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第5章 王宮編
(38)※(微)上書き
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その後はナイジェルの部屋で、彼を安静に休ませてから、一旦家に帰って身支度と翌日の準備をして戻ってくる。一人にはして置けない。今夜は泊まろう。
いつも精を取り込んでは食事を忘れてしまうので、家には日持ちする食材を置いてある。メイナードとしては料理などさっぱりなのだが、異世界の俺は、簡単な食事なら自分で用意することができる。浪人生活も捨てたもんじゃない。持ち込んだ食材でちゃっちゃとパスタを作り、ワインを注いでいると、彼が起きてきた。
「お前も食べる?」
「お前、色々と器用だな」
「まあ、料理人と違って、味はそれなりだけどな」
パスタって熱いうちに食べないといけないのが欠点だ。彼の分を茹で、ソースを煮詰めながら、俺は行儀悪く席と往復して、自分の分を平らげる。彼にはこないだの甘いシードルを。日曜日に彼が昏倒してる間に、あっちで買い込んで来たヤツ。果たして侯爵家のお坊っちゃまに俺の素人仕事が口合うかは分からなかったが、
「ちゃんと美味いのが腹立たしい」
何故なのか。
ナイジェルによると、あの席にはマジックドレインが仕込まれていたそうだ。あそこで作業をさせながら、今日の彼のように、魔力切れで昏倒したところを狙われてたっぽい。
「だから警戒を怠るなって言ったろう」
「だって、俺には効かなかったんだもん、仕方ないだろ」
俺は父上から贈られた指輪を彼にかざした。母の形見だというと、ナイジェルも納得したようだった。
「それにしてもアイツ、馬鹿だよな。俺にセックスで喧嘩なんか売るから」
まるで誰かと一緒だな。
「普通、淫魔が自分を遥かに超える能力を持って偽装しているとか、想定してないだろ」
思い当たるところがあるのか、彼はちょっと拗ねたように呟いて、最後の一口を口に運んだ。
「お前、これでアイツに執着されるぞ」
「ええ、それはないだろ」
「…」
横目で睨まれる。仕方ないだろ、俺にはあれくらいしか対抗手段がなかったんだから。
ベッドの上で、まだ魔力が戻らず気怠そうにしている彼の隣に滑り込み、髪を撫でながら眠りに落ちるのを待つ。彼は何も言わないが、自分が彼らに捕えられて、俺を危険に曝したことを気に病んでいる。そもそも俺を王都に留めるために、この職場に誘ったことも。
俺は不本意ながら、奴らの精を取り込んで元気いっぱいだ。そりゃ、淫魔としては他人の精は美味いし、本能的に取り込みたくなる性なんだけど、出来れば彼の前ではやりたくなかった。俺がもし、目の前でナイジェルが他の奴を抱いてるのを見たら、それがどんな理由であれ、平静ではいられないだろう。
やっぱり俺は、最初からナイジェルには相応しくなかったのかも知れない。分かっていたことだ。こんな時、彼にどんな言葉を掛ければいいのか、何をすればいいのか、皆目見当もつかない。ただやるせない気持ちで、今は彼の隣にいるしか術がなかった。
ああ、やだやだ。俺ってこんなウジウジした奴だったかな。うん、ウジウジした奴だった。その通りだ。
こないだの、隷属紋を消去した夜を思い出す。ナイジェルのことになると、どうも不安定になる。何でだろうな。そもそも彼が俺に惚れる理由も、俺が彼に惚れる理由も、どこにも見当たらないんだが。俺、何でこんなにコイツにハマっちゃったんだろう。
隣ですやすやと寝息を立て始めたナイジェルの寝顔を見ながら、俺は一睡もできなかった。
翌朝、ナイジェルの部屋で簡単な朝食を摂って、一緒に出勤。王宮は一応平静を保っていたが、どことなくそわそわした雰囲気で、俺たちをチラチラ見てくる奴もいる。昨夜俺が彼を横抱きして退勤したところを、何人か見ているはずだ。
執務室には、まだ誰も居なかった。昨日、起こったことが起こったことだ。おいそれと出勤できるような状態じゃないだろう。だが、始業時間近くなって、ラフィが出勤してきた。ひどい顔色だ。
「…ナイジェル様、メイナード様。昨日は申し訳ありませんでした…」
そのまま、ふらつくように土下座する。
「私の処遇は如何様にでもしていただいて構いません。どうかロドリックの命だけは…」
震えながら、絞り出すような声で。
そしてちょうどそこに、ロドリックがやってきた。
「ラフィ!」
彼に寄り添って抱き起そうとする。そして昨日のように、俺を殺す勢いで睨みつけてきた。
「ロドリック。ラファエルは、お前の助命を嘆願してきた。無駄にするな」
ナイジェルが、低い声で言い放つ。学園を出てこの職場で半年、監視役とはいえ、彼らと相応の付き合いもある。無情に切り捨てられないのだろう。
そして雰囲気的に、俺の回答待ちみたいな感じになった。
「俺は別に、お前らを取って食おうとか思ってねぇよ。お前らだって、命令されてやったんだろうし。ただ、同じようなことがあっちゃ困る。だからそれなりの措置を取らせてもらった。それだけだ」
二人は俺をハッと見上げていた。
「今日はもう休んでいろ」
ナイジェルは、彼らに休養を取るように言い渡した。残った俺たちは、二人で普段通りの仕事を淡々とこなした。
その日、王太子殿下は体調を崩されたとかでしばらく休養、という報せが入った。
今日は木曜日、普段なら彼の部屋に行くところだが、もうオスカーを警戒する必要もない。俺は自宅に帰ろうとしたが、ナイジェルは「来い。いいな」と言い渡して、さっさと帰って行った。仕方がないので、食堂で夕飯を済ませ、自宅で手早く身支度を整え、部屋着で彼の部屋を訪れる。
「何だよナイジェル。今日はもういいだろ?」
「お前、また変な顔してる」
「変な顔って何だよ。これは生まれつき…ちょっ」
当たり前のように抱き寄せられ、口付けられ。彼は手慣れた様子でボタンに手を掛け、素肌をいやらしく撫で回す。
「お前は、すぐ俺から逃げようとする」
「!」
「今度のことは、おあいこだ。俺だってあいつらに捕らえられて、お前を危険に曝した」
ちゅっ、ちゅっと首筋に口付けながら。ああもう、俺の駄目なパターンを…
「…違うな。お前は一体、何を気に病んでいる?」
俺が口を閉ざしていると、彼の愛撫はどんどん激しくなっていく。どさり、とソファーに押し倒され、身体中にキスの嵐。手は脚の間まで伸びて。
「ちょっ、今日はそんな気分じゃ…」
そんなことを言いながら、身体はもう彼の言いなりだ。どこもかしこも、ナイジェルに愛されたくてゾクゾクしている。
「言っただろう。俺はお前を離さないと」
「馬っ鹿…!」
そんなこと、耳元で囁くな!
「何を泣いている」
「見るなよ!」
ソファーの背に顔を埋め、彼を押し退けて拒絶する。しかし彼は俺の手首を掴んで再び身体を重ねてくる。そして耳元にキスを繰り返しながら、低い声で俺の名前を繰り返す。もう、俺が耳が弱いのを知って…お前のスキルは反則なんだよ!
「やめろっつってんだろ!」
俺はもう一度、捕まれた腕に力を込めて、身を捩る。そしてナイジェルを睨みつけた。
「俺、お前の目の前で、平気で浮気すっぞ?!」
「は?」
は、じゃねぇよ。
「俺こんなだし、これしか才能ねぇし。これからもこういうことあったら、絶対ああする。こんなん、どこがいいんだよ!」
「お前がそういう男だってことは、知ってる」
「俺がお前なら耐えられない。どんな理由があっても、俺の目の前でお前が他のヤツ抱いてたら、正気じゃいられない。そんなの嫌だ。そんなの…」
ああもう、格好悪い。涙が止まらない。俺の涙腺って、こんな弱かったっけ…
「俺はお前と違って、浮気なんかしない」
「だから俺は!」
「俺はお前がそういう男だと知って、それでもお前がいいって言ってるんだ」
「馬っ…」
その先は、唇を塞がれた。
「馬鹿馬鹿うるさい。馬鹿はお前だ。お前がどれだけ浮気しようと、俺が上書きしてやる」
耳元に注がれる甘い囁きに、どうにかなってしまいそうだ。
次の日も仕事なのに、俺はその夜、ナイジェルにぐずぐずに甘やかされた。
いつも精を取り込んでは食事を忘れてしまうので、家には日持ちする食材を置いてある。メイナードとしては料理などさっぱりなのだが、異世界の俺は、簡単な食事なら自分で用意することができる。浪人生活も捨てたもんじゃない。持ち込んだ食材でちゃっちゃとパスタを作り、ワインを注いでいると、彼が起きてきた。
「お前も食べる?」
「お前、色々と器用だな」
「まあ、料理人と違って、味はそれなりだけどな」
パスタって熱いうちに食べないといけないのが欠点だ。彼の分を茹で、ソースを煮詰めながら、俺は行儀悪く席と往復して、自分の分を平らげる。彼にはこないだの甘いシードルを。日曜日に彼が昏倒してる間に、あっちで買い込んで来たヤツ。果たして侯爵家のお坊っちゃまに俺の素人仕事が口合うかは分からなかったが、
「ちゃんと美味いのが腹立たしい」
何故なのか。
ナイジェルによると、あの席にはマジックドレインが仕込まれていたそうだ。あそこで作業をさせながら、今日の彼のように、魔力切れで昏倒したところを狙われてたっぽい。
「だから警戒を怠るなって言ったろう」
「だって、俺には効かなかったんだもん、仕方ないだろ」
俺は父上から贈られた指輪を彼にかざした。母の形見だというと、ナイジェルも納得したようだった。
「それにしてもアイツ、馬鹿だよな。俺にセックスで喧嘩なんか売るから」
まるで誰かと一緒だな。
「普通、淫魔が自分を遥かに超える能力を持って偽装しているとか、想定してないだろ」
思い当たるところがあるのか、彼はちょっと拗ねたように呟いて、最後の一口を口に運んだ。
「お前、これでアイツに執着されるぞ」
「ええ、それはないだろ」
「…」
横目で睨まれる。仕方ないだろ、俺にはあれくらいしか対抗手段がなかったんだから。
ベッドの上で、まだ魔力が戻らず気怠そうにしている彼の隣に滑り込み、髪を撫でながら眠りに落ちるのを待つ。彼は何も言わないが、自分が彼らに捕えられて、俺を危険に曝したことを気に病んでいる。そもそも俺を王都に留めるために、この職場に誘ったことも。
俺は不本意ながら、奴らの精を取り込んで元気いっぱいだ。そりゃ、淫魔としては他人の精は美味いし、本能的に取り込みたくなる性なんだけど、出来れば彼の前ではやりたくなかった。俺がもし、目の前でナイジェルが他の奴を抱いてるのを見たら、それがどんな理由であれ、平静ではいられないだろう。
やっぱり俺は、最初からナイジェルには相応しくなかったのかも知れない。分かっていたことだ。こんな時、彼にどんな言葉を掛ければいいのか、何をすればいいのか、皆目見当もつかない。ただやるせない気持ちで、今は彼の隣にいるしか術がなかった。
ああ、やだやだ。俺ってこんなウジウジした奴だったかな。うん、ウジウジした奴だった。その通りだ。
こないだの、隷属紋を消去した夜を思い出す。ナイジェルのことになると、どうも不安定になる。何でだろうな。そもそも彼が俺に惚れる理由も、俺が彼に惚れる理由も、どこにも見当たらないんだが。俺、何でこんなにコイツにハマっちゃったんだろう。
隣ですやすやと寝息を立て始めたナイジェルの寝顔を見ながら、俺は一睡もできなかった。
翌朝、ナイジェルの部屋で簡単な朝食を摂って、一緒に出勤。王宮は一応平静を保っていたが、どことなくそわそわした雰囲気で、俺たちをチラチラ見てくる奴もいる。昨夜俺が彼を横抱きして退勤したところを、何人か見ているはずだ。
執務室には、まだ誰も居なかった。昨日、起こったことが起こったことだ。おいそれと出勤できるような状態じゃないだろう。だが、始業時間近くなって、ラフィが出勤してきた。ひどい顔色だ。
「…ナイジェル様、メイナード様。昨日は申し訳ありませんでした…」
そのまま、ふらつくように土下座する。
「私の処遇は如何様にでもしていただいて構いません。どうかロドリックの命だけは…」
震えながら、絞り出すような声で。
そしてちょうどそこに、ロドリックがやってきた。
「ラフィ!」
彼に寄り添って抱き起そうとする。そして昨日のように、俺を殺す勢いで睨みつけてきた。
「ロドリック。ラファエルは、お前の助命を嘆願してきた。無駄にするな」
ナイジェルが、低い声で言い放つ。学園を出てこの職場で半年、監視役とはいえ、彼らと相応の付き合いもある。無情に切り捨てられないのだろう。
そして雰囲気的に、俺の回答待ちみたいな感じになった。
「俺は別に、お前らを取って食おうとか思ってねぇよ。お前らだって、命令されてやったんだろうし。ただ、同じようなことがあっちゃ困る。だからそれなりの措置を取らせてもらった。それだけだ」
二人は俺をハッと見上げていた。
「今日はもう休んでいろ」
ナイジェルは、彼らに休養を取るように言い渡した。残った俺たちは、二人で普段通りの仕事を淡々とこなした。
その日、王太子殿下は体調を崩されたとかでしばらく休養、という報せが入った。
今日は木曜日、普段なら彼の部屋に行くところだが、もうオスカーを警戒する必要もない。俺は自宅に帰ろうとしたが、ナイジェルは「来い。いいな」と言い渡して、さっさと帰って行った。仕方がないので、食堂で夕飯を済ませ、自宅で手早く身支度を整え、部屋着で彼の部屋を訪れる。
「何だよナイジェル。今日はもういいだろ?」
「お前、また変な顔してる」
「変な顔って何だよ。これは生まれつき…ちょっ」
当たり前のように抱き寄せられ、口付けられ。彼は手慣れた様子でボタンに手を掛け、素肌をいやらしく撫で回す。
「お前は、すぐ俺から逃げようとする」
「!」
「今度のことは、おあいこだ。俺だってあいつらに捕らえられて、お前を危険に曝した」
ちゅっ、ちゅっと首筋に口付けながら。ああもう、俺の駄目なパターンを…
「…違うな。お前は一体、何を気に病んでいる?」
俺が口を閉ざしていると、彼の愛撫はどんどん激しくなっていく。どさり、とソファーに押し倒され、身体中にキスの嵐。手は脚の間まで伸びて。
「ちょっ、今日はそんな気分じゃ…」
そんなことを言いながら、身体はもう彼の言いなりだ。どこもかしこも、ナイジェルに愛されたくてゾクゾクしている。
「言っただろう。俺はお前を離さないと」
「馬っ鹿…!」
そんなこと、耳元で囁くな!
「何を泣いている」
「見るなよ!」
ソファーの背に顔を埋め、彼を押し退けて拒絶する。しかし彼は俺の手首を掴んで再び身体を重ねてくる。そして耳元にキスを繰り返しながら、低い声で俺の名前を繰り返す。もう、俺が耳が弱いのを知って…お前のスキルは反則なんだよ!
「やめろっつってんだろ!」
俺はもう一度、捕まれた腕に力を込めて、身を捩る。そしてナイジェルを睨みつけた。
「俺、お前の目の前で、平気で浮気すっぞ?!」
「は?」
は、じゃねぇよ。
「俺こんなだし、これしか才能ねぇし。これからもこういうことあったら、絶対ああする。こんなん、どこがいいんだよ!」
「お前がそういう男だってことは、知ってる」
「俺がお前なら耐えられない。どんな理由があっても、俺の目の前でお前が他のヤツ抱いてたら、正気じゃいられない。そんなの嫌だ。そんなの…」
ああもう、格好悪い。涙が止まらない。俺の涙腺って、こんな弱かったっけ…
「俺はお前と違って、浮気なんかしない」
「だから俺は!」
「俺はお前がそういう男だと知って、それでもお前がいいって言ってるんだ」
「馬っ…」
その先は、唇を塞がれた。
「馬鹿馬鹿うるさい。馬鹿はお前だ。お前がどれだけ浮気しようと、俺が上書きしてやる」
耳元に注がれる甘い囁きに、どうにかなってしまいそうだ。
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