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4章 聖地内戦終結
希望。
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「……ねぇ」
ギシシッ。
「なんだ……? 俺はもう眠いんだよルージー。3発もやりゃ十分だろ? アイツにはダチんところに泊まるって言ってあるし、ゆっくり寝かせろよぉ」
軋むベッドでその男は裸で寝ころび、眠そうに目をこする。
しかしルージーがそれを引き留め、強引に相手を揺さぶった。そして……。
「私、子供ができたみたいなんだ」
「……。おぅ?」
その男の雰囲気が……変わった。
「でもね……堕ろそうと思うんだ。だってアンタには迷惑だろう? 戦場で得た女の子供なんて、ね」
「……。ん……」
応えない男。
だが実際には安堵している。
この後もしルージーがごねるようなら……『策』を考えなくてはならなかったのだから。
「アンタその……良いから……さ。まだ一緒に居たいんだよ……ね。なんせあの、将来を嘱望されるホープ。ずっとは無理でもまだ一緒に……。アタシの少ない希望で居て欲しいんだっ」
「そうか……そうだよな。あぁ、心配すんな」
弱気に聞くルージーに、バツが悪そうに男が慰める。
彼にはきちんと奥さん……貴族の妻がいる。
その妻の家はとても強くそして金持ちだ。
こんな事が漏れ出たらそれこそ、大問題になりかねない。
どうしてもこの女の口を封じるしかないのだ。すると……。
「だから私とその……。こっ、この水を飲んで……欲しいの」
「俺っ!? 俺と一緒に……か。ふむぅ……」
男はその、震える『黒い液体』を見やる。
「……。すまない」
落ち込んだルージーがおずおずと差し出す、その木製のカップ。
そこには濁った液体が入っている。
水銀だ。
「お願い。私だけじゃ勇気が出ない。こんな大量の水銀は初めてなんだ。苦しんでたら下剤も飲まして欲しいから」
……。
「あぁ……。しょうがねえか。良いぜそんくらいなら、よ。だが大丈夫かお前。青い顔して。きちんと……」
「だ……大丈夫だっ。間違いなく飲むよ。大丈夫……」
手を震えさせながらルージーが、その水銀をもう1つのコップへと移した。
そして差し出された男はカップを持つ。
さすがに嫌がる訳にもいかなかった。
それに……。
(きちんと見張らなきゃな。もしダメならなんとかアイツに、無理やりにでも飲ませなきゃ……よ。)
「じゃあ……。さよならして」
そう言ってルージーは自分のお腹に男の手を当てさせる。
「あぁ……。すまねえな、坊主」
「女かも……知れないよ?」
「あぁ? あぁ……そうな。そう……」
上の空で男が言う。
そしてお互いが腕を絡ませ、〝く″の字に交錯させたその腕。
そこからスッと樽に口をつけた……っ!
ごくっ……ごく……ん。
「はぁ……はぁ」
「……」
2人が飲み続ける水銀。
男は飲みながらもルージーを観察し、そして……。
「しっかり飲めルージーっ!」
男がやおら……ルージーのアゴを掴んで、上にあげてやるっ!
「……んんっ!? んっ……」
「ほら……しっかり飲めよ。全部だ、全部っ!」
苦しそうに声を上げる女をよそに、男は少し待ち……っ!
「うぅ……」
頭を押さえるルージー。
「あぁ……。まぁ……なっ。うぇ。2人で飲んだのは間違いだった……かも。でも……でも?」
「どうした……の?」
ニヤ……リ。
「ガハッ!?」
血を吐く男っ!
「ヒヒッ!」
「クッ!? な……これはっ!? 何しやがるルージーっ。てめぇ……」
よろよろと歩き出し、そこにある『サンダル』を履こうとした男っ!
だが……。
「ハハハっ。行かせないぞっ!」
ザっ。
「うぅ……ぐっ!? エイメロードの……靴がっ。ちくしょっ」
サンダルをルージーに蹴飛ばされ、とっさに棚にあったナイフを取る騎士団員っ!
そんな必死の騎士団様なんて物に目もくれず、蹴り飛ばしたサンダルにルージーが歩き寄った。
そして自らがその『エイメロードの靴』に足を通し……笑みを浮かべる。
「良い靴じゃないか、やはり。少しブカブカだが……な。でも持ち主が死なないとダメらしいって、そうお前の部下がベッドの上で言っていたよ。アイツら私が少し大げさにヨがればすぐに機嫌を良くする。話を聞き出すのは簡単だったぞ、全くっ。クククッ」
「ルー……ジーっ!」
怒りで目が真っ赤に燃える男っ!
だがそれ以上に体は、盛られた毒によって地獄の苦しみを訴えていたっ!
「次からは堕ろすと言って弱気な女には気を付けるんだな、騎士団のホープ様。あぁ……でもそうか、もう次は無いのかホープ。希望の癖になぁ? だが安心しろよホープっ! その希望は私が、そうこの私が引き受けよう」
笑ってルージーは男をナイフで襲うっ!
グズッ!
「グアァアッ!」
「どうしたっ! 私を戦場で簡単にねじ伏せた時にはもっと強かったろうっ!?最近はあの時よりもお前のナニの勃ちが悪くて面白くなかったんだよ。もっと楽しませろよっ! ほらっ!」
ブシュっ!
「ぐぅっ!?」
「そらそら……教えてくれただろう!? タップリこの身にさぁ? どう突けばヨがるかって……よっ!」
グジュッ!
「ガッ……はぁ、助け……」
「あぁそうそう、お前。後ろから突くのはよせ。お前のその単調な動きは私には退屈なんだ。もっと腰を広く動かせ……なっ!」
ブッ! ブシュゥウ!
「……ぁっ」
「ははっ……なかなか盛大に噴き出すじゃないか。私は外に出せと何度か言ったよなぁ?コレで良いんだよこれで……さぁっ!」
グズリっ!
「がぁ……」
ドサッ。
動かなくなる男。
血にまみれた娼婦がそこにはただ佇んでいた。
「あぁ……あぁ……最高だっ! イヒヒっ……イーーーヒッヒッ!」
バタンっ!
「るっせぇぞ娼婦っ! 今は夜中だって……」
「やぁ。お隣さん。どう。アタシの事をまた。買わない? 安くしておくよ。今ならタダでも。良いかな」
薄ら笑うルージー。
部屋は血だらけ。
彼女も血にまみれで非常に極上で……、天に上るかと言う程の幸せな顔をしているその娼婦。
その姿は紛れもない狂気その物。
「はぁ……はぁっ!? おまっ、なっ!? おい起きろお前らっ。騎士団を呼べーっ!」
「……」
「おいお前っ! ここを動くなっ。ココに……あれ?」
その男の目の前からはまるで消えたように、キリングドールの姿が見えなくなっていた。
「……?」
不可思議そうな顔をする隣人。
そして……顔面を蒼白にして逃げ出したっ!
「も……ももっ、モンスターだっ! レイスだ騎士団っ、騎士団様ーーーっ!」
ヨダレを垂らし蒼白っ!
ドタドタタっと音をさせ、男が階段を必死に駆け下りていくっ!
「あぁ……風が……気持ちいい」
彼女はその夜風に吹かれ、ご満悦だ。
闇の中、空と同じ色に塗られたルージーが笑う。
「あぁ……どうしよう。この後何するんだっけか? えと……夜のうちにこの町を……。いや、違ったっけ? 町の貴族を殺すんだっけ?」
混乱するルージー。
だが……その顔は笑顔だ。
大層な満足感が彼女を駆け巡っている。
「あぁ……こんなに幸せなのいつ頃以来だ? ふふっ……アハハっ。さぁ、もう私を縛る敗北はもうないっ! さよならルージーっ!さよなら敗北ルージー」
自分の名前が嫌いだった。
その発音はまるで、敗北を意味しているようで。
ルーザールージー。それが彼女のアザナ。
だが……それで呼ばれる事も非常にまれ。
アザナなんて特筆すべき者だけが持つ者だ。
良かれ悪かれ目立つ存在にだけ送られる、いわば『存在感の証明』なのである。
いつも彼女は無名の、一傭兵にしか過ぎなかった。
「さぁ……じゃ、名前をもらいに行くかな? 私の名前。誰をどう殺せば手に入るんだ? まぁ……やるだけやってみるか……。ヤルだけ……さぁ」
……。
止まる彼女。そして……。
「お前、好きだったよ。なかなか良かったんだ、本当。お前の事は愛していたさ。金払いも悪くないんだ、当然好きになる。人生の中で、家族よりも全然一番に好きだった」
そう突然、虚空にぶつぶつと喋り……彼女は夜のとばりに駆けだした。
どこかにあるはずの、彼女の希望の先へと。
「はぁ……はぁっ。そうだ……希望だ……っ。希望が私にもめぐって来たんだっ!」
駆け出したその世界はまだ暗く、夜は解けない。
夜明けは……遠いのだ。
明けない空の下でルージー……いや、名無しが自分の『その名前』を手に入れるまで走っていく。
その血みどろの、最も愛した男の絶望で濡れたサンダル。呪いで外れなくなった、薄汚くておぞましいシンデレラの靴。『光のサンダル』一つを必死に抱いて。
ギシシッ。
「なんだ……? 俺はもう眠いんだよルージー。3発もやりゃ十分だろ? アイツにはダチんところに泊まるって言ってあるし、ゆっくり寝かせろよぉ」
軋むベッドでその男は裸で寝ころび、眠そうに目をこする。
しかしルージーがそれを引き留め、強引に相手を揺さぶった。そして……。
「私、子供ができたみたいなんだ」
「……。おぅ?」
その男の雰囲気が……変わった。
「でもね……堕ろそうと思うんだ。だってアンタには迷惑だろう? 戦場で得た女の子供なんて、ね」
「……。ん……」
応えない男。
だが実際には安堵している。
この後もしルージーがごねるようなら……『策』を考えなくてはならなかったのだから。
「アンタその……良いから……さ。まだ一緒に居たいんだよ……ね。なんせあの、将来を嘱望されるホープ。ずっとは無理でもまだ一緒に……。アタシの少ない希望で居て欲しいんだっ」
「そうか……そうだよな。あぁ、心配すんな」
弱気に聞くルージーに、バツが悪そうに男が慰める。
彼にはきちんと奥さん……貴族の妻がいる。
その妻の家はとても強くそして金持ちだ。
こんな事が漏れ出たらそれこそ、大問題になりかねない。
どうしてもこの女の口を封じるしかないのだ。すると……。
「だから私とその……。こっ、この水を飲んで……欲しいの」
「俺っ!? 俺と一緒に……か。ふむぅ……」
男はその、震える『黒い液体』を見やる。
「……。すまない」
落ち込んだルージーがおずおずと差し出す、その木製のカップ。
そこには濁った液体が入っている。
水銀だ。
「お願い。私だけじゃ勇気が出ない。こんな大量の水銀は初めてなんだ。苦しんでたら下剤も飲まして欲しいから」
……。
「あぁ……。しょうがねえか。良いぜそんくらいなら、よ。だが大丈夫かお前。青い顔して。きちんと……」
「だ……大丈夫だっ。間違いなく飲むよ。大丈夫……」
手を震えさせながらルージーが、その水銀をもう1つのコップへと移した。
そして差し出された男はカップを持つ。
さすがに嫌がる訳にもいかなかった。
それに……。
(きちんと見張らなきゃな。もしダメならなんとかアイツに、無理やりにでも飲ませなきゃ……よ。)
「じゃあ……。さよならして」
そう言ってルージーは自分のお腹に男の手を当てさせる。
「あぁ……。すまねえな、坊主」
「女かも……知れないよ?」
「あぁ? あぁ……そうな。そう……」
上の空で男が言う。
そしてお互いが腕を絡ませ、〝く″の字に交錯させたその腕。
そこからスッと樽に口をつけた……っ!
ごくっ……ごく……ん。
「はぁ……はぁ」
「……」
2人が飲み続ける水銀。
男は飲みながらもルージーを観察し、そして……。
「しっかり飲めルージーっ!」
男がやおら……ルージーのアゴを掴んで、上にあげてやるっ!
「……んんっ!? んっ……」
「ほら……しっかり飲めよ。全部だ、全部っ!」
苦しそうに声を上げる女をよそに、男は少し待ち……っ!
「うぅ……」
頭を押さえるルージー。
「あぁ……。まぁ……なっ。うぇ。2人で飲んだのは間違いだった……かも。でも……でも?」
「どうした……の?」
ニヤ……リ。
「ガハッ!?」
血を吐く男っ!
「ヒヒッ!」
「クッ!? な……これはっ!? 何しやがるルージーっ。てめぇ……」
よろよろと歩き出し、そこにある『サンダル』を履こうとした男っ!
だが……。
「ハハハっ。行かせないぞっ!」
ザっ。
「うぅ……ぐっ!? エイメロードの……靴がっ。ちくしょっ」
サンダルをルージーに蹴飛ばされ、とっさに棚にあったナイフを取る騎士団員っ!
そんな必死の騎士団様なんて物に目もくれず、蹴り飛ばしたサンダルにルージーが歩き寄った。
そして自らがその『エイメロードの靴』に足を通し……笑みを浮かべる。
「良い靴じゃないか、やはり。少しブカブカだが……な。でも持ち主が死なないとダメらしいって、そうお前の部下がベッドの上で言っていたよ。アイツら私が少し大げさにヨがればすぐに機嫌を良くする。話を聞き出すのは簡単だったぞ、全くっ。クククッ」
「ルー……ジーっ!」
怒りで目が真っ赤に燃える男っ!
だがそれ以上に体は、盛られた毒によって地獄の苦しみを訴えていたっ!
「次からは堕ろすと言って弱気な女には気を付けるんだな、騎士団のホープ様。あぁ……でもそうか、もう次は無いのかホープ。希望の癖になぁ? だが安心しろよホープっ! その希望は私が、そうこの私が引き受けよう」
笑ってルージーは男をナイフで襲うっ!
グズッ!
「グアァアッ!」
「どうしたっ! 私を戦場で簡単にねじ伏せた時にはもっと強かったろうっ!?最近はあの時よりもお前のナニの勃ちが悪くて面白くなかったんだよ。もっと楽しませろよっ! ほらっ!」
ブシュっ!
「ぐぅっ!?」
「そらそら……教えてくれただろう!? タップリこの身にさぁ? どう突けばヨがるかって……よっ!」
グジュッ!
「ガッ……はぁ、助け……」
「あぁそうそう、お前。後ろから突くのはよせ。お前のその単調な動きは私には退屈なんだ。もっと腰を広く動かせ……なっ!」
ブッ! ブシュゥウ!
「……ぁっ」
「ははっ……なかなか盛大に噴き出すじゃないか。私は外に出せと何度か言ったよなぁ?コレで良いんだよこれで……さぁっ!」
グズリっ!
「がぁ……」
ドサッ。
動かなくなる男。
血にまみれた娼婦がそこにはただ佇んでいた。
「あぁ……あぁ……最高だっ! イヒヒっ……イーーーヒッヒッ!」
バタンっ!
「るっせぇぞ娼婦っ! 今は夜中だって……」
「やぁ。お隣さん。どう。アタシの事をまた。買わない? 安くしておくよ。今ならタダでも。良いかな」
薄ら笑うルージー。
部屋は血だらけ。
彼女も血にまみれで非常に極上で……、天に上るかと言う程の幸せな顔をしているその娼婦。
その姿は紛れもない狂気その物。
「はぁ……はぁっ!? おまっ、なっ!? おい起きろお前らっ。騎士団を呼べーっ!」
「……」
「おいお前っ! ここを動くなっ。ココに……あれ?」
その男の目の前からはまるで消えたように、キリングドールの姿が見えなくなっていた。
「……?」
不可思議そうな顔をする隣人。
そして……顔面を蒼白にして逃げ出したっ!
「も……ももっ、モンスターだっ! レイスだ騎士団っ、騎士団様ーーーっ!」
ヨダレを垂らし蒼白っ!
ドタドタタっと音をさせ、男が階段を必死に駆け下りていくっ!
「あぁ……風が……気持ちいい」
彼女はその夜風に吹かれ、ご満悦だ。
闇の中、空と同じ色に塗られたルージーが笑う。
「あぁ……どうしよう。この後何するんだっけか? えと……夜のうちにこの町を……。いや、違ったっけ? 町の貴族を殺すんだっけ?」
混乱するルージー。
だが……その顔は笑顔だ。
大層な満足感が彼女を駆け巡っている。
「あぁ……こんなに幸せなのいつ頃以来だ? ふふっ……アハハっ。さぁ、もう私を縛る敗北はもうないっ! さよならルージーっ!さよなら敗北ルージー」
自分の名前が嫌いだった。
その発音はまるで、敗北を意味しているようで。
ルーザールージー。それが彼女のアザナ。
だが……それで呼ばれる事も非常にまれ。
アザナなんて特筆すべき者だけが持つ者だ。
良かれ悪かれ目立つ存在にだけ送られる、いわば『存在感の証明』なのである。
いつも彼女は無名の、一傭兵にしか過ぎなかった。
「さぁ……じゃ、名前をもらいに行くかな? 私の名前。誰をどう殺せば手に入るんだ? まぁ……やるだけやってみるか……。ヤルだけ……さぁ」
……。
止まる彼女。そして……。
「お前、好きだったよ。なかなか良かったんだ、本当。お前の事は愛していたさ。金払いも悪くないんだ、当然好きになる。人生の中で、家族よりも全然一番に好きだった」
そう突然、虚空にぶつぶつと喋り……彼女は夜のとばりに駆けだした。
どこかにあるはずの、彼女の希望の先へと。
「はぁ……はぁっ。そうだ……希望だ……っ。希望が私にもめぐって来たんだっ!」
駆け出したその世界はまだ暗く、夜は解けない。
夜明けは……遠いのだ。
明けない空の下でルージー……いや、名無しが自分の『その名前』を手に入れるまで走っていく。
その血みどろの、最も愛した男の絶望で濡れたサンダル。呪いで外れなくなった、薄汚くておぞましいシンデレラの靴。『光のサンダル』一つを必死に抱いて。
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