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番外編 インキュバスの能力を得た俺が、現実世界で気持ちいい人生を送る話
(7)カズくんと愉快な仲間たち
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✳︎✳︎✳︎
残虐表現があります。ご注意ください。
✳︎✳︎✳︎
翌朝。琉海は案の定起き上がれなかった。いつもは何とかエナドリと気合いでやり過ごすらしいが、今回ばかりは朦朧としていた。半ば肩を貸すようにして登校する。次回からは自重しよう。自信はないが。
水曜日の二コマ目は、例の受講生が三名だけの授業だ。黒澤がいるので出席しようか迷ったが、琉海はどうしても出ないと単位がヤバいらしいので、俺も仕方なく行くことにした。黒澤は、俺と琉海を見て何か言いたそうだったが、教授の手前あからさまに態度に出すのは控えたようだ。俺も大人の対応を返すことにした。すなわち前回と同じく、あちこち話が飛び回る、宇宙人教授の通訳を引き受けた。
琉海と学食で昼食を済ませ、次の授業に向かおうとした時、黒澤に呼び止められた。
「何か用」
「君、白石先輩と付き合ってるの?」
「だから何?」
「何で俺じゃないんだよ。俺の方が…」
「一服盛って動画撮るようなヤツ、付き合えっかよ」
彼は心外な、みたいな表情でショックを受けていた。心外なのはこっちだ。
「動画、どうなっても知らないからね」
「好きにしろよ」
別に俺は、自分の動画がどこに流出しようと、構やしない。親が見たら泣くかな、と思わなくもないが、彼らはネットに疎い。姉貴が見たら喜ぶくらいだろうか。言葉を失った彼を置いて、俺は自分の取った講義へ急いだ。そもそも動画撮って脅して付き合おうとか、アイツ正気なのか。
そもそも俺は、今非常に忙しい。琉海はすっかり忘れているようだが、例のロトはちゃんと当選した。口座を用意するために身分証明が必要だが、例の特殊なナンバーカードが必要だったので、こっそり実家に転移して、あっちで取得してきた。その足で銀行に赴き、口座を作って当選金を振り込んでもらう手筈を整えた。
最近はオンライン講義が多く、必ずしもその場にいなくても、単位が取れるのはありがたい。またオンラインでなくとも、大講義室の講義の中には、出席を取らずに、最終講義でのテストやレポートで単位認定されるものがある。どの講義も大体三回くらい休んでもセーフだが、出席を取らないものはいくらサボっても最後で帳尻を合わせればいいだけだ。俺には過去問やノートの貸し借りをするダチはいないが、大体講義を聞いていれば内容は把握できる。一度や二度聞き逃しても大丈夫そうだ。ここのところ毎日通学しているのは、俺と琉海の時間割がどちらもギチギチで、微妙に出席必須な授業が散在しているから。だけどその割には、俺は割と自由に動けている。転移様々だ。
琉海の新しい部屋は、どうしようか。とにかく色々片付くまで一箇所に定住しない方がいいかもしれない。ウィークリーでも物色しておこう。ホテル暮らしもいいかもしれない。なんせ、一人で億という金がある。ああ、親にも連絡しておかなくちゃ。扶養とか社会保険とか、税金とか変わるんじゃなかったっけ。俺の下宿は、そのままにしておこう。住所を転々と変える間、郵便物の受け取りや連絡先などは確保しておかなければならない。とはいえ、セキュリティという点では厳しいものがあるから、こっちもそこそこの物件に引っ越すべきだろうか。
そんなことを考えながら、金曜日の講義を終え、琉海と正門前で待ち合わせ。
しかしそこに、琉海は現れなかった。
遅れているだけかと思ってしばらく待ったが、悪い予感がするので、連絡を試みる。通話アプリは未読、電話もつながらない。密かに鞄に忍ばせてあったGPSは、彼の部屋に反応している。まあ、彼らも何もしないで手を拱いているわけがないよな。大学は割れてるわけだし。
しかし、こんなことでもないと、彼らを排除することはできない。俺は彼らの連絡先なんて知らないわけだし。琉海なら知ってるんだろうが、あんな扱いを受けている彼に連絡を取らせるのも酷だしな。これで事態は少し進展するだろう。ポジティブに行こう。四コマ目の終わりには顔を合わせたから、まだ時間はそんなにたっていないはずだ。無事でいてくれるといいんだが。
繁華街の裏通り、人気のない場所に転移し、例の部屋を訪れる。インターホンを鳴らすと、中から「開いてるぜ、ギャハハ」と下卑た笑い声が聞こえる。
「早かったなァ、彼氏クン?」
中にはカズと例のチンピラ三人。琉海はまさに服を剥ぎ取られている最中だった。俺を見つけて、「何でっ」と叫ぼうとしたところを、口を乱暴に塞がれる。
「見ての通り、ここはヤリ部屋ってヤツでなぁ、コイツはウリやってんだよ」
琉海を三人に任せて、カズが俺に話しかけてくる。
「時々お前みたいなのが、のこのこ引っかかって来んだよォ。だけど悪ィなぁ、コイツは商品だからよ」
手のひらをヒラリと差し出し、
「一回三万。そうだなァ、一週間レンタルで、五百ってとこかなァ」
彼がゲハハ、と笑うのに合わせて、後ろの三人もゲハハ、と笑う。コイツら、唱和する訓練でも受けてんのか。
「美人局ってヤツ?」
「お、話が分かるじゃねェか。そういうこと。琉海は俺にベタ惚れだかんなァ」
そう言って、彼は琉海の髪を掴み、頬をべろりと舐め上げる。琉海は目尻に涙を溜め、目をきつく閉じている。一人が彼を羽交締めにし、一人が彼のベルトに手を掛け、一人はもう自分のそれを露わにして扱いている。
「逃げて…!」
琉海が、絞り出すように言った。するとカズは、迷わず彼の腹に拳を叩き込んだ。
「ぐっ…」
「おいおい琉海。お客さんに逃げては駄目だろォ?ちゃんともらうモンもらわねェとなァ」
カズはこちらを向き直った。
「お前、逃げても無駄だかんな。面ぁ覚えたしよォ…なあ、碧島君?」
ギャハハァ。まあ、そうなるだろうな。彼らは腹を押さえて苦しむ琉海を気にも止めず、そのまま彼の下半身を剥き出しにすることに没頭している。
「琉海。お前、どうしたい?」
今にも口にそれをねじ込まれそうになっている琉海に、念のために聞いた。もし彼がここに留まりたいなら、俺が口を挟む問題じゃない。だが、
「たす…けて…」
顎を掴まれた彼は、頬を濡らしながら俺を見つめて、呟いた。
「了解」
睡眠スキルを掛けると、四人の男たちがいきなりバタバタと気を失って、彼は狐につままれたような顔をしていた。
「何で…」
「言ったろ。護身術習ってるって」
あくまで護身術押し。そして改めて、彼を抱きしめた。
「ごめん。怖い思いさせた」
琉海は俺の腕の中で、震えながら泣き出した。
(ヒール、サニティ、クレンズ、リカバリー)
俺は思いつく限りの回復スキルを使う。彼も落ち着いて来たようだ。
「琉海、ここから持ち出したいモン、あるか?」
「えっと…今のところは…」
服や日用品、テキストなんかは買い直せばいい。そう言うと、パソコンや貴重品はこないだ持ち出したし、そんなに必要なものはなさそうだ。
「じゃあちょっと、目ぇつぶってて」
俺は彼にスリープをかける。こないだ眠れない夜、これを使えばよかった。彼は俺の中でぐったりと眠りにつく。そのまま、押さえていたウィークリーの一室に跳んだ。彼をベッドに横たえ、靴を脱がして玄関に置く。ここでちょっと待ってて。
改めて、ヤリ部屋に戻る。さあ、お仕置きの時間です。
まだ使ったことのない、淫夢スキル。エロいイメージなら、どんなのでも見せられるらしい。早速すやすやとお休みになっている四名様に試してみる。
脳内空間で、彼らは素っ裸で目覚めた。身体は思うように動かない。俺が支配してるしな。状況が掴めず、お互いきょろきょろとしている彼らに、親切に説明してやる。
「お前ら、気持ちいいことシたいんだろ?」
俺が取り出したのは、一本の大きな氷柱。氷槍っていうスキルなんだけど、これ大きいし長いし、ちょうど彼らのそこにピッタリかなって。まずはカズくんから。
「いぎっ!あ”あ”あ”あ”」
お、喜んでくれたみたいだ。よかった。ちょっと冷たいけど。さあ、残りの三人も、遠慮しないでたんとお食べ。
「お前ら、ケツ好きだろ☆」
「お、お前、こんなことして」
ビビりのカズくんが、ケツで感じながら凄んでくる。
「お前さぁ、こないだのアレ、ハッタリだと思っちゃった?☆」
先週俺は、彼に喉元にカッターを突きつけて、追い払った。
「みんなには内緒だけどさ、俺のとっておき」
俺は新しい氷柱を用意する。今度は軒先に生えてるようなヤツじゃなくて、ちゃんと殺傷能力のある、尖ったヤツ。
「これをね、ここに、こうするだろ?」
俺は彼の手のひらに、氷柱を突き刺した。
「ぎゃあああ!!」
「そしてこう」
ヒール。
「ほうら元通り。ね、楽しいっしょ☆」
ニタア。
「お…おまっ…」
「ほうら、こうして、こう☆」
「ぎゃああ!!」
こうして、こう。こうして、こう。刺して、治す。刺して、治す。刺して治す。刺して治す。刺して治す刺して治す刺して治す刺して治す…
「ザッツイリュージョン☆」
淫夢の幻惑の中だ。確かにイリュージョン。間違ってはいない。カズは散々泣き叫んだ後に白目を剥き、全員仲良く漏らしていた。汚い。
改めて、現実世界でスリープを解くと、彼らはこっちでも仲良く漏らしていた。汚い。改めて呪縛で動きを封じてから、交渉に入る。
「で、お前らまだ琉海のこと狙ってんの?」
俺はにっこりしながら、手の中に氷柱を出現させる。
「ヒッ…!」
チンピラ仲良し三人組は、さっさと降参した。彼らは「俺らはコイツに唆されて」と、全てをカズくんになすりつける。美しき友情。一方カズくんは、
「お、おまっ、こんなことして、タダで済むとは」
涙目で、まだ元気に啖呵を切っている。まあ、そうだろう。琉海は彼の金蔓だもんな。俺は氷柱で、実際に彼の手に穴を開けてやる。
「ぎゃあああああ!!」
そして塞ぐ。あ、駄目だ。こっちだと血が流れちゃうな。脳内みたいに、流血まで綺麗に戻せない。俺はバスルームからタオルを取って来て、親切に拭いてやる。
「ザッツイリュージョン☆」
カズくんはこっちでも、白目を剥いて気絶した。残りの三人は「イリュージョンじゃねェだろ」って目をしてるけど、ちゃんと塞がったからイリュージョンです。ええ。
その後、カズくんでは埒が開かないので、改めてお友達の三人さんから、カズくんの上のお偉いさんを紹介してもらう。アポ無しで乗り込んだが、お偉いさんには「快く」了承をもらい、晴れて琉海からは手を引いてもらった。この辺の話は、また今度。
ちょっと時間がかかってしまったが、琉海は寝かせておいたベッドですやすや眠っていた。改めて、想定外の流れではあったが、俺は入学二週間で、めでたく寝顔の可愛いセフレをゲットした。
残虐表現があります。ご注意ください。
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翌朝。琉海は案の定起き上がれなかった。いつもは何とかエナドリと気合いでやり過ごすらしいが、今回ばかりは朦朧としていた。半ば肩を貸すようにして登校する。次回からは自重しよう。自信はないが。
水曜日の二コマ目は、例の受講生が三名だけの授業だ。黒澤がいるので出席しようか迷ったが、琉海はどうしても出ないと単位がヤバいらしいので、俺も仕方なく行くことにした。黒澤は、俺と琉海を見て何か言いたそうだったが、教授の手前あからさまに態度に出すのは控えたようだ。俺も大人の対応を返すことにした。すなわち前回と同じく、あちこち話が飛び回る、宇宙人教授の通訳を引き受けた。
琉海と学食で昼食を済ませ、次の授業に向かおうとした時、黒澤に呼び止められた。
「何か用」
「君、白石先輩と付き合ってるの?」
「だから何?」
「何で俺じゃないんだよ。俺の方が…」
「一服盛って動画撮るようなヤツ、付き合えっかよ」
彼は心外な、みたいな表情でショックを受けていた。心外なのはこっちだ。
「動画、どうなっても知らないからね」
「好きにしろよ」
別に俺は、自分の動画がどこに流出しようと、構やしない。親が見たら泣くかな、と思わなくもないが、彼らはネットに疎い。姉貴が見たら喜ぶくらいだろうか。言葉を失った彼を置いて、俺は自分の取った講義へ急いだ。そもそも動画撮って脅して付き合おうとか、アイツ正気なのか。
そもそも俺は、今非常に忙しい。琉海はすっかり忘れているようだが、例のロトはちゃんと当選した。口座を用意するために身分証明が必要だが、例の特殊なナンバーカードが必要だったので、こっそり実家に転移して、あっちで取得してきた。その足で銀行に赴き、口座を作って当選金を振り込んでもらう手筈を整えた。
最近はオンライン講義が多く、必ずしもその場にいなくても、単位が取れるのはありがたい。またオンラインでなくとも、大講義室の講義の中には、出席を取らずに、最終講義でのテストやレポートで単位認定されるものがある。どの講義も大体三回くらい休んでもセーフだが、出席を取らないものはいくらサボっても最後で帳尻を合わせればいいだけだ。俺には過去問やノートの貸し借りをするダチはいないが、大体講義を聞いていれば内容は把握できる。一度や二度聞き逃しても大丈夫そうだ。ここのところ毎日通学しているのは、俺と琉海の時間割がどちらもギチギチで、微妙に出席必須な授業が散在しているから。だけどその割には、俺は割と自由に動けている。転移様々だ。
琉海の新しい部屋は、どうしようか。とにかく色々片付くまで一箇所に定住しない方がいいかもしれない。ウィークリーでも物色しておこう。ホテル暮らしもいいかもしれない。なんせ、一人で億という金がある。ああ、親にも連絡しておかなくちゃ。扶養とか社会保険とか、税金とか変わるんじゃなかったっけ。俺の下宿は、そのままにしておこう。住所を転々と変える間、郵便物の受け取りや連絡先などは確保しておかなければならない。とはいえ、セキュリティという点では厳しいものがあるから、こっちもそこそこの物件に引っ越すべきだろうか。
そんなことを考えながら、金曜日の講義を終え、琉海と正門前で待ち合わせ。
しかしそこに、琉海は現れなかった。
遅れているだけかと思ってしばらく待ったが、悪い予感がするので、連絡を試みる。通話アプリは未読、電話もつながらない。密かに鞄に忍ばせてあったGPSは、彼の部屋に反応している。まあ、彼らも何もしないで手を拱いているわけがないよな。大学は割れてるわけだし。
しかし、こんなことでもないと、彼らを排除することはできない。俺は彼らの連絡先なんて知らないわけだし。琉海なら知ってるんだろうが、あんな扱いを受けている彼に連絡を取らせるのも酷だしな。これで事態は少し進展するだろう。ポジティブに行こう。四コマ目の終わりには顔を合わせたから、まだ時間はそんなにたっていないはずだ。無事でいてくれるといいんだが。
繁華街の裏通り、人気のない場所に転移し、例の部屋を訪れる。インターホンを鳴らすと、中から「開いてるぜ、ギャハハ」と下卑た笑い声が聞こえる。
「早かったなァ、彼氏クン?」
中にはカズと例のチンピラ三人。琉海はまさに服を剥ぎ取られている最中だった。俺を見つけて、「何でっ」と叫ぼうとしたところを、口を乱暴に塞がれる。
「見ての通り、ここはヤリ部屋ってヤツでなぁ、コイツはウリやってんだよ」
琉海を三人に任せて、カズが俺に話しかけてくる。
「時々お前みたいなのが、のこのこ引っかかって来んだよォ。だけど悪ィなぁ、コイツは商品だからよ」
手のひらをヒラリと差し出し、
「一回三万。そうだなァ、一週間レンタルで、五百ってとこかなァ」
彼がゲハハ、と笑うのに合わせて、後ろの三人もゲハハ、と笑う。コイツら、唱和する訓練でも受けてんのか。
「美人局ってヤツ?」
「お、話が分かるじゃねェか。そういうこと。琉海は俺にベタ惚れだかんなァ」
そう言って、彼は琉海の髪を掴み、頬をべろりと舐め上げる。琉海は目尻に涙を溜め、目をきつく閉じている。一人が彼を羽交締めにし、一人が彼のベルトに手を掛け、一人はもう自分のそれを露わにして扱いている。
「逃げて…!」
琉海が、絞り出すように言った。するとカズは、迷わず彼の腹に拳を叩き込んだ。
「ぐっ…」
「おいおい琉海。お客さんに逃げては駄目だろォ?ちゃんともらうモンもらわねェとなァ」
カズはこちらを向き直った。
「お前、逃げても無駄だかんな。面ぁ覚えたしよォ…なあ、碧島君?」
ギャハハァ。まあ、そうなるだろうな。彼らは腹を押さえて苦しむ琉海を気にも止めず、そのまま彼の下半身を剥き出しにすることに没頭している。
「琉海。お前、どうしたい?」
今にも口にそれをねじ込まれそうになっている琉海に、念のために聞いた。もし彼がここに留まりたいなら、俺が口を挟む問題じゃない。だが、
「たす…けて…」
顎を掴まれた彼は、頬を濡らしながら俺を見つめて、呟いた。
「了解」
睡眠スキルを掛けると、四人の男たちがいきなりバタバタと気を失って、彼は狐につままれたような顔をしていた。
「何で…」
「言ったろ。護身術習ってるって」
あくまで護身術押し。そして改めて、彼を抱きしめた。
「ごめん。怖い思いさせた」
琉海は俺の腕の中で、震えながら泣き出した。
(ヒール、サニティ、クレンズ、リカバリー)
俺は思いつく限りの回復スキルを使う。彼も落ち着いて来たようだ。
「琉海、ここから持ち出したいモン、あるか?」
「えっと…今のところは…」
服や日用品、テキストなんかは買い直せばいい。そう言うと、パソコンや貴重品はこないだ持ち出したし、そんなに必要なものはなさそうだ。
「じゃあちょっと、目ぇつぶってて」
俺は彼にスリープをかける。こないだ眠れない夜、これを使えばよかった。彼は俺の中でぐったりと眠りにつく。そのまま、押さえていたウィークリーの一室に跳んだ。彼をベッドに横たえ、靴を脱がして玄関に置く。ここでちょっと待ってて。
改めて、ヤリ部屋に戻る。さあ、お仕置きの時間です。
まだ使ったことのない、淫夢スキル。エロいイメージなら、どんなのでも見せられるらしい。早速すやすやとお休みになっている四名様に試してみる。
脳内空間で、彼らは素っ裸で目覚めた。身体は思うように動かない。俺が支配してるしな。状況が掴めず、お互いきょろきょろとしている彼らに、親切に説明してやる。
「お前ら、気持ちいいことシたいんだろ?」
俺が取り出したのは、一本の大きな氷柱。氷槍っていうスキルなんだけど、これ大きいし長いし、ちょうど彼らのそこにピッタリかなって。まずはカズくんから。
「いぎっ!あ”あ”あ”あ”」
お、喜んでくれたみたいだ。よかった。ちょっと冷たいけど。さあ、残りの三人も、遠慮しないでたんとお食べ。
「お前ら、ケツ好きだろ☆」
「お、お前、こんなことして」
ビビりのカズくんが、ケツで感じながら凄んでくる。
「お前さぁ、こないだのアレ、ハッタリだと思っちゃった?☆」
先週俺は、彼に喉元にカッターを突きつけて、追い払った。
「みんなには内緒だけどさ、俺のとっておき」
俺は新しい氷柱を用意する。今度は軒先に生えてるようなヤツじゃなくて、ちゃんと殺傷能力のある、尖ったヤツ。
「これをね、ここに、こうするだろ?」
俺は彼の手のひらに、氷柱を突き刺した。
「ぎゃあああ!!」
「そしてこう」
ヒール。
「ほうら元通り。ね、楽しいっしょ☆」
ニタア。
「お…おまっ…」
「ほうら、こうして、こう☆」
「ぎゃああ!!」
こうして、こう。こうして、こう。刺して、治す。刺して、治す。刺して治す。刺して治す。刺して治す刺して治す刺して治す刺して治す…
「ザッツイリュージョン☆」
淫夢の幻惑の中だ。確かにイリュージョン。間違ってはいない。カズは散々泣き叫んだ後に白目を剥き、全員仲良く漏らしていた。汚い。
改めて、現実世界でスリープを解くと、彼らはこっちでも仲良く漏らしていた。汚い。改めて呪縛で動きを封じてから、交渉に入る。
「で、お前らまだ琉海のこと狙ってんの?」
俺はにっこりしながら、手の中に氷柱を出現させる。
「ヒッ…!」
チンピラ仲良し三人組は、さっさと降参した。彼らは「俺らはコイツに唆されて」と、全てをカズくんになすりつける。美しき友情。一方カズくんは、
「お、おまっ、こんなことして、タダで済むとは」
涙目で、まだ元気に啖呵を切っている。まあ、そうだろう。琉海は彼の金蔓だもんな。俺は氷柱で、実際に彼の手に穴を開けてやる。
「ぎゃあああああ!!」
そして塞ぐ。あ、駄目だ。こっちだと血が流れちゃうな。脳内みたいに、流血まで綺麗に戻せない。俺はバスルームからタオルを取って来て、親切に拭いてやる。
「ザッツイリュージョン☆」
カズくんはこっちでも、白目を剥いて気絶した。残りの三人は「イリュージョンじゃねェだろ」って目をしてるけど、ちゃんと塞がったからイリュージョンです。ええ。
その後、カズくんでは埒が開かないので、改めてお友達の三人さんから、カズくんの上のお偉いさんを紹介してもらう。アポ無しで乗り込んだが、お偉いさんには「快く」了承をもらい、晴れて琉海からは手を引いてもらった。この辺の話は、また今度。
ちょっと時間がかかってしまったが、琉海は寝かせておいたベッドですやすや眠っていた。改めて、想定外の流れではあったが、俺は入学二週間で、めでたく寝顔の可愛いセフレをゲットした。
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