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第1章
33.約束
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ふと目が覚めて、腕の中の熱を確認する。
すうすうと規則的な寝息をたてながら、隣でユキが眠っている。その姿に言いようのない幸福感を感じてから、壁にかかった時計を見ると、まだ夜明け前だ。つい癖で、普段支度を始める時間に起きてしまったらしい。
自分が真面目に仕事をこなす人間だと思ったことはないが、中途半端な仕事をするのは嫌いで、結果として朝から晩まで仕事に打ち込んでしまう日々が続いていた。それもすべて、ユキのためだと思えば何の苦にもならなかったのだが。
体勢を変えて、静かに眠るユキの顔を真正面から見つめる。少し動いたせいか、ユキがむずかるように眉根を寄せながら身を縮ませた。起きる様子はない。
昨夜も懲りずにユキを抱いたせいで、ユキも自分も一糸纏わぬ姿のまま眠った。なんとなく予想はしていたが、一度ユキを抱いてしまったら自分でも笑ってしまうくらい自制が効かなくなって、発情期の動物のように執拗にユキを求めてしまうようになった。
もともと淡白な方ではないし、その相手が長年想い続けていたユキとなればこうなってしまうのも仕方がない、とユキが聞いていれば間違いなく反論してきそうなことを思った。
「……ユキちゃんのせいやで」
つん、と白い頬を小突く。よっぽど疲れていたのか、それでもすやすや眠っている。
静養も兼ねてこの旅行に来たというのに、これでは疲れさせるためにユキを連れてきたようだ。
ユキが起きないのをいいことに、まじまじとその寝顔を見つめる。伏せられた長い睫毛に、寝息をたてる小さな唇。その白い肌も、形の良い鼻も、幼い頃と何も変わらない。それでいて、昔は感じなかった色気まで感じさせるのだから不思議である。
まだあどけなさが残る容姿をしているが、ここ数日で快感を教え込んだせいか以前にはないほど色香を感じる。そうさせたのが自分であることに、たまらなく優越感を感じた。
「ユキちゃんの全部、ボクのもんや」
子どものような独占欲に、ユキは気付いているのだろうか。気付いていてもいなくても、ユキがどんなに嫌がったとしても、手放す気は毛頭ない。
「災難やなぁ、ボクみたいな男に好かれてもうて……」
他人事のように呟いてから、さらさらと髪を撫でる。気持ち良さそうにすり寄ってくるユキが愛おしくて、たまらずキスをした。
***
「……どう?」
「うん。おいしいで。よう頑張ったなぁ、ユキちゃん」
よかった、とほっと胸を撫で下ろす。
今日は旅行も最終日ということで、一人だけで料理を作ってみたいとソウにわがままを言って、お弁当を作らせてもらったのだ。昨日うっかり包丁で指を切ってしまったこともあって、最初は難色を示していたソウだったが、「ソウのために作りたい」と食い下がったら、渋々許可してくれた。なんとなく、ソウの攻略方法が分かってきた気がしてわたしは一人微笑んだ。
ただ、すぐ傍でその包丁の持ち方は危ないだとか、お湯が熱いから気を付けろだとか、あれこれ口を出すソウに少しだけうんざりしたのは秘密だ。
湖のほとりに座って、お弁当を食べながら朝の様子を思い出す。少し形の悪い卵焼きを飲み込んでから、ソウが憂鬱そうに呟いた。
「あーあ、ユキちゃんと二人だけの生活も今日でおしまいやなぁ」
「明日からだって、一緒にいられるじゃない」
「そやけど、城に戻ってもうたらいろいろ邪魔が入るやん。仕事もしなあかんし」
「仕事ならわたしも手伝うよ」
「……ユキちゃん、なんや嬉しそうやな。早よ帰りたいん?」
「そういうわけじゃないけど……ずっとここにいたら、いつソウに襲われるか気が気じゃないんだもん」
二人きりの生活が楽しくないわけではないが、ずっとこんな生活が続いたら確実に身が持たない。旅行が終わるのはもちろん寂しいが、ソウと離れ離れになるわけでもないし、城ならばソウに所構わず襲われる心配もない。
空になったお弁当箱をしまってから「また来ようね」と落ち込むソウを励ますように笑いかけると、なぜかソウはふてくされたような、照れたような顔をした。
「ずるいわ、ユキちゃん……そない笑顔で言われてもうたら、もう駄々捏ねられへんやん」
「駄々捏ねてたの?」
「そやで? ボク、ユキちゃんにしか甘えられへんもん」
そう言ってけたけたと笑うソウは、とても一国の王には見えない。
なんだか、幼い頃のソウの方が今よりずっと大人っぽくて、落ち着いていたように思える。皮肉を込めて素直にそれをソウに伝えると、驚きも怒りもせずに「そやで」と頷いた。
「あの頃はユキちゃんにええとこ見せたくて、精一杯大人のふりしてたんや。ユキちゃんはそれにまんまと騙されたいうことやな」
「な、なにそれ! それなら今だって大人のふりしてよ。ていうか、もういい大人でしょ!」
「嫌や。もうボクのあかんとこ全部知られてもうたし、隠しても無駄やろ?」
「たまには、隠してほしいんだけど……」
「はいはい、善処しますぅ」
おどけたように言うソウにわざとらしくため息をつくと、またけたけたと笑った。
なんだかんだ言いながら、ソウがこうやって恥ずかしいところも、弱いところも、駄目なところも全部さらけ出してくれることが嬉しい。決闘を申し込まれたあの頃はもちろん、サウスに来た始めの頃だって、ソウの考えていることは何一つ分からなかった。
今も、飄々としながら実は思慮深くて、いつだってソウは一歩先を見据えて動いている。その思考についていけないことはしょっちゅうあるけれど、その根底にある想いを知ることができた今、わたしはただその想いに応えるだけでいい。ソウはわたしに甘えていると言ったが、わたしもそんなソウに甘えているのだ。
父の死後、王として生きる事に必死だった頃は、周囲に甘えることはしてはいけないと思っていた。わたしからその重荷を取り払い、背負ってくれたのがソウだ。
そのやり方はひどく強引で自分勝手なものだったけれど、国政から経済、それに民意まで操ってしまったのだから、わたしが口げんかでソウに勝てないのも納得である。ソウいわく、わたしの気持ちだけはどうしても思い通りにならなかったらしいが。
「……あ。この花、ここにも咲いてるんや」
「え? ああ、昨日の草原にも咲いてたね」
風に揺れる白くて小さなその花を、ソウが丁寧に摘み取る。そしてその花を愛おしそうに見つめてから、おもむろに立ち上がったかと思うと、何かを探すようにうろうろし始めた。
「ほんまは、昨日この花でユキちゃんに花冠作ったろ思てたんやけど……なんやそれどころやのうなってしまったしなぁ」
「だっ、誰のせいだと……!」
「かわいすぎるユキちゃんのせいや。なあ、それよりユキちゃんもこの花探すの手伝って」
言いたいことはいろいろあるけれど、口げんかで勝てないことは重々承知している。
仕方なくわたしも花を摘むことにしたのだが、昨日の草原にはこれでもかというほどたくさん咲いていた花なのに、この場所にはあまり自生していないようでなかなか見つからない。二人で手分けして辺りを探して、ようやく集まったのはわたしの片手で握れるほどの量だった。
「これだけじゃ、花冠作れないね……」
「そやなぁ……しゃあないな。ユキちゃん、そのリボン貸してくれへん?」
「え……これ?」
ソウが指差したのは、わたしの髪を束ねていた赤いリボンだった。言われた通り、それをしゅるりと解いてソウに渡す。束ねるものがなくなって、薄茶色の髪が風に靡いた。
「ソウ、それどうするの?」
「まあ、見といてや」
二人で集めた花をまとめたかと思うと、その茎にリボンを巻きつける。それを綺麗な蝶々結びにすれば、小さいながらも立派な花束になった。
「あ……かわいい……」
思わずそう漏らすと、ソウが得意げに笑う。そしてその可憐な花束をわたしの目の前に差し出して、片膝をついた。
その姿は、まるで姫に求婚する王子のよう。どう反応すれば良いか分からず、ただただ薄く開いたソウの瞳を見つめていると、笑顔のままわたしに囁いた。
「ユキちゃん。ボクと、結婚してください」
それは、紛れもないプロポーズの言葉だった。
目を見開いて、差し出された花束と、ブルーの瞳を交互に見ることしかできないわたしに、ソウは困ったように眉を下げる。
「……返事は、もらわれへんの?」
そんな、今さら。
こんな素敵なプロポーズをしてくれるんだったら、最初からしてくれればいいのに。
まわりくどい策略なんか巡らさないで、最初にそう言ってくれればよかったのに。というか、もう結婚式もとっくに済んで、こうして新婚旅行にだって来ているのに。
それに、わたしの返事なんて、とっくに分かりきっているくせに。
可愛げのない言葉が頭を駆け巡る。全部ソウに言ってやりたかったが、なぜだか涙が溢れてそれはかなわなかった。
言葉にならないかわりに、わたしは何度も何度も頷きながらその花束を受け取った。
すうすうと規則的な寝息をたてながら、隣でユキが眠っている。その姿に言いようのない幸福感を感じてから、壁にかかった時計を見ると、まだ夜明け前だ。つい癖で、普段支度を始める時間に起きてしまったらしい。
自分が真面目に仕事をこなす人間だと思ったことはないが、中途半端な仕事をするのは嫌いで、結果として朝から晩まで仕事に打ち込んでしまう日々が続いていた。それもすべて、ユキのためだと思えば何の苦にもならなかったのだが。
体勢を変えて、静かに眠るユキの顔を真正面から見つめる。少し動いたせいか、ユキがむずかるように眉根を寄せながら身を縮ませた。起きる様子はない。
昨夜も懲りずにユキを抱いたせいで、ユキも自分も一糸纏わぬ姿のまま眠った。なんとなく予想はしていたが、一度ユキを抱いてしまったら自分でも笑ってしまうくらい自制が効かなくなって、発情期の動物のように執拗にユキを求めてしまうようになった。
もともと淡白な方ではないし、その相手が長年想い続けていたユキとなればこうなってしまうのも仕方がない、とユキが聞いていれば間違いなく反論してきそうなことを思った。
「……ユキちゃんのせいやで」
つん、と白い頬を小突く。よっぽど疲れていたのか、それでもすやすや眠っている。
静養も兼ねてこの旅行に来たというのに、これでは疲れさせるためにユキを連れてきたようだ。
ユキが起きないのをいいことに、まじまじとその寝顔を見つめる。伏せられた長い睫毛に、寝息をたてる小さな唇。その白い肌も、形の良い鼻も、幼い頃と何も変わらない。それでいて、昔は感じなかった色気まで感じさせるのだから不思議である。
まだあどけなさが残る容姿をしているが、ここ数日で快感を教え込んだせいか以前にはないほど色香を感じる。そうさせたのが自分であることに、たまらなく優越感を感じた。
「ユキちゃんの全部、ボクのもんや」
子どものような独占欲に、ユキは気付いているのだろうか。気付いていてもいなくても、ユキがどんなに嫌がったとしても、手放す気は毛頭ない。
「災難やなぁ、ボクみたいな男に好かれてもうて……」
他人事のように呟いてから、さらさらと髪を撫でる。気持ち良さそうにすり寄ってくるユキが愛おしくて、たまらずキスをした。
***
「……どう?」
「うん。おいしいで。よう頑張ったなぁ、ユキちゃん」
よかった、とほっと胸を撫で下ろす。
今日は旅行も最終日ということで、一人だけで料理を作ってみたいとソウにわがままを言って、お弁当を作らせてもらったのだ。昨日うっかり包丁で指を切ってしまったこともあって、最初は難色を示していたソウだったが、「ソウのために作りたい」と食い下がったら、渋々許可してくれた。なんとなく、ソウの攻略方法が分かってきた気がしてわたしは一人微笑んだ。
ただ、すぐ傍でその包丁の持ち方は危ないだとか、お湯が熱いから気を付けろだとか、あれこれ口を出すソウに少しだけうんざりしたのは秘密だ。
湖のほとりに座って、お弁当を食べながら朝の様子を思い出す。少し形の悪い卵焼きを飲み込んでから、ソウが憂鬱そうに呟いた。
「あーあ、ユキちゃんと二人だけの生活も今日でおしまいやなぁ」
「明日からだって、一緒にいられるじゃない」
「そやけど、城に戻ってもうたらいろいろ邪魔が入るやん。仕事もしなあかんし」
「仕事ならわたしも手伝うよ」
「……ユキちゃん、なんや嬉しそうやな。早よ帰りたいん?」
「そういうわけじゃないけど……ずっとここにいたら、いつソウに襲われるか気が気じゃないんだもん」
二人きりの生活が楽しくないわけではないが、ずっとこんな生活が続いたら確実に身が持たない。旅行が終わるのはもちろん寂しいが、ソウと離れ離れになるわけでもないし、城ならばソウに所構わず襲われる心配もない。
空になったお弁当箱をしまってから「また来ようね」と落ち込むソウを励ますように笑いかけると、なぜかソウはふてくされたような、照れたような顔をした。
「ずるいわ、ユキちゃん……そない笑顔で言われてもうたら、もう駄々捏ねられへんやん」
「駄々捏ねてたの?」
「そやで? ボク、ユキちゃんにしか甘えられへんもん」
そう言ってけたけたと笑うソウは、とても一国の王には見えない。
なんだか、幼い頃のソウの方が今よりずっと大人っぽくて、落ち着いていたように思える。皮肉を込めて素直にそれをソウに伝えると、驚きも怒りもせずに「そやで」と頷いた。
「あの頃はユキちゃんにええとこ見せたくて、精一杯大人のふりしてたんや。ユキちゃんはそれにまんまと騙されたいうことやな」
「な、なにそれ! それなら今だって大人のふりしてよ。ていうか、もういい大人でしょ!」
「嫌や。もうボクのあかんとこ全部知られてもうたし、隠しても無駄やろ?」
「たまには、隠してほしいんだけど……」
「はいはい、善処しますぅ」
おどけたように言うソウにわざとらしくため息をつくと、またけたけたと笑った。
なんだかんだ言いながら、ソウがこうやって恥ずかしいところも、弱いところも、駄目なところも全部さらけ出してくれることが嬉しい。決闘を申し込まれたあの頃はもちろん、サウスに来た始めの頃だって、ソウの考えていることは何一つ分からなかった。
今も、飄々としながら実は思慮深くて、いつだってソウは一歩先を見据えて動いている。その思考についていけないことはしょっちゅうあるけれど、その根底にある想いを知ることができた今、わたしはただその想いに応えるだけでいい。ソウはわたしに甘えていると言ったが、わたしもそんなソウに甘えているのだ。
父の死後、王として生きる事に必死だった頃は、周囲に甘えることはしてはいけないと思っていた。わたしからその重荷を取り払い、背負ってくれたのがソウだ。
そのやり方はひどく強引で自分勝手なものだったけれど、国政から経済、それに民意まで操ってしまったのだから、わたしが口げんかでソウに勝てないのも納得である。ソウいわく、わたしの気持ちだけはどうしても思い通りにならなかったらしいが。
「……あ。この花、ここにも咲いてるんや」
「え? ああ、昨日の草原にも咲いてたね」
風に揺れる白くて小さなその花を、ソウが丁寧に摘み取る。そしてその花を愛おしそうに見つめてから、おもむろに立ち上がったかと思うと、何かを探すようにうろうろし始めた。
「ほんまは、昨日この花でユキちゃんに花冠作ったろ思てたんやけど……なんやそれどころやのうなってしまったしなぁ」
「だっ、誰のせいだと……!」
「かわいすぎるユキちゃんのせいや。なあ、それよりユキちゃんもこの花探すの手伝って」
言いたいことはいろいろあるけれど、口げんかで勝てないことは重々承知している。
仕方なくわたしも花を摘むことにしたのだが、昨日の草原にはこれでもかというほどたくさん咲いていた花なのに、この場所にはあまり自生していないようでなかなか見つからない。二人で手分けして辺りを探して、ようやく集まったのはわたしの片手で握れるほどの量だった。
「これだけじゃ、花冠作れないね……」
「そやなぁ……しゃあないな。ユキちゃん、そのリボン貸してくれへん?」
「え……これ?」
ソウが指差したのは、わたしの髪を束ねていた赤いリボンだった。言われた通り、それをしゅるりと解いてソウに渡す。束ねるものがなくなって、薄茶色の髪が風に靡いた。
「ソウ、それどうするの?」
「まあ、見といてや」
二人で集めた花をまとめたかと思うと、その茎にリボンを巻きつける。それを綺麗な蝶々結びにすれば、小さいながらも立派な花束になった。
「あ……かわいい……」
思わずそう漏らすと、ソウが得意げに笑う。そしてその可憐な花束をわたしの目の前に差し出して、片膝をついた。
その姿は、まるで姫に求婚する王子のよう。どう反応すれば良いか分からず、ただただ薄く開いたソウの瞳を見つめていると、笑顔のままわたしに囁いた。
「ユキちゃん。ボクと、結婚してください」
それは、紛れもないプロポーズの言葉だった。
目を見開いて、差し出された花束と、ブルーの瞳を交互に見ることしかできないわたしに、ソウは困ったように眉を下げる。
「……返事は、もらわれへんの?」
そんな、今さら。
こんな素敵なプロポーズをしてくれるんだったら、最初からしてくれればいいのに。
まわりくどい策略なんか巡らさないで、最初にそう言ってくれればよかったのに。というか、もう結婚式もとっくに済んで、こうして新婚旅行にだって来ているのに。
それに、わたしの返事なんて、とっくに分かりきっているくせに。
可愛げのない言葉が頭を駆け巡る。全部ソウに言ってやりたかったが、なぜだか涙が溢れてそれはかなわなかった。
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