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第1章
31.青空の下
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慣れた手つきでソウがフライパンを揺らす。少し焦げ目のついた卵焼きがおいしそうに湯気をたてている。その隣では、同じように湯気をたてながらウインナーが茹でられている。
わたしは、その様子を少し離れたところから恨めし気に見つめることしかできない。
「……ねえソウ、わたしも」
「あかん。ユキちゃんは大人しく待っとき」
「まだ何も言ってないんだけど」
「わたしも手伝う、言うつもりやったやろ。あかん。ついさっき痛い思いしたばっかりやん」
「ちょっと切っちゃっただけだってば……」
「絶対あかん。ユキちゃんはもう料理禁止や」
つい先ほどのことだ。
今日は、お弁当を作って少し遠くの草原までピクニックに行く予定だった。そのためのお弁当を二人で作り始めてすぐ、プチトマトを包丁で切ろうとしたところうっかり手を滑らせて、指先をほんの少し切ってしまった。
大した怪我でもなく、幸いすぐに血も止まったのだが、ソウは血相を変えてわたしから包丁を取り上げ、手早く応急処置をしてくれた。そこまではよかったのだが、いざ料理を再開しようとしたらソウに止められてしまったのだ。
「ボクがちゃんと見てなかったからやな。ごめんな、ユキちゃん」
「……わたしも料理したい」
「あかんて。あんまりわがまま言うと出かけんのやめんで」
「そんな、子ども扱いしないでよ!」
「ボクから見たらユキちゃんなんてまだまだお子様や」
何が何でもわたしに料理をさせないつもりらしい。頑固なソウのことだから、こうなってしまえば何を言っても無駄だ。
ふてくされて、ダイニングテーブルに突っ伏して悪態をつく。
「……けち。意地悪」
「はいはい」
「頑固親父、過保護」
「…………」
「いじめっ子、変態、見栄っ張り……」
「やいやい言うてるんはどの口や? 黙るまでキスして塞いだろか?」
「……ごめんなさい」
「まったく……今度言うたらお仕置きやからな」
これでは本当に子どもみたいだ。納得がいかないが、大人しくお弁当ができあがるのを待つことにした。
*
「ごちそうさまでした」
「お粗末様。おいしかった?」
「……うん。悔しいけど」
「もう機嫌直してや。包丁使わへんかったら、料理してもええから」
別荘から少し歩いたところには草原が広がっていた。木陰を見つけ、そこでのんびりと二人でお弁当を食べた。
爽やかな風が吹き抜け、木々が揺れる。心地よい陽気の中、お腹もいっぱいになったし、なんだか眠くなってきた。
小さくあくびをすると、それを見てソウが笑うのが分かった。
「少しお昼寝しよか?」
「ここで?」
「うん。ほら、こっちおいで」
ソウが荷物を端に寄せて、持ってきたレジャーシートの上にごろんと寝転がった。わたしも真似をして、その隣に寝転がる。
「……昔も、こうやって外でお昼寝したね」
「そやったなぁ。うっかり夕方まで寝てもうて、親父たちが心配して探しにきたこともあったけど」
「そうだったっけ?」
「うん、覚えてへん? あ、ユキちゃんは寝たまんまトウジさんにおぶわれて帰ったんやったわ。かわいかったなぁ、小さい頃のユキちゃん……今もかわいいけど」
寝ころんだまま、ぐっと肩を引き寄せられた。すぐ近くにソウの顔がある。
少し前のわたしだったら、この時点で顔を真っ赤にしていたことだろう。でも今は、その目をじっと見つめることができる。薄いブルーの瞳が、しっかりとわたしの目を見つめ返してくれる。胸が高鳴るが、これは緊張ではないことを知っている。
きっと、この先何十年経ったとしても、この胸の高鳴りが収まることはないのだろう。
「……いつからやろ。ユキちゃんとこ純粋な目で見られへんようになったの」
「え……?」
「最初はな、ただただユキちゃんが可愛くて、妹ができたみたいに思って、一緒に遊ぶのが楽しかった。けど、気付いたら他の感情が出てきた」
「他の感情って?」
ソウの指が、わたしの手をとる。
白くて細い、綺麗な指。でもわたしの手とは違って、節くれだった大きな手に、やっぱり大人の男の人なのだと実感させられる。
「大切にしたいのに、いじめたくなる。ユキちゃんの、いろんな表情が見たい。ボク以外の誰にも渡したない、誰にも触れさせたない」
ソウの手が、ぎゅっと強くわたしの手を握る。ソウの目を見ると、どこか遠くに思いを馳せているように見えて、わたしの瞳を捕えて離さない。
「これでも、ボクかて昔は純真無垢やったんやで? それをこんなんにしたんはユキちゃんや」
「な、なにそれ?」
「……ユキちゃんを一人の女の子として好きなんやって気付いてからは、正直しんどかったわ。なんせユキちゃんは鈍感やし、思春期のボクを煽るようなこと平気でしてきよる」
「あ、あおる?」
「まあ、ユキちゃんは何にも思ってなかったやろけど。今みたいに二人でくっついて一緒に寝てて、何回ユキちゃんにキスしよう思たことか」
「えっ!?」
「もちろん我慢したで? ユキちゃんに嫌われたなかったし。そやけど、ユキちゃんはボクの気持ちなんて知らんと抱きついて来て、可愛い声で『そうちゃん大好き』なんて言うもんやから……ここまで我慢できたボクを褒めてほしいわ」
そんなの知らない。
あの頃、ソウがそんなことを思ってわたしを見ていたなんて知らなかった。
わたしだってちゃんと、一人の男の子としてソウのことが好きだった。でも、ソウと一緒にいられたらそれだけで嬉しくて、我慢なんて考えたこともなかった。
「そやから、この前ユキちゃんがボクのこと好きやって言うてくれたときに決めたんや」
「え……何を?」
ソウがわたしの手を握りしめながら、耳元で囁く。
「もう、我慢なんかしいひんって」
何か言葉を発する前に、ソウの唇がわたしのそれを塞いだ。優しく触れたそれを、おとなしく受け入れる。
幸せな気持ちで唇を合わせていたが、なかなか離れないことを怪訝に思って薄く目を開けると、その瞬間に後頭部をぐっと引き寄せられて、かわいらしい口づけが深いものに変わっていくのを察した。
「ま、待ってっ、ここ外っ……!」
触れるだけの口づけならと受け入れたが、こんな真昼間から、しかも木陰とはいえ太陽の光が直接照らす中で深い口づけをするのにはさすがに抵抗がある。
とっさにソウの胸を両手で押し返して抗議したが、ソウはその両手を掴んで再び口付ける。
降り注ぐ日の光の中、近くでさわさわと揺れる葉の音が聞こえる。そんなのどかな空気には似合わない、いやらしい水音を立てながらソウが一層口付けを深くする。その口付けに翻弄されている間に、ソウの左手が器用にわたしのブラウスのボタンを一つずつ外していくのが分かった。
「んうっ……! そ、うっ……! だめっ!」
「なんで?」
「な、なんでって、決まってるでしょう!? こ、こんな場所でっ……!」
「誰も来いひんって。ここら一帯は王族の所有地やし」
「そういう問題じゃないっ! ね、せめて別荘に戻ってからっ……」
「ごめんな、ユキちゃん。ボク辛抱足らんねん。今すぐ抱きたい」
「そ、そんなぁっ……!」
一度こうなってしまったソウを動かすことは不可能だ。
ソウがボタンをすべて外し終え、胸を隠していた下着をぐっと上に押し上げると、さらさらと優しい風が素肌を撫でた。
こんな良いお天気の下、こんなことをしているなんて。そう考えたら、いつも以上に羞恥心で頭がいっぱいになる。
わたしは、その様子を少し離れたところから恨めし気に見つめることしかできない。
「……ねえソウ、わたしも」
「あかん。ユキちゃんは大人しく待っとき」
「まだ何も言ってないんだけど」
「わたしも手伝う、言うつもりやったやろ。あかん。ついさっき痛い思いしたばっかりやん」
「ちょっと切っちゃっただけだってば……」
「絶対あかん。ユキちゃんはもう料理禁止や」
つい先ほどのことだ。
今日は、お弁当を作って少し遠くの草原までピクニックに行く予定だった。そのためのお弁当を二人で作り始めてすぐ、プチトマトを包丁で切ろうとしたところうっかり手を滑らせて、指先をほんの少し切ってしまった。
大した怪我でもなく、幸いすぐに血も止まったのだが、ソウは血相を変えてわたしから包丁を取り上げ、手早く応急処置をしてくれた。そこまではよかったのだが、いざ料理を再開しようとしたらソウに止められてしまったのだ。
「ボクがちゃんと見てなかったからやな。ごめんな、ユキちゃん」
「……わたしも料理したい」
「あかんて。あんまりわがまま言うと出かけんのやめんで」
「そんな、子ども扱いしないでよ!」
「ボクから見たらユキちゃんなんてまだまだお子様や」
何が何でもわたしに料理をさせないつもりらしい。頑固なソウのことだから、こうなってしまえば何を言っても無駄だ。
ふてくされて、ダイニングテーブルに突っ伏して悪態をつく。
「……けち。意地悪」
「はいはい」
「頑固親父、過保護」
「…………」
「いじめっ子、変態、見栄っ張り……」
「やいやい言うてるんはどの口や? 黙るまでキスして塞いだろか?」
「……ごめんなさい」
「まったく……今度言うたらお仕置きやからな」
これでは本当に子どもみたいだ。納得がいかないが、大人しくお弁当ができあがるのを待つことにした。
*
「ごちそうさまでした」
「お粗末様。おいしかった?」
「……うん。悔しいけど」
「もう機嫌直してや。包丁使わへんかったら、料理してもええから」
別荘から少し歩いたところには草原が広がっていた。木陰を見つけ、そこでのんびりと二人でお弁当を食べた。
爽やかな風が吹き抜け、木々が揺れる。心地よい陽気の中、お腹もいっぱいになったし、なんだか眠くなってきた。
小さくあくびをすると、それを見てソウが笑うのが分かった。
「少しお昼寝しよか?」
「ここで?」
「うん。ほら、こっちおいで」
ソウが荷物を端に寄せて、持ってきたレジャーシートの上にごろんと寝転がった。わたしも真似をして、その隣に寝転がる。
「……昔も、こうやって外でお昼寝したね」
「そやったなぁ。うっかり夕方まで寝てもうて、親父たちが心配して探しにきたこともあったけど」
「そうだったっけ?」
「うん、覚えてへん? あ、ユキちゃんは寝たまんまトウジさんにおぶわれて帰ったんやったわ。かわいかったなぁ、小さい頃のユキちゃん……今もかわいいけど」
寝ころんだまま、ぐっと肩を引き寄せられた。すぐ近くにソウの顔がある。
少し前のわたしだったら、この時点で顔を真っ赤にしていたことだろう。でも今は、その目をじっと見つめることができる。薄いブルーの瞳が、しっかりとわたしの目を見つめ返してくれる。胸が高鳴るが、これは緊張ではないことを知っている。
きっと、この先何十年経ったとしても、この胸の高鳴りが収まることはないのだろう。
「……いつからやろ。ユキちゃんとこ純粋な目で見られへんようになったの」
「え……?」
「最初はな、ただただユキちゃんが可愛くて、妹ができたみたいに思って、一緒に遊ぶのが楽しかった。けど、気付いたら他の感情が出てきた」
「他の感情って?」
ソウの指が、わたしの手をとる。
白くて細い、綺麗な指。でもわたしの手とは違って、節くれだった大きな手に、やっぱり大人の男の人なのだと実感させられる。
「大切にしたいのに、いじめたくなる。ユキちゃんの、いろんな表情が見たい。ボク以外の誰にも渡したない、誰にも触れさせたない」
ソウの手が、ぎゅっと強くわたしの手を握る。ソウの目を見ると、どこか遠くに思いを馳せているように見えて、わたしの瞳を捕えて離さない。
「これでも、ボクかて昔は純真無垢やったんやで? それをこんなんにしたんはユキちゃんや」
「な、なにそれ?」
「……ユキちゃんを一人の女の子として好きなんやって気付いてからは、正直しんどかったわ。なんせユキちゃんは鈍感やし、思春期のボクを煽るようなこと平気でしてきよる」
「あ、あおる?」
「まあ、ユキちゃんは何にも思ってなかったやろけど。今みたいに二人でくっついて一緒に寝てて、何回ユキちゃんにキスしよう思たことか」
「えっ!?」
「もちろん我慢したで? ユキちゃんに嫌われたなかったし。そやけど、ユキちゃんはボクの気持ちなんて知らんと抱きついて来て、可愛い声で『そうちゃん大好き』なんて言うもんやから……ここまで我慢できたボクを褒めてほしいわ」
そんなの知らない。
あの頃、ソウがそんなことを思ってわたしを見ていたなんて知らなかった。
わたしだってちゃんと、一人の男の子としてソウのことが好きだった。でも、ソウと一緒にいられたらそれだけで嬉しくて、我慢なんて考えたこともなかった。
「そやから、この前ユキちゃんがボクのこと好きやって言うてくれたときに決めたんや」
「え……何を?」
ソウがわたしの手を握りしめながら、耳元で囁く。
「もう、我慢なんかしいひんって」
何か言葉を発する前に、ソウの唇がわたしのそれを塞いだ。優しく触れたそれを、おとなしく受け入れる。
幸せな気持ちで唇を合わせていたが、なかなか離れないことを怪訝に思って薄く目を開けると、その瞬間に後頭部をぐっと引き寄せられて、かわいらしい口づけが深いものに変わっていくのを察した。
「ま、待ってっ、ここ外っ……!」
触れるだけの口づけならと受け入れたが、こんな真昼間から、しかも木陰とはいえ太陽の光が直接照らす中で深い口づけをするのにはさすがに抵抗がある。
とっさにソウの胸を両手で押し返して抗議したが、ソウはその両手を掴んで再び口付ける。
降り注ぐ日の光の中、近くでさわさわと揺れる葉の音が聞こえる。そんなのどかな空気には似合わない、いやらしい水音を立てながらソウが一層口付けを深くする。その口付けに翻弄されている間に、ソウの左手が器用にわたしのブラウスのボタンを一つずつ外していくのが分かった。
「んうっ……! そ、うっ……! だめっ!」
「なんで?」
「な、なんでって、決まってるでしょう!? こ、こんな場所でっ……!」
「誰も来いひんって。ここら一帯は王族の所有地やし」
「そういう問題じゃないっ! ね、せめて別荘に戻ってからっ……」
「ごめんな、ユキちゃん。ボク辛抱足らんねん。今すぐ抱きたい」
「そ、そんなぁっ……!」
一度こうなってしまったソウを動かすことは不可能だ。
ソウがボタンをすべて外し終え、胸を隠していた下着をぐっと上に押し上げると、さらさらと優しい風が素肌を撫でた。
こんな良いお天気の下、こんなことをしているなんて。そう考えたら、いつも以上に羞恥心で頭がいっぱいになる。
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