上 下
40 / 135
第5章 王宮編

(36)※ お相手しよう

しおりを挟む
「さあ…改めて、お相手しましょうか。殿下」

 わざとそろりと、時間をかけて服をいでいく。外側からは想像もつかない、思ったよりも強靭で締まった身体。いいな。

「君…僕にこんなことして、ただでは…」

「嫌だなぁ殿下。俺を愛人にしたいんでしょう?」

 我ながら、こんな笑い方も出来るんだっていうくらい、邪悪な笑み。喉でわらうって、物語の中だけかと思ってたけど、意外と爽快だな。

 露になった胸元に、爪を滑らせる。薄く紅い線が入り、うっすらと血が滲んでくる。俺、こういう趣味無いんだけど、なんかコイツにはこれくらいしないと気が済まない。

「さあ、殿下。しゃぶりたい?それとも下の口で咥え込みたい?」

 彼は屈辱にまみれ、ものすごい表情で睨みつけてくる。ははっ。楽しい。お返事がないのでお任せコースで。喰い千切られてはたまらないので、早速本番と行こう。



 性別を超えた美貌をたたえるこの男は、幾多の男を手玉に取り、騙して搾取して成り上がった魔性の女のような妖しい色香を醸しつつ、同時に戦士として、相手を容易に屈服させるだけの力強さも併せ持つ。そのくせ、こっちは処女ヴァージンだ。まだ男を知らない固い蕾を、俺は強引にこじ開ける。

「くっ…」

 呪縛バインドで一切の動きのままならない体で、それでも彼は俺への反撃を諦めていない。恥辱に怒りをたぎらせながら、次の一手を計算している目だ。同時に、一見貧弱な角しか持たない脆弱な淫魔が、自分を拘束して良いように甚振いたぶろうとしていることに、底知れない恐怖を感じている。彼に偽装が通るということは、俺が彼を超える能力を持っていることを示す。あの尊大で余裕綽々しゃくしゃくな男が、恐れに視線を揺らしている。たまらない愉悦感。

 準備もそこそこに、早速あれをブチ込む。容赦はしない。ナイジェルに平気で刃を突きつける男に掛ける情けなどない。なあに、痛いのは初めだけ。何ならコイツ、治癒ヒール持ってるしな。

「ぐっ…あ、ああああ!!」

 苦痛に顔を歪め、たまらず悲鳴を上げる。その瞬間、わずかに起こした背中から、見事な漆黒の羽がざあっと広がった。そして俺の眼前に、クリスタルのような透明のシールドが展開する。世界ザ・ワールドの、究極の絶対防御だ。だがしかし、もう身体が繋がってしまった俺には、何の意味もない。俺がシールドを指で弾くと、クリスタルは粉々に砕け、音もなく消え去った。

「…そんな…!」

 今度こそ彼は、恐怖と絶望で震え始めた。羽が彼を護るように身体を包もうとするが、魔眼に圧を込めると、それも力無くベッドの上に倒れ伏す。俺の気が緩む一瞬を狙って全力で抵抗レジストして、俺を拒絶しようとした冷静さは賞賛に値する。あれが攻撃スキルのホーリーレイなら、かなり危険だった。

 さあ、今度こそ打つ手を無くした彼に、俺からたっぷりご褒美をあげよう。内側から滲み出る黒い感情に任せ、彼の中をグリッ、グリッと強引に進み、そのまま激しく腰を使う。

「あ…が…があああっ…!!」

 実質この王宮の頂点を極めた男が、俺の下で激痛に叫んでいる。何という快感、何という征服感。ほら、お前もこうして俺を踏みにじる気だったんだろう。コイツは俺に、ナイジェルよりも良くしてやると言ったが。

「ふふっ。どうだ。良いか?」

 とはいえ、お楽しみはこれからだ。この男を痛めつけるのが目的じゃない。この羽を折り、徹底的に調教テイムする。二度とナイジェルや俺に、手を出さないように。そら、来た来た。

「しっかり飲めよ?」

「ヒッ…あ、あ”あ”あ”あ”!!」

 俺に汚液ザーメンを注がれて、呪縛バインド下に関わらず、びくびくと身体を痙攣させる。彼は俺にあの本を示唆してきたくらいだ、淫魔の精と魅了の力くらい知っているだろう。自分より遥かに強い魔力を持つ淫魔の精を注がれて、魅了に染められるのは、どんな気持ちだ?そして…

「は、はっ、はっ、はああっ…」

 内側から身体を蝕む媚薬の味。美味うまいだろう。さあ、これから逆らう気も起こらなくなるまで、じゃぶじゃぶ食らわせてやる。



 ノンストップで腰を使い、二度、三度と放っていると、さすがのオスカーも良い声で鳴き出した。

「くっ…あ…あっ…ぐうっ…」

 快感に流されまいと必死に歯を食いしばるが、中はぐずぐずにとろけて、腹の上には彼の吐いた精がたらりと流れ出している。目には隷属れいぞく紋が明滅して、肚の上にもうっすらと浮かび出した。

「ほら、素直になれ。気持ち良いんだろ?」

「ぐ…死に損ないメレディスの、せがれ如きが…!」

 まだ減らず口を叩く気力があるのは、天晴あっぱれだ。だが、ならば尚更コイツを許すわけには行かない。過去に何があったかは知らないが、オスカーは言葉の端々に、メレディスへの執着を見せる。政治的なバランス上、マガリッジ家や不死種ヴァンパイアとの対立は避けたいだろうが、メレディス個人にならどんな危害を加えるか、分かったものではない。彼にだけは、絶対に手出しはさせない。

「御託はそこまでだ。そら、次行くぞ?」

「あ”っ!あ”っ!あ”あ”あ”…」

 びくっ、びくっと跳ねながら、全身で俺の精を歓んで受け取り、沈黙した。だらしなく開いた瞳と、吐いた精で濡れた肚には、三つの隷属紋が浮かんでいた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...