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第7章 後日談 王都の日常編
(51)※ vs パーシー
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翌朝。満身創痍のナイジェルとロドリック、ツヤツヤの俺とラフィ。ラフィからは熱烈な感謝を受けた。意外なことに、ロドリックも後からこっそりと
「メイナード様、ありがとうございました」
と礼を言いに来た。そして今後はロッドと呼んでいいそうだ。ロッドがデレた。
ラフィは光属性で転移が取れないので、早速彼が転移スキルを取得するんだそうだ。スキルは多く覚えれば覚えるほど、スキルレベルを上げ切るのが大変になるため、普通は取得するスキルを厳選して覚えるものなのだが、彼は愛する男のために転移を選択した。まあ、転移って便利だから、取って損はないと思うけどね。なお、実家の図書室で、何も考えずに手当たり次第にスキルを覚えたアホは俺である。セックスでめっちゃレベルが上がって、全部上げ切れたから良かったようなものの。
さて目下そんな俺が伸ばしているのは、格闘スキルだ。
名前 メイナード
種族 淫魔
称号 マガリッジ伯爵家長子
レベル 603
HP 6,030
MP 30,150
POW 603
INT 3,015
AGI 603
DEX 1,809
属性 闇・水
スキル
魔眼 LvMax
呪詛 LvMax
暗黒の雷 LvMax
ヒール LvMax
キュアー LvMax
ウォーターボール LvMax
剣術 LvMax
身体強化 Lv7
格闘術 Lv5
転移 LvMax
偽装 Lv—
E 訓練用の剣
E 訓練用の剣
E サーコート
E ミュリエルの指輪
スキルポイント 残り 0
身体強化が最大まで上がり切らないうちに格闘術を取ったのはマズかったかも知れないが、あのパーシーの反応速度は魅力的だ。幼い頃から剣を振るい、しかも地頭の良いナイジェルと違って、俺はここ数ヶ月でセックスだけで成り上がった男。彼の剣術の相手を務めようと思ったら、取れるスキルは取って、上げ底しなければならない。
そして今、物理系のスキルの練度を上げるのに最適なパートナーと言えば…
「兄貴ィ!」
今日も元気にやって来た。だから、兄貴じゃねぇっての。
「最近ッ!随分とッ!手強く!なって!来たじゃねェか!」
キン、キン。剣と剣がぶつかる、鋭い音。
俺が強くなればなるほど、何故か彼はどんどん強くなって行く。彼には手加減をしているつもりは無いようなのだが、敵が強くなればなるほど、本来の強さを発揮できるタイプのようだ。あと、俺が魔眼や転移を使って彼の攻撃を躱す時の癖が、大分見抜かれている。純粋に武闘系のスキルだけで勝負したら、彼に敵いっこない。
「くっ…参りました…」
「はっはァ!俺もまだまだ捨てたモンじゃねェなァ!」
くっそ。俺は後衛のデバッファーだっつうの!
何試合かして、彼の隙を突いて一本は取ったものの、後は全然ダメだ。やっぱり、力こそパワーなこの国において、屈指の実力は伊達じゃない。俺の適性から言って、前衛職は全く向いていないのだが、それでも取れるスキルは取って、力を付けておかなければ。
———しばらく前、満月の月曜日。メレディスが正気を失って俺を襲おうとした時、俺には為す術がなかった。異常な力で身体を押さえ付けられ、全力で放った魔眼も全て弾かれた。俺のレベルは優に彼の倍を超えているのに。あれが真祖の力。
俺は人生最後の日に、彼を道連れにすると約束している。だがこのままでは、彼を楽に逝かせてやるどころか、倒すことすら出来ない。セックスで急激にレベルが上がって、少し思い上がっていた。彼に精を分け与えることは出来るが、俺にはまだまだ力が足りない。
シャワーを浴びながら考え込んでいると、背後から急に抱きしめられた。
「兄貴ィ…」
すわ!貞操の危機!
「おまっ…ちょっ!」
「兄貴…何か難しいこと考え込んでんだろ」
「へ?」
「俺には難しいことは分かんねぇけどよ。俺でよかったら、その、力になってやっからよォ」
振り返ると、パーシーは顔をくしゃっとして、「へへっ」と笑っていた。何それ、ちょっとドキっとしちゃったんだけど。
「だからその…いいだろ?」
「やっぱそっちかよ!」
危なかった。抱きしめられた瞬間は分からなかったが、すぐそこには、立派なエクスカリバーが聳えていた。全く油断も隙もない。いつもの魔眼で、呪縛して視姦してやる。ほらもう、これで我慢しなさい。
「はぁっ…兄貴ィ…俺、兄貴のこと、抱きてェ…」
ああ、やっぱお前もアレ見てたのか。くっそ、ナイジェルのヤツ。
「あ、あんなん見せられたら、うっ…誰だって、犯りたくなるに、決まってんだろォ…」
脳内で俺に良いように輪姦されつつ、彼は切ない表情で訴えかけてくる。
「駄目だ。こっちはナイジェル専用」
「頭ん中、だけで…いいからよォ…抱かせて、くれよォ…はぁっ…」
「そんなこと言ったってさぁ…」
淫夢スキルを使ったのは彼が初めてだ。昨日ラフィとロッドにも使ってみたが、これまでのナイジェルの反応からして、脳内セックスは、アウト寄りのギリセーフと言ったところか。だが、彼らを犯したり反応を見たりすることはともかく、身体を許すのは、たとえ脳内でも違う気がする。
「好きだ、兄貴ィ…惚れちまったんだよォ…」
「ちょっ…もう、お前のを後ろに挿れてやるから」
「違ェんだよ、兄貴…分かってんだろ…俺のこと、こんなに、惚れさせといて、っ、はぁっ…あんまりだぜ…」
脳内で俺に手荒く抱かれ、時々甘いため息をこぼしながら、熱く潤んだ瞳で、俺を見上げて来る。ダメだ。俺、そういうの弱いんだよ…。
「…一回だけだぞ」
つい、そう言ってしまった。
俺に散々輪姦されていたパーシーは、ぐったりとしていて、酷くセクシーだ。身体中のあちこちに俺の匂いが染み付き、こちら側では隷属紋を確認できる。現実世界の身体には現れていないため、やはり淫夢と実際の肉体的接触は、似て非なるものなのだろう。
彼はのろのろと身体を起こし、俺に長い腕を絡めて口付けてきた。キスするつもりなんかなかったのに、ぐい、と抱き寄せられる。強引で俺様な、だけど蕩けてしまいそうなキス。コイツ、遊び慣れてるな…。
(んんっ…はあっ…)
角度を変えて、深く、深く。…駄目だ。ゆっくりしていては、シャワールームに人が来てしまう。
(…パーシー、早く…)
(何だよ兄貴…待ち切れねぇのかよ…)
(馬鹿、人来ちゃうだろ!)
するとパーシーは、俺の腰を抱えて、四つん這いにした。もうガチガチに滾ったアレが、俺のそこに押し当てられる。
———そうだ、彼に身体を許すっていうことは、あのエクスカリバーが入って来るってことで…
(ま、待って!無理だ、それ、無理!)
(待てねェ)
(あ”!あ”!あ”あ”…!!)
そこに思いっきり魔力を集中して、何とかやり過ごそうとするが、圧倒的な質量が襲いかかって来て、身体が悲鳴を上げている。
(…狭ぇな…)
意外なことに、彼の腰使いは優しい。俺のことなんかお構いなしで、ボロボロにされるんじゃないかと思ってた。ゆっくり、ゆっくり、俺の様子を見ながら、でも無理なく、確実にそれを捩じ込んで来る。
(あ”……あ”……あ”……)
苦しい。呼吸が出来ない。これまで誰も侵入ったことのない所まで、彼のもので埋め尽くされる。だけどそれで終わりじゃない。まだもっと、奥へ奥へ。内臓が、彼のもので押し上げられて、ものすごい圧迫感。やがて入り口に、彼の根元を感じると、彼は背後からぴったりと身体を合わせ、首筋に口付けを落とした。
(何て具合だ…全部持って行かれちまう…)
「うっ…!」
彼の律動が始まると、現実世界の俺も、とうとう声を抑えていられなくなった。シャワーブースの中で、俺は壁に手をつき、何とか身体を支えながら、口を塞いで必死で声を押し殺す。
(あ”…あ、あ、あ…!)
彼は俺を気遣って、ゆるゆると出入りする。それだけなのに、彼の巨大なそれは俺の腸壁全体をぐりぐりと刺激して、気が遠くなりそうな快感を与えて来る。
そしてこの時、初めて理解した。パーシーを受け入れるっていうことは、彼を感じて、彼にイかされるってことだ。俺が精を取り込むために、彼を飲み込んでいるんじゃない。俺がメスなら、彼の精を受け取り、孕むことを了承したっていうことだ。
(嫌…っ…嫌だっ…!)
嫌だ、イきたくない。感じたくない。ナイジェル以外の男を、受け入れたくない。だけど愚かにも、俺はすっかり彼のものを奥まで受け入れ、メス犬のように快感に翻弄され、今にも達しようとしている。
(兄貴…もう、出る…)
(!嫌!中に出さないでっ…!)
(もう遅い…ッ!)
「ふっ…!う”う”っ…!」
脳内の俺も、現実世界の俺も、背筋を思い切り反らして、派手に達した。パーシーの射精は長く、俺に腰をグイグイと押し付けながら、中に延々、どくどくと注いでいる。
(…ふ…)
今更、涙が堰を切ったように溢れ出す。パーシーに抱かれてしまった。一回だけなんて言って、安易に身体を差し出して。こんなの挿れられて、いっぱい感じて、中出しされて。ナイジェルと約束したのに。彼以外には、身体を許さないって。例え脳内とはいえ、一回は一回だ。どうしよう…。
その時、中に入っているパーシーの分身が、大きく膨らんだ。
(!!)
(へへっ…)
彼は俺を背後から抱きしめ、グイッと身体を起こしてきた。彼の上に座らされる形になって、それが更に奥まで喰い込む。
(やっと捕まえたぜ、メイナード。孕むまで、離さねェ…)
そう言って、俺の顎を掴み、振り向かせてキスしようとして、気付いた。
(泣いてんのかよ…)
(…離して…)
(離してって、もう無理だ。こうなったら、俺のは抜けねえようになってて…)
(離せって言ってんだよ!!)
彼の腕を振り払い、何とか引き抜こうとするが、本当に抜けない形になっている。
(無理すんな!メイナードのが壊れちまう)
(…もう壊れたっていい…)
もうこんな身体、どうなったっていい。
その後、パーシーが何とか身体を鎮め、それが引き抜かれたと同時に、俺はシャワールームを出て、黙って家まで跳んだ。もう、仕事も何も、どうだっていい。誰にも会いたくない。会う資格なんかない。
「ふ…う…」
ベッドの中で、メソメソと泣くことしか出来ない、愚かな男。俺はどこまで行っても、意気地無しのみそっかすで、何の価値もない。
「メイナード様、ありがとうございました」
と礼を言いに来た。そして今後はロッドと呼んでいいそうだ。ロッドがデレた。
ラフィは光属性で転移が取れないので、早速彼が転移スキルを取得するんだそうだ。スキルは多く覚えれば覚えるほど、スキルレベルを上げ切るのが大変になるため、普通は取得するスキルを厳選して覚えるものなのだが、彼は愛する男のために転移を選択した。まあ、転移って便利だから、取って損はないと思うけどね。なお、実家の図書室で、何も考えずに手当たり次第にスキルを覚えたアホは俺である。セックスでめっちゃレベルが上がって、全部上げ切れたから良かったようなものの。
さて目下そんな俺が伸ばしているのは、格闘スキルだ。
名前 メイナード
種族 淫魔
称号 マガリッジ伯爵家長子
レベル 603
HP 6,030
MP 30,150
POW 603
INT 3,015
AGI 603
DEX 1,809
属性 闇・水
スキル
魔眼 LvMax
呪詛 LvMax
暗黒の雷 LvMax
ヒール LvMax
キュアー LvMax
ウォーターボール LvMax
剣術 LvMax
身体強化 Lv7
格闘術 Lv5
転移 LvMax
偽装 Lv—
E 訓練用の剣
E 訓練用の剣
E サーコート
E ミュリエルの指輪
スキルポイント 残り 0
身体強化が最大まで上がり切らないうちに格闘術を取ったのはマズかったかも知れないが、あのパーシーの反応速度は魅力的だ。幼い頃から剣を振るい、しかも地頭の良いナイジェルと違って、俺はここ数ヶ月でセックスだけで成り上がった男。彼の剣術の相手を務めようと思ったら、取れるスキルは取って、上げ底しなければならない。
そして今、物理系のスキルの練度を上げるのに最適なパートナーと言えば…
「兄貴ィ!」
今日も元気にやって来た。だから、兄貴じゃねぇっての。
「最近ッ!随分とッ!手強く!なって!来たじゃねェか!」
キン、キン。剣と剣がぶつかる、鋭い音。
俺が強くなればなるほど、何故か彼はどんどん強くなって行く。彼には手加減をしているつもりは無いようなのだが、敵が強くなればなるほど、本来の強さを発揮できるタイプのようだ。あと、俺が魔眼や転移を使って彼の攻撃を躱す時の癖が、大分見抜かれている。純粋に武闘系のスキルだけで勝負したら、彼に敵いっこない。
「くっ…参りました…」
「はっはァ!俺もまだまだ捨てたモンじゃねェなァ!」
くっそ。俺は後衛のデバッファーだっつうの!
何試合かして、彼の隙を突いて一本は取ったものの、後は全然ダメだ。やっぱり、力こそパワーなこの国において、屈指の実力は伊達じゃない。俺の適性から言って、前衛職は全く向いていないのだが、それでも取れるスキルは取って、力を付けておかなければ。
———しばらく前、満月の月曜日。メレディスが正気を失って俺を襲おうとした時、俺には為す術がなかった。異常な力で身体を押さえ付けられ、全力で放った魔眼も全て弾かれた。俺のレベルは優に彼の倍を超えているのに。あれが真祖の力。
俺は人生最後の日に、彼を道連れにすると約束している。だがこのままでは、彼を楽に逝かせてやるどころか、倒すことすら出来ない。セックスで急激にレベルが上がって、少し思い上がっていた。彼に精を分け与えることは出来るが、俺にはまだまだ力が足りない。
シャワーを浴びながら考え込んでいると、背後から急に抱きしめられた。
「兄貴ィ…」
すわ!貞操の危機!
「おまっ…ちょっ!」
「兄貴…何か難しいこと考え込んでんだろ」
「へ?」
「俺には難しいことは分かんねぇけどよ。俺でよかったら、その、力になってやっからよォ」
振り返ると、パーシーは顔をくしゃっとして、「へへっ」と笑っていた。何それ、ちょっとドキっとしちゃったんだけど。
「だからその…いいだろ?」
「やっぱそっちかよ!」
危なかった。抱きしめられた瞬間は分からなかったが、すぐそこには、立派なエクスカリバーが聳えていた。全く油断も隙もない。いつもの魔眼で、呪縛して視姦してやる。ほらもう、これで我慢しなさい。
「はぁっ…兄貴ィ…俺、兄貴のこと、抱きてェ…」
ああ、やっぱお前もアレ見てたのか。くっそ、ナイジェルのヤツ。
「あ、あんなん見せられたら、うっ…誰だって、犯りたくなるに、決まってんだろォ…」
脳内で俺に良いように輪姦されつつ、彼は切ない表情で訴えかけてくる。
「駄目だ。こっちはナイジェル専用」
「頭ん中、だけで…いいからよォ…抱かせて、くれよォ…はぁっ…」
「そんなこと言ったってさぁ…」
淫夢スキルを使ったのは彼が初めてだ。昨日ラフィとロッドにも使ってみたが、これまでのナイジェルの反応からして、脳内セックスは、アウト寄りのギリセーフと言ったところか。だが、彼らを犯したり反応を見たりすることはともかく、身体を許すのは、たとえ脳内でも違う気がする。
「好きだ、兄貴ィ…惚れちまったんだよォ…」
「ちょっ…もう、お前のを後ろに挿れてやるから」
「違ェんだよ、兄貴…分かってんだろ…俺のこと、こんなに、惚れさせといて、っ、はぁっ…あんまりだぜ…」
脳内で俺に手荒く抱かれ、時々甘いため息をこぼしながら、熱く潤んだ瞳で、俺を見上げて来る。ダメだ。俺、そういうの弱いんだよ…。
「…一回だけだぞ」
つい、そう言ってしまった。
俺に散々輪姦されていたパーシーは、ぐったりとしていて、酷くセクシーだ。身体中のあちこちに俺の匂いが染み付き、こちら側では隷属紋を確認できる。現実世界の身体には現れていないため、やはり淫夢と実際の肉体的接触は、似て非なるものなのだろう。
彼はのろのろと身体を起こし、俺に長い腕を絡めて口付けてきた。キスするつもりなんかなかったのに、ぐい、と抱き寄せられる。強引で俺様な、だけど蕩けてしまいそうなキス。コイツ、遊び慣れてるな…。
(んんっ…はあっ…)
角度を変えて、深く、深く。…駄目だ。ゆっくりしていては、シャワールームに人が来てしまう。
(…パーシー、早く…)
(何だよ兄貴…待ち切れねぇのかよ…)
(馬鹿、人来ちゃうだろ!)
するとパーシーは、俺の腰を抱えて、四つん這いにした。もうガチガチに滾ったアレが、俺のそこに押し当てられる。
———そうだ、彼に身体を許すっていうことは、あのエクスカリバーが入って来るってことで…
(ま、待って!無理だ、それ、無理!)
(待てねェ)
(あ”!あ”!あ”あ”…!!)
そこに思いっきり魔力を集中して、何とかやり過ごそうとするが、圧倒的な質量が襲いかかって来て、身体が悲鳴を上げている。
(…狭ぇな…)
意外なことに、彼の腰使いは優しい。俺のことなんかお構いなしで、ボロボロにされるんじゃないかと思ってた。ゆっくり、ゆっくり、俺の様子を見ながら、でも無理なく、確実にそれを捩じ込んで来る。
(あ”……あ”……あ”……)
苦しい。呼吸が出来ない。これまで誰も侵入ったことのない所まで、彼のもので埋め尽くされる。だけどそれで終わりじゃない。まだもっと、奥へ奥へ。内臓が、彼のもので押し上げられて、ものすごい圧迫感。やがて入り口に、彼の根元を感じると、彼は背後からぴったりと身体を合わせ、首筋に口付けを落とした。
(何て具合だ…全部持って行かれちまう…)
「うっ…!」
彼の律動が始まると、現実世界の俺も、とうとう声を抑えていられなくなった。シャワーブースの中で、俺は壁に手をつき、何とか身体を支えながら、口を塞いで必死で声を押し殺す。
(あ”…あ、あ、あ…!)
彼は俺を気遣って、ゆるゆると出入りする。それだけなのに、彼の巨大なそれは俺の腸壁全体をぐりぐりと刺激して、気が遠くなりそうな快感を与えて来る。
そしてこの時、初めて理解した。パーシーを受け入れるっていうことは、彼を感じて、彼にイかされるってことだ。俺が精を取り込むために、彼を飲み込んでいるんじゃない。俺がメスなら、彼の精を受け取り、孕むことを了承したっていうことだ。
(嫌…っ…嫌だっ…!)
嫌だ、イきたくない。感じたくない。ナイジェル以外の男を、受け入れたくない。だけど愚かにも、俺はすっかり彼のものを奥まで受け入れ、メス犬のように快感に翻弄され、今にも達しようとしている。
(兄貴…もう、出る…)
(!嫌!中に出さないでっ…!)
(もう遅い…ッ!)
「ふっ…!う”う”っ…!」
脳内の俺も、現実世界の俺も、背筋を思い切り反らして、派手に達した。パーシーの射精は長く、俺に腰をグイグイと押し付けながら、中に延々、どくどくと注いでいる。
(…ふ…)
今更、涙が堰を切ったように溢れ出す。パーシーに抱かれてしまった。一回だけなんて言って、安易に身体を差し出して。こんなの挿れられて、いっぱい感じて、中出しされて。ナイジェルと約束したのに。彼以外には、身体を許さないって。例え脳内とはいえ、一回は一回だ。どうしよう…。
その時、中に入っているパーシーの分身が、大きく膨らんだ。
(!!)
(へへっ…)
彼は俺を背後から抱きしめ、グイッと身体を起こしてきた。彼の上に座らされる形になって、それが更に奥まで喰い込む。
(やっと捕まえたぜ、メイナード。孕むまで、離さねェ…)
そう言って、俺の顎を掴み、振り向かせてキスしようとして、気付いた。
(泣いてんのかよ…)
(…離して…)
(離してって、もう無理だ。こうなったら、俺のは抜けねえようになってて…)
(離せって言ってんだよ!!)
彼の腕を振り払い、何とか引き抜こうとするが、本当に抜けない形になっている。
(無理すんな!メイナードのが壊れちまう)
(…もう壊れたっていい…)
もうこんな身体、どうなったっていい。
その後、パーシーが何とか身体を鎮め、それが引き抜かれたと同時に、俺はシャワールームを出て、黙って家まで跳んだ。もう、仕事も何も、どうだっていい。誰にも会いたくない。会う資格なんかない。
「ふ…う…」
ベッドの中で、メソメソと泣くことしか出来ない、愚かな男。俺はどこまで行っても、意気地無しのみそっかすで、何の価値もない。
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