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【ゆるネタ番外編】 魔女の日常
番外編 宮廷魔女の日常 ~おくすりを使ったいちゃいちゃプレイ~
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R-18、全一回
********************************************
「私はこれでも忙しいんですよ」
この世のものとも思えない美青年はふっとうつむいた。
華やかな印象の金髪で目元が隠れ、どすぐろいオーラのようなものが立ち上る。
「それでもあなたに会いたいので、すき間の時間にこうして来てるんです。なのにあなたと来たら、私以外の男とあんなに楽しそうにして……」
男とって。あれそんな色っぽい話だったろうか。
どう見ても悪ガキと村の怖いオババみたいなアレだったと思うんだが。
サフィージャはツッコミを呑み込んだ。
余計なことを言って機嫌を損ねたくなかった。
「それで、この薬はどこにつけて使うんです?」
クァイツは指にすくいとった薬を舌先でつついて舐め取った。
美しい顔をしかめているが、毒が入っているわけではない。単にミントがすーすーするだけだ。
まずいけれども食べられないことはない。
「あ……足の裏……とか……」
「では、靴を脱いでいただけますか?」
サフィージャは仕方なく言われた通りにした。
ソファに座らされ、足をつきだしたサフィージャのそばにクァイツがひざまずく。
彼は素足の土踏まずに、ぺたりと指先をすりつけた。
冷たい感触にサフィージャはぶるっと震える。
「ひ! つめた……」
引っこめようとした足首をきつくつかまれ、拘束された。
足の裏にぬろぬろと薬が塗り広げられていく。
冷感のあるクリーム状の液体がじわじわと体温をうばう。
サフィージャはゾクゾクして動かない足をばたつかせた。
「……っ、ん……っ」
足の指の間に、節くれだった長い指がぬるりと入り込む。
皮膚が薄くなっている指のまたをじっくり丁寧に撫でさすられて、サフィージャは肌があわ立った。
ぬぷり、くぷりと小指をしごかれ、くすぐったさよりも未知の震えのほうが強くなる。
「……っ、あ……」
「……これ、媚薬は入っていないんですよね?」
「……っ」
サフィージャはこくりと頷いた。
両の足をぬるぬるになるまでたっぷりといじくりまわされて、すっかり口がきけなくなっていた。
「何も入っていないにしてはずいぶん……」
サフィージャの異様な様子につられてか、クァイツも気まずげに目を逸らす。
「……次はどこに塗ればいいんです?」
かすれた声でささやかれて、サフィージャは身悶えた。
さっきまでとは声色が全然違う。
「……ひざの……裏とか……」
「では、スカートを持ち上げて。足を上げてください」
サフィージャはスカートを太ももまでたくしあげた。
ひざの裏に触りやすいよう、ひざを立てて足を開く。
「……素敵な格好ですね?」
くすりと笑われて、サフィージャは恥ずかしさで頬が焼けた。
本当になんて格好をしているのだろうと思う。
スカートをまくりあげて足を開いているのだ。
ひざまずいているクァイツには中身が見えているだろう。
恥ずかしいと思うのに、その先を期待してしまっていた。
足首をつかんでぐいっと押され、サフィージャはうしろに倒れそうになる。
むきだしになったひざの裏に、軟膏まみれの親指がぬるりと這った。
太い親指でぬぷぬぷとやわらかなひざの裏を指圧されて、サフィージャはくらくらした。
「……こんないやらしいことを、リオにするつもりだったんですか?」
「い……やらしくなんて……」
「ないとは言えませんよね? すごい顔ですよ。ご自分で分かりませんか?」
「うう……」
ひざの裏をなでくり回され、ぞくぞくと甘いさざなみがからだに走る。
おなかの奥がきゅんとうずいて、快感の萌芽のようなものがたまり始めていた。
油脂でどろどろになったひざの裏に、クァイツは何を思ったのか、いきなり唇を寄せた。
てろりと温かい舌にそこを撫でられて、サフィージャはびくんとからだを引きつらせる。
おなかの奥からじわっと温かいものがにじみ出した。
それが足の付け根にあふれたのが、自分でもはっきり分かる。
ぴちゃぴちゃと音を立ててひざの裏を舐め取られて、からだから力が抜けていく。
ぞくぞくとからだを駆け抜ける快感に負けてしまって、サフィージャはソファの上にくずおれた。
「……っ、あ、……はっ……」
こらえきれずに吐き出した吐息がやけに弾んでいる。
ただひざの裏をなめられているだけなのに、からだが勝手に快感を期待して火照っていく。
「……次はどちらに塗ってさしあげましょうか?」
にこりとほほえみかけられて、サフィージャは溶けそうになった。
世界一自分好みの美しい金髪の男が、こちらを情欲まじりの熱いまなざしでじっと見つめている。
サフィージャは期待に打ち震えながら、自分から足を開いた。
「あ……ここに……」
「ここ、では分かりませんよ。自分の手で、広げてみせてください」
サフィージャは戸惑いながら足の付け根に手をやった。
恥ずかしさで頭が真っ白になりそうだった。
「……いい子ですね。かわいいですよ。……あなたが素直だと、私も頭がおかしくなりそうです」
新しく軟膏をすくい取り、サフィージャが広げた部分の外縁にぺたぺたと塗りつける。
粘膜がくぷりくぷりとこすられて音を立て、ミントの冷感がひりひりと肌を焼く。
「……あ、ま、待って、それやだ、や、あっ、あっ」
薬を塗布された部分が燃えるように熱い。
そこにずるりと長い指が入ってきて、サフィージャはのけぞった。
ミントのせいで内部がむずがゆくてたまらず、かき回すように中をほぐされて腰がびくびくと引き攣れた。
「……や、やだもう、塗らな、っでぇ……っ!」
内部のつくりに合わせてたわめた指先で、粘膜の一部を擦りあげられ、声が跳ねた。
何度も執拗に繰り返されるその動きに、足の爪先まで甘くしびれて、背中がしなる。
「本当に嫌なんですか? 薬とまざってドロドロですよ。……ほら」
ひわいな音をわざと聞かせるようにゆっくりと指先を出し入れされて、快感に羞恥が入り混じった。
くぷくぷとあえかな気泡がはじける。やわらかな粘膜がすりつぶされる。
そのどれもが悶えるほど気持ちいい。
「あっ、あっ、あ……っ」
小刻みに何度も刺激されて、頭の中が真っ白になる。
ぐちゅぐちゅになった中が刺激を求めてひくんと勝手にうごめいた。
「……まだお嫌ですか? もうよくなってきたのではありませんか?」
分かっているくせに、わざと聞いてくるところは本当に憎たらしい。
わざと煽るような指の動きに身が焦げる。
「すごくかわいい顔をしてますよ。もっとしてあげたくなるんですが、いけませんか?」
至近距離でささやかれ、耳にキスされ、サフィージャはすとんと落ちるような感覚を味わった。
ぎりぎりで踏みとどまっていた欲求があとからあとからあふれ出る。
「……っ、指じゃなくて、ちゃんと、してほし……っ、お願い、お願いします」
何度も教え込まれたねだり方で先を要求すると、クァイツはふっとうれしそうに笑った。
「あなたはいつまで経っても初々しいですね。……いいですよ、喜んでしてさしあげます」
ベッドの上に移って、服を脱ぐ時間も惜しんで、浅ましくもすぐにつながった。
下から突き上げるみだらな動きでドクリと全身の血液が脈動する。
中が硬いものに押し開かれて、息がつまった。
そろそろと息を吐き出し、脱力するにつれてすさまじい快感が腰の奥から這いのぼってきて、意識が飛びそうになった。
「……分かりますか? 奥まで入ってますよ。すごくやわらかいので、簡単に入ってしまいました」
甘く華やいだ声でねちねちとそう説明されて、サフィージャは悶絶するほど恥ずかしかった。
「い、言うな、ばかっ……」
「あの薬、本当に媚薬が入ってないんですか? それでこんなに感じてくださっているなんて……」
首の後ろに手を回して、後頭部を支えながらサフィージャの唇を食む。
「うれしくてどうにかなりそうです」
二度三度と腰を使われ、奥を責め立てられる。
ひたむきに真っ直ぐなストロークで突き入れられて、うだるような甘い熱がおなかの奥にいくつも生じた。
「気持ちいいですか? ねえ。がまんしないで、声をきかせてくださいませんか。気持ちいいんですよね?」
やけにうれしそうに、しつこく聞かれて、サフィージャは死ぬほど恥ずかしい思いをしながら『気持ちいい』とささやいた。
「そんなに切なそうな顔をしているのに、まだ恥ずかしいんですか? ……本当にあなたは愛らしいですね」
それでクァイツはさらに気をよくしたのか、腰を使うペースを速めて切っ先で奥の方をえぐり立てる。
濡れきった中のひだを重い圧迫感で甘く満たされ、息づまるような激しい快感がせり上がった。
「んっ、……は……っ、あぁぁっ……!」
サフィージャはこらえきれなくなって、音程の外れた声で大きく喘いだ。
するともうだめだった。ますます快感があふれてきて、止まらなくなってしまう。
かき混ぜられた結合部がぐちゃぐちゃと鳴るのにも、耳から犯されていくようで感じてしまう。
「ああ……かわいい。愛しています、私のかわいいサフィージャ」
脳髄までとろけるような恍惚とした声で名前を呼ばれて、なぜかおなかの奥がきゅうっとうずいた。
何をばかなことを、と言いたい気持ちもあったけれど、甘くささやかれているとからだがどうあっても反応してしまう。
やっぱりどうしてもこの男が好きなのだと強く感じた。
とろとろに溶けるような幸せで胸を満たされながら、直接的な攻めで何度も内壁を激しくうがたれ、サフィージャは震えをこらえきれずに、からだをビクビクとひきつらせた。
「あ、あぁぁっ……!」
全身が引きつるような強い快感がこみあげて、はげしく叩き伏せられた。
同時にしっかりと腕の中に抱きしめられ、密着した胸から伝わる激しい震えで、彼の方も達したのだと分かる。
「……気持ちよかった。ありがとう」
サフィージャが余韻に浸りながら言うと、クァイツは知的な印象のする目もとを甘く細めて、とろけたような笑顔を見せた。
うれしそうにキスをされ、角度が深まり唇の合わせが濃厚になっていく。
「……んんっ、も、もう、今日は、すごくよかったから、これ以上は」
「そうですか?」
残念そうに言われて、サフィージャはひやりとした。
危なかった。もう一回が始まってしまうところだった。
「最近のあなたは素直なので、抱き心地がいいです」
すこぶる上機嫌にこめかみのあたりにちゅっちゅっとキスをしながらクァイツが続ける。
「どうしてそんなにかわいいんでしょうね、あなたは。不思議でなりません。きっとあなたのところの神さまにも深く愛されてるんでしょうね。知的で美人で心まで美しいなんて、ひいきがすぎるというものです」
……もう一回は回避できたが、これはやっぱり避けられないのか。
朝までなんだかんだと話しかけられすぎて全然寝付けない例のアレである。
「美しいことで名高い湖の妖精だってあなたの透き通るような白い肌には嫉妬するでしょうね」
アーサー王に剣を与えたとかいう妖精のことか。
この間はニンフがどうのこうの言っていた。
こいつはどこでそういうのを覚えてくるのだろう。
そんなに褒められると恐縮してしまうと言うべきか、宮廷で人気の王太子さまをやるのも大変だと言ってやるべきか。
「こんなにかわいい人なんですから、子どもだってみんなあなたを好きになってしまいますよ。人が人を好きになるのに年齢なんて関係ありません」
あー。どうしてもそこに話が戻るのかー。
「私はあなたが誰かに盗られたらと思うと、心配で執務が手につかなくなってしまうのです」
「いや、仕事はしてくれよ」
「あなたがいつも私の目の届く範囲にいてくださったらはかどりそうなんですが……」
「お、お前……いつもそうだ。お前ら上層はいつもそうやって現場を無視しためちゃくちゃな注文でわれらの仕事をややこしくする。現場を知らんのなら黙っていろと何度思ったことか」
「……え、なんかすみません……なにかあったんですか?」
「ありすぎて数えきれないほどだ。ついでだから言わせてもらうが、こないだの……」
サフィージャの文句は結局朝方まで続いた。
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「私はこれでも忙しいんですよ」
この世のものとも思えない美青年はふっとうつむいた。
華やかな印象の金髪で目元が隠れ、どすぐろいオーラのようなものが立ち上る。
「それでもあなたに会いたいので、すき間の時間にこうして来てるんです。なのにあなたと来たら、私以外の男とあんなに楽しそうにして……」
男とって。あれそんな色っぽい話だったろうか。
どう見ても悪ガキと村の怖いオババみたいなアレだったと思うんだが。
サフィージャはツッコミを呑み込んだ。
余計なことを言って機嫌を損ねたくなかった。
「それで、この薬はどこにつけて使うんです?」
クァイツは指にすくいとった薬を舌先でつついて舐め取った。
美しい顔をしかめているが、毒が入っているわけではない。単にミントがすーすーするだけだ。
まずいけれども食べられないことはない。
「あ……足の裏……とか……」
「では、靴を脱いでいただけますか?」
サフィージャは仕方なく言われた通りにした。
ソファに座らされ、足をつきだしたサフィージャのそばにクァイツがひざまずく。
彼は素足の土踏まずに、ぺたりと指先をすりつけた。
冷たい感触にサフィージャはぶるっと震える。
「ひ! つめた……」
引っこめようとした足首をきつくつかまれ、拘束された。
足の裏にぬろぬろと薬が塗り広げられていく。
冷感のあるクリーム状の液体がじわじわと体温をうばう。
サフィージャはゾクゾクして動かない足をばたつかせた。
「……っ、ん……っ」
足の指の間に、節くれだった長い指がぬるりと入り込む。
皮膚が薄くなっている指のまたをじっくり丁寧に撫でさすられて、サフィージャは肌があわ立った。
ぬぷり、くぷりと小指をしごかれ、くすぐったさよりも未知の震えのほうが強くなる。
「……っ、あ……」
「……これ、媚薬は入っていないんですよね?」
「……っ」
サフィージャはこくりと頷いた。
両の足をぬるぬるになるまでたっぷりといじくりまわされて、すっかり口がきけなくなっていた。
「何も入っていないにしてはずいぶん……」
サフィージャの異様な様子につられてか、クァイツも気まずげに目を逸らす。
「……次はどこに塗ればいいんです?」
かすれた声でささやかれて、サフィージャは身悶えた。
さっきまでとは声色が全然違う。
「……ひざの……裏とか……」
「では、スカートを持ち上げて。足を上げてください」
サフィージャはスカートを太ももまでたくしあげた。
ひざの裏に触りやすいよう、ひざを立てて足を開く。
「……素敵な格好ですね?」
くすりと笑われて、サフィージャは恥ずかしさで頬が焼けた。
本当になんて格好をしているのだろうと思う。
スカートをまくりあげて足を開いているのだ。
ひざまずいているクァイツには中身が見えているだろう。
恥ずかしいと思うのに、その先を期待してしまっていた。
足首をつかんでぐいっと押され、サフィージャはうしろに倒れそうになる。
むきだしになったひざの裏に、軟膏まみれの親指がぬるりと這った。
太い親指でぬぷぬぷとやわらかなひざの裏を指圧されて、サフィージャはくらくらした。
「……こんないやらしいことを、リオにするつもりだったんですか?」
「い……やらしくなんて……」
「ないとは言えませんよね? すごい顔ですよ。ご自分で分かりませんか?」
「うう……」
ひざの裏をなでくり回され、ぞくぞくと甘いさざなみがからだに走る。
おなかの奥がきゅんとうずいて、快感の萌芽のようなものがたまり始めていた。
油脂でどろどろになったひざの裏に、クァイツは何を思ったのか、いきなり唇を寄せた。
てろりと温かい舌にそこを撫でられて、サフィージャはびくんとからだを引きつらせる。
おなかの奥からじわっと温かいものがにじみ出した。
それが足の付け根にあふれたのが、自分でもはっきり分かる。
ぴちゃぴちゃと音を立ててひざの裏を舐め取られて、からだから力が抜けていく。
ぞくぞくとからだを駆け抜ける快感に負けてしまって、サフィージャはソファの上にくずおれた。
「……っ、あ、……はっ……」
こらえきれずに吐き出した吐息がやけに弾んでいる。
ただひざの裏をなめられているだけなのに、からだが勝手に快感を期待して火照っていく。
「……次はどちらに塗ってさしあげましょうか?」
にこりとほほえみかけられて、サフィージャは溶けそうになった。
世界一自分好みの美しい金髪の男が、こちらを情欲まじりの熱いまなざしでじっと見つめている。
サフィージャは期待に打ち震えながら、自分から足を開いた。
「あ……ここに……」
「ここ、では分かりませんよ。自分の手で、広げてみせてください」
サフィージャは戸惑いながら足の付け根に手をやった。
恥ずかしさで頭が真っ白になりそうだった。
「……いい子ですね。かわいいですよ。……あなたが素直だと、私も頭がおかしくなりそうです」
新しく軟膏をすくい取り、サフィージャが広げた部分の外縁にぺたぺたと塗りつける。
粘膜がくぷりくぷりとこすられて音を立て、ミントの冷感がひりひりと肌を焼く。
「……あ、ま、待って、それやだ、や、あっ、あっ」
薬を塗布された部分が燃えるように熱い。
そこにずるりと長い指が入ってきて、サフィージャはのけぞった。
ミントのせいで内部がむずがゆくてたまらず、かき回すように中をほぐされて腰がびくびくと引き攣れた。
「……や、やだもう、塗らな、っでぇ……っ!」
内部のつくりに合わせてたわめた指先で、粘膜の一部を擦りあげられ、声が跳ねた。
何度も執拗に繰り返されるその動きに、足の爪先まで甘くしびれて、背中がしなる。
「本当に嫌なんですか? 薬とまざってドロドロですよ。……ほら」
ひわいな音をわざと聞かせるようにゆっくりと指先を出し入れされて、快感に羞恥が入り混じった。
くぷくぷとあえかな気泡がはじける。やわらかな粘膜がすりつぶされる。
そのどれもが悶えるほど気持ちいい。
「あっ、あっ、あ……っ」
小刻みに何度も刺激されて、頭の中が真っ白になる。
ぐちゅぐちゅになった中が刺激を求めてひくんと勝手にうごめいた。
「……まだお嫌ですか? もうよくなってきたのではありませんか?」
分かっているくせに、わざと聞いてくるところは本当に憎たらしい。
わざと煽るような指の動きに身が焦げる。
「すごくかわいい顔をしてますよ。もっとしてあげたくなるんですが、いけませんか?」
至近距離でささやかれ、耳にキスされ、サフィージャはすとんと落ちるような感覚を味わった。
ぎりぎりで踏みとどまっていた欲求があとからあとからあふれ出る。
「……っ、指じゃなくて、ちゃんと、してほし……っ、お願い、お願いします」
何度も教え込まれたねだり方で先を要求すると、クァイツはふっとうれしそうに笑った。
「あなたはいつまで経っても初々しいですね。……いいですよ、喜んでしてさしあげます」
ベッドの上に移って、服を脱ぐ時間も惜しんで、浅ましくもすぐにつながった。
下から突き上げるみだらな動きでドクリと全身の血液が脈動する。
中が硬いものに押し開かれて、息がつまった。
そろそろと息を吐き出し、脱力するにつれてすさまじい快感が腰の奥から這いのぼってきて、意識が飛びそうになった。
「……分かりますか? 奥まで入ってますよ。すごくやわらかいので、簡単に入ってしまいました」
甘く華やいだ声でねちねちとそう説明されて、サフィージャは悶絶するほど恥ずかしかった。
「い、言うな、ばかっ……」
「あの薬、本当に媚薬が入ってないんですか? それでこんなに感じてくださっているなんて……」
首の後ろに手を回して、後頭部を支えながらサフィージャの唇を食む。
「うれしくてどうにかなりそうです」
二度三度と腰を使われ、奥を責め立てられる。
ひたむきに真っ直ぐなストロークで突き入れられて、うだるような甘い熱がおなかの奥にいくつも生じた。
「気持ちいいですか? ねえ。がまんしないで、声をきかせてくださいませんか。気持ちいいんですよね?」
やけにうれしそうに、しつこく聞かれて、サフィージャは死ぬほど恥ずかしい思いをしながら『気持ちいい』とささやいた。
「そんなに切なそうな顔をしているのに、まだ恥ずかしいんですか? ……本当にあなたは愛らしいですね」
それでクァイツはさらに気をよくしたのか、腰を使うペースを速めて切っ先で奥の方をえぐり立てる。
濡れきった中のひだを重い圧迫感で甘く満たされ、息づまるような激しい快感がせり上がった。
「んっ、……は……っ、あぁぁっ……!」
サフィージャはこらえきれなくなって、音程の外れた声で大きく喘いだ。
するともうだめだった。ますます快感があふれてきて、止まらなくなってしまう。
かき混ぜられた結合部がぐちゃぐちゃと鳴るのにも、耳から犯されていくようで感じてしまう。
「ああ……かわいい。愛しています、私のかわいいサフィージャ」
脳髄までとろけるような恍惚とした声で名前を呼ばれて、なぜかおなかの奥がきゅうっとうずいた。
何をばかなことを、と言いたい気持ちもあったけれど、甘くささやかれているとからだがどうあっても反応してしまう。
やっぱりどうしてもこの男が好きなのだと強く感じた。
とろとろに溶けるような幸せで胸を満たされながら、直接的な攻めで何度も内壁を激しくうがたれ、サフィージャは震えをこらえきれずに、からだをビクビクとひきつらせた。
「あ、あぁぁっ……!」
全身が引きつるような強い快感がこみあげて、はげしく叩き伏せられた。
同時にしっかりと腕の中に抱きしめられ、密着した胸から伝わる激しい震えで、彼の方も達したのだと分かる。
「……気持ちよかった。ありがとう」
サフィージャが余韻に浸りながら言うと、クァイツは知的な印象のする目もとを甘く細めて、とろけたような笑顔を見せた。
うれしそうにキスをされ、角度が深まり唇の合わせが濃厚になっていく。
「……んんっ、も、もう、今日は、すごくよかったから、これ以上は」
「そうですか?」
残念そうに言われて、サフィージャはひやりとした。
危なかった。もう一回が始まってしまうところだった。
「最近のあなたは素直なので、抱き心地がいいです」
すこぶる上機嫌にこめかみのあたりにちゅっちゅっとキスをしながらクァイツが続ける。
「どうしてそんなにかわいいんでしょうね、あなたは。不思議でなりません。きっとあなたのところの神さまにも深く愛されてるんでしょうね。知的で美人で心まで美しいなんて、ひいきがすぎるというものです」
……もう一回は回避できたが、これはやっぱり避けられないのか。
朝までなんだかんだと話しかけられすぎて全然寝付けない例のアレである。
「美しいことで名高い湖の妖精だってあなたの透き通るような白い肌には嫉妬するでしょうね」
アーサー王に剣を与えたとかいう妖精のことか。
この間はニンフがどうのこうの言っていた。
こいつはどこでそういうのを覚えてくるのだろう。
そんなに褒められると恐縮してしまうと言うべきか、宮廷で人気の王太子さまをやるのも大変だと言ってやるべきか。
「こんなにかわいい人なんですから、子どもだってみんなあなたを好きになってしまいますよ。人が人を好きになるのに年齢なんて関係ありません」
あー。どうしてもそこに話が戻るのかー。
「私はあなたが誰かに盗られたらと思うと、心配で執務が手につかなくなってしまうのです」
「いや、仕事はしてくれよ」
「あなたがいつも私の目の届く範囲にいてくださったらはかどりそうなんですが……」
「お、お前……いつもそうだ。お前ら上層はいつもそうやって現場を無視しためちゃくちゃな注文でわれらの仕事をややこしくする。現場を知らんのなら黙っていろと何度思ったことか」
「……え、なんかすみません……なにかあったんですか?」
「ありすぎて数えきれないほどだ。ついでだから言わせてもらうが、こないだの……」
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