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第二章

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 扉をノックされる。入室を許可すると、専属執事になったノアが入ってきた。

「失礼します。メリアお嬢様、講師の方をお連れしました」

 するとまず入ってきたのが、アクアブルーのロングヘアが揺れる美人で小柄のお姉さんだ。仕草といい、目線の動かし方といい、胸元の谷間といい、“エロかわいい”という言葉を具現化したような女性だ。第一印象での存在感がスゴイ。

 続いて、身長が二メートルはあろうか…とにかく大きいガチムチな男性が入ってきた。タートルネックにジャケットを着ているが、服の上からも筋肉が主張している。オールバックで鋭い眼差しだ。

 メリアの正面に座るよう案内したノアは、そのままメリアの後ろに控える。
 私は腰をかけるよう促すと、講師の男性と女性は優雅に座った。

 リリーが心安らぐ香りのハーブティーを配膳し、終わると部屋のドアの前に控える。

 位が高い人から名前を聞かれるまで名乗れない貴族ルールがあるので、まず私から口を開いた。

「ノックス侯爵家までよくいらしてくださいました。お名前を女性からお伺いできるかしら」
「お初にお目にかかります。ハニームーン娼館からやってきました、ティンカと申します」
「同じくハニームーン娼館からきたチェイスでございます」
「ティンカ様、チェイス様。私は、ノックス家の長女、メリアでございます」

 真面目に挨拶しているが、際どいベビードールを着ているメリアは心なしか恥ずかしそうである。

「メリアお嬢様、私どもは講師として呼ばれておりますが、下賤の身でありますので、どうぞ敬称などつけぬようお願いします。」
「下賤の身だなんて。ご立派に働かれているんでしょう? ……でもそうね、呼び捨ての方が親しみを持てて良いかもしれないわ。私への敬称は外しずらいかもしれないけど、授業中は身分など気にしないでくださいね」
「恐れ入ります」

 どんな講師がいらっしゃるのか、不安な面もあったけど、なんとかやっていけそうかもと少しホッとする。

「それでは早速ですが、本日は基本的な体位を実際にお見せしたいと思います。実際にティンカとセックスをしますので、貴族のお嬢様には刺激が強いかもしれませんが、決して目を逸らさずご覧ください。それが今日の目標です。それではティンカ、準備してくれ」
「わかったわ」

 そう言うと、ティンカは立ち上がり、部屋の空いているスペースに、魔法で臨時のベットを用意する。
 ティンカがベットに座ると、チェイスもそちらへ向かい、押し倒す。

 ノアが臨時のベットの前に椅子を用意して、メリアを誘導する。
 メリアが椅子に座ると、あっという間に、2人は衣を脱いだ。
 本物の陰茎を初めて見るメリアは、思わず、目が釘付けになる。

 チェイスはティンカの胸を食べるような勢いで貪る。色白のティンカの肌に、浅黒いチェイスの肌が映える。

「あぁぁあん…いいっ! いいわ……」

 ぬたぬたと動物のように舐めたと思ったら、思い切りティンカの胸の先端に歯を当てる。

「きゃあああああぁぁん! もう逝く逝く!! ヒィぃん!!!」

 白目を剥き、はしたなく涎を流しながら絶頂するティンカを見て、メリアは必然と秘部から蜜が流れる。

「もう下は解れたか?」

 達したばかりのティンカは、光悦とした表情で頷くと、M字開脚をしてチェイスを誘った。

 ティンカの細腰を押さえると、チェイスの凶暴な肉棒が一気に蜜穴を貫く。
 すると、ティンカは、あひあひ喘ぎながら、だらしない顔で悦ぶ。

 見せつけるように、パンパン凄い音で腰を打ち付けているチェイスがメリアに話しかける。

「メリアお嬢様、今のこの体位は、なんて呼ばれているか知っていますか?」

 思わず目を逸らしたくなるが、授業であるが故、チェイスに目線を向ける。

「これは…正常位でしょうか」
「正解です。1番ベーシックな体位なだけあって、色々アレンジが出来ます。例えば、足を持ち上げたり伸ばしたり、腰を持ち上げて擦ると、当たっている感覚が変わります」

 説明しながら刺激の仕方を変えるチェイスにティンカは叫ぶように善がる。

「チェイス! ヒィッ、気持ちぃいい! 逝っちゃうぅぅ」

 足をピーンと伸ばし、ガクガクとまた逝ったティンカを見て、メリアはお腹の奥が疼いて赤面する。
 メリアが履いている紐パンは、とっくに役目を果たさず、椅子に蜜がとろりと垂れる。

 逝ってるティンカを器用にひっくり返し、四つん這いにさせると、チェイスは遠慮なく挿入する。

「これは、後背位といいます。俗に言うバックですね。膣の奥にある性感帯を刺激できます。お尻をこうやって叩いて悦ぶ女性も多いですね」

 チェイスの手が思い切りティンカのお尻を叩く。

「きゃあぁぁあぁぁ! お尻! もっともっとぉぉおおぉ」

 お尻をあんなに叩かれているのに、何故だか快感を拾っている様子が、思わず目に焼き付く。

「貴族のお嬢様に見られながら、ケツ叩かれて感じてるなんて流石娼婦だな!」
「メリアさまぁ、もっともっとぉ! 見てくださぁい!!」
「無礼な奴め」

 するとチェイスの手が、もっと大きく振るわれる。ティンカのお尻は真っ赤だ。

「あへ、あひぃぃン…また逝っちゃうぅぅ……」

 ティンカは少しぐったりしつつも、嬉しそうに絶頂する。

 メリアの脳内は、ティンカの気持ちよさそうな顔でいっぱいで、私もお尻を叩かれたらあんなに気持ちよくなれるのか?と考えるも、ハードなプレイに興味を持ったらダメと自制する。

「おら! 今度は騎乗位をメリアお嬢様に教えてやれ」

 もう一度お尻を叩き、ティンカを促す。チェイスは寝転ぶと、ティンカはその上に跨ぐ。

「ぁんっメリア様、騎乗位は自分の好きなように動かせる体位ですの! ひん、こうやって挿れたまま腰をぐるぐる回りしたり、クリトリスを打ち付けながら上下に動くと…あぁんン、もっと気持ちよくなりますわ。慣れないうちは、んぁっ手をつないでイチャイチャするのも、良いですうぅ」

 ふくよかな胸を揺らしながら上下するティンカの細腰をチェイスが掴むとゆっくりと起き上がると向かい合わせの体勢になる。
 そのままチェイスは、ティンカに涎を流すように上から口付ける。

 メリアは目の前で繰り広げられているキスを思い出して、昨日のノアとのキスは、とても気持ち良かったと頭をよぎる。
 チェイスは口付けを終えると、また口を開く。

「メリアお嬢様、これが対面座位です。密着するのでキスも出来ますし、恋人なんかとする時に良い体位ですよ」

 ティンカは腰を反らしながら、秘部の蕾を大胆にも自身で擦り、手慣れたように腰を動かす。
 チェイスは、とうとう顔を歪ませて、息が上がる。

「そろそろ出すぞっ!」

 ティンカのお尻を持ち、チェイスは当たりのいいところを見つけると、思い切り打ち付ける。
 そんな自分勝手な行為に、ティンカは物のように扱われているようで、より体温が上がる。

「うっ!」
「あああぁぁああぁぁ~!! 精子ドピュドピュきたぁぁあぁぁ!! んヒィぃい!!! ぎんもちいいいぃい!!!!」

 チェイスが小さく唸ると、射精される。
 中出しされた刺激で、精子を搾り取るように今まで1番激しく逝くティンカ。
 美人な顔が、焦点も合わず、だらしなく顎まで涎を垂らし、ガクガク痙攣が止まらない。
 肉棒を抜くと、白濁とした精子が、ティンカの秘部から流れ出る。

 完全に魅入って、欲望を宿した顔になっていたメリアにチェイスは声をかける。

「お楽しみいただけましたか?」

 突然話しかけられたメリアは肩を揺らす。

「えぇ、……大変勉強になりましたわ」
「他の体位の勉強については、今後メリアお嬢様自らお試しいただくようになります。楽しみにしていてくださいね」

 思い切り目を見開いて動揺するメリア。そんなメリアに対し獲物を狙ったような目で見るチェイス。

「今回は初めての授業ですので、以上で終わろうと思いますが、何か分からないことはありませんでしたか?」
「と、特にありません……。ありがとうございました」
「また疑問点がありましたら次回教えてください。次回もそのベビードールをお召しになってくださいね」

 そういうとチェイスとティンカは、素早く服を着て、臨時のベットを魔法で消す。
 ノアがドアまで2人を案内し、ドアの前に控えていたリリーがお見送りに行くため部屋を出る。


 ――そうして、初めての閨授業が終わった。

 ただし、メリアは、欲情の蜜を椅子に垂らしてしまっているため、恥ずかしくて、立ち上がれずにいた。



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