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第1章
20.幸せの始まり
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ソウと一緒に城に帰ると、城門でリサとトーヤ、それにタカミまでもがわたしたちを待ってくれていた。
夕飯の時間になっても帰ってこないわたしたちを心配して、リサとトーヤが探しに行こうとしたところをタカミに止められたらしい。
「その様子だと、探しに行かなくて正解だったようですね」
「えっ……」
「そやな。うっかりトーヤくんでも来てもうたらいい雰囲気が台無しや」
「どういう意味だよ!?」
「もうっ! 本当に心配したんですからね! アンナさん、待ちくたびれて帰っちゃいましたよ!」
「ごめんね、リサちゃん」
そして五人で城の中へ入る。
遅い夕飯をとって、リサに付き添われて浴場に行った。一人で広い湯船に浸かっていると、先ほどのソウとの会話が蘇る。
とうとう、言ってしまった。今さら恥ずかしがってもどうしようもないのだが、赤くなった顔にばしゃばしゃと湯をかける。
これで部屋に戻ったら、きっとソウが待っている。どんな顔をして戻ったらいいのだろう。
湖からの帰り道、ソウは気持ち悪いくらい機嫌が良かった。
「めんどくさいなぁ……」
我ながらひどいことを言っているが、機嫌がいいときのソウには何を言っても通じない。いや、普段からわたしの意見などほとんど聞いてくれないのだが。
いつもより長めの風呂からあがると、廊下でリサが待ってくれていた。
「ごめんね、遅くなって」
「いいんですよ。落ち着きました?」
「え……」
「ユキ様、なんだかそわそわしてましたから。陛下と、なにかあったんでしょう?」
「……うん」
わたしが微笑みながら頷いたのを見て、リサは全て察してくれたようだ。それ以上何も聞かず、部屋まで一緒に歩いた。
「ではユキ様、おやすみなさい」
「おやすみ、リサちゃん。あ、それと」
「はい、なんでしょう?」
「……ありがとう」
そう言うと、リサはこちらこそ、とにっこり笑った。
*
「おかえり、ユキちゃん。体、温まった?」
「は、はい……」
部屋に入ると、案の定すでにソウがガウン姿で待っていた。
なんだかいつもより緊張する。ぎこちなく荷物を片付けながら、ちらちらとソウの様子を窺った。
ソウは普段通り、ベッドに寝転んで本を読んでいる。いつもと変わらない様子だが、何を考えているのだろう。
こうして改めてソウを見てみると、たいへん整った顔立ちをしている。
白い肌は肌理も細かく、ぱっちりと開いた瞳は薄い青色を宿している。父親譲りの灰色の髪を、ソウはあまり気に入っていないと言っていたが、光が当たるたびにそれは銀糸のように輝いて美しい。口元は不敵な笑みを浮かべているが、わたしに触れる唇はいつも優しい。
そんなことを考えていると、余計に緊張が高まる。
もう片付けるものもないのに、わたしはソウのいるベッドに入りづらくて、引き出しの中のペンを出したり仕舞ったりしていた。
「ユキちゃん、ボク待ちくたびれたわ。はよこっちおいで」
「へっ!?」
間抜けな声をあげて振り向くと、ソウがすでに本を置いてベッドに入っている。おいで、と手招きされるがままにわたしはそろそろとベッドに近づいた。
「はよ入り。もう寝る時間やで」
幼子に言い聞かせるように、やけに優しい声でわたしに話しかける。今さら嫌だとは言えなくて、わたしはぎこちなくベッドに入った。
ソウが照明を消すと、ベッドサイドの小さな明かりだけが灯る。
心臓の動きがやたら早い。ソウにばれてしまわないだろうか。
目を瞑り、胸元でぎゅっと両手を握りしめていると、何かが上に覆いかぶさった。
「え……?」
「……ユキちゃん、好きや」
目を開けると、すぐそこにソウの顔があった。反応する暇もなく、唇同士が触れる。自然な流れで、わたしは目を瞑った。
いつも半ば義務のように受け入れていたこのキスも、今はただ幸せだった。思いが通じるということが、こんなにも嬉しいなんて知らなかった。
だから、ぬるりと入ってきた舌も今日は拒まなかった。呼吸をするタイミングはまだつかめない。
でも、心なしかソウの動きが一瞬止まった気がして、その瞬間に息を吸い込んだ。
「はあ、ユキちゃん……」
ソウの呼吸も荒い。それがなんだか嬉しくて、口内で動くソウの舌に自分の舌を少しだけ絡めた。その瞬間、ソウがびくっと反応して、唇を離してしまう。
「はぁ、はぁ……ソウ……?」
肩で息をしながら、ぼんやりとした頭で考える。
どうしたのだろう。もっとこうしていたかったのに。
「ごめん……もう、限界……」
「え、なに……? んぅっ……!?」
ソウは何やら切羽詰った様子で謝ると、わたしが言葉を発する前にもう一度口づけた。
さっきより荒く激しい口づけに、わたしは翻弄される。息を吸う瞬間を探しているうちに、ソウの手がわたしの身体を這うように触る。肩、腕、背中、と触られているうちに、その手が夜着の上からわたしの胸に触れた。
「んっ! う、んんっ……!」
唇は塞がれたままで、抵抗する言葉さえ出せない。
優しく、胸の形を確かめるように触られていると、体の奥が熱をもっていくように思えた。恥ずかしい。
わたしは、他の女の子と比べて胸が成長しないことを密かに悩んでいた。素敵なドレスを贈ってもらっても、全然似合わない。先ほど会ったアンナのような、大人の女性と言うには程遠い自分の容姿が憎かった。
王になってからはいつも正装で中性的な格好をしていたし、やるべきことが多すぎて胸の大きさを悩んでいる暇などなかった。でも、こうしてソウに触れられたことで、そのコンプレックスを思い出してしまった。
「あ、やだっ……さわらないで……!」
「……なんで?」
「やだっ、嫌なの……! ち、ちいさい、からっ」
必死の思いでそれだけ言うと、ソウの動きがぴたりと止まった。恐る恐るソウの顔を見上げると、今まで見たことがないくらいにやついた顔をしていた。
「ユキちゃん、そんなこと気にしてたん?」
「そ、そんなことって! だって、ドレスも似合わないし、大人っぽくないしっ」
「ええやん別に。まぁ確かに大きいとは言えへんけど、柔くて気持ちよかったし」
「やわっ……!? だっ、だいたい、なんで胸触るのよ!」
「なんでって……触りたいからに決まってるやん。ああもう、それより早よ続きしよ。もう限界て言うたやん」
「え? 続きって……なにするの」
「え? そやからその……ユキちゃんを抱くんや」
「抱くって、もう抱いてるじゃない」
「その抱くと違て……あー、そやから、その、あれや。セックスや」
「……せっくす?」
聞いたことのない単語に首をかしげると、ソウが意表を突かれた顔をした。
なんだか今日は、ソウのいろんな表情を見ている気がする。何かまずいことを言ったかと考えを巡らせていると、ソウが念を押すように尋ねた。
「まさか……聞いたこと、ない?」
「え、うん……なんで? せっくすって何?」
「あーもう、口に出さんといて。ほなユキちゃん、赤ちゃんの作り方も教わってへんの?」
「作り方って……赤ちゃんは自然とお腹に入ってくるものでしょ?」
「……こらあかん。恨むで、トウジさん……」
ソウはわたしの上から退いて、項垂れた。
なぜここで父の名前が出てくるのだろう。もしかして、知らないと恥ずかしいような言葉だったのだろうか。
「ごめん、ユキちゃん……今日はもう疲れたわ、寝よか」
「う、うん……ねえ、赤ちゃんがどうして出てくるの? それって、サウスでは常識?」
「サウスで、いうか……大人やったら、ユキちゃん以外はみんな知ってるやろな……」
「えっ? そんな常識なら教えてよ」
「うん……また今度な」
そう言うと、ソウは落胆したように布団に潜り込んでしまった。
これ以上は何も聞けない雰囲気だ。仕方なく、わたしも布団をかぶって目を閉じることにした。
夕飯の時間になっても帰ってこないわたしたちを心配して、リサとトーヤが探しに行こうとしたところをタカミに止められたらしい。
「その様子だと、探しに行かなくて正解だったようですね」
「えっ……」
「そやな。うっかりトーヤくんでも来てもうたらいい雰囲気が台無しや」
「どういう意味だよ!?」
「もうっ! 本当に心配したんですからね! アンナさん、待ちくたびれて帰っちゃいましたよ!」
「ごめんね、リサちゃん」
そして五人で城の中へ入る。
遅い夕飯をとって、リサに付き添われて浴場に行った。一人で広い湯船に浸かっていると、先ほどのソウとの会話が蘇る。
とうとう、言ってしまった。今さら恥ずかしがってもどうしようもないのだが、赤くなった顔にばしゃばしゃと湯をかける。
これで部屋に戻ったら、きっとソウが待っている。どんな顔をして戻ったらいいのだろう。
湖からの帰り道、ソウは気持ち悪いくらい機嫌が良かった。
「めんどくさいなぁ……」
我ながらひどいことを言っているが、機嫌がいいときのソウには何を言っても通じない。いや、普段からわたしの意見などほとんど聞いてくれないのだが。
いつもより長めの風呂からあがると、廊下でリサが待ってくれていた。
「ごめんね、遅くなって」
「いいんですよ。落ち着きました?」
「え……」
「ユキ様、なんだかそわそわしてましたから。陛下と、なにかあったんでしょう?」
「……うん」
わたしが微笑みながら頷いたのを見て、リサは全て察してくれたようだ。それ以上何も聞かず、部屋まで一緒に歩いた。
「ではユキ様、おやすみなさい」
「おやすみ、リサちゃん。あ、それと」
「はい、なんでしょう?」
「……ありがとう」
そう言うと、リサはこちらこそ、とにっこり笑った。
*
「おかえり、ユキちゃん。体、温まった?」
「は、はい……」
部屋に入ると、案の定すでにソウがガウン姿で待っていた。
なんだかいつもより緊張する。ぎこちなく荷物を片付けながら、ちらちらとソウの様子を窺った。
ソウは普段通り、ベッドに寝転んで本を読んでいる。いつもと変わらない様子だが、何を考えているのだろう。
こうして改めてソウを見てみると、たいへん整った顔立ちをしている。
白い肌は肌理も細かく、ぱっちりと開いた瞳は薄い青色を宿している。父親譲りの灰色の髪を、ソウはあまり気に入っていないと言っていたが、光が当たるたびにそれは銀糸のように輝いて美しい。口元は不敵な笑みを浮かべているが、わたしに触れる唇はいつも優しい。
そんなことを考えていると、余計に緊張が高まる。
もう片付けるものもないのに、わたしはソウのいるベッドに入りづらくて、引き出しの中のペンを出したり仕舞ったりしていた。
「ユキちゃん、ボク待ちくたびれたわ。はよこっちおいで」
「へっ!?」
間抜けな声をあげて振り向くと、ソウがすでに本を置いてベッドに入っている。おいで、と手招きされるがままにわたしはそろそろとベッドに近づいた。
「はよ入り。もう寝る時間やで」
幼子に言い聞かせるように、やけに優しい声でわたしに話しかける。今さら嫌だとは言えなくて、わたしはぎこちなくベッドに入った。
ソウが照明を消すと、ベッドサイドの小さな明かりだけが灯る。
心臓の動きがやたら早い。ソウにばれてしまわないだろうか。
目を瞑り、胸元でぎゅっと両手を握りしめていると、何かが上に覆いかぶさった。
「え……?」
「……ユキちゃん、好きや」
目を開けると、すぐそこにソウの顔があった。反応する暇もなく、唇同士が触れる。自然な流れで、わたしは目を瞑った。
いつも半ば義務のように受け入れていたこのキスも、今はただ幸せだった。思いが通じるということが、こんなにも嬉しいなんて知らなかった。
だから、ぬるりと入ってきた舌も今日は拒まなかった。呼吸をするタイミングはまだつかめない。
でも、心なしかソウの動きが一瞬止まった気がして、その瞬間に息を吸い込んだ。
「はあ、ユキちゃん……」
ソウの呼吸も荒い。それがなんだか嬉しくて、口内で動くソウの舌に自分の舌を少しだけ絡めた。その瞬間、ソウがびくっと反応して、唇を離してしまう。
「はぁ、はぁ……ソウ……?」
肩で息をしながら、ぼんやりとした頭で考える。
どうしたのだろう。もっとこうしていたかったのに。
「ごめん……もう、限界……」
「え、なに……? んぅっ……!?」
ソウは何やら切羽詰った様子で謝ると、わたしが言葉を発する前にもう一度口づけた。
さっきより荒く激しい口づけに、わたしは翻弄される。息を吸う瞬間を探しているうちに、ソウの手がわたしの身体を這うように触る。肩、腕、背中、と触られているうちに、その手が夜着の上からわたしの胸に触れた。
「んっ! う、んんっ……!」
唇は塞がれたままで、抵抗する言葉さえ出せない。
優しく、胸の形を確かめるように触られていると、体の奥が熱をもっていくように思えた。恥ずかしい。
わたしは、他の女の子と比べて胸が成長しないことを密かに悩んでいた。素敵なドレスを贈ってもらっても、全然似合わない。先ほど会ったアンナのような、大人の女性と言うには程遠い自分の容姿が憎かった。
王になってからはいつも正装で中性的な格好をしていたし、やるべきことが多すぎて胸の大きさを悩んでいる暇などなかった。でも、こうしてソウに触れられたことで、そのコンプレックスを思い出してしまった。
「あ、やだっ……さわらないで……!」
「……なんで?」
「やだっ、嫌なの……! ち、ちいさい、からっ」
必死の思いでそれだけ言うと、ソウの動きがぴたりと止まった。恐る恐るソウの顔を見上げると、今まで見たことがないくらいにやついた顔をしていた。
「ユキちゃん、そんなこと気にしてたん?」
「そ、そんなことって! だって、ドレスも似合わないし、大人っぽくないしっ」
「ええやん別に。まぁ確かに大きいとは言えへんけど、柔くて気持ちよかったし」
「やわっ……!? だっ、だいたい、なんで胸触るのよ!」
「なんでって……触りたいからに決まってるやん。ああもう、それより早よ続きしよ。もう限界て言うたやん」
「え? 続きって……なにするの」
「え? そやからその……ユキちゃんを抱くんや」
「抱くって、もう抱いてるじゃない」
「その抱くと違て……あー、そやから、その、あれや。セックスや」
「……せっくす?」
聞いたことのない単語に首をかしげると、ソウが意表を突かれた顔をした。
なんだか今日は、ソウのいろんな表情を見ている気がする。何かまずいことを言ったかと考えを巡らせていると、ソウが念を押すように尋ねた。
「まさか……聞いたこと、ない?」
「え、うん……なんで? せっくすって何?」
「あーもう、口に出さんといて。ほなユキちゃん、赤ちゃんの作り方も教わってへんの?」
「作り方って……赤ちゃんは自然とお腹に入ってくるものでしょ?」
「……こらあかん。恨むで、トウジさん……」
ソウはわたしの上から退いて、項垂れた。
なぜここで父の名前が出てくるのだろう。もしかして、知らないと恥ずかしいような言葉だったのだろうか。
「ごめん、ユキちゃん……今日はもう疲れたわ、寝よか」
「う、うん……ねえ、赤ちゃんがどうして出てくるの? それって、サウスでは常識?」
「サウスで、いうか……大人やったら、ユキちゃん以外はみんな知ってるやろな……」
「えっ? そんな常識なら教えてよ」
「うん……また今度な」
そう言うと、ソウは落胆したように布団に潜り込んでしまった。
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