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第三章
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しおりを挟むノアへの手紙を書き終えたところで、専属メイドのリリーが、ソフィーの到着を知らせてくれた。何時くらいかなと窓を見ると綺麗な夕焼けが見えた。
「ソフィーいらっしゃい」
「メリア、ごきげんよう」
ソフィーは、絵本に出てきそうな赤いメルヘンちっくなドレスを着て現れた。頭には大きな赤いリボンをつけている。かわいい。
「ここが応接室なの。こちらに座って」
「ありがとう」
ソフィーが座ったあと、私もソファに腰掛ける。タイミングよくリリーがお茶をテーブルに置いてくれた。
「ところで、ソフィーはどちらのお部屋だったんですの?」
「実はここのお隣の百合の部屋だったの!」
「そうだったのね。行き来しやすくて嬉しいわ」
「調べてみたら、この階は、私たち含めて5人が入居したみたいで、ライラックの部屋がシエナ・ホワイト辺境伯令嬢、ジャスミンの部屋がエリザ・トワイライト伯爵令嬢、そして薔薇の部屋が私のお姉様であるカレン・テイラーだったわ」
「あら、ソフィーは詳しいのね。私は疎いから教えてもらえると助かるわ」
「情報収集が得意なの。エリザ伯爵令嬢は、皇太子殿下と何度か交わっているようで皇太子妃を狙ってると噂よ。もしかしたらメリアに絡んでくるかもしれないの。気をつけてね」
「まぁお元気だこと。気をつけるわね」
……いつの間にか皇太子妃争いに巻き込まれていたみたいね。入学式で皇太子殿下が私に話しかけていたから噂はすぐに広がるはず。陥れられたら大変だから、気をつけないと。
溜息を飲み込んで、紅茶に口付ける。
面倒なことに巻き込まれてしまったなぁ。情報をくれるソフィーとは今後もお近づきになった方が良さそうね。あまり損得勘定で人を計りたくないが仕方ないだろう。
こういう考えに至るのが貴族っぽくなったなぁ。まぁ本物の貴族なんだけど。
「あ、そうだ。ソフィー良かったら晩御飯はこちらで食べていかない? もっと仲良くなりたいの」
「もちろんよ!」
リリーに目線で食事の支度をお願いして、お茶請けのリーフクッキーを頬張る。
「ところで、メリアのドレス素敵ね。この繊細な刺繍は、隣国のルーク王国のものかしら?」
「……っ! ありがとう。これは頂き物だからどこで作られたか分からないのだけど、とても気に入ってるの」
「サファイアのネックレスとお揃いの色で似合ってるわ。もしかして婚約者の方からのプレゼント?」
は、恥ずかしい……!
あっという間に顔が赤くなるのがわかって、手で顔を覆う。指の隙間から覗くとソフィーがニヤニヤとしていた。
「婚約者ではないけど、大切な人からもらったの……!」
「いいなぁ。私も想い人が欲しいわ」
「ソフィーならきっとすぐ恋人が出来るわ。こんなに可愛らしいんですもの」
.
.
.
晩御飯を胡蝶蘭の部屋のダイニングに運んでもらい、楽しく食事を終えた私たちは、共用部の消灯時間まで話題が尽きることがなかった。
ソフィーを見送った後、お風呂に入ってスキンケアをし、ネグリジェに着替える。一日がとても長かった。
はしたないけど力尽きてベットに顔からダイブする。今夜はよく眠れそうだ。
うとうと夢の世界への入ろうとすると、何か声が聞こえてきた。なんだろうと耳を澄ませる。
『……あぁん! ……もっと奥にズボズボほしいのぉっ』
それは明らかな嬌声だった。一気に身体が熱くなる。
壁の向こうから聞こえるようだ。もしかしなくてもソフィーの悦んでいる声ーーー。
貴族女子寮なのに壁が薄いってどういうこと?!
そう言えばソフィーの使用人は、専属執事一人だけって言ってたから、もしかしてその方と……!
『きもちっ、あぅ、まだ逝かないで……!』
ーーーいいなぁ。私もノアが一緒だったら、たくさんえっち出来たのに……。
って何考えてるの!? ……私、欲求不満なのかなぁ。
なんだか私までえっちな気分になってきた。閨授業で気持ちよくてスッキリするところを私は知っている……。
ノアが、いつも胸を執拗に宥めてくれたことを思い出して、胸に手を置くと、恐る恐る揉みしだく。
息が上がってきたところで、先端を爪で軽く引っ掻くと、身体がピクッと跳ね、「ひゃうっ……」と声がでた。
隣に声が聞こえないよう、ベットのを囲うように、防音魔法をかけると、隣の部屋の喘ぎ声もシャットアウトされる。
ノアに触られていると想像して、夢中で胸の中心を転がすと、甘ったるい声が口から漏れる。もっと気持ちよくなりたくて、ぎゅっとつぶすと、軽く達してしまった。
「はぅ、きもちっ……! ノアぁ……」
蜜壺からとろりと蜜が流れる感覚がして、手を下着の中に伸ばす。蜜を指に絡めて、気持ちよくなれる蕾を人差し指と中指で、擦ると快感で身体が悦ぶ。
「ノア、んぅ……! きちゃう、きちゃうよぉ……ひあぁああぁぁん」
あっという間に高みに登り、快感に耐えられず、腰がガクガクと揺れる。浅い呼吸が元に戻ったら、欲望が解き放たれて、そのまま寝落ちてしまった。
.
.
.
翌朝。下着の中に手を入れたまま起きたことで、一人えっちしたことが専属メイドのリリーとケイトにバレてしまった。
身体を清めるといい、あちこち奉仕されたのは言うまでもない。
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