7 / 13
⒎
しおりを挟む「お久しぶりにございます。公爵閣下」
「おやめください。すでに私は公爵ではございませんよ、侯爵夫人」
かつての婚約者と私はお互いに微笑みあう。
私たちの婚約破棄は悲恋の題材になっている。
互いに愛しあっていたものの、私の両親は借金を返済する気がなくなった婚約者の両親に惨殺された。
その悲しみを手を取りあって乗り越えた私たちを、今度は私に懸想した王子が婚約破棄を目論んだ。
王子の悪事に気付いた父親を闇に葬るために冤罪で捕らえた一家に、子を三人なしても美しさが衰えない女性がいた。
家族愛を知らぬ王子は、乳飲み子を含めた家族六人の生命を楯に二人の婚約を破棄し、さらに婚約者と結婚できたら生命を助けると交渉した。
しかし、だんだん罪の意識に苛まれる女性。
さらに二人は互いを思いやっていて、割ってはいる隙などない。
そして、何か切羽詰まった事情があると気付いた二人は女性に優しく接していた。
そんな優しさに触れた女性は王子の計画を話してしまう。
婚約者の二人はひと芝居をうった。
あるパーティーで盛大に婚約破棄をおこなった。
それによって、公爵家有責により借金の一括返還と慰謝料の支払いを公爵夫妻に認めさせると共に、日を改めて公爵夫妻の罪を明らかにするためだ。
その場に王子はいなかったが、婚約破棄は貴族たちによって証言された。
王子は自身の計画が成功したことをほくそ笑み、婚約破棄により悲しんでいるであろう想い人の元へ駆けつけた。
そして想い人の心の弱みにつけ込んでプロポーズしたが玉砕した。
40
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
お姉さまは最愛の人と結ばれない。
りつ
恋愛
――なぜならわたしが奪うから。
正妻を追い出して伯爵家の後妻になったのがクロエの母である。愛人の娘という立場で生まれてきた自分。伯爵家の他の兄弟たちに疎まれ、毎日泣いていたクロエに手を差し伸べたのが姉のエリーヌである。彼女だけは他の人間と違ってクロエに優しくしてくれる。だからクロエは姉のために必死にいい子になろうと努力した。姉に婚約者ができた時も、心から上手くいくよう願った。けれど彼はクロエのことが好きだと言い出して――
私の婚約者とキスする妹を見た時、婚約破棄されるのだと分かっていました
あねもね
恋愛
妹は私と違って美貌の持ち主で、親の愛情をふんだんに受けて育った結果、傲慢になりました。
自分には手に入らないものは何もないくせに、私のものを欲しがり、果てには私の婚約者まで奪いました。
その時分かりました。婚約破棄されるのだと……。
この愛は変わらない
豆狸
恋愛
私はエウジェニオ王太子殿下を愛しています。
この気持ちは永遠に変わりません。
十六歳で入学した学園の十八歳の卒業パーティで婚約を破棄されて、二年経って再構築を望まれた今も変わりません。変わらないはずです。
なろう様でも公開中です。
妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます
tartan321
恋愛
最後の結末は??????
本編は完結いたしました。お読み頂きましてありがとうございます。一度完結といたします。これからは、後日談を書いていきます。
生命(きみ)を手放す
基本二度寝
恋愛
多くの貴族の前で婚約破棄を宣言した。
平凡な容姿の伯爵令嬢。
妃教育もままならない程に不健康で病弱な令嬢。
なぜこれが王太子の婚約者なのか。
伯爵令嬢は、王太子の宣言に呆然としていた。
※現代の血清とお話の中の血清とは別物でござる。
にんにん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる