【完結・R18BL】手乗りスライムのロームと僕〜スライムを拾ったら、なぜか侯爵令息に溺愛されました?!【御礼SS追加】

明和来青

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キースの婚活

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この章はキース視点です。
いろいろ酷いです。ご了承ください。

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 俺はキース・ケラハー。ケラハー侯爵家の次男。父は軍部大臣。兄はその補佐で、後継者。妻子もいる。俺はゆくゆく子爵位をもらって、実家を拠点とする第三騎士団に入ることになっている。

 中等部までは騎士学園に通っていた。思い返せば当時は、剣だけ振るっていればいい、気楽な身分だった。脳筋一家で育ち、幼少期から息をするように剣術や体術を叩き込まれた俺は、必然的にエリートの名をほしいままにした。学内はゴリラのような女傑しかいなかったが、学外の女生徒からはひどく持て囃され、中坊ながらそれなりに遊んだものだ。

 高等部からは貴族学園に編入した。同学年の第二王子ケネス殿下とクリスティン公女との婚約が大っぴらになり、俺は側近の一人として彼らの下に付くこととなった。ケインズ公爵家は王都のすぐ南東にあり、俺が率いる予定の第三騎士団の担当範囲になる。お互い、今のうちからパイプを太くしておこうということだ。

 しかし、側近というのは骨が折れる。俺も一応貴族の端くれ、大抵のことは卒なくこなせるが、いかんせん忙しくてかなわない。せっかく可愛い女子に取り囲まれてチヤホヤされても、彼女らと遊ぶ時間すらないのだ。常に猫を被り、品行方正を装いながら(いや実際品行方正な生活を送っていたと思う、忙しくて)、空いた時間はストレス発散に剣に打ち込む。はたから見れば、絵に描いたようなサクセスストーリーを悶々と謳歌する毎日。

 そんな俺の運命を変えたのが、ジャスパー・ジュールと彼の従魔のスライムだった。



 彼は二年の秋のダンジョン実習で偶然スライムをテイムし、従魔とした。多忙にかまけて未だ従魔を持たなかった俺は、一瞬羨ましいと思ったが、それが何の役にも立たない弱いスライムだと聞き、多くの者と同様、興味を失った。

 しかし、あるじたるケネス殿下が、自身の開催するテイマーサロンに彼を招き入れると、ジャスパーとスライムのロームはあっという間に溶け込んで行った。そもそも彼は、学業で常にトップを争う秀才。高位貴族の子息が集まるテイマーサロンでは、裏で彼のリクルートを虎視眈々と狙う者ばかりだ。実務に秀でるが血筋と教養を持たない平民、血筋は良いが能のない貴族。どこの組織もこんな者で成り立っている。貴族の血を引き、尚且つ優秀で、将来安心して幹部を任せられるような人材、どこだって喉から手が出るほど欲しいのだ。まあ、うちのような騎士団は基本脳筋集団だから、彼も望まないだろうし、俺も特段必要としないが。しかし、彼が実直に勉学に打ち込んでいる姿は、ちょっと自分自身と重なる。素直で誠実で奥ゆかしい彼のことを、好ましく思っていたことは、間違いない。

 転機が訪れたのは一ヶ月後だった。彼のスライムが、二体にえたのだ。

 スライムが大きくなったり、特殊な能力を得るのではなく、二体に殖えたことに、彼は微妙な顔をしていた。だから俺は、一体譲ってくれと申し出た。未だ従魔を持たない俺は、従魔とは一体どんなものかを体験してみたかった、ということもある。だが、単純に彼と親交を深めたい、という気持ちもあった。いくら嫌な奴の従魔が繁殖したところで、譲り受けたいなんてこれっぽっちも思わないだろう。彼は幾分渋りながらも、一体を俺に預けてくれた。



 そのスライムが、とんでもなかった。

 就寝前、手から魔力を分け与えることで飼育すると聞いていたのに、そこにいたのは素っ裸のジャスパー。ロームはジャスパーに擬態して、エロい給餌を迫って来た。

 そこからはもう、なし崩しだ。俺はローム相手に獣のようにさかり、毎晩夢中になって抱き潰した。彼はジャスパーの姿形を真似るどころか、指示をすれば表情や行動パターンまで、恐るべき精度でコピーする。性の経験に乏しく、初心うぶで慎ましいジャスパーを隅から隅まで味わい、徹底的に陵辱し、蹂躙する。相手はスライム、そしてこれは給餌だ。何の問題もない。世の中に、これほど興奮する給餌など、あるだろうか。

 昼間顔を合わせる本物のジャスパーは、物静かで穏やかで、理知的な男だ。しかし彼が夜になると、強い羞恥心に悶えながら、快楽に弱く、ぐずぐずに陥落しては、凶悪な名器でギュンギュンに搾り取って来る。こんなもの、惚れない方がおかしいだろう。

 ロームを譲り受けて三日目、図書館の入り口で彼を待ち構え、うっかりキスしそうになった時、俺は確信した。彼を嫁にする。異論は認めない。

 ケラハーの男は愛のハンターだ。狙った獲物にはしつこく執着し、絶対に逃さない。待ってろ、ジャスパー。俺は何としてでも君を手に入れる。

 まずは外堀からだ!

 休みのたびにタウンハウスに帰っては、執事に協力を得て、ジャスパーの実家に書状をしたためる。寄り親の辺境伯家にも話を通した方がいいだろうということで、同時進行にした。あそこは実質第二騎士団を受け持つ家だ。知らない間柄じゃない。

 教会と王宮から、婚約誓約書と結婚誓約書。必要書類もすべからく入手だ。幸い、この国は同性同士で婚姻が可能。俺は次男、彼は三男で、お互い長兄には子がいる。子供が出来ない方が、家督争いが生じなくて都合がいいのだ。

 誓約書だけではない。指輪も準備せねば。お互いの瞳の色に忠実に合わせるとなると、良い石を探すのには時間がかかる。あと、服。婚礼やパーティーに、揃いの礼服は欠かせない。いっそこの際、大量に仕立ててしまおう。どうせうちに嫁いで、俺が脱がせるのだから。なお、彼の制服のデータはとっくに入手済みだ。後で怪しまれないよう、適当な理由で彼からも寸法を訊いておこう。

 披露宴の招待客のリストを作りつつ、それとなく根回しをしていると、ケネス殿下に「お前えげつないな」とお褒めの言葉をいただいた。それほどでも。隣国の戦姫に一目惚れして、袋叩きに遭いながら死に物狂いで射止めた父。長年懸想していた年上の令嬢が未亡人になった途端に、猛アタックして夫人に据えた兄。うちの家系はみんなこうだ。クリスティン嬢が「ジャスパーが気の毒ですわね…」とため息をついていたが、俺が一生ハメ倒して可愛がってやるから問題ない。



 ロームを一体譲り受けてから一ヶ月。通信実験と称して、お互いの部屋でロームをリアルタイムに擬態させ、二体のスライムを挟んで間接セックスに持ち込むことに成功した。これまでジャスパーの姿のロームを散々抱いて、彼のことは知り尽くしているかと思っていたが、本物はまた全然違った。なまじロームの模倣が完璧なだけに、ロームの模倣を超えるジャスパーの困惑と恥じらい、そしてエロさが際立つ。

「ふふ、いやらしいな。おまんこがぴくぴくしているよ」

「ち、違います、おまんこじゃ…あはぁぁッ!」

 言葉責めに弱く、卑猥な単語で呆気なくメスイキするいやらしい生き物。しかも俺のちんぽをぐいぐい引き入れるかのように、ちゅうちゅう吸い付いて来る。こんなの、嫁にするしかないだろう。絶頂して全身をビクビク痙攣させている可愛い嫁に、ご褒美ザーメンをたっぷり飲ませてやらねば。

「やだっ、キース様っ、きっ…ス”、様”ッ…ぎ、あ”ひッ…!!!」

 おほおぉ。痛いほどの締め付けで、おちんぽミルクを搾乳される。下の口は美味しそうにゴクゴクと飲み干し、上の口は舌を突き出して、メス犬のようなだらしないイキ顔を晒している。ごっくんも3回目だ。そろそろ落ちそうだな。

 彼が落ちた後は、ロームと延長戦だ。ジャスパーには到底できないハードなプレイも、スライムならば難なく受け止める。

「そら、喉マンコ開いてしっかり飲め!」

「んぐッ!!ご、ご、おご」

 俺の下でジャスパーの姿をしたロームがもがいているが、どうせ演技だ。彼はスライム、元は粘性生物。喉も何もない。だが、喉奥までブツを捩じ込まれて死にそうになりながら、それでも可愛いペニスを勃起させ、ふるふる揺らして足掻くジャスパーが、卒倒しそうなくらいそそる。

 好きだからこそ、壊れるくらい愛したい。ぐちゃぐちゃに愛し抜いて、俺しか知らない惨めな痴態を暴きたい。彼がイき狂って白痴になるまで、ハメてハメてハメ倒したい。そんな俺の中の妄執を、ジャスパーとロームは叶えてくれる。

 ああ、これは運命だ。俺には彼しかいない。

 勢いよく口内射精してペニスを引き抜くと、精液を鼻から垂れ流す愛しいジャスパーロームの姿。たまらない。俺はその華奢な身体を裏返し、今度は寝バックでブチ込んだ。
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