、ユキちゃんできると思うし。いつもと違う感じしたら教えてな」
そう言って、中に入れた人差し指と中指を、何かを探るように動かし始める。指の付け根まで入れてみたり、向きを変えてみたり、その度にぐちゅぐちゅと淫靡な水音が聞こえる。ユキはといえば、ソウの言葉の意味も分からないままただ喘ぐことしかできない。
そしてソウが指を曲げてある部分を擦ると、ユキが甲高い声をあげて体を震わせた。
「んんぅっ!」
「やっぱ、ここかな。ユキちゃん、ここ擦るとどんな感じ?」
「あ、あ、ああっ……! だ、だめ、なんかっ……!」
違和感はあっても、それをうまく言葉にできないらしい。わずかに抵抗しながら、ユキは未知の感覚を受け入れている。
そのうち、ぴちゃぴちゃと水音が大きくなってきて、ユキは慌ててソウを止めた。
「だ、だめっ、ソウっ! それ、あのっ……!」
「駄目なん? ほら、どんな感じか言うてみ?」
「あ、だめ、なのっ……! そ、の……っ、なんかっ……!」
言いよどむユキに、ソウはにやりと口角を上げる。
前々から、ここを触るとユキがやけに嫌がるのには気付いていた。しかし、まだ経験の浅いユキのことを思って止めていたのだ。
指を動かしながらユキの表情を窺うと、戸惑いと羞恥が入り混じった顔をしていた。その表情に、ソウの中の加虐心が煽られる。
「なんや……出てまいそう?」
「っ……!?」
意地の悪い笑みを浮かべながらユキの耳元でそう囁くと、ユキの身体が固まるのが分かった。当たりだ。
そのまま再び指を動かすと、今度はユキが体をじたばたさせて抵抗する。
「やだっ、やだぁっ! ソウ、それやだぁっ!」
「大丈夫やから。ほら、大人しくしい」
「んああっ! だめ、だってっ……! そ、それ、したらっ……でちゃうぅっ……!」
悲痛な声で叫んで、とうとうユキが泣きだしてしまった。よっぽど恥ずかしいらしい。
しかし、ここまで来たらソウも止める気はない。脚を大きく開かせて、さらに激しく一点を攻める。
「やだっ、やだぁっ!! そう、やだっ、でちゃ、でちゃうのっ! こわいぃっ……!」
「うん、出してええよ。ボクがちゃんと見とくから」
「ひっ……! や、だぁっ、みちゃ、だめっ……! ほんとに、でちゃうっ……んんんんっ!」
「ほら、もう我慢できひんやろ? 楽にしい、気持ちようなるから」
「ふああっ! あ、で、るっ……でちゃ、でちゃうっ、そうっ、でちゃうよぉっ……! ああああっ!!」
一際大きく啼いたかと思うと、ユキの陰部からぷしゃっと液体が噴出される。ソウが指を動かすたびにそれは続いて、その都度ユキの身体がびくびくと波打った。
そしてようやく止んだかと思うと、ユキが両手で顔を覆って本格的に泣き出してしまった。それを見て、今度はソウの方が慌てふためく。
「ゆ、ユキちゃん!? なんで泣いてるん? そない嫌やったん?」
「ひっ、だっ、だってっ……! わたし、こんな、ソウの前でっ……!」
「……もしかしてユキちゃん、お漏らしした思うてる?」
恐る恐るそう尋ねると、ユキがきょとんとした顔で答えた。
「ち、違うの……?」
「お漏らしと違うよ。ちょっと似てるけど、潮吹き言うんやで」
「し、お……?」
「うん。気持ちよすぎるとな、女の子のここから出てまうねん。潮吹きする子としいひん子がおるんやけど、ユキちゃんはする子やったんやねぇ」
そう言ってソウは嬉々としてユキの頭を撫でる。もしかすると普通に粗相をするより恥ずかしいことをしてしまったのではないかと、頭を撫でられながらユキは思った。
ひとまず安堵して息をつくと、ユキの上にソウが覆いかぶさってきた。
「そ、ソウ?」
「ユキちゃんがあない乱れるとこ見たら、いつもより興奮してもうた。責任とって?」
「はっ……!? そんな、わたしもう無理っ……!」
「無理とちゃうよ、ほらっ……!」
「あああっ!」
つい先程まで散々弄って濡らした場所に、怒張したものを押し込んだ。意外とすんなり受け入れられたことに喜びを感じて、それでもやはり圧迫感に顔を歪めるユキを抱きしめた。
「はぁ……っ、ごめんな、いきなり入れて」
「ほ、ほんとにねっ……! あ、ま、まだ動かないでっ」
「うん。動かんでも、ユキちゃんの中勝手に動いてるから気持ちいいわ……」
そう言って、ぎゅっとユキの身体を強く抱きしめる。両腕にすっぽりと入ってしまうその小さな体が、たまらなく愛おしかった。
しばらくそのままでユキの顔のあちこちにキスを落としていると、緊張で強張っていたユキの身体から力が抜けてくる。窺うように一度ゆっくりと腰を打ち付けても、ユキは何も言わなかった。ということは、もう動いていいということだ。
ソウに対してだけ、ユキはやけに強気な面を見せる。素直になるのを恥ずかしがって、こうして何度も抱いているが「気持ちいい」と自分から言ったことがない。
でも、それでいい。そんなユキを好きになったのだから。
口には出さなくても、力いっぱいソウを抱きしめて快感を受け入れているユキを見れば分かる。
自分もまた、ユキに愛されている。自惚れではなく、本当にそう思える。
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