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10,生ハメ
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トイレの壁に白石さんを押し付けて、挟み込むようにして僕は向かい合う。
彼女の期待するような、不安がるような表情が間近にあって、それは僕の劣情を強く煽った。
熱い吐息すら感じるその距離。露出させた自分の下半身を軽く彼女の割れ目に押し付けてやると、待ちきれないといった様子で身体がびくっと跳ねた。
「っ……意地悪っ……」
「行くよ……」
僕は亀頭を蜜で照り光る入り口に押し当てた。入れた瞬間粘膜同士が触れ合って、僕の性器をふんわりとした熱い感触が包み込む。
「あっ……く……ぐっ」
白石さんは僕の感触に目を瞑って耐えた。
少しづつ腰を沈めていくと、柔らかいが窮屈なそれは、僕という侵入者を押し戻すかのように収縮して締め付けてくる。
生の感触。白石さんの直の感触。
「痛く無い?」
「大丈夫……平気……」
白石さんは優しく僕に笑みを見せる。
正直なところ、僕の方が大丈夫じゃなかった。
秘唇の奥の、彼女の襞の生の感触に、僕の心が酔いしれていた。今すぐにでも射精したい気分。
でも、それは極力避けたかった。
本能では彼女の最奥に自分の濃密な遺伝子を迸らせてマーキングしたかった。後先考えずに種を付けて、彼女の膣内に自分の痕跡を刻み付けたかった。
卵子に僕の精子が容赦なく結合して子宮に根を下ろし、彼女の薄いお腹が僕の子供で白い風船のように膨れ上がる様を見てみたかった。
けれど理性がそれを諌める。
いざとなったらすぐに引き抜かなくてはなと思いながら、僕は腰を前後させる。
「はぁっ……んっ、あっ……」
腰の律動が、今にも溶け崩れそうなくらい柔らかい肉を綻ばせる。
白石さんの中はただ圧迫感で締め付けるだけではなく、僕の裏筋から雁首までをうねうねと揉みあげるかのように捏ねてきた。
身体の相性が良いとは、こういうことなのだろうか。
「くっ……白石さんっ……風紀委員なのに風紀乱す身体しすぎっ……」
「なりたくて……っ、なったわけじゃないっ……」
快楽を貪りたかったけど、彼女を労わってゆっくりとした抽送を繰り返す。
突端は少しずつ深部へと進む。僕のペニスに愛液が潤滑油となって纏わり付いて、いけないことなのにより僕を深みへと誘おうとしていた。
「倉部くんっ」
声を掛けられたと思った瞬間、彼女がその腕で僕の胴を抱き寄せて、接吻を交わす。
ぎゅっと押し付けられる僕の身体。彼女の胸の柔らかさが、僕の胸部に伝わってくる。
彼女の唇の瑞々しい感触。入れられる小さな舌。唾液はほんのり甘かった。それは先ほど彼女が飲んだスポーツドリンクの味なのだけど、僕にはそれが彼女の直の味に思えてならなかった。
学校での「契り」よりももっと進んだ、濃い、「恋人」がするには濃すぎるキス。
舌を絡ませ、互いを感じあって、唾液を交換しあう濃密なもの。
彼女がこんな淫靡なキスをしてくることに少し驚きを感じつつ、僕は黙ってそれを受け入れる。
まあ、口を奪われているのだから黙ることしか出来ないのだけど。
急にホールドされたせいで、僕の肉槍は一気に半分ほど彼女に沈み込む。
「んっ……ちゅっ……く……」
しばらく僕らは口付けを交わしていたが、やがて彼女は唇を離す。
お互いの舌先が銀色の糸で繋がっていて、その粘度の高い架け橋はすぐにぷつりと切れた。
その末路を見届けてから、彼女は言葉を発する。
「ごめん。嫌だった……?」
「驚いたけど、嫌ではない」
分身を包み込むゼリー状の粘膜が、よりその熱さを増した気がした。
白石さんの潤んだ目はしっかり見開かれていたけど、その視線はどこか宙を彷徨うようで、快楽に酔っているのだと僕は知る。
接合部から溢れた蜜は、彼女の太股まで垂れていた。
僕は彼女の胸に手を伸ばし、揉み潰さんとばかりに掴んだ。張りのあるその乳房は、服の上からでも柔らかさを損なわない、恵まれた肉感を有していた。
手の中で彼女の乳房はひしゃげて、潰れて、それが僕の興奮をより一層強いものにする。
「倉部くんっ……エッチ……っ」
「お互い様みたいだね……っ」
湿った中で、彼女と僕の吐息がこだまする。
起伏の富んだ穴の中でペニスが前後するたびに、彼女が甘い喘ぎを漏らす。
ぬかるむ快楽の裂け目の中で幾度も突き入れを繰り返し、僕の射精欲が高ぶっていく。
生温かい波が身体中を包んで、目蓋の裏に星が煌いているかのよう。
「はぁっ……はぁ……っ」
「あっ、ああん、あっ……! 倉部くんっ……! 好き、好きっ……つううっ……!」
「う、あっ……くっ……」
気が付くと、僕の性器は収縮と弛緩を繰り返す蜜壺の中に殆ど飲み込まれていた。
彼女の膣は、その細い身体に似合わず深かった。根元まで僕のものをくわえ込み、奥まるほど狭くなる肉路は僕へと押し寄せてくるかのようだった。
互いの肌を触れ合わせることによって僕らは深い快楽を得ていた。
影も肉体も重なり合って一つになっている。
瑞々しい淫穴の感触はしっかりと僕のことを締め付けて、気が付けば射精寸前のところまで来ていた。
「ご、ごめん……そろそろ……」
「外に出してね……っ? 絶対だよっ?」
言われるまでも無い。
勢いよく腰を引いた瞬間、僕の先端から雄特有の粘り強い液体が迸る。
彼女の服やトイレの壁、薄汚れた床にそれは降りかかり、白濁色に染め上げた。
荒い呼吸が個室に響く。
「はぁっ……はぁ……はぁっ……」
「はぁっ……あはっ……ちょっと中に出た感覚したけど……」
「う……出しちゃったかもしれない」
「……デキちゃったら連帯責任、だからね……? 高校生の妊娠なんて最大級の風紀の乱れ、当の風紀委員にさせてそのままポイとか駄目だからね?」
「……分かりました」
「……冗談だよ。私が求めたんだよね。ごめんね。こんなことにつき合わせちゃって」
靄に霞む感覚の中、僕はぼんやり考える。
どうして白石さんは、急に攻めたことを提案してきたのだろう。
妊娠の危険があるのに、生ハメを求めてくるなんて。
「……ごめん。服にちょっとかかっちゃった……」
「クリーニング代請求するよ? なーんて……」
「すぐに洗おう。外の水道でしっかり擦った方がいい」
「うん……そうする」
僕らは服を着て、付着した精液をティッシュで拭いて痕跡を消して、それから個室の外へ出る。
彼女の服に付いた精液は、水でよく洗うとどうにか落ちて、何とかごまかせそうだった。
「何とか目立たないようになったかな……?」
「倉部くん、凄く濃いよね。中に出されたら妊娠しそう……さっきちょっと出ちゃってたけど……」
「不安になること言わないで……」
僕らは顔を見合わせて笑いあう。
不健全なことをしていたはずなのにその笑顔は健全さをかもし出していて、スポーツの後の爽やかさに似ていた。
白石さんと、深い繋がりになれた気がしたから。
彼女との熱と熱が混ざり合って、これ以上無いほど極限まで密着出来て。
白石さんに、信頼されているんだと思ったから。白石さんに、愛されていると思ったから。
厳しいけど優しくて、美人で、優等生で、可愛い彼女に心を許してもらえた気がしたから。
嬉しいという気持ちでいっぱいだった。
たとえ彼女が先ほどの性交で妊娠しても、責任を一生掛けて取りたいと思ったから。
その全ての感情を、想いを、一度に伝える言葉を僕は口にする。
「好きだ」
「……私も」
白石さんは頬を染めてそう言う。
「……またエッチしたくなったら、言ってね。生をまた許すかは分からないけど……」
「セフレですか?」
からかって僕は言う。
怒られるかと思ったけど、彼女の答えはこうだった。
「恋人の中にその言葉も内包されているのなら、それでもいいよ……」
「……え、マジなの」
「……皆に内緒にしてくれるなら、それでもいい……」
セフレを認めてくれたことに僕は少々面食らったけど、その時は特に深く考えていなかった。
「そろそろ帰らないとね。……倉部くん。お疲れ様」
「うん。また今度」
そう言って、僕らは帰路に付く。
寝る前に白石さんの裸体を思い出してオナニーでもしようと、かなり最悪な考えを持ちながら僕は帰った。
高校生の自分が猿に思えてくる。白石さんには言えないなと、僕はそんなことを考えていた。
白石さんが転校すると聞いたのは、その日の晩のことだった。
彼女の期待するような、不安がるような表情が間近にあって、それは僕の劣情を強く煽った。
熱い吐息すら感じるその距離。露出させた自分の下半身を軽く彼女の割れ目に押し付けてやると、待ちきれないといった様子で身体がびくっと跳ねた。
「っ……意地悪っ……」
「行くよ……」
僕は亀頭を蜜で照り光る入り口に押し当てた。入れた瞬間粘膜同士が触れ合って、僕の性器をふんわりとした熱い感触が包み込む。
「あっ……く……ぐっ」
白石さんは僕の感触に目を瞑って耐えた。
少しづつ腰を沈めていくと、柔らかいが窮屈なそれは、僕という侵入者を押し戻すかのように収縮して締め付けてくる。
生の感触。白石さんの直の感触。
「痛く無い?」
「大丈夫……平気……」
白石さんは優しく僕に笑みを見せる。
正直なところ、僕の方が大丈夫じゃなかった。
秘唇の奥の、彼女の襞の生の感触に、僕の心が酔いしれていた。今すぐにでも射精したい気分。
でも、それは極力避けたかった。
本能では彼女の最奥に自分の濃密な遺伝子を迸らせてマーキングしたかった。後先考えずに種を付けて、彼女の膣内に自分の痕跡を刻み付けたかった。
卵子に僕の精子が容赦なく結合して子宮に根を下ろし、彼女の薄いお腹が僕の子供で白い風船のように膨れ上がる様を見てみたかった。
けれど理性がそれを諌める。
いざとなったらすぐに引き抜かなくてはなと思いながら、僕は腰を前後させる。
「はぁっ……んっ、あっ……」
腰の律動が、今にも溶け崩れそうなくらい柔らかい肉を綻ばせる。
白石さんの中はただ圧迫感で締め付けるだけではなく、僕の裏筋から雁首までをうねうねと揉みあげるかのように捏ねてきた。
身体の相性が良いとは、こういうことなのだろうか。
「くっ……白石さんっ……風紀委員なのに風紀乱す身体しすぎっ……」
「なりたくて……っ、なったわけじゃないっ……」
快楽を貪りたかったけど、彼女を労わってゆっくりとした抽送を繰り返す。
突端は少しずつ深部へと進む。僕のペニスに愛液が潤滑油となって纏わり付いて、いけないことなのにより僕を深みへと誘おうとしていた。
「倉部くんっ」
声を掛けられたと思った瞬間、彼女がその腕で僕の胴を抱き寄せて、接吻を交わす。
ぎゅっと押し付けられる僕の身体。彼女の胸の柔らかさが、僕の胸部に伝わってくる。
彼女の唇の瑞々しい感触。入れられる小さな舌。唾液はほんのり甘かった。それは先ほど彼女が飲んだスポーツドリンクの味なのだけど、僕にはそれが彼女の直の味に思えてならなかった。
学校での「契り」よりももっと進んだ、濃い、「恋人」がするには濃すぎるキス。
舌を絡ませ、互いを感じあって、唾液を交換しあう濃密なもの。
彼女がこんな淫靡なキスをしてくることに少し驚きを感じつつ、僕は黙ってそれを受け入れる。
まあ、口を奪われているのだから黙ることしか出来ないのだけど。
急にホールドされたせいで、僕の肉槍は一気に半分ほど彼女に沈み込む。
「んっ……ちゅっ……く……」
しばらく僕らは口付けを交わしていたが、やがて彼女は唇を離す。
お互いの舌先が銀色の糸で繋がっていて、その粘度の高い架け橋はすぐにぷつりと切れた。
その末路を見届けてから、彼女は言葉を発する。
「ごめん。嫌だった……?」
「驚いたけど、嫌ではない」
分身を包み込むゼリー状の粘膜が、よりその熱さを増した気がした。
白石さんの潤んだ目はしっかり見開かれていたけど、その視線はどこか宙を彷徨うようで、快楽に酔っているのだと僕は知る。
接合部から溢れた蜜は、彼女の太股まで垂れていた。
僕は彼女の胸に手を伸ばし、揉み潰さんとばかりに掴んだ。張りのあるその乳房は、服の上からでも柔らかさを損なわない、恵まれた肉感を有していた。
手の中で彼女の乳房はひしゃげて、潰れて、それが僕の興奮をより一層強いものにする。
「倉部くんっ……エッチ……っ」
「お互い様みたいだね……っ」
湿った中で、彼女と僕の吐息がこだまする。
起伏の富んだ穴の中でペニスが前後するたびに、彼女が甘い喘ぎを漏らす。
ぬかるむ快楽の裂け目の中で幾度も突き入れを繰り返し、僕の射精欲が高ぶっていく。
生温かい波が身体中を包んで、目蓋の裏に星が煌いているかのよう。
「はぁっ……はぁ……っ」
「あっ、ああん、あっ……! 倉部くんっ……! 好き、好きっ……つううっ……!」
「う、あっ……くっ……」
気が付くと、僕の性器は収縮と弛緩を繰り返す蜜壺の中に殆ど飲み込まれていた。
彼女の膣は、その細い身体に似合わず深かった。根元まで僕のものをくわえ込み、奥まるほど狭くなる肉路は僕へと押し寄せてくるかのようだった。
互いの肌を触れ合わせることによって僕らは深い快楽を得ていた。
影も肉体も重なり合って一つになっている。
瑞々しい淫穴の感触はしっかりと僕のことを締め付けて、気が付けば射精寸前のところまで来ていた。
「ご、ごめん……そろそろ……」
「外に出してね……っ? 絶対だよっ?」
言われるまでも無い。
勢いよく腰を引いた瞬間、僕の先端から雄特有の粘り強い液体が迸る。
彼女の服やトイレの壁、薄汚れた床にそれは降りかかり、白濁色に染め上げた。
荒い呼吸が個室に響く。
「はぁっ……はぁ……はぁっ……」
「はぁっ……あはっ……ちょっと中に出た感覚したけど……」
「う……出しちゃったかもしれない」
「……デキちゃったら連帯責任、だからね……? 高校生の妊娠なんて最大級の風紀の乱れ、当の風紀委員にさせてそのままポイとか駄目だからね?」
「……分かりました」
「……冗談だよ。私が求めたんだよね。ごめんね。こんなことにつき合わせちゃって」
靄に霞む感覚の中、僕はぼんやり考える。
どうして白石さんは、急に攻めたことを提案してきたのだろう。
妊娠の危険があるのに、生ハメを求めてくるなんて。
「……ごめん。服にちょっとかかっちゃった……」
「クリーニング代請求するよ? なーんて……」
「すぐに洗おう。外の水道でしっかり擦った方がいい」
「うん……そうする」
僕らは服を着て、付着した精液をティッシュで拭いて痕跡を消して、それから個室の外へ出る。
彼女の服に付いた精液は、水でよく洗うとどうにか落ちて、何とかごまかせそうだった。
「何とか目立たないようになったかな……?」
「倉部くん、凄く濃いよね。中に出されたら妊娠しそう……さっきちょっと出ちゃってたけど……」
「不安になること言わないで……」
僕らは顔を見合わせて笑いあう。
不健全なことをしていたはずなのにその笑顔は健全さをかもし出していて、スポーツの後の爽やかさに似ていた。
白石さんと、深い繋がりになれた気がしたから。
彼女との熱と熱が混ざり合って、これ以上無いほど極限まで密着出来て。
白石さんに、信頼されているんだと思ったから。白石さんに、愛されていると思ったから。
厳しいけど優しくて、美人で、優等生で、可愛い彼女に心を許してもらえた気がしたから。
嬉しいという気持ちでいっぱいだった。
たとえ彼女が先ほどの性交で妊娠しても、責任を一生掛けて取りたいと思ったから。
その全ての感情を、想いを、一度に伝える言葉を僕は口にする。
「好きだ」
「……私も」
白石さんは頬を染めてそう言う。
「……またエッチしたくなったら、言ってね。生をまた許すかは分からないけど……」
「セフレですか?」
からかって僕は言う。
怒られるかと思ったけど、彼女の答えはこうだった。
「恋人の中にその言葉も内包されているのなら、それでもいいよ……」
「……え、マジなの」
「……皆に内緒にしてくれるなら、それでもいい……」
セフレを認めてくれたことに僕は少々面食らったけど、その時は特に深く考えていなかった。
「そろそろ帰らないとね。……倉部くん。お疲れ様」
「うん。また今度」
そう言って、僕らは帰路に付く。
寝る前に白石さんの裸体を思い出してオナニーでもしようと、かなり最悪な考えを持ちながら僕は帰った。
高校生の自分が猿に思えてくる。白石さんには言えないなと、僕はそんなことを考えていた。
白石さんが転校すると聞いたのは、その日の晩のことだった。
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