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4章 聖地内戦終結
聖域の守護者を討つ者。~傭兵~
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ザアアアアッ!
吹き荒れる暴風雨。
蠢く黒い津波。壊れゆく聖地。
ひと気は……無い。
「……。出てこぬかジキムートめ。ならばこちらから行くかっ!」
その瞬間……巨大な氷が手近な家を破壊するっ!
ドンっ、ガララっ!
マッデンはその瓦礫を見やり……すぐにまた別の家屋へと目をやった。
「次は……」
カランっ……。
「そこかっ!」
ドスンっガララっ!
「これでは……ないか」
ほぼほぼ誰も居なくなった場所。
嵐吹き荒れすさぶ街を一人で眺め、マッデンは見えない敵に殺意を向け続けていく。
すると……。
ヒュンっ!
飛んでくるナイフ……っ!
「クッ!? 効かぬわっ!」
分厚い氷の障壁っ!
ドォンっ!
「なぬっ!?」
マッデンが爆発に揺らめくっ!
「久しぶりだな、マッデンっ!」
「この暗殺用具に褐色っ! 貴様レキかっ!? どこに居たのかと思えば……ふふっ。ほぅほぅ、なんだその恰好は。わしに肉体を捧げるとでもいう示しかね、ん~?」
下賤な視線でレキを犯すマッデン。
激しい雨の中でその衣は濡れ、かなり透けており……ほぼ裸と言って差し支えないレベルになっていた。
真実残念だが、娼婦にしか見えない。
「良い加減に諦めたらどうだ下賤めっ! お前は決して逃れる事はできないんだよっ。クライン、バスティオン両国ともにすでに臨戦態勢にあるのが見えないのかっ!」
周りを指すレキっ!
すでに2つの国の本隊は臨戦態勢だ。
戦争となればそう遠くなく、彼ら水の民は降伏せざるを得ないだろう。
いかに水の民と言えど、国家レベルで挟撃されればまず勝てない。
「ふん、何を馬鹿なっ。いくらでも策はあると言う物よっ! これだから庶民は……クククッ」
「策……だって?」
マッデンを睨み据えるレキが、嫌な予感に濡れてピンクが増した髪をかき上げる。
「良いか、よく聞け学のない平民よっ。我は別にここから……。この聖地から動けんことも無いのだよ。いざと言う時はバスティオンに亡命すれば良いっ。何せバスティオンとあのヴィエッタとかいう女は別物っ! バスティオンの方を内部から国の都合を変えれば良いのだっ! さすれば全ては丸く、そう、問題なく収まると言う物よっ!」
マッデンが考え付いたのは亡命だった。
なぜならヴィエッタは一貴族であって、バスティオン本国の意向とは関係がない。
王と反目状態のクラインと違い、バスティオンには取り入るスキは大きい。
そういう目論見がすでに、マッデンの中ではついていた。
「なっ!? 貴様っ!? 聖地をほっぽり出すというのかっ!? それに他の民はどうする気だっ。大人数で一気に逃げれる訳がないっ! どうやって連れて行くというのさっ!?」
「何を馬鹿な? 当然聖地を管理する者が必要じゃからな。それに奴らの政治の道具にされても難儀じゃっ。ココで神への奉仕を行えばよいっ! 何、無下にはできんさ賢王と言えどっ」
「そうなれば指導者を失った民はどうなるっ!? 攻め入られた挙句、貴様のせいで辛酸を舐めるんだよっ。この美しい聖地は屈辱に染まるんだっ! 少しは責任を感じるという考えがないのかっ、この肉ダルマめっ!」
残った水の民は恐らくは、今の傭兵が統治する聖地よりいっそう苛烈な立場に置かれるだろう。
独立騒動の責任の全てがこの男ただ一人。〝ソレスティアル・ドゥーエン(予言者)″を名乗る、水の民筆頭のマッデンにあろうとだ。
「樹々の民は貴重な女を貴族に競売にかけられ、土地ははほぼ全てが接収されたんだっ! そして何より辛いのは神からの隔離だったっ! もうアイツらも……そして僕らも神と会う事はできないんだぞっ!?」
「ほぅ、その様子。貴様は炎を操る癖にあのフランネルの……。なるほどな。だがほざけっ! 視野が狭い下等なサルめがっ。我はこの地を治めるリーダーじゃっ! きちんと聖地への帰還の目算も思慮に入っておるわっ。そう遠くないうちにバスティオンの貴族共を懐柔できるっ! すぐに世界は水の聖地の復権を耳にする事になるっ!」
「どうだかっ。怪しいねっ! 一人逃げる奴の言葉を誰が信じると思っているっ。戦いもせず逃亡する腰抜けがっ!」
レキが褐色の肌を震わせ叫ぶっ!
「ふふっ、頭を使えぬ人間はこれだからっ! 今まで聖地にはたくさんの貴族共の邸宅を作らせてやったっ! 各国の貴族子女とも深い関係を築いておるっ! その意味が分かるか小娘っ。それで1つや2つ、弱みを握っておらぬとでもっ!? いつだって王家を転覆させる事など容易い、そう断言してやろうっ」
この聖地から動かずとも着々と人脈は作られている。
実際最も干渉に熱心なのはこの、諜報大国であるバスティオンなのだから。
「あの賢王は強情でも、バスティオンならいくらでも崩せるわっ! そうしてバスティオンを率いて我が凱旋すればこの地もそう遠くないうちに取り戻せるわいっ。少しの我慢ができぬ者は、この地を去ればよいのだよっ!」
取り付いたら最後、マッデンは2つの国の災禍になりうる。
クラインが積年の怨恨甚だしいマッデン。それをかくまい続けるバスティオンの裏切りを決して見逃すはずがない。
険しい目で、眼鏡をクイっと上げるレキ。
「なるほど、ね。ヤレヤレか……。聖地を戦争に巻き込む算段までつけているとはな。確かに〝聖典守護教会〟もお前の存在は無視できないと聞く。政治の話まで出すとなると……そう、な」
戦火すら恐れない、神の寵愛への渇望。
神の愛を手に入れる為ならばバスティオンは何万かの命と引き換えにでも、この虎の威を借るキツネを保護するだろう。
無情で我慢ならない、反吐が出る事情。
それでも、マツリゴトの世界では起こりえる話。
「ふふっ、神の前に包囲を敷くなど笑止っ! わしが聖地を治める限りは、我の道を邪魔する事はできないと、そう世界は思い知れば良いっ。クククッ! アーハッハっ」
空に叫び、笑いを響かせるマッデンっ!その姿にレキが諦めたように笑い……。
「ふぅ、相当世渡りもうまいのだろうね。だが一つ、忘れているよ。君はもうココの……聖地の王ではないという事を」
……。
「何? どんな世迷言を……言っておるのだ? 我の力はこの町の住民、その全てを掌握しておる。それに何より間違いなくマナに最も愛されておるわ……ふふっ。このたわけがっ!」
そう言うといきなりマッデンが、レキへと攻撃を始めたっ!
だがすぐにレキもそれに応戦し始める。
呪文を必要としない2人は互いの主張と拳、そしてマナを交えて斬り結び始めたっ!
「君はもう一人だっ。王の資格はないっ! 実は僕は君のあの巣穴に居たんだよ。そしてそこから抜け出すために……君の支配下の子供に助けられたっ」
マッデンの魔法から逃げ回るレキっ!
彼女の武器はある程度限られてしまう。
魔法のようにおいそれと、無い所から生み出したりはできない構造の〝錬金戦闘術″だ。
なるべく温存しなければならなかった。
「僕を助けた子供はこう言ったっ! 僕に童貞を奪ってもらうよりも、自分たち水の民の敵……。そう、お前を殺してほしいって! この僕がフラれたんだっ。この意味が分かるかっ!」
ガラリ……と崩れる家屋から逃げながら、空中で自分の胸を叩くレキ。
「童貞? なんの……ふふっ。この町の支配者の話をしとるのだろう? 貴様。訳が分からぬ……」
どこに重点を置いているのか一瞬分からなくなるが……。
要は、民族の瓦解が始まっていると言いたいのだろう。
「僕は鼻持ちならない、世界が愛する聖地をこんな状況に陥れた無能のリーダーっ! マッデン、貴様だよっ。それを倒すように雇われた傭兵レキっ! 雇ったのは水の民だっ! だからはもうお前には王として資質は無くなっているっ。お前にはどこにも還る場所はないっ! 追い出されたって事さっ!」
……。
「なっ……何? ハハッ、何を馬鹿な事をっ! ハハハっ。アーハッハッハっ! ごほっごほっ。イヒヒッ。ククッ」
あまりにおかしくて、笑いが止まらないのだろう。
咳き込む程にマッデンに笑いが溢れ、止まらない。
「火に爆ぜよ。力は其が内にあり。熱く燃え盛りて、出でること無かれ。砕術1式、爆っ。そら……よっ!」
そのあざ笑うマッデンに、拾った誰かの剣に砕術を吹き込み……投げつけるレキっ!
ドォオッ!
「くぬっ!」
少し押されるマッデンっ!
しかし、すぐに障壁を治し……元通り。
吹き荒れる暴風雨。
蠢く黒い津波。壊れゆく聖地。
ひと気は……無い。
「……。出てこぬかジキムートめ。ならばこちらから行くかっ!」
その瞬間……巨大な氷が手近な家を破壊するっ!
ドンっ、ガララっ!
マッデンはその瓦礫を見やり……すぐにまた別の家屋へと目をやった。
「次は……」
カランっ……。
「そこかっ!」
ドスンっガララっ!
「これでは……ないか」
ほぼほぼ誰も居なくなった場所。
嵐吹き荒れすさぶ街を一人で眺め、マッデンは見えない敵に殺意を向け続けていく。
すると……。
ヒュンっ!
飛んでくるナイフ……っ!
「クッ!? 効かぬわっ!」
分厚い氷の障壁っ!
ドォンっ!
「なぬっ!?」
マッデンが爆発に揺らめくっ!
「久しぶりだな、マッデンっ!」
「この暗殺用具に褐色っ! 貴様レキかっ!? どこに居たのかと思えば……ふふっ。ほぅほぅ、なんだその恰好は。わしに肉体を捧げるとでもいう示しかね、ん~?」
下賤な視線でレキを犯すマッデン。
激しい雨の中でその衣は濡れ、かなり透けており……ほぼ裸と言って差し支えないレベルになっていた。
真実残念だが、娼婦にしか見えない。
「良い加減に諦めたらどうだ下賤めっ! お前は決して逃れる事はできないんだよっ。クライン、バスティオン両国ともにすでに臨戦態勢にあるのが見えないのかっ!」
周りを指すレキっ!
すでに2つの国の本隊は臨戦態勢だ。
戦争となればそう遠くなく、彼ら水の民は降伏せざるを得ないだろう。
いかに水の民と言えど、国家レベルで挟撃されればまず勝てない。
「ふん、何を馬鹿なっ。いくらでも策はあると言う物よっ! これだから庶民は……クククッ」
「策……だって?」
マッデンを睨み据えるレキが、嫌な予感に濡れてピンクが増した髪をかき上げる。
「良いか、よく聞け学のない平民よっ。我は別にここから……。この聖地から動けんことも無いのだよ。いざと言う時はバスティオンに亡命すれば良いっ。何せバスティオンとあのヴィエッタとかいう女は別物っ! バスティオンの方を内部から国の都合を変えれば良いのだっ! さすれば全ては丸く、そう、問題なく収まると言う物よっ!」
マッデンが考え付いたのは亡命だった。
なぜならヴィエッタは一貴族であって、バスティオン本国の意向とは関係がない。
王と反目状態のクラインと違い、バスティオンには取り入るスキは大きい。
そういう目論見がすでに、マッデンの中ではついていた。
「なっ!? 貴様っ!? 聖地をほっぽり出すというのかっ!? それに他の民はどうする気だっ。大人数で一気に逃げれる訳がないっ! どうやって連れて行くというのさっ!?」
「何を馬鹿な? 当然聖地を管理する者が必要じゃからな。それに奴らの政治の道具にされても難儀じゃっ。ココで神への奉仕を行えばよいっ! 何、無下にはできんさ賢王と言えどっ」
「そうなれば指導者を失った民はどうなるっ!? 攻め入られた挙句、貴様のせいで辛酸を舐めるんだよっ。この美しい聖地は屈辱に染まるんだっ! 少しは責任を感じるという考えがないのかっ、この肉ダルマめっ!」
残った水の民は恐らくは、今の傭兵が統治する聖地よりいっそう苛烈な立場に置かれるだろう。
独立騒動の責任の全てがこの男ただ一人。〝ソレスティアル・ドゥーエン(予言者)″を名乗る、水の民筆頭のマッデンにあろうとだ。
「樹々の民は貴重な女を貴族に競売にかけられ、土地ははほぼ全てが接収されたんだっ! そして何より辛いのは神からの隔離だったっ! もうアイツらも……そして僕らも神と会う事はできないんだぞっ!?」
「ほぅ、その様子。貴様は炎を操る癖にあのフランネルの……。なるほどな。だがほざけっ! 視野が狭い下等なサルめがっ。我はこの地を治めるリーダーじゃっ! きちんと聖地への帰還の目算も思慮に入っておるわっ。そう遠くないうちにバスティオンの貴族共を懐柔できるっ! すぐに世界は水の聖地の復権を耳にする事になるっ!」
「どうだかっ。怪しいねっ! 一人逃げる奴の言葉を誰が信じると思っているっ。戦いもせず逃亡する腰抜けがっ!」
レキが褐色の肌を震わせ叫ぶっ!
「ふふっ、頭を使えぬ人間はこれだからっ! 今まで聖地にはたくさんの貴族共の邸宅を作らせてやったっ! 各国の貴族子女とも深い関係を築いておるっ! その意味が分かるか小娘っ。それで1つや2つ、弱みを握っておらぬとでもっ!? いつだって王家を転覆させる事など容易い、そう断言してやろうっ」
この聖地から動かずとも着々と人脈は作られている。
実際最も干渉に熱心なのはこの、諜報大国であるバスティオンなのだから。
「あの賢王は強情でも、バスティオンならいくらでも崩せるわっ! そうしてバスティオンを率いて我が凱旋すればこの地もそう遠くないうちに取り戻せるわいっ。少しの我慢ができぬ者は、この地を去ればよいのだよっ!」
取り付いたら最後、マッデンは2つの国の災禍になりうる。
クラインが積年の怨恨甚だしいマッデン。それをかくまい続けるバスティオンの裏切りを決して見逃すはずがない。
険しい目で、眼鏡をクイっと上げるレキ。
「なるほど、ね。ヤレヤレか……。聖地を戦争に巻き込む算段までつけているとはな。確かに〝聖典守護教会〟もお前の存在は無視できないと聞く。政治の話まで出すとなると……そう、な」
戦火すら恐れない、神の寵愛への渇望。
神の愛を手に入れる為ならばバスティオンは何万かの命と引き換えにでも、この虎の威を借るキツネを保護するだろう。
無情で我慢ならない、反吐が出る事情。
それでも、マツリゴトの世界では起こりえる話。
「ふふっ、神の前に包囲を敷くなど笑止っ! わしが聖地を治める限りは、我の道を邪魔する事はできないと、そう世界は思い知れば良いっ。クククッ! アーハッハっ」
空に叫び、笑いを響かせるマッデンっ!その姿にレキが諦めたように笑い……。
「ふぅ、相当世渡りもうまいのだろうね。だが一つ、忘れているよ。君はもうココの……聖地の王ではないという事を」
……。
「何? どんな世迷言を……言っておるのだ? 我の力はこの町の住民、その全てを掌握しておる。それに何より間違いなくマナに最も愛されておるわ……ふふっ。このたわけがっ!」
そう言うといきなりマッデンが、レキへと攻撃を始めたっ!
だがすぐにレキもそれに応戦し始める。
呪文を必要としない2人は互いの主張と拳、そしてマナを交えて斬り結び始めたっ!
「君はもう一人だっ。王の資格はないっ! 実は僕は君のあの巣穴に居たんだよ。そしてそこから抜け出すために……君の支配下の子供に助けられたっ」
マッデンの魔法から逃げ回るレキっ!
彼女の武器はある程度限られてしまう。
魔法のようにおいそれと、無い所から生み出したりはできない構造の〝錬金戦闘術″だ。
なるべく温存しなければならなかった。
「僕を助けた子供はこう言ったっ! 僕に童貞を奪ってもらうよりも、自分たち水の民の敵……。そう、お前を殺してほしいって! この僕がフラれたんだっ。この意味が分かるかっ!」
ガラリ……と崩れる家屋から逃げながら、空中で自分の胸を叩くレキ。
「童貞? なんの……ふふっ。この町の支配者の話をしとるのだろう? 貴様。訳が分からぬ……」
どこに重点を置いているのか一瞬分からなくなるが……。
要は、民族の瓦解が始まっていると言いたいのだろう。
「僕は鼻持ちならない、世界が愛する聖地をこんな状況に陥れた無能のリーダーっ! マッデン、貴様だよっ。それを倒すように雇われた傭兵レキっ! 雇ったのは水の民だっ! だからはもうお前には王として資質は無くなっているっ。お前にはどこにも還る場所はないっ! 追い出されたって事さっ!」
……。
「なっ……何? ハハッ、何を馬鹿な事をっ! ハハハっ。アーハッハッハっ! ごほっごほっ。イヒヒッ。ククッ」
あまりにおかしくて、笑いが止まらないのだろう。
咳き込む程にマッデンに笑いが溢れ、止まらない。
「火に爆ぜよ。力は其が内にあり。熱く燃え盛りて、出でること無かれ。砕術1式、爆っ。そら……よっ!」
そのあざ笑うマッデンに、拾った誰かの剣に砕術を吹き込み……投げつけるレキっ!
ドォオッ!
「くぬっ!」
少し押されるマッデンっ!
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