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第3章
3.忍び寄る悪意
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「あっ……あった! リサちゃん、あったよ!」
自室に入るなり声を上げたわたしに、リサが驚いた様子で目を見開く。
「えっ、いきなりですか!?」
「うん! ほら、全部壁にかけてある!」
嬉しくなって、壁にかけてあった写真のうち一つを手に取る。それは、わたしの十五歳の誕生日に父と撮った写真だった。
にっこりと笑みをたたえた父と、少し緊張気味に椅子に座る幼いわたしが写っている。
「わあ、ユキ様かわいい! この頃は髪が長かったんですね」
「うん……決闘に出なきゃいけないってなったときに、初めて短くしたの」
髪が綺麗だとソウが褒めてくれたあの日から、それまで肩くらいで切り揃えていた髪を伸ばし始めたことを思い出す。それから、ソウから決闘を申し込む書状が届いて、泣きながらその髪を切ったことも。
今ではその髪も伸びて、この写真よりは短いもののもう肩に届くくらいにまで伸びた。
「懐かしいなぁ……これ、持って帰ってもいいかな」
「当たり前じゃないですか! じゃあ、かけてある写真は全て取り外しましょうか?」
「うん、お願いします!」
写真はすべて額縁に入れて壁にかけてあった。父が亡くなってから、その寂しさを紛らわすために自分で飾ったのだ。
生まれたばかりのわたしを抱いた母の写真や、ようやっと立てるようになったくらいのわたしの手を握る父の写真を見ていると、懐かしさとともに寂しさまで蘇ってしまう。涙をこらえながら額縁を外していくわたしを、リサは何も言わずに見ていた。
そして最後の一枚を外すと、その額縁の裏から何かが落ちてきた。
「わっ! な、なんか落ちてきた……」
「大丈夫ですか? ユキ様」
その落ちてきた何かを、リサが拾い上げる。両手に収まるほどの小さな箱のようだが、それには見覚えがあった。一瞬のうちに記憶が蘇って、蓋を開けようとするリサを慌てて止める。
「あっ、そ、それ、開けちゃだめっ!」
「え? どうしてですか?」
「と、とにかくだめなの! 危ないかも!」
「そこまで止められたら……開けたくなっちゃいます!」
「り、リサちゃんっ!?」
にやりと悪戯っぽく笑うと、リサは勢いよくその箱を開けてしまった。
中に入っていたのは、ビーズのブレスレットや、綺麗な石のついたブローチ、それからソウが写った写真の数々だ。それは、ソウとの思い出を押し込めた思い出の箱だった。
「えへへ、いいもの見つけちゃいましたねー! ユキ様、やっぱりずっと陛下のこと好きだったんじゃないですかぁ!」
「ち、ちがっ……!」
「これ、全部陛下からもらったものですか? あっ、この写真、割と最近のじゃないですか!」
そう言ってリサが掲げたのは、サウスの城門をくぐるソウを遠くから撮影したものだ。
リサはとことんまで追求するつもりらしい。わたしは観念して、真っ赤になった顔で説明した。
「……それは、敵情視察に行った人が撮ってきたの。す、捨てるのもあれだからそこに入れただけで、深い意味は……!」
「もう、照れなくてもいいじゃないですか! あ、これはサウス城で撮った写真ですね! お二人とも、ちっちゃい!」
次にリサが取り出したのは、サウス城の大広間で撮影された写真だ。優しく微笑む二人の父親と、まだ幼いソウとわたしの四人が写っている唯一のものである。
「陛下はこの頃から憎たらしい顔してますねぇ。それにしても、ちっちゃいユキ様、かわいい……!」
「そ、そんなことないよ」
「そんなことあります! お二人のお子様が産まれたら私、一生懸命お世話しますね! あ、陛下に似ちゃったらちょっと考えますけど」
リサの言葉に思わず笑ってしまう。そしてその写真を受け取ると、父と過ごした思い出が脳裏に浮かんできた。
今思えば、父はソウとの縁談を勧める目的もあって、会談のたびにわたしをサウス城に連れて来ていたのかもしれない。あの頃はソウと遊ぶことだけを考えていたし、父が縁談を持ち出すことなんて一切無かったけれど。
でも、父がソウのことを認めていたのは確かだ。サウスとの国交が再び途切れてから、わたしが年頃になっても父が縁談を持って来なかったのは、ソウとわたしが結婚することを見据えてのことだったのではないだろうか。
そういえば一度、どこかの国の王子からわたし宛てに見合い話が来たらしいが、父は即座にそれを断ったのだと側近から聞いたことがある。
今となっては父が何を思っていたのかを知る術はないが、きっと今のわたしを見て喜んでくれていると思う。優しかった父は、何よりもわたしの幸せを願ってくれていたから。
*
ノース城に飾ってあった写真を馬車に積んでから、近くの川の畔でリサと二人お弁当を食べることにした。久しぶりにノース城内を歩き、こうして見慣れた風景を見ているとなんだか不思議な気持ちになる。
「私、ノースに来たのって初めてなんですけど、静かで良いところですね」
「えっ? リサちゃん、初めて来たの?」
「はい。私、サウス生まれサウス育ちですから! でもほんと、こうしてノースに来てみると、なんで今まで別々の国だったんだろうってくらい違和感がないです」
「……元々、一つの国だったんだもんね。今までがおかしかったのかも」
「本当ですね。ずっと昔に内戦があったらしいですけど、今のカトライアに戦争なんて全然似合いませんよ」
そう言ってリサが卵焼きを頬張る。
わたしもお茶を飲みながら、この長閑な景色が戦争によって壊されるのを想像しようとして、やめた。いや、できなかったと言った方が正しい。
まだカトライア周辺でも戦争をしている国はある。トーヤだって、その戦争で両親を失ってノースにやってきたのだ。それに、数年前にはサウスも他国と戦争をしていた。
「……そういえば、少し前にサウスと戦争してたのって、ウツギ国だったよね?」
「はい。私が城に仕える前のことなので、詳しくは知らないんですが……あ、ゴウマが逃げたのも確かウツギだって言ってましたね。あんな方に知り合いなんているのかしら」
合併と同時に、カトライアは中立国となった。もう欲しいものは手に入れたから、とソウが誇らしげに報告してきたのを思い出す。それによって何かと面倒なことも増えるらしいが、その辺りは永世中立国であるアスヒ国のイツキにアドバイスをもらったらしい。
サウスとの合併で不安要素の一つであった「戦争」というものの心配がなくなって、わたしも心底安心したものだ。
「はー、ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまでした! ふふ、なんだかリサちゃんとピクニックに来たみたい」
「わたしは元々そのつもりでしたよ?」
そう言いながら、リサが弁当箱を包んでいた布を取り出したとき、強い風が吹いた。その風に掠め取られるように、布がリサの手から離れ飛んでいってしまう。
「うわっ! あー、川に落ちなくてよかった……」
布は数メートル離れた地面に落ちた。よっこいしょ、とリサが立ち上がって布を拾いに行く。
そんなリサの姿を目で追っていると、その先に数人の体格の良い男たちが見えた。揃いの黒地の衣装に身を包んだその姿は、ノースの穏やかな風景とは似つかず、かなり異質だ。
その男たちを見た瞬間、なぜか悪寒が走る。この人たちは危険だと察知して、わたしは咄嗟に叫んでいた。
「リサちゃん、離れてっ!!」
「えっ……?」
わたしの声に、リサが布を片手に振り返る。
その瞬間、男の一人がリサを背後から羽交い絞めにした。駆け寄ろうと立ち上がったそのとき、自分の背後にも嫌な気配を感じる。振り向くと、同じ黒服の男たちが襲いかかってきた。
「こっちが王妃だ! その女は黙らせてどこかに括っておけ!」
「ユキ様っ! ちょっと、なんなのよアンタ達っ……う、あっ!」
「リサちゃんっ!?」
必死に抵抗するが、屈強な男たち数人に取り押さえられては身動きもできない。その間にリサは手刀で気絶させられてしまった。ぐったりしたリサを、男たちが軽々と持ち上げる。
「リサちゃん! リサちゃんっ!!」
「ちっ……このままじゃ人目に付くな。おい、こっちも黙らせていいか?」
「バカ野郎、陛下の王妃になるお方だぞ。丁重に扱え」
「だ、誰なんですか!? お願い、離して!! リサちゃんっ!!」
「……しょうがねぇな。ちょっと黙っててもらいますよ、王妃サマ」
「なっ……、うあっ!」
首筋に強い衝撃が走る。その痛みを感じた瞬間、意識は途絶えた。
自室に入るなり声を上げたわたしに、リサが驚いた様子で目を見開く。
「えっ、いきなりですか!?」
「うん! ほら、全部壁にかけてある!」
嬉しくなって、壁にかけてあった写真のうち一つを手に取る。それは、わたしの十五歳の誕生日に父と撮った写真だった。
にっこりと笑みをたたえた父と、少し緊張気味に椅子に座る幼いわたしが写っている。
「わあ、ユキ様かわいい! この頃は髪が長かったんですね」
「うん……決闘に出なきゃいけないってなったときに、初めて短くしたの」
髪が綺麗だとソウが褒めてくれたあの日から、それまで肩くらいで切り揃えていた髪を伸ばし始めたことを思い出す。それから、ソウから決闘を申し込む書状が届いて、泣きながらその髪を切ったことも。
今ではその髪も伸びて、この写真よりは短いもののもう肩に届くくらいにまで伸びた。
「懐かしいなぁ……これ、持って帰ってもいいかな」
「当たり前じゃないですか! じゃあ、かけてある写真は全て取り外しましょうか?」
「うん、お願いします!」
写真はすべて額縁に入れて壁にかけてあった。父が亡くなってから、その寂しさを紛らわすために自分で飾ったのだ。
生まれたばかりのわたしを抱いた母の写真や、ようやっと立てるようになったくらいのわたしの手を握る父の写真を見ていると、懐かしさとともに寂しさまで蘇ってしまう。涙をこらえながら額縁を外していくわたしを、リサは何も言わずに見ていた。
そして最後の一枚を外すと、その額縁の裏から何かが落ちてきた。
「わっ! な、なんか落ちてきた……」
「大丈夫ですか? ユキ様」
その落ちてきた何かを、リサが拾い上げる。両手に収まるほどの小さな箱のようだが、それには見覚えがあった。一瞬のうちに記憶が蘇って、蓋を開けようとするリサを慌てて止める。
「あっ、そ、それ、開けちゃだめっ!」
「え? どうしてですか?」
「と、とにかくだめなの! 危ないかも!」
「そこまで止められたら……開けたくなっちゃいます!」
「り、リサちゃんっ!?」
にやりと悪戯っぽく笑うと、リサは勢いよくその箱を開けてしまった。
中に入っていたのは、ビーズのブレスレットや、綺麗な石のついたブローチ、それからソウが写った写真の数々だ。それは、ソウとの思い出を押し込めた思い出の箱だった。
「えへへ、いいもの見つけちゃいましたねー! ユキ様、やっぱりずっと陛下のこと好きだったんじゃないですかぁ!」
「ち、ちがっ……!」
「これ、全部陛下からもらったものですか? あっ、この写真、割と最近のじゃないですか!」
そう言ってリサが掲げたのは、サウスの城門をくぐるソウを遠くから撮影したものだ。
リサはとことんまで追求するつもりらしい。わたしは観念して、真っ赤になった顔で説明した。
「……それは、敵情視察に行った人が撮ってきたの。す、捨てるのもあれだからそこに入れただけで、深い意味は……!」
「もう、照れなくてもいいじゃないですか! あ、これはサウス城で撮った写真ですね! お二人とも、ちっちゃい!」
次にリサが取り出したのは、サウス城の大広間で撮影された写真だ。優しく微笑む二人の父親と、まだ幼いソウとわたしの四人が写っている唯一のものである。
「陛下はこの頃から憎たらしい顔してますねぇ。それにしても、ちっちゃいユキ様、かわいい……!」
「そ、そんなことないよ」
「そんなことあります! お二人のお子様が産まれたら私、一生懸命お世話しますね! あ、陛下に似ちゃったらちょっと考えますけど」
リサの言葉に思わず笑ってしまう。そしてその写真を受け取ると、父と過ごした思い出が脳裏に浮かんできた。
今思えば、父はソウとの縁談を勧める目的もあって、会談のたびにわたしをサウス城に連れて来ていたのかもしれない。あの頃はソウと遊ぶことだけを考えていたし、父が縁談を持ち出すことなんて一切無かったけれど。
でも、父がソウのことを認めていたのは確かだ。サウスとの国交が再び途切れてから、わたしが年頃になっても父が縁談を持って来なかったのは、ソウとわたしが結婚することを見据えてのことだったのではないだろうか。
そういえば一度、どこかの国の王子からわたし宛てに見合い話が来たらしいが、父は即座にそれを断ったのだと側近から聞いたことがある。
今となっては父が何を思っていたのかを知る術はないが、きっと今のわたしを見て喜んでくれていると思う。優しかった父は、何よりもわたしの幸せを願ってくれていたから。
*
ノース城に飾ってあった写真を馬車に積んでから、近くの川の畔でリサと二人お弁当を食べることにした。久しぶりにノース城内を歩き、こうして見慣れた風景を見ているとなんだか不思議な気持ちになる。
「私、ノースに来たのって初めてなんですけど、静かで良いところですね」
「えっ? リサちゃん、初めて来たの?」
「はい。私、サウス生まれサウス育ちですから! でもほんと、こうしてノースに来てみると、なんで今まで別々の国だったんだろうってくらい違和感がないです」
「……元々、一つの国だったんだもんね。今までがおかしかったのかも」
「本当ですね。ずっと昔に内戦があったらしいですけど、今のカトライアに戦争なんて全然似合いませんよ」
そう言ってリサが卵焼きを頬張る。
わたしもお茶を飲みながら、この長閑な景色が戦争によって壊されるのを想像しようとして、やめた。いや、できなかったと言った方が正しい。
まだカトライア周辺でも戦争をしている国はある。トーヤだって、その戦争で両親を失ってノースにやってきたのだ。それに、数年前にはサウスも他国と戦争をしていた。
「……そういえば、少し前にサウスと戦争してたのって、ウツギ国だったよね?」
「はい。私が城に仕える前のことなので、詳しくは知らないんですが……あ、ゴウマが逃げたのも確かウツギだって言ってましたね。あんな方に知り合いなんているのかしら」
合併と同時に、カトライアは中立国となった。もう欲しいものは手に入れたから、とソウが誇らしげに報告してきたのを思い出す。それによって何かと面倒なことも増えるらしいが、その辺りは永世中立国であるアスヒ国のイツキにアドバイスをもらったらしい。
サウスとの合併で不安要素の一つであった「戦争」というものの心配がなくなって、わたしも心底安心したものだ。
「はー、ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまでした! ふふ、なんだかリサちゃんとピクニックに来たみたい」
「わたしは元々そのつもりでしたよ?」
そう言いながら、リサが弁当箱を包んでいた布を取り出したとき、強い風が吹いた。その風に掠め取られるように、布がリサの手から離れ飛んでいってしまう。
「うわっ! あー、川に落ちなくてよかった……」
布は数メートル離れた地面に落ちた。よっこいしょ、とリサが立ち上がって布を拾いに行く。
そんなリサの姿を目で追っていると、その先に数人の体格の良い男たちが見えた。揃いの黒地の衣装に身を包んだその姿は、ノースの穏やかな風景とは似つかず、かなり異質だ。
その男たちを見た瞬間、なぜか悪寒が走る。この人たちは危険だと察知して、わたしは咄嗟に叫んでいた。
「リサちゃん、離れてっ!!」
「えっ……?」
わたしの声に、リサが布を片手に振り返る。
その瞬間、男の一人がリサを背後から羽交い絞めにした。駆け寄ろうと立ち上がったそのとき、自分の背後にも嫌な気配を感じる。振り向くと、同じ黒服の男たちが襲いかかってきた。
「こっちが王妃だ! その女は黙らせてどこかに括っておけ!」
「ユキ様っ! ちょっと、なんなのよアンタ達っ……う、あっ!」
「リサちゃんっ!?」
必死に抵抗するが、屈強な男たち数人に取り押さえられては身動きもできない。その間にリサは手刀で気絶させられてしまった。ぐったりしたリサを、男たちが軽々と持ち上げる。
「リサちゃん! リサちゃんっ!!」
「ちっ……このままじゃ人目に付くな。おい、こっちも黙らせていいか?」
「バカ野郎、陛下の王妃になるお方だぞ。丁重に扱え」
「だ、誰なんですか!? お願い、離して!! リサちゃんっ!!」
「……しょうがねぇな。ちょっと黙っててもらいますよ、王妃サマ」
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