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しおりを挟む「……ふ、……んぅ……」
度重なる口付けで身体から力が抜け、虚ろで潤んだ目の棗を、蛇神は優しく押し倒し寝台に寝かせた。口付けから解放され、ぼんやりとした意識のまま呼吸を整える棗であったが、上に覆い被さる蛇神が襦袢の帯をするすると解いていることに気付き、我に返り慌てる。
「ひっ……蛇神さま、お待ちください……」
蛇神はこれに返答せず、身を隠そうとする棗の手を片手で押さえながら彼女の身体を露わにしてゆく。薄い襦袢でも、着ているのといないのとでは大違いで、ひんやりとした空気の波が直接身体を這う感覚はそれ自体が刺激となり、棗は意味もなく身を捩らせる。
蛇神は、棗の白い腹部に長く冷たい指を滑らせた。他者の指が直に柔肌を滑るという初めての感覚に、棗はびくりびくりと身を硬らせる。
「…………っ、……ぁ…………」
「女の身体は久方振りだ。そうか、これほど柔いものであったか。」
蛇神の指が腹部を舐め上げるように、つぅ、と滑り、まだかろうじて胸を覆っていた布を取り払う。
男に乳房を見られる羞恥に、棗は顔を耳まで紅くし目を固く閉じた。次第に薄桃色の乳頭が自らを主張するように硬くなる。それは、肌に触れる冷気のためか、裸体を暴かれる羞恥のためか、それとも____
「……っ、や…………」
「ほう、幼い顔に見合わず、身体はもう大人の女か。……先をこんなに硬くして、何を期待している。」
蛇神は硬く尖った先端の周囲を指でくるくるとなぞり、焦らしながら棗に問いを投げる。
「ち、違……私は、何も…………」
「いいだろう、喰ってやる。」
冷たく笑みを浮かべた蛇神は、棗の乳房に顔を寄せ、今にも先端を口に含まんとする。乳房に掛かる生暖かい吐息に、棗はぞくりと背筋を震わせ、予測できない未知の感覚に怯え再び固く目をつむった。そんな棗の表情を愉しみながら幾度も焦らした末に、ついに蛇神は先端を口に含んだ。
「やだ、や………………ひゃあ、ぁ!」
蛇神の口内は、表面の肌とは異なり温かかった。蛇神の舌が、先端に巻き付き軽く締めるような動作をする。人間の舌よりも少しざらついた蛇神の舌。甘い摩擦に敏感なその部分はさらに硬くなった。
「ぁ、やぁ…………んっ、あ…………」
蕩けるような感覚に、棗は抵抗する気力も削がれ、いつのまにか解放されていた両手でシーツを掴みながら甘い声を漏らす。
「もうすっかり女の声だな。生娘の癖に、男の情欲を煽ろうとしているのか。」
「ちがいます、…………っ、…………」
「耳障りだとは言っていない。悪くない、もっと鳴いてみせろ。」
蛇神の言葉に恥じ、声を漏らすまいと口を噤んでいた棗であったが、蛇神の責めが下腹部に及ぶと再び声を上げ始める。
「……あ、そこは、駄目です。…………ひぁ……!」
蛇神の長い指が、脚の付け根辺りを何度も焦らすように行き来する。それは徐々に秘部へと近付き、ついに割れ目の際を滑る様になぞった。
「ん、ぁ……やぁ、あぅ……」
「こんなに濡れていては解すのに時間は掛からないな。……あぁ、ほら、見なさい。指が呑まれていくようだ。」
蛇神が秘所に指を一本宛てがうと、それは多少の抵抗を受けながらも滑らかに膣内に吸い込まれる。
「や、やだ……中に…………!」
「ふ、指をきゅうきゅうと締め付けて……解すから力を抜け、棗。」
蛇神は指を何度か抜き挿しすると、指の腹で優しく膣壁を擦り始める。膣内に異物が入る違和感と恐怖で、当初は快感を得る余裕など無かった棗であったが、徐々にその刺激にも慣れ、穏やかな快楽に身を委ねていた。
位置を変え、角度を変え、時折指を曲げながら柔らかな肉壁を擦り上げる蛇神の指であったが、ある一点に差し掛かると棗が悶え始める。
「……っ!?……あっ!蛇神、さま……そこ、なんか変…………んっ!」
「ああ、ここか。一度果てておくと良い。」
気持ち良くしてやる、と棗の耳元で囁くと、蛇神はその部分を圧を掛けて数度擦った。
「え、え?……っやだ!あ、やっ、だめだめっ………………やあぁぁ!」
背筋を走る強烈な快感に、棗の脳裏に白い星が瞬く。自分がどうなってしまうのか分からない恐怖に首を振りながら、縋るように蛇神の着物を掴んだまま棗は果ててしまった。
「楽になっただろう、棗。……聞こえていないか。」
くたりと寝台に倒れ込み、虚ろな涙目で呼吸を整える棗。その姿は蛇神の嗜虐心を煽ったが、生娘に無体を強いる訳にはいかない、とあくまで穏やかに声を掛ける。
「もう 膣内は十分解れただろう。今から挿れる。痛みが無いように努めるから、力を抜いていなさい。」
蛇神は着物の帯を解き、引き締まり均整のとれた裸体を露わにした。棗はその美しい身体をぼんやりと眺めていたが、硬く反り立った蛇神自身が目に入ると顔を強張らせた。
怯える棗の髪を優しく搔い撫で、脚の間に入り込むと、蛇神は自身を彼女の秘部に擦り付ける。
「……んっ、……あ…………」
不安げな表情で声を漏らす棗に、大丈夫だ、と囁き、浅い抜き挿しを繰り返しながら自身を彼女の膣内に推し進めてゆく。棗は時折かすかに苦しげな表情を見せたが、時間を掛けてついに彼女の最奥に触れることができた。
「これで全部だ。やはり痛むか?」
「少しだけ……でも、このくらいは平気です。」
「そうか。」
すると、蛇神は棗の身体から自身を引き抜き、再び着物を纏った。棗はぽかんとした顔で蛇神を見る。
「今夜はここまでにする。思えば其方は今日かなりの距離を歩いたのであろう。早く休め。」
「で、でも……その……蛇神さまが満足していないのに……」
「ああ、これは交接のために私の意思で状態を変えているだけだ。人間のように性的興奮で勃たせている訳では無いから、余計な心配はしなくて良い。……其方が今夜続きを望むのであれば、私は幾らでも応じるが?」
「い、いえ!お言葉に甘えて今夜は休ませていただきます!」
そう答えた棗は、慌てて床に落ちた襦袢を羽織ろうとしたが、極度の疲労と緊張の糸が切れた安心感で、ぱたりと寝台に倒れ込みそのまま深い眠りに落ちてしまった。
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