我儘暴君と言われる王太子の婚約者になったけど私は愛し続けます！

異世界転生前

私はそこそこ優秀で変わった人間だったと思う。


だからこそ恋人に求める者は誰とも違うんだと思う。


まず同性の男性であること。
私の歪曲した性格を受け入れてくれる人。
とにかく私の重い愛を受け取れる人。
純粋な人。


123番をクリアする人はいたが4番目をクリアする人がいなかった。優秀な私に集まる人はみんな優秀で上昇思考が高く周りを出し抜こうとする人ばかり。

優秀じゃなくていい、イケメンでなくていい。


愛して欲しい。

そんな時に出会った「月桂樹が咲く頃に」というbl小説。
この物語は主人公が王太子と婚約を結ぶところから始まる。
主人公のエルフィムはそれはもう儚げ美人で有名で聡明で優秀な人だった。だからこそ暴君王太子の婚約者として選ばれる。
我儘、暴君、王家特有の思慮深さを産まれる時に置いてきたであろう品性の欠片もない王太子、ベルサーチ=バド=フォンデーテは悪名をこれでもかと轟かせている。
この物語は誰もがバットエンドで終わる。
主人公は婚約破棄され国外追放後死亡。
王太子はスパイとして潜入していた隣国の第六王子ヒルデに騙され婚約を申し込み断罪され、東の塔に幽閉。
ヒルデは弾頭台で処刑。
もうそれはそれは読者から非難轟々の作品であった。月桂樹の花言葉は勝利なんだから大逆転ざまあはどこへ！？と。

私はこの小説が好きでたまらない。王太子が好きになってしまったから。

王太子は純粋で暴君横暴ではあるものの私の許容範囲の我儘だった。

あの隣国の王子に騙される前に婚約者に向けていた愛をもし自分が受け取っていたら。


考えるだけで羨ましくてその後亡くなる婚約者である主人公が羨ましくて泣きたくなる。



明日が最終巻発売日。
断罪し終えたバド国はどうなるのか。あの伏線は回収されるのか。

ああ寝れない。寝れない。寝れな…