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第18話 謎の後宮生活2(※微)

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「さあ今日こそ勝負だ!」

 アイヴァンが、自前のミニ馬車を手に颯爽と出勤して来る。彼がゴージャスな衣装に身を包んだキラキライケメンでなければ、ここが王太子の執務室、彼が王太子殿下などとは、誰も思うまい。

 俺が後宮でお世話になって4日目、執務室の隣の控室に工房を置かれて3日目。彼は飽きもせずに、ミニ四輪ならぬミニ馬車に夢中になっていた。既に執務室には立派なコースが作られている。2日目に俺が急ごしらえで作ったレールを職人に見せ、徹夜の突貫工事で3日目の今朝には設置されたものだ。完全に間違ったロイヤルパワーの使い方である。

 アイヴァンには、車体のチューンについて粗方説明した。車体を削るとか、重心をどうするとか。タイヤもいくつかスライムゴムで作って渡しておいた。製法は、アールトに許可を得ないと教えてやることは出来ないけど、製品ならば渡しても大丈夫だろう。昨日スライムと魔石とフラスコをこっそり自室に持ち帰り、何とかそれらしきものを作って来た。

 ミニ馬車のコースは、前世のものと比べてはいけないが、そこそこ上手く出来ている。これならレースゲームでなくとも、お子さんが大きくなったら鉄道模型みたいにして遊べそうだ。SDGs、サステナビリティ大事。

 持ち寄った車体を走らせては弄り、走らせては弄り。アイヴァンのみならず、俺も全てを忘れて久々に楽しんだ。何の問題もない。但し、これが一国の王太子の執務室でなければ、だ。

「む、お前の車体、また速度が上がったのではないか」

「そこのコーナーでもたついてたんで、比重を見直してみたんです」

「何っ、敢えてそこを重くすることで安定性を?」

 しかし意外にも、アイヴァンの頭の回転は速かった。物理の知識もないのに、俺の説明したことをスポンジのように吸収し、なおかつ一を説明すれば五も六も理解する。そして、最初に面会した時には、あまりの態度の悪さに面食らったものだが、話してみれば気さくでいいヤツだ。何だろう、この不自然な感じ。

 ひとしきりミニ馬車で遊んで仕組みを理解すると、彼は元の魔道具の構造に興味を持ったようだ。俺は細工師で、本職の魔道具師ではないと断りながら、今度は魔石の性質や仕組み、エネルギーの取り出し方、回路や設計図などに話題が移る。控室のデスクでミニ馬車を分解して説明してやると、目をキラキラさせて耳を傾ける。

「なるほど、魔道具とは奥が深いのだな。構造は意外と単純なのに、少しの工夫でこんなにも」

 そんなに楽しそうにされると、何だか嬉しいような申し訳ないような。王族の生活って、俺ら平民からしたらさぞ裕福なんだろうな、なんて想像していたが、実際はすごくつまらないのかも知れない。俺がここにいる間だけでも、何か面白いものを紹介して、残して行ってやれればいいんだけど。王太子殿下に向かって「やる」って言い方は失礼かも知れないが、何だか小さい子供を相手にしているような感は拭えない。



 そんな後宮(王宮?)生活も一週間。俺も、常に王太子の執務室にお邪魔するわけではない。彼は彼で、謁見や視察のような公務もあれば、時折剣術の稽古や語学などのレッスンもある。その間、俺はランドリー棟の自室で細工仕事だ。しかし作るのはオナホ。そう、王太子の執務室の隣で、オナホなんて作れるわけがないのだ。

 褒賞パーティーから色々あって、混乱のまま流されるように後宮に行き着いた訳だが、俺もまだピチピチの18。こらしょうのないちびっ子マグナムがウズウズしている。しかも、ディルクとフロルに掘られたせいか、アールトとのエロい夢を見ていたせいか、そっちの方までソワソワする。とても右手だけでは満足できない。ならば目指すしかない、至高のオナホにアナルバイブ。ぷるぷるおっぱいのシスターに出会うその日まで、俺の飽くなき探究は続くのだ。

「は…ん…」

 仕組みは単純だ。試作品だって山ほど作った。作り方も覚えてる。勝手知ったるエロおもちゃ。俺はすぐに再現すると、早速夜な夜な実践に移す。記憶を取り戻してから、おもちゃを作り過ぎたせいか。最近身体が疼いて仕方ないのだ。元の俺は、年頃なのに自慰すら稀な、淡白な男だったのに。やっぱアレか。童貞のまま死んだ前世の怨念か、それとも二次元大国ジャパンで培った妄想パワーのせいか。乳首にはクリップ、会陰にローター。オナホにちんこ吸われながら、挿入するバイブはどんどん大きくなって行く。ヤバい。

「ンンっ…ンンっ…」

(はぁ、イく、イっくッ…!)

 枕に顔を押し付けながら、俺は思い切りブッ放す。うん、いい感じだ。もうちょっと吸引力を上げても良さそう。オナホのいいところは、スライムんトコだけ外して丸洗い出来るところだ。ティッシュも要らなければ寝具も汚さない。実にエコだ。

 自分でもうっすら気付いている。今の俺は、ちんこよりナカの方が感じていることを。だが、これは訓練。快楽に慣れて、早漏を改善する訓練なのだ。より強い快感を自分に課して、耐える。しかも、こうして開発したオナホやバイブ、クリップやローターは、後々花街で活躍するだろう。自身をもって実地テスト。実に合理的じゃないか。気持ち良いは正義だ。

 それより、一度じゃ治まらないな。第二ラウンドに臨むとしよう。もしかしたら俺、ちょっと精力が付いたかも知れない。ディルクに掘られたのも無駄じゃない。俺は(性的に)強くなって、可愛い女の子とパコパコするんだ。待っててくれ、未来のぷるぷるおっぱいちゃん!

「あっ、は…」

 全てのおもちゃにスイッチを入れると、身体中からエロい快感が脳に集まって来る。乳首は甘く痺れ、ちんこはとろけそう。バイブが中で暴れて、俺をアクメにぐいぐいと押し上げる。そして会陰にローターを当てると、振動が前にも後ろにも伝わって、タマにぎゅんと響く。ああ、最高だ。

 俺はその後三発ほど抜いて、ぐっすり眠った。後宮生活、悪くない。



 しかし8日目。その平穏に、暗雲が差し掛かる。

「コンラート。お前、花街で淫具を取り仕切っていたというのは、まことか」

「へっ?」

 何でバレたし。いや、どうしよ、処刑…?
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