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夢一夜
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睡眠薬を飲んで眠るようになって久しい。そのせいか、睡眠中に夢を見るということがなくなってしまった。 私がつけていた夢日記は、なんと三年以上前の十一月二十三日で終わっている(なぜか勤労感謝の日)。 その日記の内容は……。
別れたはずの女と自動車に乗っている。
運転しているのは女であるが、私は右座席にいる。外国車であろうか。
なぜか高級ラブホテルに入る。
女に肛門を舐めろ、と命じられる。
少しく抵抗があったが舐めた。
味はしなかった。
ホテルを出て、お互い共通の母校(高校)に行く。
「 授業参観」と大書された看板がある。
下にハングルも書いてある。
女と私が毛筆でしたためた書を、校庭の隅っこにある詰め所に売りに行く。
そこにはヤクザが四人いた。
恐ろしい風貌だったが、意外と物腰は柔らかい感じだった。
女と私の書は「話にならない」と笑われてボツになった。
ラブホテルに帰る。
部屋には掃除をする中年の女が三人もいた。
一錠五千円の薬(何の薬か分からない)をを三錠も売りつけられる。
計一万五千円也。
あまりにも高価なので慄然とする。
先に女の肛門を舐めた代わりに、私の小便を飲ませようとしたら目が覚めた。
…… この夢は何を意味するのか。三年の時が経過した今、それを考えるのは詮無きことだが、妙に気になってしまう。
そういや、以前に友人Kが「夢を書き留めておくと精神に支障をきたすのでご注意ください」なる文をメールにて送ってきたことがあったが、当時の私は精神に支障があったのかしらん。今は大丈夫なのかしらん。もしかして、ずっと精神は壊れっぱなし?
そんなことを考えているうちに夕方。窓外を見つめていると。
思わず「あ!」と叫んでしまった。
中空に将門の首が浮いてい、私を睨んでいるのだ。
「今日、来たか……」 呟いてしまった。
将門の顔は相変わらず男前だった。彼は、いきなり大音声で私に呼びかけた叫びかけた。
「 トレンドを大切にしているかぁっ?」
「 え? いや、トレンドとかは、別にどうでもいいッス」答えた。
「 駄目だ! トレンドを後生大事にするのがトレンドだあ!」
「 え? ちょっとわかんないですね」
「 こるぁ! 自分のもう一人とよく話し合って理解しろおお!」
私は驚いた。私の「内なる自分の存在」を、あろうことか将門に知られているとは……!
例のごとく、将門の首は、いきなり天上を目指して、ものすごい速度で上昇していった。
将門の首が消えても、私の体は硬直し、なおかつ厭な汗が流れていた。頭の中が真っ白になっていた。
すっかり外は暗くなり、満月が出ていた。その満月が将門の顔に思えてならず、おぞましさで吐き気がした。
「 混乱」が私を襲った。
理由なく月に向かって真言を唱えた。涙が流れるままに、嗚咽とともに。
月が私に近づいてきた。
月は明るさと速度を増して、ぐんぐん私に近づいてきた。そしてついに、月は私の口から体内に入ってしまったのであった。
涙は止まった。そして咆哮。
「 ウオウ! ウオオオオオオオオウ!」
私は、愚かしい雄叫びをあげて、全速力で暗い田んぼ道を走った。
夜道は危ない。私は何かにつまずいて転倒。
「ウオウオ! ウオオオオオオオオオウ!」
……目が覚めた。夢であった。
どうして私は、かくもくだらぬ夢をみるのであろうか?
別れたはずの女と自動車に乗っている。
運転しているのは女であるが、私は右座席にいる。外国車であろうか。
なぜか高級ラブホテルに入る。
女に肛門を舐めろ、と命じられる。
少しく抵抗があったが舐めた。
味はしなかった。
ホテルを出て、お互い共通の母校(高校)に行く。
「 授業参観」と大書された看板がある。
下にハングルも書いてある。
女と私が毛筆でしたためた書を、校庭の隅っこにある詰め所に売りに行く。
そこにはヤクザが四人いた。
恐ろしい風貌だったが、意外と物腰は柔らかい感じだった。
女と私の書は「話にならない」と笑われてボツになった。
ラブホテルに帰る。
部屋には掃除をする中年の女が三人もいた。
一錠五千円の薬(何の薬か分からない)をを三錠も売りつけられる。
計一万五千円也。
あまりにも高価なので慄然とする。
先に女の肛門を舐めた代わりに、私の小便を飲ませようとしたら目が覚めた。
…… この夢は何を意味するのか。三年の時が経過した今、それを考えるのは詮無きことだが、妙に気になってしまう。
そういや、以前に友人Kが「夢を書き留めておくと精神に支障をきたすのでご注意ください」なる文をメールにて送ってきたことがあったが、当時の私は精神に支障があったのかしらん。今は大丈夫なのかしらん。もしかして、ずっと精神は壊れっぱなし?
そんなことを考えているうちに夕方。窓外を見つめていると。
思わず「あ!」と叫んでしまった。
中空に将門の首が浮いてい、私を睨んでいるのだ。
「今日、来たか……」 呟いてしまった。
将門の顔は相変わらず男前だった。彼は、いきなり大音声で私に呼びかけた叫びかけた。
「 トレンドを大切にしているかぁっ?」
「 え? いや、トレンドとかは、別にどうでもいいッス」答えた。
「 駄目だ! トレンドを後生大事にするのがトレンドだあ!」
「 え? ちょっとわかんないですね」
「 こるぁ! 自分のもう一人とよく話し合って理解しろおお!」
私は驚いた。私の「内なる自分の存在」を、あろうことか将門に知られているとは……!
例のごとく、将門の首は、いきなり天上を目指して、ものすごい速度で上昇していった。
将門の首が消えても、私の体は硬直し、なおかつ厭な汗が流れていた。頭の中が真っ白になっていた。
すっかり外は暗くなり、満月が出ていた。その満月が将門の顔に思えてならず、おぞましさで吐き気がした。
「 混乱」が私を襲った。
理由なく月に向かって真言を唱えた。涙が流れるままに、嗚咽とともに。
月が私に近づいてきた。
月は明るさと速度を増して、ぐんぐん私に近づいてきた。そしてついに、月は私の口から体内に入ってしまったのであった。
涙は止まった。そして咆哮。
「 ウオウ! ウオオオオオオオオウ!」
私は、愚かしい雄叫びをあげて、全速力で暗い田んぼ道を走った。
夜道は危ない。私は何かにつまずいて転倒。
「ウオウオ! ウオオオオオオオオオウ!」
……目が覚めた。夢であった。
どうして私は、かくもくだらぬ夢をみるのであろうか?
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