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しおりを挟む太陽の光が眩しい。
だけれど、瞼を開けるのも躊躇うほど、全身が重だるい感覚に戸惑う。
(痛い、腰が痛いわ……)
腕に何かが当たった感覚がして、不思議に思い、渋々目を開ける。
すると隣には、よく見慣れた緑色の肌のベルンハルトがいた。
昨夜の出来事を思い出し、顔を赤らめる。
――凄かった、物凄く。
薬の効果が切れて、オークの姿に戻ったベルンハルトの太い腕に抱きつく。
人間の姿でも、オークの姿でも、どちらにしても初恋であり、大好きな人であることには変わらない。
「愛しています、ベルンさま」
ベルンハルトの腕に、愛おしさを込めて、口付ける。
眠っている彼の頬が緩んだ気がした。
***
その後、予定通り結婚式を行った二人は、幸せに満ち溢れていた。
初夜の後に、フェリシアのお腹に一つの命が宿ったこともあり、順風満帆だ。
ベルンハルトは、フェリシアの妊娠と同時に王位継承権を辞退した。
元よりフェリシアが、王権争いによる毒牙に襲われる可能性をなくすために、父王へ働きかけていたようだ。
ベルンハルトからの深い愛情を感じて、フェリシアは涙を流した。
“真の姿を表す薬”が完成しても、時間制限があるから、改良の余地が残っている。
完全にオークの呪いを打ち消すため、今日もフェリシアは魔法薬の鍋をかき回した。
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