【完結・R18BL】手乗りスライムのロームと僕〜スライムを拾ったら、なぜか侯爵令息に溺愛されました?!【御礼SS追加】

明和来青

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楼蘭妃の憂鬱

お茶会に呼ばれました ※

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 窓の外は雨。私の住まう後宮を含む皇国の宮殿は、タワーカルストと呼ばれる起伏の激しい土地に建つ。急峻な岩の高台の上に、一棟ずつ建造物が建ち、しかし漆喰と朱塗りの様式は統一されていて、不思議と調和している。けぶるような眺めは、まるで水墨画のように美しい。ほう、とため息をついて、女官の淹れた茶をたしなむ。

 故国を含む人間族ヒューマンの国々では、首都といえば平坦な土地に置かれたものだ。交通や物流の観点からも、都市計画や居住区の拡張、農業や治水など、どのような面から言ってもそれは正しい、常識だ、と私は考えていた。だが皇国は、幻獣の住まう地。多くの者は飛行能力を備え、土地の凹凸などものともしない。それどころか、このようなカルストにはドリーネ、泉、洞窟などが形成され、特に竜族が好む地形となっている。竜族の糧は様々で、下位種であるほど獣と同じく肉や果物を欲すが、上位種は龍脈から直接気を取り込んで、体内で龍気を練る。同様に、エルフ族は森に棲み、森から恵みを。ノーム族は地底に棲み、地脈から恵みを。人間族がおよそ棲家に選ばない場所にこそ、彼らの安住の地がある。大変興味深い。

 窓の外にはいくつもの宮。あの一棟一棟には、他の皇族やその妃が暮らしている。彼らも私と同じように、こうして故国に思いを馳せているのだろうか。



「お妃様、どうしてお茶会に出席されないのですか?」

 物思いにふける私に、女官から思わぬ声が掛かった。この娘は、つい最近私の宮に配置された者だ。そういえば、今しがた故国について考えていたのも、この地では珍しい、故国の紅茶を供されたから。

「お茶会?」

 お茶会など、この後宮で開催されていたのか。初耳だ。年嵩としかさの女官が慌てて彼女をたしなめているが、後の祭り。

「お館様は、お妃様の向学心を優先されて、アネシュカ様や他の講師の方々とのご予定を」

 何か言い訳するそばから、

「ですが女官長。お妃様同士のお茶会は重要な社交の場ですヨ☆」

 この娘は空気を読まない性質のようだ。だが、悪意は無いらしい。

「他の皇子様たちのお妃様も、それはそれは素敵な方ばかりなのです。きっとお妃様にも素敵なお友達が☆」

 他の女官に羽交締めにされ、口を塞がれてなお、彼女はキラキラと期待を込めた目で見つめて来る。

「ふむ。どんなものかも知らないのに、無下に断るわけにも行くまい」

 私は早速出席の準備を整えるように指示した。女官長からは、まずレナードの判断を仰ぐのが良かろうと助言を得た。



「茶会か。ローレンスが興味を持つとは意外だった」

 その夜、夫に茶会の件を切り出すと、快く了承を得た。彼は彼で、私が妃同士の社交に気を揉ませることなく、興味のある勉学に集中させてやりたいと配慮してくれていたようだ。とろけるような甘い笑みで、唇を優しくついばんで来る。ああ、このまま穏やかに夜が過ぎればいいのに。あの後、鱗の陽根は絶対に受け付けないと断固拒否したところ、元の肉棘の付いたものに戻った。それはいいのだが、毎晩の苛烈な営みは相変わらずそのままだ。

「あっやっ…駄目っ…駄目っ!!」

 夫の熱い息遣いと、柔らかい肉棘を備えた凶悪なペニスに、私は今夜も啼き狂わされる。指を絡め、何度も深く口付けながら、少しずつ夫を受け入れる------毎晩同じことを繰り返しているはずなのに、どうやったって気持ちいい。彼のそれが、いところをざりざりと刺激して、私はすぐに気を遣ってしまう。

「くぅっ…レナード…気持ち、良いッ…!」

「ああ、可愛いなローレンス。我が最愛…」

 しかし問題はそこからで。私が達したからと言って、彼はまだまだ満足どころか、半分も挿入はいっていない。尚も奥を目指してぞりっ、ぞりっと腰を進められて、快楽の波はどんどん大きくなっていく。

「はっ♡、はぁっ♡、気持ちッ♡、気持ちぃッ♡」

「やぁん!♡き、気持っ!♡レナードッ!♡イっぐッ!♡」

「あ”ああッ!!♡♡レナッ!!♡♡イ”ぎッ!!♡♡たしゅけッ…!!♡♡」

「き”も”ち”ぃ”ッ!!!♡♡♡き”も”ち”ぃ”ッ!!!♡♡♡き”も”あ”はァッ!!!♡♡♡」

「い”や”あ”あ”あ”あ”ッ!!!♡♡♡イ”く”イ”く”イ”く”ッ!!!♡♡♡ゆ”る”し”て”え”ぇぇッ!!!♡♡♡」

 一時間、三時間、六時間。朝を超えて、しばしば一昼夜。時には数日に渡って。一度中にはなち、私の後孔が馴染んで来ると、彼の責めはどんどん加速して行く。片方が達したらもう片方が、始めから射精寸前のギンギンの状態でブチ込まれる。ブビュ、ドクドク、ドクン。何度も注がれ、それはペニスを入れ替えるタイミングで掻き出されてあふれ、腰回りはどちらが出したのか分からないものでぐちゃぐちゃだ。もちろん私も、何度吐き出したか分からない。

「ローレンス。ローレンス。可愛い。愛している」

 甘い愛の言葉を囁きながら、ごちゅごちゅと激しく腰を叩き付け、彼はまた中にブッ放す。注がれる龍気ではらが熱い。今度の出産は、上二人よりも早いかも知れない。



 そして朝。何事もなかったかのように、彼はさっさと身支度を終え、執務に向かう。彼が職務に励む日中、私は何をしても良いことになっている。講師を呼んで勉学に励むも良し、茶会に赴いて社交を楽しむも良し、だそうだ。

 レナード。私を愛し、向学心や社交を応援してくれるのは嬉しいのだが、一番の妨げは、お前の執拗なちょうだ。おい聞いてるのか。聞こえないフリはやめろ。

「行って来る」

 彼は白い歯を輝かせながら、いつものように颯爽と翼を広げ、露台から飛び立った。

 茶会は三日後の午後との知らせを受けた。その日は朝までに夫が満足するよう、祈るしかない。興が乗って、昼を超えてもなお寝台から解放されず、アネシュカや他の講師との約束がキャンセルになった前科は、枚挙にいとまがない。

 あの小さく可愛かったレナードは、一体どこに行ってしまったのだろう。そっとため息をつく私なのだった。
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