3 / 14
転校したら変な美少女に目をつけられた件③
しおりを挟む
質問の意味がわからず、瑞樹先輩に視線で助けを求めた。彼はにこにこ笑うばかりで、俺に対してなんのリアクションも起こさない。いくつめなのかわからないプリンを、コンビニの袋から取り出す。
一応仙川にも目を向けたが、彼は俺に一切の興味がなく、大切なお嬢様が怒涛のマシンガントークを繰り広げるのを、うんうん頷いて、幸せそうに見守っているだけだった。
おっとりふんわりした呉井さんが、早口になっている。この現象を、俺はよく知っている。
「どこの漫画の世界からいらしたのかしら。スポ根モノ? アイドル? ホラー? それともゲームの世界? 乙女ゲームというものがあるんですって? そこの攻略キャラクターかしら」
オタク、自分の興味のある物に対してのみ、超絶早口。俺にもある悪い癖だ。あまりの勢いに飲まれそうになる。うっかり適当な経歴を述べそうになるが、俺は今までもそしてこれからも、明日川匡以外の何者でもない。
「円香様。この男の貧弱な身体、平凡な顔立ちから推測するに、スポーツでもアイドルでもなければ、乙女ゲームの攻略キャラでもないでしょう。せいぜいが主人公の友人、あるいは噛ませ犬。もっと言えば、モブ以外にありえません」
興奮するお嬢様の肩を、仙川が失礼極まりないことを言いながら叩いて落ち着かせた。つか、本当に失礼だな! 誰がモブだ、誰が!
「……それもそうね」
納得すんのかよ、おい!
「モブならモブでも構いませんわ。異世界転移、あるいは転生をしたという事実が、私にとっては最重要事項なのです」
呉井さんは、狂的だった。クラスにいるときよりも楽しそうな表情は、ますます魅力的だ。しかし、話している内容が、一切理解できない。
俺もオタクの端くれとして、異世界転生や異世界転移する物語には、一通り触れてきている。いわゆる「なろう系」と言われる、地味で冴えない主人公が、チート能力を手に入れて他を圧倒し、現代知識で異世界を治め、さらには可愛い女の子たちのハーレムを形成する。書籍化された有名作品は、一通り目を通してきたから、彼女の言う「転移」「転生」については意味はわかる。
だが、所詮それらは夢物語だ。人間の想像力が生み出した物に過ぎない。だから、彼女が「本気で」異世界転生について捉え、話をしているように見えるのが、異様に思えた。高校二年生にもなって、本気で。
俺の防衛本能が警告する。こいつに巻き込まれちゃ、たまらない。ピンクの髪になんてしなけりゃよかった。
ちなみにピンクにしたのは、少し前にやっていたドラマが理由だった。出演していたイケメン俳優がピンク髪の高校生で人気を博し、「最強ピンク」とメディアにもてはやされているのを見た。俺はイケメンではないが、その人気にあやかろうとした。女子に「最強ピンクじゃない。面白過ぎる~」と言ってもらうことだけを楽しみにしていた。
他人の人気を借りようとした罰が、呉井円香という頭のねじが数本抜けた女子に絡まれるということなのか。
「つか、これ、地毛じゃもぐうう」
頭の色は染めただけだと説明すれば、解放されるかも。そう思って言ったのだが、口に何かを詰め込まれて言えずに終わった。甘い。スティックドーナツを無理矢理押し込んでくるのは、瑞樹先輩だった。身体に見合わぬ俊敏さで、俺の言葉を封じ込めた。
「ぐううう」
口の中の水分が持ってかれるタイプのドーナツだ。俺が咀嚼しきらないうちに、どんどこどんどこ中に入ってくるので、窒息しそうだ。
「匡くん、ドーナツ食べるのに牛乳が欲しいって。円香ちゃん、買ってきてくれる?」
瑞樹先輩は、のほほんと呉井さんに告げた。俺の様子を、目を白黒させて心配そうに見守っていた彼女は、「わかったわ!」と請け負って、財布を片手に被服室を出ていく。その後ろを、音もなく仙川が追った。ちらりと瑞樹先輩とアイコンタクトをしているのが、視界の端に映るが、気にしている場合じゃない。
パタパタと二人の足音が遠ざかるのを確認して、瑞樹先輩は手を止めた。ようやく俺は、ドーナツを口の中から取り出す。美味しいけど、食べ方っていうもんがある。
「なんなんすか、瑞樹先輩!」
「ごめんね。でも君が、余計なことを言いそうだったからさ」
ごめんごめん、と柔和な声で言う瑞樹先輩の口元には、微笑みが浮かんでいる。しかし、ゲホゲホむせて文句を言った俺が、涙目で見上げると、まったく笑っていなかった。思わず動きを止める。
「円香ちゃんは、本気で異世界転生ができると思っている」
先程の呉井さんを見ていなければ、冗談でしょうと一蹴する話だった。だが、俺はばっちり見てしまっているし、何なら至近距離でピンクの髪をまじまじと観察された被害者だ。神妙な顔を作って、瑞樹先輩の話に耳を傾ける。
「転生したときに、きちんとこちらの世界の知識を向こうに伝えられるように準備をしておくのが、この同好会の目的なんだ」
瑞樹先輩の顔は真剣そのものだった。頬肉が邪魔をしているけれど、その瞳には剣呑な光が宿っている。
クレイジー・マッド。
教室の片隅から、廊下の端から聞こえてきた陰口を思い出す。名前のもじりにしては、悪意のあるあだ名だとは思ったが、きっとみんな、呉井さんの奇妙な思考と行動を知っていたのだろう。上も下も、狂ってる、なんて彼女にぴったりの名前だと思ってしまう。
「あの、呉井さんはどうして異世界転生を……したいのでしょうか」
まごつきながら聞いてみるが、瑞樹先輩は唇に刻んだ笑みを深くしただけだった。
「そんなこと、今日が初対面の君に話ができると思う?」
あ、ごめんなさい。すいませんでした。もう聞きません。
少なくとも俺に理解できたのは、呉井さんが一見清楚なお嬢様に見えて、内面はどこかおかしいこと。それから、そんな彼女の夢見る異世界を、瑞樹先輩も仙川も守ろうとしていること。
「地毛だなんて、彼女の前で嘘をついたのが運の尽きだったね。明日川くん」
肩をぽんぽん、と叩かれた。
この髪の毛が実はただ染めただけのものだと告げることは、呉井さんの世界観にひびを入れることになる。それを彼らは決して許さない。
「えええ……じゃあ俺、しばらくはこのまんまってことっすか!?」
そうなるねぇ、とのんびり言った瑞樹先輩からは、もう険はすっかり抜けていた。同時に、呉井さんと仙川が戻ってくる。
「ただいま戻りました」
ずいぶん長かったな。きっと仙川があれこれ話しかけて、時間稼ぎをしていたのだろう。瑞樹先輩が、俺に説明するための時間を作るために。
呉井さんは「はい、明日川くん」ときれいな笑顔を浮かべて、牛乳パックを手渡してくれた。
「ありがとう」
受け取ろうとして一瞬、指が触れ合って、ドキドキする。俺の反応を不思議に思ったのか、彼女は小首を傾げた。
「明日川くん?」
「あ、いや。なんでもない。ありがとう」
ストローを差し、牛乳を一口飲んだのを確認すると、呉井さんは再び、可愛いお嬢様からクレイジー・マッドへと変貌する。
「この世界の牛乳は、お口に合いますか?」
うん……たぶん牛乳はどこの世界でも、同じ味なんじゃないかな。
瑞樹先輩と仙川の鋭い視線に晒されながら、俺は今まで慣れ親しんできたゲームや漫画の世界を思い出し、どうにかこうにか、自分の出自をでっちあげることにした。
頭の片隅では、担任になんて言い訳をして、この頭を維持しようか考えながら。
一応仙川にも目を向けたが、彼は俺に一切の興味がなく、大切なお嬢様が怒涛のマシンガントークを繰り広げるのを、うんうん頷いて、幸せそうに見守っているだけだった。
おっとりふんわりした呉井さんが、早口になっている。この現象を、俺はよく知っている。
「どこの漫画の世界からいらしたのかしら。スポ根モノ? アイドル? ホラー? それともゲームの世界? 乙女ゲームというものがあるんですって? そこの攻略キャラクターかしら」
オタク、自分の興味のある物に対してのみ、超絶早口。俺にもある悪い癖だ。あまりの勢いに飲まれそうになる。うっかり適当な経歴を述べそうになるが、俺は今までもそしてこれからも、明日川匡以外の何者でもない。
「円香様。この男の貧弱な身体、平凡な顔立ちから推測するに、スポーツでもアイドルでもなければ、乙女ゲームの攻略キャラでもないでしょう。せいぜいが主人公の友人、あるいは噛ませ犬。もっと言えば、モブ以外にありえません」
興奮するお嬢様の肩を、仙川が失礼極まりないことを言いながら叩いて落ち着かせた。つか、本当に失礼だな! 誰がモブだ、誰が!
「……それもそうね」
納得すんのかよ、おい!
「モブならモブでも構いませんわ。異世界転移、あるいは転生をしたという事実が、私にとっては最重要事項なのです」
呉井さんは、狂的だった。クラスにいるときよりも楽しそうな表情は、ますます魅力的だ。しかし、話している内容が、一切理解できない。
俺もオタクの端くれとして、異世界転生や異世界転移する物語には、一通り触れてきている。いわゆる「なろう系」と言われる、地味で冴えない主人公が、チート能力を手に入れて他を圧倒し、現代知識で異世界を治め、さらには可愛い女の子たちのハーレムを形成する。書籍化された有名作品は、一通り目を通してきたから、彼女の言う「転移」「転生」については意味はわかる。
だが、所詮それらは夢物語だ。人間の想像力が生み出した物に過ぎない。だから、彼女が「本気で」異世界転生について捉え、話をしているように見えるのが、異様に思えた。高校二年生にもなって、本気で。
俺の防衛本能が警告する。こいつに巻き込まれちゃ、たまらない。ピンクの髪になんてしなけりゃよかった。
ちなみにピンクにしたのは、少し前にやっていたドラマが理由だった。出演していたイケメン俳優がピンク髪の高校生で人気を博し、「最強ピンク」とメディアにもてはやされているのを見た。俺はイケメンではないが、その人気にあやかろうとした。女子に「最強ピンクじゃない。面白過ぎる~」と言ってもらうことだけを楽しみにしていた。
他人の人気を借りようとした罰が、呉井円香という頭のねじが数本抜けた女子に絡まれるということなのか。
「つか、これ、地毛じゃもぐうう」
頭の色は染めただけだと説明すれば、解放されるかも。そう思って言ったのだが、口に何かを詰め込まれて言えずに終わった。甘い。スティックドーナツを無理矢理押し込んでくるのは、瑞樹先輩だった。身体に見合わぬ俊敏さで、俺の言葉を封じ込めた。
「ぐううう」
口の中の水分が持ってかれるタイプのドーナツだ。俺が咀嚼しきらないうちに、どんどこどんどこ中に入ってくるので、窒息しそうだ。
「匡くん、ドーナツ食べるのに牛乳が欲しいって。円香ちゃん、買ってきてくれる?」
瑞樹先輩は、のほほんと呉井さんに告げた。俺の様子を、目を白黒させて心配そうに見守っていた彼女は、「わかったわ!」と請け負って、財布を片手に被服室を出ていく。その後ろを、音もなく仙川が追った。ちらりと瑞樹先輩とアイコンタクトをしているのが、視界の端に映るが、気にしている場合じゃない。
パタパタと二人の足音が遠ざかるのを確認して、瑞樹先輩は手を止めた。ようやく俺は、ドーナツを口の中から取り出す。美味しいけど、食べ方っていうもんがある。
「なんなんすか、瑞樹先輩!」
「ごめんね。でも君が、余計なことを言いそうだったからさ」
ごめんごめん、と柔和な声で言う瑞樹先輩の口元には、微笑みが浮かんでいる。しかし、ゲホゲホむせて文句を言った俺が、涙目で見上げると、まったく笑っていなかった。思わず動きを止める。
「円香ちゃんは、本気で異世界転生ができると思っている」
先程の呉井さんを見ていなければ、冗談でしょうと一蹴する話だった。だが、俺はばっちり見てしまっているし、何なら至近距離でピンクの髪をまじまじと観察された被害者だ。神妙な顔を作って、瑞樹先輩の話に耳を傾ける。
「転生したときに、きちんとこちらの世界の知識を向こうに伝えられるように準備をしておくのが、この同好会の目的なんだ」
瑞樹先輩の顔は真剣そのものだった。頬肉が邪魔をしているけれど、その瞳には剣呑な光が宿っている。
クレイジー・マッド。
教室の片隅から、廊下の端から聞こえてきた陰口を思い出す。名前のもじりにしては、悪意のあるあだ名だとは思ったが、きっとみんな、呉井さんの奇妙な思考と行動を知っていたのだろう。上も下も、狂ってる、なんて彼女にぴったりの名前だと思ってしまう。
「あの、呉井さんはどうして異世界転生を……したいのでしょうか」
まごつきながら聞いてみるが、瑞樹先輩は唇に刻んだ笑みを深くしただけだった。
「そんなこと、今日が初対面の君に話ができると思う?」
あ、ごめんなさい。すいませんでした。もう聞きません。
少なくとも俺に理解できたのは、呉井さんが一見清楚なお嬢様に見えて、内面はどこかおかしいこと。それから、そんな彼女の夢見る異世界を、瑞樹先輩も仙川も守ろうとしていること。
「地毛だなんて、彼女の前で嘘をついたのが運の尽きだったね。明日川くん」
肩をぽんぽん、と叩かれた。
この髪の毛が実はただ染めただけのものだと告げることは、呉井さんの世界観にひびを入れることになる。それを彼らは決して許さない。
「えええ……じゃあ俺、しばらくはこのまんまってことっすか!?」
そうなるねぇ、とのんびり言った瑞樹先輩からは、もう険はすっかり抜けていた。同時に、呉井さんと仙川が戻ってくる。
「ただいま戻りました」
ずいぶん長かったな。きっと仙川があれこれ話しかけて、時間稼ぎをしていたのだろう。瑞樹先輩が、俺に説明するための時間を作るために。
呉井さんは「はい、明日川くん」ときれいな笑顔を浮かべて、牛乳パックを手渡してくれた。
「ありがとう」
受け取ろうとして一瞬、指が触れ合って、ドキドキする。俺の反応を不思議に思ったのか、彼女は小首を傾げた。
「明日川くん?」
「あ、いや。なんでもない。ありがとう」
ストローを差し、牛乳を一口飲んだのを確認すると、呉井さんは再び、可愛いお嬢様からクレイジー・マッドへと変貌する。
「この世界の牛乳は、お口に合いますか?」
うん……たぶん牛乳はどこの世界でも、同じ味なんじゃないかな。
瑞樹先輩と仙川の鋭い視線に晒されながら、俺は今まで慣れ親しんできたゲームや漫画の世界を思い出し、どうにかこうにか、自分の出自をでっちあげることにした。
頭の片隅では、担任になんて言い訳をして、この頭を維持しようか考えながら。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
AV研は今日もハレンチ
楠富 つかさ
キャラ文芸
あなたが好きなAVはAudioVisual? それともAdultVideo?
AV研はオーディオヴィジュアル研究会の略称で、音楽や動画などメディア媒体の歴史を研究する集まり……というのは建前で、実はとんでもないものを研究していて――
薄暗い過去をちょっとショッキングなピンクで塗りつぶしていくネジの足りない群像劇、ここに開演!!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
アリシアの恋は終わったのです【完結】
ことりちゃん
恋愛
昼休みの廊下で、アリシアはずっとずっと大好きだったマークから、いきなり頬を引っ叩かれた。
その瞬間、アリシアの恋は終わりを迎えた。
そこから長年の虚しい片想いに別れを告げ、新しい道へと歩き出すアリシア。
反対に、後になってアリシアの想いに触れ、遅すぎる行動に出るマーク。
案外吹っ切れて楽しく過ごす女子と、どうしようもなく後悔する残念な男子のお話です。
ーーーーー
12話で完結します。
よろしくお願いします(´∀`)
天才たちとお嬢様
釧路太郎
キャラ文芸
綾乃お嬢様には不思議な力があるのです。
なぜだかわかりませんが、綾乃お嬢様のもとには特別な才能を持った天才が集まってしまうのです。
最初は神山邦弘さんの料理の才能惚れ込んだ綾乃お嬢様でしたが、邦宏さんの息子の将浩さんに秘められた才能に気付いてからは邦宏さんよりも将浩さんに注目しているようです。
様々なタイプの天才の中でもとりわけ気づきにくい才能を持っていた将浩さんと綾乃お嬢様の身の回りで起こる楽しくも不思議な現象はゆっくりと二人の気持ちを変化させていくのでした。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」に投稿しております
春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる
釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。
他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。
そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。
三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。
新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
学園戦記三国志~リュービ、二人の美少女と義兄妹の契りを結び、学園において英雄にならんとす 正史風味~
トベ・イツキ
キャラ文芸
三国志×学園群像劇!
平凡な少年・リュービは高校に入学する。
彼が入学したのは、一万人もの生徒が通うマンモス校・後漢学園。そして、その生徒会長は絶大な権力を持つという。
しかし、平凡な高校生・リュービには生徒会なんて無縁な話。そう思っていたはずが、ひょんなことから黒髪ロングの清楚系な美女とお団子ヘアーのお転婆な美少女の二人に助けられ、さらには二人が自分の妹になったことから運命は大きく動き出す。
妹になった二人の美少女の後押しを受け、リュービは謀略渦巻く生徒会の選挙戦に巻き込まれていくのであった。
学園を舞台に繰り広げられる新三国志物語ここに開幕!
このお話は、三国志を知らない人も楽しめる。三国志を知ってる人はより楽しめる。そんな作品を目指して書いてます。
今後の予定
第一章 黄巾の乱編
第二章 反トータク連合編
第三章 群雄割拠編
第四章 カント決戦編
第五章 赤壁大戦編
第六章 西校舎攻略編←今ココ
第七章 リュービ会長編
第八章 最終章
作者のtwitterアカウント↓
https://twitter.com/tobeitsuki?t=CzwbDeLBG4X83qNO3Zbijg&s=09
※このお話は2019年7月8日にサービスを終了したラノゲツクールに同タイトルで掲載していたものを小説版に書き直したものです。
※この作品は小説家になろう・カクヨムにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる