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第3章
8.守るべきひと
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「あっ、あの馬車じゃないですか!?」
「そうみたいやな。まさか、ユキちゃんと二人で乗ってへんやろな」
「ソウ、ウツギ国王のことどれだけ信用してねぇんだよ……」
「当たり前やん、ユキちゃんみたいな可愛い子が傍に居ったらどんな堅物でも手ぇ出したなるて」
明くる朝、約束通りウツギの馬車がやってきた。
集合場所にしたのは、カトライア城ではなくノース城だった。その城門前で、ソウとリサ、そしてトーヤの三人で待っていると、ユキを乗せたであろう馬車が到着した。
ガチャリとその扉が開くと、中から笑顔のユキが降りてきた。
「ユキちゃん……!」
「ユキ様ぁっ!!」
そのユキに一番に抱き着いたのは、ソウではなくリサであった。先を越されて、ソウが不機嫌そうに唇を尖らせる。
「リサちゃん! 大丈夫だった!? ごめんね、わたし何もできなくて……!」
「いいえ! 私こそごめんなさい、ユキ様のこと守れなくてっ……」
女子二人が涙ぐみながら抱き合っていると、別の馬車からレイが降りてきた。そしてソウの姿を確認すると、ゆっくりと近付いてくる。
「此度は、すまなかった。ガイ、お前も頭を下げろ」
「は、はっ! すんませんでした!」
レイの後ろから走ってきたガイが、焦ったように深々と頭を下げた。それを見て、きゃあきゃあと再会を喜び合っていた二人もそちらに目を向ける。二人が頭を下げている間、ソウは何も言わなかった。
そしてようやくレイが顔を上げると、ソウも口を開いた。
「……まぁ、事情は分かったし、こうしてユキちゃんが無事に帰ってきたから、もうええよ。ボクはもうゴウマに会いたないし、奴にはあんたからきつく言うといてや」
「承知した。二度とカトライアに手を出す気にならぬようしておこう」
そう言って、どちらからともなく握手を交わす。はらはらしながら二人の様子を見守っていたユキが、それを見てほっと胸を撫で下ろした。
「そや。ボクらこれから、トウジさんのお墓参りに行くんやけど、一緒に来る?」
「……良いのか?」
「レイさんさえ良ければ、ぜひ! きっと父も喜びます」
*
ノース城から少し歩いた小高い丘に、トウジの墓はあった。ノースの街全体を見下ろせるこの場所に、代々王族の墓を作ることになっている。トウジの墓のすぐ隣には、ユキの母の墓もある。ユキも、トウジの墓参りに来るのは久々だった。
それぞれが墓の前で祈り終えると、レイがぽつぽつと語りはじめた。
「……トウジ殿には、本当に世話になった。感謝してもしきれぬ程な」
「え、そうなんスか?」
「……ガイ、知らぬのか。数年前のウツギの食糧難の際、大量の食糧を無償で我が国に供給してくれたのがトウジ殿だ」
その話はソウも聞いたことがある。しかし、ヒナミに留学に行った直後のことであったため、一時帰国した際に話を聞いただけであった。
「けど、なんでやろ? こう言うたらあれやけど、ノースとウツギって特に交流してたわけやないし」
「……更に昔のことだ。我が国での晩餐会にトウジ殿がユキを連れて来たのだが……」
「れ、レイさんっ! その話はしなくていいです!」
ユキが顔を赤くしてレイの話を遮る。その様子を面白くなさそうに眺めているソウに、リサがため息をついた。そして、嫉妬心を隠そうともしないソウの横腹を肘でつく。
「ちょっと陛下、不機嫌丸出しですよ。もう少し愛想良くしてください」
「別にええねん、不機嫌なもんは不機嫌やし」
「はあ……そんなことじゃ、ウツギ陛下にユキ様とられちゃいますよー?」
「なっ……! これでも精一杯我慢してるんやから、勘弁してや……」
見るからに落ち込むソウに、リサがぷっと吹き出した。その間もずっと、ユキとレイは何やら楽しげに会話している。
リサにからかわれてさらに不機嫌になってしまったソウが、ずかずかとユキに近づいて強引に抱きしめた。
「わあっ! ちょ、ちょっとソウ!?」
ユキが慌ててソウを引きはがそうとするが、力いっぱい抱きしめられていてその腕はびくともしない。腕の中で暴れるユキに構わず、ソウはさらに腕の力を強くする。
「……大変だな、ユキ」
そんな二人の様子を見て、表情を変えずにレイが呟く。
そう冷静に言われると、余計に恥ずかしくなってしまう。もう抵抗しても無駄だと悟って、ユキはただ黙って頷いた。
***
それから、レイとガイはウツギに帰って行った。
その馬車の中で、レイはユキと出会った時のことを思い出していた。
『どうした。なぜ泣いている』
騒がしい宴に疲れ、一息つこうと廊下に出たときだった。
廊下の隅に置かれた大きな花瓶の陰で、肩を震わせながら泣いている子どもを見つけたのだ。レイが声をかけると、怯えた目をこちらに向ける。確か、先ほど挨拶をしたノース国王が連れていた子どもだ。
『ユキ、と言ったか。父君はどうした』
『と、とうさま、どっかいっちゃった……』
『……なるほど。迷子か』
今日の晩餐会には、普段より多くの王族や貴族が集まっている。そのうえ、皆が他国の王族に挨拶をして回っているため、会場内はごった返していた。きっとその中で父と離れてしまったのだろう。
まだぐすぐすと鼻を鳴らしているユキに、レイはできるだけ優しい声で語りかけた。
『父君もきっと探している。行くぞ』
『えっ……どこいくの?』
『父君を探しにだ。ここで泣いていても見つからぬぞ』
レイがそう言うと、ユキは少し躊躇ってから、意を決したように頷いた。
子どもの扱いに慣れていないレイであったが、その日は大人たちとの面倒な会話に疲れていたこともあり、ほんの気まぐれでその子どもを助けようと思った。
ユキがようやく泣き止んで立ち上がったのを確認してから、その前をすたすたと歩き始める。
『ま、まってっ!』
『む……早かったか?』
『う、うん……あの、て……』
『……手?』
『……うん。て、つないでも、いい……?』
恐る恐る、と言った様子でユキが小さな手を差し伸べてくる。断る理由も無くて、レイは黙ってその手を握り返した。その小さな手が思いのほか温かくて驚いたのを、今でも確かに覚えている。
「……大きくなったものだ」
馬車の中で一人呟く。
それから二人でトウジを探して歩き回り、しばらくしてから同じくユキを探してあちこち走り回っていたトウジを見つけた。
ユキは父と再会できた安心感からかまた大泣きして、汗だくになったトウジはその体をいつまでも抱きしめていた。
その様子を見届けて、その場を立ち去ろうとしたレイに、トウジは何度も何度も頭を下げたのだった。
その一件があってから、トウジは事あるごとに手紙を送ってきた。
内容はあってないような些細なもので、ユキがレイの似顔絵を描いたから送るだとか、今年はノースの桜が綺麗に咲いただとか、日常を書き留めたようなものであった。そして手紙の文面には必ず、ユキを助けてくれてありがとう、と書いてあるのだ。
最初は、ただ律儀な男だとしか思わなかった。しかし一年が経つ頃には、トウジからの手紙を楽しみにしている自分がいた。半ば義務のようにしていた返信も、いつしか自分の生きがいのようになっていた。
そしてあの一件から数年が経ち、ウツギは干ばつによる深刻な食糧難に陥った。
トウジへの返信もままならないほど忙しい毎日の中、突然ノースから野菜や穀物などの食糧が送られてきたのだ。それらと一緒に入っていたトウジからの手紙には、あの時のお礼です、とだけ書かれていた。
食糧難によるウツギ国内の混乱に乗じて、ウツギにとって不利な条約を結ばせようとしてくる国などもある中、ノースからの支援は国民だけでなく、レイの心をも救ってくれたのだった。
そして、さらに数年が経った頃。トウジからの手紙に、最近体調が思わしくないと書かれていた。おそらく長くはない、とも。
その手紙を読んだ瞬間頭をよぎったのは、あの日廊下の隅で膝を抱えて泣いていたユキの姿だった。
失礼な申し出であるとは思ったが、ユキをウツギ国王妃に迎えたいと返信した。父を亡くして一人になるよりは、自分が傍にいてやればいいと思った。
しかし、次にトウジから送られてきたのは、丁重な断りの手紙だった。
気持ちはありがたい、しかし娘には想う人がいる。国王として申し出を断るのは馬鹿かもしれないが、一人の父親として娘の願いを叶えてやりたい、と。
「……願いは、叶ったようだな」
数年ぶりに再会したユキは、あの頃の面影こそ残っているものの、立派な大人になっていた。もう、自分が助けてやらなければならない子どもではないのだ。
それに、あの男の隣で、ユキはあんなにも幸せそうに笑っていた。
揺れる馬車の中、結婚祝いは何が良いかと考えながら、レイは目を閉じた。
「そうみたいやな。まさか、ユキちゃんと二人で乗ってへんやろな」
「ソウ、ウツギ国王のことどれだけ信用してねぇんだよ……」
「当たり前やん、ユキちゃんみたいな可愛い子が傍に居ったらどんな堅物でも手ぇ出したなるて」
明くる朝、約束通りウツギの馬車がやってきた。
集合場所にしたのは、カトライア城ではなくノース城だった。その城門前で、ソウとリサ、そしてトーヤの三人で待っていると、ユキを乗せたであろう馬車が到着した。
ガチャリとその扉が開くと、中から笑顔のユキが降りてきた。
「ユキちゃん……!」
「ユキ様ぁっ!!」
そのユキに一番に抱き着いたのは、ソウではなくリサであった。先を越されて、ソウが不機嫌そうに唇を尖らせる。
「リサちゃん! 大丈夫だった!? ごめんね、わたし何もできなくて……!」
「いいえ! 私こそごめんなさい、ユキ様のこと守れなくてっ……」
女子二人が涙ぐみながら抱き合っていると、別の馬車からレイが降りてきた。そしてソウの姿を確認すると、ゆっくりと近付いてくる。
「此度は、すまなかった。ガイ、お前も頭を下げろ」
「は、はっ! すんませんでした!」
レイの後ろから走ってきたガイが、焦ったように深々と頭を下げた。それを見て、きゃあきゃあと再会を喜び合っていた二人もそちらに目を向ける。二人が頭を下げている間、ソウは何も言わなかった。
そしてようやくレイが顔を上げると、ソウも口を開いた。
「……まぁ、事情は分かったし、こうしてユキちゃんが無事に帰ってきたから、もうええよ。ボクはもうゴウマに会いたないし、奴にはあんたからきつく言うといてや」
「承知した。二度とカトライアに手を出す気にならぬようしておこう」
そう言って、どちらからともなく握手を交わす。はらはらしながら二人の様子を見守っていたユキが、それを見てほっと胸を撫で下ろした。
「そや。ボクらこれから、トウジさんのお墓参りに行くんやけど、一緒に来る?」
「……良いのか?」
「レイさんさえ良ければ、ぜひ! きっと父も喜びます」
*
ノース城から少し歩いた小高い丘に、トウジの墓はあった。ノースの街全体を見下ろせるこの場所に、代々王族の墓を作ることになっている。トウジの墓のすぐ隣には、ユキの母の墓もある。ユキも、トウジの墓参りに来るのは久々だった。
それぞれが墓の前で祈り終えると、レイがぽつぽつと語りはじめた。
「……トウジ殿には、本当に世話になった。感謝してもしきれぬ程な」
「え、そうなんスか?」
「……ガイ、知らぬのか。数年前のウツギの食糧難の際、大量の食糧を無償で我が国に供給してくれたのがトウジ殿だ」
その話はソウも聞いたことがある。しかし、ヒナミに留学に行った直後のことであったため、一時帰国した際に話を聞いただけであった。
「けど、なんでやろ? こう言うたらあれやけど、ノースとウツギって特に交流してたわけやないし」
「……更に昔のことだ。我が国での晩餐会にトウジ殿がユキを連れて来たのだが……」
「れ、レイさんっ! その話はしなくていいです!」
ユキが顔を赤くしてレイの話を遮る。その様子を面白くなさそうに眺めているソウに、リサがため息をついた。そして、嫉妬心を隠そうともしないソウの横腹を肘でつく。
「ちょっと陛下、不機嫌丸出しですよ。もう少し愛想良くしてください」
「別にええねん、不機嫌なもんは不機嫌やし」
「はあ……そんなことじゃ、ウツギ陛下にユキ様とられちゃいますよー?」
「なっ……! これでも精一杯我慢してるんやから、勘弁してや……」
見るからに落ち込むソウに、リサがぷっと吹き出した。その間もずっと、ユキとレイは何やら楽しげに会話している。
リサにからかわれてさらに不機嫌になってしまったソウが、ずかずかとユキに近づいて強引に抱きしめた。
「わあっ! ちょ、ちょっとソウ!?」
ユキが慌ててソウを引きはがそうとするが、力いっぱい抱きしめられていてその腕はびくともしない。腕の中で暴れるユキに構わず、ソウはさらに腕の力を強くする。
「……大変だな、ユキ」
そんな二人の様子を見て、表情を変えずにレイが呟く。
そう冷静に言われると、余計に恥ずかしくなってしまう。もう抵抗しても無駄だと悟って、ユキはただ黙って頷いた。
***
それから、レイとガイはウツギに帰って行った。
その馬車の中で、レイはユキと出会った時のことを思い出していた。
『どうした。なぜ泣いている』
騒がしい宴に疲れ、一息つこうと廊下に出たときだった。
廊下の隅に置かれた大きな花瓶の陰で、肩を震わせながら泣いている子どもを見つけたのだ。レイが声をかけると、怯えた目をこちらに向ける。確か、先ほど挨拶をしたノース国王が連れていた子どもだ。
『ユキ、と言ったか。父君はどうした』
『と、とうさま、どっかいっちゃった……』
『……なるほど。迷子か』
今日の晩餐会には、普段より多くの王族や貴族が集まっている。そのうえ、皆が他国の王族に挨拶をして回っているため、会場内はごった返していた。きっとその中で父と離れてしまったのだろう。
まだぐすぐすと鼻を鳴らしているユキに、レイはできるだけ優しい声で語りかけた。
『父君もきっと探している。行くぞ』
『えっ……どこいくの?』
『父君を探しにだ。ここで泣いていても見つからぬぞ』
レイがそう言うと、ユキは少し躊躇ってから、意を決したように頷いた。
子どもの扱いに慣れていないレイであったが、その日は大人たちとの面倒な会話に疲れていたこともあり、ほんの気まぐれでその子どもを助けようと思った。
ユキがようやく泣き止んで立ち上がったのを確認してから、その前をすたすたと歩き始める。
『ま、まってっ!』
『む……早かったか?』
『う、うん……あの、て……』
『……手?』
『……うん。て、つないでも、いい……?』
恐る恐る、と言った様子でユキが小さな手を差し伸べてくる。断る理由も無くて、レイは黙ってその手を握り返した。その小さな手が思いのほか温かくて驚いたのを、今でも確かに覚えている。
「……大きくなったものだ」
馬車の中で一人呟く。
それから二人でトウジを探して歩き回り、しばらくしてから同じくユキを探してあちこち走り回っていたトウジを見つけた。
ユキは父と再会できた安心感からかまた大泣きして、汗だくになったトウジはその体をいつまでも抱きしめていた。
その様子を見届けて、その場を立ち去ろうとしたレイに、トウジは何度も何度も頭を下げたのだった。
その一件があってから、トウジは事あるごとに手紙を送ってきた。
内容はあってないような些細なもので、ユキがレイの似顔絵を描いたから送るだとか、今年はノースの桜が綺麗に咲いただとか、日常を書き留めたようなものであった。そして手紙の文面には必ず、ユキを助けてくれてありがとう、と書いてあるのだ。
最初は、ただ律儀な男だとしか思わなかった。しかし一年が経つ頃には、トウジからの手紙を楽しみにしている自分がいた。半ば義務のようにしていた返信も、いつしか自分の生きがいのようになっていた。
そしてあの一件から数年が経ち、ウツギは干ばつによる深刻な食糧難に陥った。
トウジへの返信もままならないほど忙しい毎日の中、突然ノースから野菜や穀物などの食糧が送られてきたのだ。それらと一緒に入っていたトウジからの手紙には、あの時のお礼です、とだけ書かれていた。
食糧難によるウツギ国内の混乱に乗じて、ウツギにとって不利な条約を結ばせようとしてくる国などもある中、ノースからの支援は国民だけでなく、レイの心をも救ってくれたのだった。
そして、さらに数年が経った頃。トウジからの手紙に、最近体調が思わしくないと書かれていた。おそらく長くはない、とも。
その手紙を読んだ瞬間頭をよぎったのは、あの日廊下の隅で膝を抱えて泣いていたユキの姿だった。
失礼な申し出であるとは思ったが、ユキをウツギ国王妃に迎えたいと返信した。父を亡くして一人になるよりは、自分が傍にいてやればいいと思った。
しかし、次にトウジから送られてきたのは、丁重な断りの手紙だった。
気持ちはありがたい、しかし娘には想う人がいる。国王として申し出を断るのは馬鹿かもしれないが、一人の父親として娘の願いを叶えてやりたい、と。
「……願いは、叶ったようだな」
数年ぶりに再会したユキは、あの頃の面影こそ残っているものの、立派な大人になっていた。もう、自分が助けてやらなければならない子どもではないのだ。
それに、あの男の隣で、ユキはあんなにも幸せそうに笑っていた。
揺れる馬車の中、結婚祝いは何が良いかと考えながら、レイは目を閉じた。
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