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3章 潜入壊滅作戦
聖域を超え、神域へ
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「くぇええっ!? やめよっ! 来るなっ!?」
紅の殺意が駆ける、その手にはクナイ。
貫通させ、そして、確実にマッデン本体を砕くのだっ!
「かっ……神よっ! 〝コエセンシャル・フロント(神域現出)〟ーーーっっ!」
「貫っ!」
2人の怒号が同時に木霊するっ!
ガスッ!
ピカッ!
「……」
「……」
耳を押え、レキが違和感を感じとる。
何かが光り輝いた。
そして突然。
シュボッ!
部屋から明かりが全て消える。
「全く、驚かせるな女っ!」
闇の中で声が――。
マッデンの声が響く。
「貫っ! 貫くんだっ! ……なぜだっ!? どういう事だっ!?」
レキが、マッデンの腹に刺さっているクナイを目にしたまま、響く声におびえた。
必殺技が起動せず。
更には、マッデンのハキハキとした声だけが闇に響いたのだから。
「ふんぬっ!」
大きな人型が光るっ!
「がっ!?」
暗闇の中嗚咽が漏れる。
レキが逆に、水で壁に穿れでしまった。
そして――。
ボっ! ボボッ!
炎の点火する音。
キラキラと美しい蒼のきらめきが、洞内を照らし出す。
住民達が持っていたたいまつが次々と、青い炎で復活していったのだ。
「ふぅふぅ。あぁ~、ヤレヤレ。よもや下民風情に、このような物を使うとはな。……ふぅっ!」
汗を拭くデブ男。
腕で懐を探り、何か光る物を手にするマッデン。
「しっかし危なかったわ。だがわしを甘く見たの女。我は〝ソレスティアル・ドゥーエン(予言者)″だぞ? 人を神へと導く、神の化身じゃと言うたじゃろ」
マッデンの懐から取り出される、輝きを放つ物。
それを見るやいなや、レキの表情が険しく変わっていった。
「くぅ、それは〝エイクリアス・ソリダリティー(水の誓約旗)〟っ!」
「見よ美しの、本当の意味での神の領域をっ! わしを中心とし、今ココに、紛れもない水の神域が開かれたっ! これが我が神の代行たる証明よーーっ!」
バっと、大きく腕を広げるマッデン。
その言葉を聞き、水の民達が一斉にひれ伏した。
「我が神に祈れば世界すら変わる、ねじ伏せられるという事だっ。神に最も近き者が立つ場。それこそが聖域を越える、崇高かつ至高の『水の神域』という事よっ! グハーッハッハッ!」
ここは今、冗談でもなんでもなく――神が顕現したに相応しい、神の住む水のユートピア。
「神域……だとっ!? まさかこの男っ。水のマナ以外を消しただけじゃなく……。はぁ……はぁ。全ての『事象』をねじ伏せ、水以外全て、消して見せたの……か?」
震えるレキ。
神の名は伊達ではない。
普通に考えて自分のテリトリーで、自分が苦手とする攻撃を見逃すハズがなかった。
全ての敵対、友愛マナにさえきっちりと、不変の対抗策を打っている。
水以外は存在できないのだ。
火は、熱を発する事も爆発する事も。
樹々は、水を吸う事も根を伸ばす事さえも。
そして風は、吹き抜ける事も、あるいは酸素を提供する事も。
全ては水に置き換わり、水が代わりに行う。
「くくっ、水の神域に、水以外の異物はいらんっ。火の光も木々の芽吹きも、そして、吹き抜ける風さえもっ! 全てが水であれば良いのじゃっ! これぞ神の所業なりてっ。我は神に最も愛された、人類で最も尊ばれるべき現人神よっ!」
この神域は、本当の意味で水の神ダヌディナ。
彼女が形成する、絶対不変にして、侵される事無き水の楽園。
「神が世界を創造したのと、同じだと……そんな無茶が……っ」
世界創造と同じ魔法にして、奇跡そのものを目の前に、そこに居た人間ほぼ全てが打ち震えた。
「無駄じゃったのぅ、女。お前のその、恐らくは特殊加」
「オァアァアアァアッ!」
神の世界がゆがんだっ!
ジキムートの目が殺気に打ち震え、そして、痛みを拭い去る。
ヒュンッ!
「なっ!?」
ガキンっ!
いきなり飛んできたナイフと蠢いた影。
マッデンが驚き障壁を展開する。
「ウォオオォッっ!」
ガキガキンっ!
するとそのままマッデンの周りを回転しなが、マッデンを攻撃し始めた狂戦士。
氷の壁を叩きつける、すさまじい音がするっ!
「うらぁっ!」
ガキっ!
ガララっ!
剣をへし折りながらもジキムートが、マッデンの分厚い氷壁を崩してみせたっ!
そして、マッデンに向けて折れた剣を投げるっ!
ガスンっ!
だがこれも、障壁で覆されてしまう。
「……貴様? それは、クスリ……か?」
訝しそうに障壁を張り直し、傭兵の異常な目を覗くマッデン。
ラリッた、と言えば良いのだろうか?
人間の正気が消えうせた目を、しげしげと覗き込む予言者。
「ブタが人間のころば話してんじゃっっねーーーっ! ウアラアアアッ!」
「ウォアッ!?」
手近な住民が悲鳴を上げるっ!
いきなり男の住民がジキムートに捕まれ、そして……っ!
「ソレを貸せえっ!」
ぐしゃっ!
「ぐ……ひっ!?」
『ソレ』こと、人体。
ジキムートはマッデンの氷の壁に、住民の体をぶつけたっ!
「うらうらうらぁーーっ!」
だがそれだけでは飽き足らず、打ち込まれた衝撃で失神しそうな住民の足を掴む傭兵は、何度も何度も、分厚い氷の障壁にソレを打ち付け始める。
ガスンガスンっ!
「ギャッ。ギャンッ! ガッ……」
血が飛び散る。
まるで肉の剣のように住民を、武器に見立てて打ち付けていくジキムート。
「ウラアアァァッ!」
左のガントレットで突進。
バリンッ!
氷が、崩れたっ!
だが……。
「ふふっっ……。無駄な事よ」
笑うマッデン。
障壁を張り直し、氷の刃を数多呼び出したっ!
「それを……。俺の相棒を返せ豚ぁああっ!」
「ねえジーク」
「イーズ……」
「私ね、あなたが大好きよ。でも他人は嫌い。私の秘密を知りたがるんだもん」
「俺は聞かねえよ、別に。お前が何モンでも興味はねえ」
「そうっ!? ホントに? 良かった。じゃあアンタを全部、調べられるね」
「調べ……る? 何を調べるってんだ?」
「それ……」
「これ……か。だがお前は知っているのか、コイツが何かを!?」
「すっごく薄汚いねっ!」
「……ッ!? 何がだ……よっ?」
「良くそんなの体に飼えるね……ジーク。そんな汚くて気持ち悪い物私、大嫌い。でも、嫌々なのに、調べなきゃ。仕方なくても調べなきゃ」
「なっ……。それなら俺と一緒に居なくても良いんだぞイーズっ! 俺は別にお前に頼んでまで、一緒にいる訳じゃ……。居る訳……じゃ……」
「仕方ない仕方ない仕方ない。そんなおぞましい物仕方ない」
「やめてくれ、イーズ……。何をする気だ? お前……それっ!?」
「お腹……裂かせて?」
「ウアアアアッ!」
マッデンが出現させた氷の刃が数多と、ジキムートを襲うっ!
ザスザスザスっ!
「ギャアアっ!」
ジキムートは手近な住民を盾にして、それを避け切って見せる。
盾の住民に多数、刃を張り付かせたジキムート。
その痛々しい、トゲのだらけの人間をっ!
ガスッ!
クギ付きバットに見立てて魔法障壁に突き刺し、ロケットキックっ!
ビシッ!
「ぐぬっ……」
「オラオラァァァアア!」
亀裂が入った所で更ににウロコでタックルっ!
バキンッ!
再度壊れる障壁っ!
見事マッデンの力を応用し、マッデンの障壁を打ち下して見せた傭兵っ!
「掴まれればスクラップだぞ、おいっ!?」
「あぁ、なんてこったっ!? 弟がーーっ!」
惨状はひどい物があった。
四方八方に飛び散る。血の飛沫。
捕まれ盾にされた住民はペッちゃんこで、ヒラメになっている。
「逃げろっ!? ヤバいぞコレはーーっ!」
辺りは騒然とし、住民はすくみ上がる。
自分達を巻き込む化け物2人から逃げようと……。
「逃げる事はならーーんっ! 敵前逃亡は死刑とするっ!」
ぐしゃしゃっ!
「ぐひぃいっ!?」
住民がマッデンの攻撃を受け、氷の槍で串刺しにされてしまっている。
「ここは神の領域ぞっ! 我らが水の民が、神の御前で逃げる事は叶うと思っておるのかっ!? それはなんたる不名誉っ!? ワシが神域を出した以上は、一歩たりとも引くな同胞どもよっ! そんな事も分からんか馬鹿モンがーーっ!?」
血走った目で住民を睨むブタ。
だがその間も、住民(武器)を使用したジキムートが氷の障壁を……。
「なんて……こったよ……っ!?」
あからさまに理知的な判断ができてないリーダーと、人を人とも思わぬヤクちゅう傭兵に挟まれ、住民が当惑しながら震えている。
紅の殺意が駆ける、その手にはクナイ。
貫通させ、そして、確実にマッデン本体を砕くのだっ!
「かっ……神よっ! 〝コエセンシャル・フロント(神域現出)〟ーーーっっ!」
「貫っ!」
2人の怒号が同時に木霊するっ!
ガスッ!
ピカッ!
「……」
「……」
耳を押え、レキが違和感を感じとる。
何かが光り輝いた。
そして突然。
シュボッ!
部屋から明かりが全て消える。
「全く、驚かせるな女っ!」
闇の中で声が――。
マッデンの声が響く。
「貫っ! 貫くんだっ! ……なぜだっ!? どういう事だっ!?」
レキが、マッデンの腹に刺さっているクナイを目にしたまま、響く声におびえた。
必殺技が起動せず。
更には、マッデンのハキハキとした声だけが闇に響いたのだから。
「ふんぬっ!」
大きな人型が光るっ!
「がっ!?」
暗闇の中嗚咽が漏れる。
レキが逆に、水で壁に穿れでしまった。
そして――。
ボっ! ボボッ!
炎の点火する音。
キラキラと美しい蒼のきらめきが、洞内を照らし出す。
住民達が持っていたたいまつが次々と、青い炎で復活していったのだ。
「ふぅふぅ。あぁ~、ヤレヤレ。よもや下民風情に、このような物を使うとはな。……ふぅっ!」
汗を拭くデブ男。
腕で懐を探り、何か光る物を手にするマッデン。
「しっかし危なかったわ。だがわしを甘く見たの女。我は〝ソレスティアル・ドゥーエン(予言者)″だぞ? 人を神へと導く、神の化身じゃと言うたじゃろ」
マッデンの懐から取り出される、輝きを放つ物。
それを見るやいなや、レキの表情が険しく変わっていった。
「くぅ、それは〝エイクリアス・ソリダリティー(水の誓約旗)〟っ!」
「見よ美しの、本当の意味での神の領域をっ! わしを中心とし、今ココに、紛れもない水の神域が開かれたっ! これが我が神の代行たる証明よーーっ!」
バっと、大きく腕を広げるマッデン。
その言葉を聞き、水の民達が一斉にひれ伏した。
「我が神に祈れば世界すら変わる、ねじ伏せられるという事だっ。神に最も近き者が立つ場。それこそが聖域を越える、崇高かつ至高の『水の神域』という事よっ! グハーッハッハッ!」
ここは今、冗談でもなんでもなく――神が顕現したに相応しい、神の住む水のユートピア。
「神域……だとっ!? まさかこの男っ。水のマナ以外を消しただけじゃなく……。はぁ……はぁ。全ての『事象』をねじ伏せ、水以外全て、消して見せたの……か?」
震えるレキ。
神の名は伊達ではない。
普通に考えて自分のテリトリーで、自分が苦手とする攻撃を見逃すハズがなかった。
全ての敵対、友愛マナにさえきっちりと、不変の対抗策を打っている。
水以外は存在できないのだ。
火は、熱を発する事も爆発する事も。
樹々は、水を吸う事も根を伸ばす事さえも。
そして風は、吹き抜ける事も、あるいは酸素を提供する事も。
全ては水に置き換わり、水が代わりに行う。
「くくっ、水の神域に、水以外の異物はいらんっ。火の光も木々の芽吹きも、そして、吹き抜ける風さえもっ! 全てが水であれば良いのじゃっ! これぞ神の所業なりてっ。我は神に最も愛された、人類で最も尊ばれるべき現人神よっ!」
この神域は、本当の意味で水の神ダヌディナ。
彼女が形成する、絶対不変にして、侵される事無き水の楽園。
「神が世界を創造したのと、同じだと……そんな無茶が……っ」
世界創造と同じ魔法にして、奇跡そのものを目の前に、そこに居た人間ほぼ全てが打ち震えた。
「無駄じゃったのぅ、女。お前のその、恐らくは特殊加」
「オァアァアアァアッ!」
神の世界がゆがんだっ!
ジキムートの目が殺気に打ち震え、そして、痛みを拭い去る。
ヒュンッ!
「なっ!?」
ガキンっ!
いきなり飛んできたナイフと蠢いた影。
マッデンが驚き障壁を展開する。
「ウォオオォッっ!」
ガキガキンっ!
するとそのままマッデンの周りを回転しなが、マッデンを攻撃し始めた狂戦士。
氷の壁を叩きつける、すさまじい音がするっ!
「うらぁっ!」
ガキっ!
ガララっ!
剣をへし折りながらもジキムートが、マッデンの分厚い氷壁を崩してみせたっ!
そして、マッデンに向けて折れた剣を投げるっ!
ガスンっ!
だがこれも、障壁で覆されてしまう。
「……貴様? それは、クスリ……か?」
訝しそうに障壁を張り直し、傭兵の異常な目を覗くマッデン。
ラリッた、と言えば良いのだろうか?
人間の正気が消えうせた目を、しげしげと覗き込む予言者。
「ブタが人間のころば話してんじゃっっねーーーっ! ウアラアアアッ!」
「ウォアッ!?」
手近な住民が悲鳴を上げるっ!
いきなり男の住民がジキムートに捕まれ、そして……っ!
「ソレを貸せえっ!」
ぐしゃっ!
「ぐ……ひっ!?」
『ソレ』こと、人体。
ジキムートはマッデンの氷の壁に、住民の体をぶつけたっ!
「うらうらうらぁーーっ!」
だがそれだけでは飽き足らず、打ち込まれた衝撃で失神しそうな住民の足を掴む傭兵は、何度も何度も、分厚い氷の障壁にソレを打ち付け始める。
ガスンガスンっ!
「ギャッ。ギャンッ! ガッ……」
血が飛び散る。
まるで肉の剣のように住民を、武器に見立てて打ち付けていくジキムート。
「ウラアアァァッ!」
左のガントレットで突進。
バリンッ!
氷が、崩れたっ!
だが……。
「ふふっっ……。無駄な事よ」
笑うマッデン。
障壁を張り直し、氷の刃を数多呼び出したっ!
「それを……。俺の相棒を返せ豚ぁああっ!」
「ねえジーク」
「イーズ……」
「私ね、あなたが大好きよ。でも他人は嫌い。私の秘密を知りたがるんだもん」
「俺は聞かねえよ、別に。お前が何モンでも興味はねえ」
「そうっ!? ホントに? 良かった。じゃあアンタを全部、調べられるね」
「調べ……る? 何を調べるってんだ?」
「それ……」
「これ……か。だがお前は知っているのか、コイツが何かを!?」
「すっごく薄汚いねっ!」
「……ッ!? 何がだ……よっ?」
「良くそんなの体に飼えるね……ジーク。そんな汚くて気持ち悪い物私、大嫌い。でも、嫌々なのに、調べなきゃ。仕方なくても調べなきゃ」
「なっ……。それなら俺と一緒に居なくても良いんだぞイーズっ! 俺は別にお前に頼んでまで、一緒にいる訳じゃ……。居る訳……じゃ……」
「仕方ない仕方ない仕方ない。そんなおぞましい物仕方ない」
「やめてくれ、イーズ……。何をする気だ? お前……それっ!?」
「お腹……裂かせて?」
「ウアアアアッ!」
マッデンが出現させた氷の刃が数多と、ジキムートを襲うっ!
ザスザスザスっ!
「ギャアアっ!」
ジキムートは手近な住民を盾にして、それを避け切って見せる。
盾の住民に多数、刃を張り付かせたジキムート。
その痛々しい、トゲのだらけの人間をっ!
ガスッ!
クギ付きバットに見立てて魔法障壁に突き刺し、ロケットキックっ!
ビシッ!
「ぐぬっ……」
「オラオラァァァアア!」
亀裂が入った所で更ににウロコでタックルっ!
バキンッ!
再度壊れる障壁っ!
見事マッデンの力を応用し、マッデンの障壁を打ち下して見せた傭兵っ!
「掴まれればスクラップだぞ、おいっ!?」
「あぁ、なんてこったっ!? 弟がーーっ!」
惨状はひどい物があった。
四方八方に飛び散る。血の飛沫。
捕まれ盾にされた住民はペッちゃんこで、ヒラメになっている。
「逃げろっ!? ヤバいぞコレはーーっ!」
辺りは騒然とし、住民はすくみ上がる。
自分達を巻き込む化け物2人から逃げようと……。
「逃げる事はならーーんっ! 敵前逃亡は死刑とするっ!」
ぐしゃしゃっ!
「ぐひぃいっ!?」
住民がマッデンの攻撃を受け、氷の槍で串刺しにされてしまっている。
「ここは神の領域ぞっ! 我らが水の民が、神の御前で逃げる事は叶うと思っておるのかっ!? それはなんたる不名誉っ!? ワシが神域を出した以上は、一歩たりとも引くな同胞どもよっ! そんな事も分からんか馬鹿モンがーーっ!?」
血走った目で住民を睨むブタ。
だがその間も、住民(武器)を使用したジキムートが氷の障壁を……。
「なんて……こったよ……っ!?」
あからさまに理知的な判断ができてないリーダーと、人を人とも思わぬヤクちゅう傭兵に挟まれ、住民が当惑しながら震えている。
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