48 / 135
第6章 騎士団編
(43)※ お仕置き
しおりを挟む
「う…あ…」
白昼の路地裏、彼は路上で四つん這いになり、息を荒げている。
鍛え上げられた肉体。全身がバネのように躍動する、しなやかな造形美。艶やかな褐色の肌。戦いに絶対的に有利な、長い手足。短く整えられたプラチナブロンド。彫りの深い、優美な顔立ち。吸い込まれそうな碧い瞳。頭上に狼の耳がなければ、異世界の外国のダンサーみたいだ。
俺は彼の瞳を見つめながら、あちらの世界で散々蓄えたいやらしいシーンの集大成を、どんどん脳内に送り込んで行く。淫夢スキルは最大まで上げると、睡眠中でなくても相手の脳内にイメージを送り、白昼夢を見せることができる。幻惑スキルとは違い、卑猥なイメージ限定なのが、いかにも淫魔専用のスキルらしい。エロければエロいほど鮮明に届く。
彼は脳内で今、一糸纏わぬ姿でベッドに転がされ、俺にいいようにオモチャにされている。髪、耳、首筋、乳首、脇腹。背中、二の腕、手首、手のひら、指。鼠蹊部、腿の内側、尻。膝の裏やふくらはぎ、つま先まで。指先でいやらしく撫で回すと、彼は不自由な身を捩って、息を荒げる。コイツやけに性感帯が多いな。ほぼ全身じゃないだろうか。
(俺にこんな風にされて、どんな気持ちだ?)
耳元で甘く囁く俺に、彼は為す術がない。身体はどんどん昂って、はしたない喘ぎ声が出そうになっている。慌てて口をつぐむが、彼の尻から見事な尻尾がファサ、と現れた。それは細かく震えながら、ゆらゆらと左右に振れている。
俺の目がヤバいと理解した彼は、視線を逸らして魔眼を躱した気になっているが、残念。魔眼を極めると、視覚を通さずとも脳や神経に直接アクセスできる。
(ほら、中が蕩けて来ているぞ。どんだけ淫乱なんだ)
ロクに前戯もしていないのに、彼はもうすっかり欲情してしまって、初めて受け入れる指に、いやらしく吸い付いてくる。そのくせ、中で少し動かしてやるだけで達しそうなくらい感じている。
(そんな…そんな…ああっ…)
処女のように初々しく、しかし娼婦のように妖艶に。白昼堂々、猥褻な淫夢に、乱れに乱れる。脳内で繰り広げられる痴態を表に出さぬよう、歯を食いしばって耐えているが、ふうっ、ふうっと悩ましい吐息が漏れる。コイツがあの憎たらしいワン公と同一人物とは思えない。
おっと。彼を犯すのに夢中になっていたが、そういえば、俺はさっさと王宮に戻らないといけないんだった。ここからは手早くやろう。
彼の脳内には、俺が二人。片方は、彼を後ろから突き上げ、もう片方は、彼の口を犯す。イメージは俺が支配している。彼が嚙み千切るとか、そういう心配もない。
彼は獣人。王都で再会した頃のナイジェルと同じだ。弱い者には強さを示して恭順を要求し、強い者には徹底的に支配されたい。ちょっと苦しいんじゃないかな、とこっちが心配になるようなプレイの方が、彼らを昂らせる。
(ん”ん”っ!ん”ん”ん”っ!!)
喉までつかえそうな程度に押し込んでやると、彼は窒息しそうになりながら激しく感じている。もちろん、下の方も。初めて受け入れたばかりのそこに、容赦なく奥まで捩じ込んでやると、びくびくと身体をしならせて、全身で歓んで迎え入れる。
(どうしちまったんだ、俺…身体が…熱い…!)
彼の動揺が手に取るように伝わってくる。うんうん。淫魔は寝技では最強なんだぞ?
(そら、飲め。一滴もこぼすなよ)
後ろの俺は彼の尻尾を鷲掴みし、その勢いで彼に腰を打ちつけ、中にブッ放す。同時に、上の方からも。
(お”っご!ん”ん”ん”ん”!!)
実物よりいささか劣るが、魔眼の魔力だけで十分な媚薬効果。俺のを口に咥え込んだまま、強制的に絶頂へ押し上げられる。それらがすぐさま引き抜かれると、がくりと力を失い、気を失いそうなパーシヴァル。しかし息も絶え絶えに、霞む視界が捉えたのは、彼を取り囲む何十人もの俺。
(さあ、ヘバってる暇はないぞ?)
(う…ああ…っ)
彼は涙目でガクガクと震えだした。だが身体は自由に動かず、それどころか精を注がれたところが強烈に疼く。すぐさま彼を取り囲む別の俺が、ギンギンに滾ったアレを、上にも下にもぶち込んで、同じことを繰り返す。
「う…う…」
彼は路上で丸く蹲り、小刻みに震えながら呻いている。脳内で繰り広げられている凄惨な輪姦と陵辱を、外側の人間が知る術もないが、獣人ならば、彼から漂う卑猥な精の匂いを嗅ぎ取るだろう。三十分くらいで切れるようにしておくが、それまでにその辺のならず者に襲われるなよ。じゃあな。
少し遅くなったが、鼻歌を歌いながら手土産を片手にオフィスに帰った俺を、ナイジェルは怪訝な目で見つめていた。
「何かあったのか」
「ちょっとね」
気分は晴れ晴れだ。今度また噛みついて来たら、魔眼でけちょんけちょんにレイプしてやる。いかん。不謹慎ながら、ちょっぴり楽しみだ。
しかし。
その「今度」は、意外と早く訪れた。彼を路上でやり込めたのが金曜日。そして翌日の土曜日、ナイジェルと連れ立って王都の中心部まで買い物に出掛けていた最中、
「兄貴!!」
遠くから、聞き覚えのある声が聞こえてくる。猛然と駆けて来るのは、昨日脳内で手籠めにした大男。
「えっと…閣下。何用でございましょう…」
「嫌だな兄貴!俺と兄貴の仲じゃねぇか!」
うっ。横からナイジェルの冷ややかな視線を感じる。
「わ、私は閣下と仲を深めた覚えは…」
「水臭ぇな兄貴!パーシーって呼んでくれよ!」
肩をバシバシと叩かれ、そのまま馴れ馴れしく腕を回される。
「メイナード。どういうことだ」
「誤解だ!俺は何もしていない!」
非接触型だからセーフ!
「あ”ぁ?ノースロップの雑種かぁ?」
「こらお前!ナイジェルに手ぇ出したらブチ犯すぞ!」
「あああ兄貴!そんな大胆な…」
彼の尻から尻尾が現れ、ブンブンと左右に振られる。
「メイナード」
「ごめん!ごめんて!本当に何もないんだって!」
俺とナイジェルは大型犬を差し置いてさっさと跳び、その後俺は、彼から延々と説教を受ける羽目になった。
白昼の路地裏、彼は路上で四つん這いになり、息を荒げている。
鍛え上げられた肉体。全身がバネのように躍動する、しなやかな造形美。艶やかな褐色の肌。戦いに絶対的に有利な、長い手足。短く整えられたプラチナブロンド。彫りの深い、優美な顔立ち。吸い込まれそうな碧い瞳。頭上に狼の耳がなければ、異世界の外国のダンサーみたいだ。
俺は彼の瞳を見つめながら、あちらの世界で散々蓄えたいやらしいシーンの集大成を、どんどん脳内に送り込んで行く。淫夢スキルは最大まで上げると、睡眠中でなくても相手の脳内にイメージを送り、白昼夢を見せることができる。幻惑スキルとは違い、卑猥なイメージ限定なのが、いかにも淫魔専用のスキルらしい。エロければエロいほど鮮明に届く。
彼は脳内で今、一糸纏わぬ姿でベッドに転がされ、俺にいいようにオモチャにされている。髪、耳、首筋、乳首、脇腹。背中、二の腕、手首、手のひら、指。鼠蹊部、腿の内側、尻。膝の裏やふくらはぎ、つま先まで。指先でいやらしく撫で回すと、彼は不自由な身を捩って、息を荒げる。コイツやけに性感帯が多いな。ほぼ全身じゃないだろうか。
(俺にこんな風にされて、どんな気持ちだ?)
耳元で甘く囁く俺に、彼は為す術がない。身体はどんどん昂って、はしたない喘ぎ声が出そうになっている。慌てて口をつぐむが、彼の尻から見事な尻尾がファサ、と現れた。それは細かく震えながら、ゆらゆらと左右に振れている。
俺の目がヤバいと理解した彼は、視線を逸らして魔眼を躱した気になっているが、残念。魔眼を極めると、視覚を通さずとも脳や神経に直接アクセスできる。
(ほら、中が蕩けて来ているぞ。どんだけ淫乱なんだ)
ロクに前戯もしていないのに、彼はもうすっかり欲情してしまって、初めて受け入れる指に、いやらしく吸い付いてくる。そのくせ、中で少し動かしてやるだけで達しそうなくらい感じている。
(そんな…そんな…ああっ…)
処女のように初々しく、しかし娼婦のように妖艶に。白昼堂々、猥褻な淫夢に、乱れに乱れる。脳内で繰り広げられる痴態を表に出さぬよう、歯を食いしばって耐えているが、ふうっ、ふうっと悩ましい吐息が漏れる。コイツがあの憎たらしいワン公と同一人物とは思えない。
おっと。彼を犯すのに夢中になっていたが、そういえば、俺はさっさと王宮に戻らないといけないんだった。ここからは手早くやろう。
彼の脳内には、俺が二人。片方は、彼を後ろから突き上げ、もう片方は、彼の口を犯す。イメージは俺が支配している。彼が嚙み千切るとか、そういう心配もない。
彼は獣人。王都で再会した頃のナイジェルと同じだ。弱い者には強さを示して恭順を要求し、強い者には徹底的に支配されたい。ちょっと苦しいんじゃないかな、とこっちが心配になるようなプレイの方が、彼らを昂らせる。
(ん”ん”っ!ん”ん”ん”っ!!)
喉までつかえそうな程度に押し込んでやると、彼は窒息しそうになりながら激しく感じている。もちろん、下の方も。初めて受け入れたばかりのそこに、容赦なく奥まで捩じ込んでやると、びくびくと身体をしならせて、全身で歓んで迎え入れる。
(どうしちまったんだ、俺…身体が…熱い…!)
彼の動揺が手に取るように伝わってくる。うんうん。淫魔は寝技では最強なんだぞ?
(そら、飲め。一滴もこぼすなよ)
後ろの俺は彼の尻尾を鷲掴みし、その勢いで彼に腰を打ちつけ、中にブッ放す。同時に、上の方からも。
(お”っご!ん”ん”ん”ん”!!)
実物よりいささか劣るが、魔眼の魔力だけで十分な媚薬効果。俺のを口に咥え込んだまま、強制的に絶頂へ押し上げられる。それらがすぐさま引き抜かれると、がくりと力を失い、気を失いそうなパーシヴァル。しかし息も絶え絶えに、霞む視界が捉えたのは、彼を取り囲む何十人もの俺。
(さあ、ヘバってる暇はないぞ?)
(う…ああ…っ)
彼は涙目でガクガクと震えだした。だが身体は自由に動かず、それどころか精を注がれたところが強烈に疼く。すぐさま彼を取り囲む別の俺が、ギンギンに滾ったアレを、上にも下にもぶち込んで、同じことを繰り返す。
「う…う…」
彼は路上で丸く蹲り、小刻みに震えながら呻いている。脳内で繰り広げられている凄惨な輪姦と陵辱を、外側の人間が知る術もないが、獣人ならば、彼から漂う卑猥な精の匂いを嗅ぎ取るだろう。三十分くらいで切れるようにしておくが、それまでにその辺のならず者に襲われるなよ。じゃあな。
少し遅くなったが、鼻歌を歌いながら手土産を片手にオフィスに帰った俺を、ナイジェルは怪訝な目で見つめていた。
「何かあったのか」
「ちょっとね」
気分は晴れ晴れだ。今度また噛みついて来たら、魔眼でけちょんけちょんにレイプしてやる。いかん。不謹慎ながら、ちょっぴり楽しみだ。
しかし。
その「今度」は、意外と早く訪れた。彼を路上でやり込めたのが金曜日。そして翌日の土曜日、ナイジェルと連れ立って王都の中心部まで買い物に出掛けていた最中、
「兄貴!!」
遠くから、聞き覚えのある声が聞こえてくる。猛然と駆けて来るのは、昨日脳内で手籠めにした大男。
「えっと…閣下。何用でございましょう…」
「嫌だな兄貴!俺と兄貴の仲じゃねぇか!」
うっ。横からナイジェルの冷ややかな視線を感じる。
「わ、私は閣下と仲を深めた覚えは…」
「水臭ぇな兄貴!パーシーって呼んでくれよ!」
肩をバシバシと叩かれ、そのまま馴れ馴れしく腕を回される。
「メイナード。どういうことだ」
「誤解だ!俺は何もしていない!」
非接触型だからセーフ!
「あ”ぁ?ノースロップの雑種かぁ?」
「こらお前!ナイジェルに手ぇ出したらブチ犯すぞ!」
「あああ兄貴!そんな大胆な…」
彼の尻から尻尾が現れ、ブンブンと左右に振られる。
「メイナード」
「ごめん!ごめんて!本当に何もないんだって!」
俺とナイジェルは大型犬を差し置いてさっさと跳び、その後俺は、彼から延々と説教を受ける羽目になった。
82
お気に入りに追加
187
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない
すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。
実の親子による禁断の関係です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる