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眠り続ける…

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「いつになると 目を覚ますんだ…」



 そっと リリーラの顔に手が触れた。

 ブルーサファイアのような 美しい瞳が悲しそうにリリーラを見つめている。



 リリーラが飛行船から落ちて、2週間ほどが経った。

 あれから目を覚ますこともなく 眠りつづける リリリーラに声をかける。


「君の名前は何というんだ?」
リリーラの長い白い髪にキスをしながら尋ねるが 返答はない。


 リリーラを助けた男は2週間リリーラから片時も離れようとはしない。

「アッシュ様」

 ドアの外から ノックの後に呼びかけがあった。

 アッシュと呼ばれた 男が ドアに向かって手をかざすと すっとドアが開いた。

「失礼いたします」

ドアの外に アッシュよりは薄いブルーの髪の毛と瞳をもつ 男が 立っていた。


主人から許可を得て、エイラーと呼ばれた男が部屋に入ってきた。


 
「薬は出たか?エイラー」

 アッシュの質問に エイラーは手に持っていた大量の書類を見て答えた。

「番様な体から大量のラックスの花の成分がでました」

 書類を受け取りながら アッシュはつぶやく。

「ラックスか…」

「ラックスはご存知の通り、思考を停止する働きがございます
 普段は 暴れる囚人等を抑えるために使用するものです。このようなか弱そうな女性に使用するものではございません」

 顔をしかめながら エイラーはアッシュに説明をする。

「城まで連れてくる際に、体から甘ったるい匂いがしたが それがラックスの花の匂いか?」

「はい、番様は 長期間ラックスの花の香りを吸わされていた模様です。短期間だと すぐに効果がきれますが、長期間吸わされていたとなると いつ お目覚めになるか…。治療薬が今のところございません」

 アッシュがギリっと歯を鳴らす。

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