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第1章
32.名前を呼んで
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もう抵抗する気も起きなくて、ちろちろと胸の先端を執拗に舐めるソウの髪の毛をくしゃりと握って耐えた。
「ユキちゃん、ココ吸われるより、舐められる方が感じるん?」
「し、知らなっ……! ん、んぅっ……!」
「知らんか。ほな、分かるまで舐めたる」
「いやっ、ちがうっ! 分かる、分かるからぁっ……! あ、あんっ!」
同じところばかり責められて、頭がおかしくなりそうだ。ただでさえこの状況についていけなくて、どうにかなってしまいそうなのに。
そんなわたしの反応に気を良くしてか、ソウは楽しそうにスカートをたくし上げた。熱のこもってしまった下半身の風通しがよくなって、わたしは身を縮ませた。
「ユキちゃん、脚開き」
「や、やだっ」
「……強引にされるんがお好みで?」
「ち、が……! も、やめて、こっちはやだぁっ!」
「やだ、言うても……こない中途半端な状態で放っといたら、かわいそうやん。なぁ?」
「あっ……!」
そう言って閉じたままの足を高々と持ち上げられたかと思うと、後転する途中のような恥ずかしい体勢で体を固定される。かろうじて下着はまだつけているものの、一番恥ずかしい場所がソウの眼前に持って来られて、体中が沸騰したかのように熱くなる。
「やだやだやだっ、ソウ、これやだぁっ!」
「もう、文句ばっかりやなぁユキちゃんは。ちょっと黙っとき。あ、喘ぎ声ならいくらでも出してええよ」
「いやぁっ……! あ、うああっ!」
その体勢のまま、下着の上から敏感な場所を指で擦られる。体をくの字に曲げた体勢だから、ソウの指で責められているのがわたしにもよく見えてしまう。
時折、ぎゅっと指で挟まれると一層甲高い声が出てしまって、その様子を見てソウが嬉しそうに笑みを深めるのがひどく憎らしい。
「は、はぁ、はぁっ……も、やだぁ……っ」
「ユキちゃん、これだけで音ぇ上げとったらあとが辛いで? ほら、これもうびっしょびしょやから脱ごな」
「あ、やだ、待って……!」
そんなわたしの声が聞き届けられるわけもなく、あっという間に下着を脱がされる。濡れたそこに、風が直接当たって冷たい。
明るい陽の光にさらされたそこを、ソウがじっと見つめているのが分かった。羞恥のあまり、涙がぽろぽろとこぼれてくる。
「い、やぁ……! みないでっ、おねがい……!」
「ユキちゃん、かわいい……ユキちゃんのここ、こないなってるんや」
「いやっ、もうやだぁっ!」
「あ、今ここ、びくってなった……ユキちゃん、見られて感じてるん?」
「ち、ちが……もう、ゆるしてっ、お願いだからっ……!」
「……ごめんな、ユキちゃん。そない可愛い顔で泣かれたら……」
──めちゃくちゃ興奮する。
獲物を見つけた蛇のように舌なめずりをするソウを見て、背筋がぞっとするのが分かった。
ソウはそのままわたしの秘所に顔をうずめたかと思うと、さっき胸にしたのと同じように激しく舌を動かす。
「あ、あっ、ああんっ! や、そんなとこ、なめないでぇっ……!」
「ん……舐めるん、初めてやったっけ? ここ舐めたら、どんどん溢れてくるわ……」
「う、あぁっ……やだ、やだぁっ……!」
必死に頭を振って抵抗しても、それすらソウにとっては興奮材料にしかならないようだ。
秘所の形をじっくりと確かめるように、丁寧すぎるほど丁寧に舐められる。がくがくと震える両足は、ソウに高々と持ち上げられたままだ。
羞恥と快感に耐えるように、わたしは唯一自由な手で地面の草をぐっと握りしめた。
「あ、あ、あっ……! だ、めっ、きちゃ、きちゃうっ……! いやぁっ!」
「ん、ユキちゃん、イきそう? ええで、イっても」
「ぅあ、やだ、やだぁっ……はなしてっ、ほんとにっ、ほんとにきちゃうぅ……っ!」
「ああ、外やからイくの躊躇ってるん? かわいいなぁユキちゃん、一生懸命我慢して……ほな、一気に楽にしたるわ」
「え……あっ、あ、あああんっ!」
ソウがわたしの一番敏感な場所を強く吸い上げたかと思うと、頭が真っ白になって全身が大きく跳ねるのが分かった。我慢することもできず、一際甲高い声をあげてわたしは果てた。
目を瞑って荒い呼吸を整えていると、ソウがようやくわたしの両足を下ろしてくれた。
「はぁ、はぁ、はぁ……そうの、ばかぁっ……! もう、きらいっ……!」
「そないいやらしい顔で言われても、説得力ないなぁ」
「い、いやらしいってっ……!」
「あれ、自覚ないん? 今のユキちゃんの顔、犯してくださいって言うてるみたいや……その顔、ボクにしか見したらあかんで」
意地の悪い笑みを絶やさないまま、再びソウがわたしの両足を掴んで持ち上げた。先ほどの大きな快感を思い出す体勢になって、ひっと小さく悲鳴をあげた。
「や、やだっ……これ、もうやだぁっ…!」
「……ユキちゃん。一つ教えたるわ」
「え……な、なに……?」
いつの間にかソウの服もくつろげられていて、熱い塊がすでにわたしの秘所をとらえている。そのつるりとした先端を感じて、お腹の奥がきゅんと疼くのが分かった。
「興奮した男に対して、やだ、とかやめて、て抵抗しても無意味やで? むしろ男を煽るだけや」
「な……そ、そんなのしらないっ……!」
「ほな知っといて。逆に従順になったら、やる気削がれるかもしれへんなぁ」
「じゅ、従順って……?」
「そやなぁ、こう首に腕絡めて、ソウのが欲しい……なんて言えたら、上出来ちゃう?」
本当だろうか。
もうこれ以上、ソウに快感を与えられたら本当にどうにかなってしまいそうだ。それを実行するのも抵抗があるが、快感のせいで朦朧とした頭では思考がおぼつかない。
意を決して、言われた通りわたしに覆いかぶさるソウの首に腕を絡めた。自然と、膝が胸につくくらい体を折り曲げられることになる。その苦しさに顔を歪めながらも、わたしは恐る恐るその言葉を口にした。
「え、えっと……そ、ソウのが、ほしいっ……!」
できるだけ従順に、と思いながらソウの瞳をまっすぐ見つめて言った。恥ずかしさはもちろんあったが、これ以上ソウに好き勝手されるより遙かにましだ。
しかし、ソウの反応がない。怪訝に思ってもう一度ソウを見上げると、ぴたりと触れ合っていたお互いの秘所がくちゅりと音を立てるのが分かった。そして。
「えっ……あ、うそっ、あ、んあああっ!!」
そのまま、上から突き刺すように熱い塊を挿入される。油断していた瞬間に、上から一気に挿入された衝撃で体が痙攣する。
「う……あかんて、ユキちゃん……あんまり締めんといて」
「あ、ああ、うそつきぃっ……! なん、でぇっ……?」
「はは、ごめんな、ユキちゃん……っ、まさか、こない素直に言うてくれるとは、思えへんかったわ」
「ば、かっ……! きら、いっ、ほんとに、きらっ……あ、ああっ、いやぁんっ!」
まんまと騙された恥ずかしさから悪態をつくも、ソウのもので責められてしまえばもう喘ぐことしかできなくなる。真上からソウのもので貫かれるたびに、嗚咽のような喘ぎが漏れてしまう。
この体勢のせいか、いつもより深い位置までソウが入り込んでいる気がする。痛いような、苦しいような不思議な感覚に顔を歪めた。
「ん、ああっ……くる、しっ……! そう、これ、くるしいっ……!」
「う、はぁ……苦しい? この体勢やと、奥まで、入りすぎるんかなっ……!」
「うあっ、あぁんっ! だ、だめっ、それ以上、はい、らなっ……! いやぁっ!」
「ぐ……っ、ユキちゃん、わかる? ほら、今当たってるん、ユキちゃんの子宮やで?」
「んんんっ……! し、きゅうっ……?」
「うん……赤ちゃんが、できるとこの入口、ボクので突いてるん、わかるやろ? ほらっ……!」
「ああっ! やっ、やだっ、ぐりぐりしないでぇっ!」
一番奥まで突かれたかと思うと、そのまま擦るようにソウの先端を押し付けられる。痛くて苦しいだけだと思っていたのに、その先に待っていたのはこれまで以上の快感だった。ソウに体を開かれてからまだ数日しか経っていないというのに、もうすでに快感に溺れてしまいそうだ。
ふと差した日差しが眩しくて目を逸らす。そういえば、ここは別荘の敷地内とはいえ外である。でも、もうそんなことを気にする暇などない。
大きすぎる快感が恐ろしくなって、辛うじてソウの首に絡まっていた腕の力を強くする。助けを求めるように、熱に浮かされたようなソウの瞳を見つめる。すると、ひたすらわたしの最奥を攻めていた動きを弱めて、ふっと笑った。そのまま、身を屈めて優しく唇にキスを落とす。
一つ、覚えた。こうしたら、ソウが優しくキスしてくれる。
「っは、ユキちゃん、かわいい……もう、普通にしよか? ぎゅってしながら、気持ちよくなろ」
「うんっ、あ、あっ……! ぎゅって、してぇっ……!」
「……もう、ユキちゃんっ……! どれだけボクを夢中にさしたら、気が済むん?」
ソウが困ったように笑いながら、繋がったまま体勢を変えて抱きしめてくれた。それにようやく安心して、今度はソウの背中にぎゅっと抱き着いた。
「はぁ、んんぅっ……! あ、あっ、あんっ、そ、うぅっ……!」
「ああ、やっぱユキちゃん、こうやって、ぎゅってしながらするんが、一番好きそう、やなっ……」
「う、んっ……す、き……っ、そう、すきっ……!」
「っ……! はぁっ、もう、ユキちゃんには敵わへんわっ……!」
もう何も考えられなくて、本能のままソウにしがみつく。ソウの切羽詰まったような、どこか艶っぽい声が嬉しくて、もっと聞きたいと思った。ついさっきまで、意地悪なソウが憎らしかったのに、今は愛おしくて仕方ない。
汗や涙でぐちゃぐちゃになったわたしを見ても、何度も名前を呼んで、かわいいと囁いてくれる。その想いに応えたくて、声にならない声で何度も好きだと叫んだ。
「はぁ、もう、イきそうや……ユキちゃん、ちょうだい、って言うて?」
「あ、ああっ、え、ちょうだいっ……?」
「ぐっ……! うん、そうっ……今は、意味分からんでええから、言うて……っ」
「あっ、ああっ、んっ、ちょう、だい……っ、そうっ、ちょうだいっ……!」
「は、ユキちゃんっ……! ボクの、全部、ユキちゃんにあげるわっ……!」
「ひっ……そ、うっ……! あ、あ、あああんっ!」
どくん、とわたしの中でソウのものが大きく脈打った。その熱さを感じながら、さっきと同じようにソウの瞳を見つめると、やっぱり優しくキスしてくれる。それを大人しく受け入れると、褒めるかのようにわたしの髪を撫でた。
新しい言葉を覚えた子どもは、きっとこんな気持ちなのだろう。嬉しくて、力が入らないままふにゃりと笑うと、ソウも同じように笑った。
ソウがゆっくりと自身を引き抜くと同時に、粘着質な液体が漏れ出る感覚がする。この感覚がどうにも苦手で、わたしは思わず息を漏らした。
力が入らないわたしの代わりに、ソウがてきぱきと後始末をしてくれる。
「……さて、ユキちゃん。一つ問題や」
「へ……?」
「ユキちゃんの下着、びしょびしょにしてもうたんやけど……別荘まで、ノーパンで帰れる?」
二人で顔を見合わせる。
そこでようやく冷静になって、一気に恥ずかしさが込み上げてきた。そのやり場のない恥ずかしさをめいっぱいこめて、へらへらと笑うソウの頬を思いっきり引っぱたいた。
「ユキちゃん、ココ吸われるより、舐められる方が感じるん?」
「し、知らなっ……! ん、んぅっ……!」
「知らんか。ほな、分かるまで舐めたる」
「いやっ、ちがうっ! 分かる、分かるからぁっ……! あ、あんっ!」
同じところばかり責められて、頭がおかしくなりそうだ。ただでさえこの状況についていけなくて、どうにかなってしまいそうなのに。
そんなわたしの反応に気を良くしてか、ソウは楽しそうにスカートをたくし上げた。熱のこもってしまった下半身の風通しがよくなって、わたしは身を縮ませた。
「ユキちゃん、脚開き」
「や、やだっ」
「……強引にされるんがお好みで?」
「ち、が……! も、やめて、こっちはやだぁっ!」
「やだ、言うても……こない中途半端な状態で放っといたら、かわいそうやん。なぁ?」
「あっ……!」
そう言って閉じたままの足を高々と持ち上げられたかと思うと、後転する途中のような恥ずかしい体勢で体を固定される。かろうじて下着はまだつけているものの、一番恥ずかしい場所がソウの眼前に持って来られて、体中が沸騰したかのように熱くなる。
「やだやだやだっ、ソウ、これやだぁっ!」
「もう、文句ばっかりやなぁユキちゃんは。ちょっと黙っとき。あ、喘ぎ声ならいくらでも出してええよ」
「いやぁっ……! あ、うああっ!」
その体勢のまま、下着の上から敏感な場所を指で擦られる。体をくの字に曲げた体勢だから、ソウの指で責められているのがわたしにもよく見えてしまう。
時折、ぎゅっと指で挟まれると一層甲高い声が出てしまって、その様子を見てソウが嬉しそうに笑みを深めるのがひどく憎らしい。
「は、はぁ、はぁっ……も、やだぁ……っ」
「ユキちゃん、これだけで音ぇ上げとったらあとが辛いで? ほら、これもうびっしょびしょやから脱ごな」
「あ、やだ、待って……!」
そんなわたしの声が聞き届けられるわけもなく、あっという間に下着を脱がされる。濡れたそこに、風が直接当たって冷たい。
明るい陽の光にさらされたそこを、ソウがじっと見つめているのが分かった。羞恥のあまり、涙がぽろぽろとこぼれてくる。
「い、やぁ……! みないでっ、おねがい……!」
「ユキちゃん、かわいい……ユキちゃんのここ、こないなってるんや」
「いやっ、もうやだぁっ!」
「あ、今ここ、びくってなった……ユキちゃん、見られて感じてるん?」
「ち、ちが……もう、ゆるしてっ、お願いだからっ……!」
「……ごめんな、ユキちゃん。そない可愛い顔で泣かれたら……」
──めちゃくちゃ興奮する。
獲物を見つけた蛇のように舌なめずりをするソウを見て、背筋がぞっとするのが分かった。
ソウはそのままわたしの秘所に顔をうずめたかと思うと、さっき胸にしたのと同じように激しく舌を動かす。
「あ、あっ、ああんっ! や、そんなとこ、なめないでぇっ……!」
「ん……舐めるん、初めてやったっけ? ここ舐めたら、どんどん溢れてくるわ……」
「う、あぁっ……やだ、やだぁっ……!」
必死に頭を振って抵抗しても、それすらソウにとっては興奮材料にしかならないようだ。
秘所の形をじっくりと確かめるように、丁寧すぎるほど丁寧に舐められる。がくがくと震える両足は、ソウに高々と持ち上げられたままだ。
羞恥と快感に耐えるように、わたしは唯一自由な手で地面の草をぐっと握りしめた。
「あ、あ、あっ……! だ、めっ、きちゃ、きちゃうっ……! いやぁっ!」
「ん、ユキちゃん、イきそう? ええで、イっても」
「ぅあ、やだ、やだぁっ……はなしてっ、ほんとにっ、ほんとにきちゃうぅ……っ!」
「ああ、外やからイくの躊躇ってるん? かわいいなぁユキちゃん、一生懸命我慢して……ほな、一気に楽にしたるわ」
「え……あっ、あ、あああんっ!」
ソウがわたしの一番敏感な場所を強く吸い上げたかと思うと、頭が真っ白になって全身が大きく跳ねるのが分かった。我慢することもできず、一際甲高い声をあげてわたしは果てた。
目を瞑って荒い呼吸を整えていると、ソウがようやくわたしの両足を下ろしてくれた。
「はぁ、はぁ、はぁ……そうの、ばかぁっ……! もう、きらいっ……!」
「そないいやらしい顔で言われても、説得力ないなぁ」
「い、いやらしいってっ……!」
「あれ、自覚ないん? 今のユキちゃんの顔、犯してくださいって言うてるみたいや……その顔、ボクにしか見したらあかんで」
意地の悪い笑みを絶やさないまま、再びソウがわたしの両足を掴んで持ち上げた。先ほどの大きな快感を思い出す体勢になって、ひっと小さく悲鳴をあげた。
「や、やだっ……これ、もうやだぁっ…!」
「……ユキちゃん。一つ教えたるわ」
「え……な、なに……?」
いつの間にかソウの服もくつろげられていて、熱い塊がすでにわたしの秘所をとらえている。そのつるりとした先端を感じて、お腹の奥がきゅんと疼くのが分かった。
「興奮した男に対して、やだ、とかやめて、て抵抗しても無意味やで? むしろ男を煽るだけや」
「な……そ、そんなのしらないっ……!」
「ほな知っといて。逆に従順になったら、やる気削がれるかもしれへんなぁ」
「じゅ、従順って……?」
「そやなぁ、こう首に腕絡めて、ソウのが欲しい……なんて言えたら、上出来ちゃう?」
本当だろうか。
もうこれ以上、ソウに快感を与えられたら本当にどうにかなってしまいそうだ。それを実行するのも抵抗があるが、快感のせいで朦朧とした頭では思考がおぼつかない。
意を決して、言われた通りわたしに覆いかぶさるソウの首に腕を絡めた。自然と、膝が胸につくくらい体を折り曲げられることになる。その苦しさに顔を歪めながらも、わたしは恐る恐るその言葉を口にした。
「え、えっと……そ、ソウのが、ほしいっ……!」
できるだけ従順に、と思いながらソウの瞳をまっすぐ見つめて言った。恥ずかしさはもちろんあったが、これ以上ソウに好き勝手されるより遙かにましだ。
しかし、ソウの反応がない。怪訝に思ってもう一度ソウを見上げると、ぴたりと触れ合っていたお互いの秘所がくちゅりと音を立てるのが分かった。そして。
「えっ……あ、うそっ、あ、んあああっ!!」
そのまま、上から突き刺すように熱い塊を挿入される。油断していた瞬間に、上から一気に挿入された衝撃で体が痙攣する。
「う……あかんて、ユキちゃん……あんまり締めんといて」
「あ、ああ、うそつきぃっ……! なん、でぇっ……?」
「はは、ごめんな、ユキちゃん……っ、まさか、こない素直に言うてくれるとは、思えへんかったわ」
「ば、かっ……! きら、いっ、ほんとに、きらっ……あ、ああっ、いやぁんっ!」
まんまと騙された恥ずかしさから悪態をつくも、ソウのもので責められてしまえばもう喘ぐことしかできなくなる。真上からソウのもので貫かれるたびに、嗚咽のような喘ぎが漏れてしまう。
この体勢のせいか、いつもより深い位置までソウが入り込んでいる気がする。痛いような、苦しいような不思議な感覚に顔を歪めた。
「ん、ああっ……くる、しっ……! そう、これ、くるしいっ……!」
「う、はぁ……苦しい? この体勢やと、奥まで、入りすぎるんかなっ……!」
「うあっ、あぁんっ! だ、だめっ、それ以上、はい、らなっ……! いやぁっ!」
「ぐ……っ、ユキちゃん、わかる? ほら、今当たってるん、ユキちゃんの子宮やで?」
「んんんっ……! し、きゅうっ……?」
「うん……赤ちゃんが、できるとこの入口、ボクので突いてるん、わかるやろ? ほらっ……!」
「ああっ! やっ、やだっ、ぐりぐりしないでぇっ!」
一番奥まで突かれたかと思うと、そのまま擦るようにソウの先端を押し付けられる。痛くて苦しいだけだと思っていたのに、その先に待っていたのはこれまで以上の快感だった。ソウに体を開かれてからまだ数日しか経っていないというのに、もうすでに快感に溺れてしまいそうだ。
ふと差した日差しが眩しくて目を逸らす。そういえば、ここは別荘の敷地内とはいえ外である。でも、もうそんなことを気にする暇などない。
大きすぎる快感が恐ろしくなって、辛うじてソウの首に絡まっていた腕の力を強くする。助けを求めるように、熱に浮かされたようなソウの瞳を見つめる。すると、ひたすらわたしの最奥を攻めていた動きを弱めて、ふっと笑った。そのまま、身を屈めて優しく唇にキスを落とす。
一つ、覚えた。こうしたら、ソウが優しくキスしてくれる。
「っは、ユキちゃん、かわいい……もう、普通にしよか? ぎゅってしながら、気持ちよくなろ」
「うんっ、あ、あっ……! ぎゅって、してぇっ……!」
「……もう、ユキちゃんっ……! どれだけボクを夢中にさしたら、気が済むん?」
ソウが困ったように笑いながら、繋がったまま体勢を変えて抱きしめてくれた。それにようやく安心して、今度はソウの背中にぎゅっと抱き着いた。
「はぁ、んんぅっ……! あ、あっ、あんっ、そ、うぅっ……!」
「ああ、やっぱユキちゃん、こうやって、ぎゅってしながらするんが、一番好きそう、やなっ……」
「う、んっ……す、き……っ、そう、すきっ……!」
「っ……! はぁっ、もう、ユキちゃんには敵わへんわっ……!」
もう何も考えられなくて、本能のままソウにしがみつく。ソウの切羽詰まったような、どこか艶っぽい声が嬉しくて、もっと聞きたいと思った。ついさっきまで、意地悪なソウが憎らしかったのに、今は愛おしくて仕方ない。
汗や涙でぐちゃぐちゃになったわたしを見ても、何度も名前を呼んで、かわいいと囁いてくれる。その想いに応えたくて、声にならない声で何度も好きだと叫んだ。
「はぁ、もう、イきそうや……ユキちゃん、ちょうだい、って言うて?」
「あ、ああっ、え、ちょうだいっ……?」
「ぐっ……! うん、そうっ……今は、意味分からんでええから、言うて……っ」
「あっ、ああっ、んっ、ちょう、だい……っ、そうっ、ちょうだいっ……!」
「は、ユキちゃんっ……! ボクの、全部、ユキちゃんにあげるわっ……!」
「ひっ……そ、うっ……! あ、あ、あああんっ!」
どくん、とわたしの中でソウのものが大きく脈打った。その熱さを感じながら、さっきと同じようにソウの瞳を見つめると、やっぱり優しくキスしてくれる。それを大人しく受け入れると、褒めるかのようにわたしの髪を撫でた。
新しい言葉を覚えた子どもは、きっとこんな気持ちなのだろう。嬉しくて、力が入らないままふにゃりと笑うと、ソウも同じように笑った。
ソウがゆっくりと自身を引き抜くと同時に、粘着質な液体が漏れ出る感覚がする。この感覚がどうにも苦手で、わたしは思わず息を漏らした。
力が入らないわたしの代わりに、ソウがてきぱきと後始末をしてくれる。
「……さて、ユキちゃん。一つ問題や」
「へ……?」
「ユキちゃんの下着、びしょびしょにしてもうたんやけど……別荘まで、ノーパンで帰れる?」
二人で顔を見合わせる。
そこでようやく冷静になって、一気に恥ずかしさが込み上げてきた。そのやり場のない恥ずかしさをめいっぱいこめて、へらへらと笑うソウの頬を思いっきり引っぱたいた。
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