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大魔術師フリードリヒ・クラッセン
あ、ありがとう、ユーリ
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「ご飯、食べてくる」
すっくとベッドから立ち上がり、扉を開けて廊下に出た。
『おいっ! ティルア、待てよ!』
そんな声が扉の向こうから漏れ聞こえたが、無視して歩き始めた。
二つも年下の生意気な子ども相手に、こんなにムキになって馬鹿みたい……。
そう自分に言い聞かせて、目頭に溜まった水分をぐしぐしと拭った。
休日だから帰省している生徒も多く、寮の中は普段より静かだ。
惨めな気分でとぼとぼと廊下を歩いていると、同じように食堂に向かう生徒たち数人が、後ろから追い抜いていった。
寮から中庭に出ると、遠くの時計塔が目に入った。
鐘が鳴ったばかりだから、辺りはまだそれほど暗くない。
しかし、西陽の名残を受けた塔の裏側に黒々と張り付いた影は、死者の世界へと続く隙間のように見えた。
「しまった」と思ったが、恐怖で地面に縛り付けられた足は、もうそれ以上動かなかった。
庭の中ほどを歩くさっきの女生徒に追いつけば、食堂までたどり着けるかもしれない。
けれども、すくんだ足は一歩も踏み出せなかった。
喉が張り付いて声をかけることもできぬまま、彼女たちの背中が遠ざかっていく。
あっという間に、魔法円が描かれた中庭に一人取り残された。
「どう……しよう……」
ティルアはその場にへなへなと座り込んだ。
遠くの時計塔の影が、こちらをじっと見つめている気がして、怖くて仕方がなかった。
「誰か、助けて……」
身を縮めて震えていると、すぐそばを誰かが通り過ぎる気配がした。
この人についていけば、大丈夫かも——。
はっと顔を上げると、思いがけない人物が目の前をゆっくり歩いていた。
そして、ティルアから十歩ほど離れた場所で立ち止まる。
「え? ユーリ……」
両目をごしごし擦ってもう一度よく見てみたが、男子の制服をまとった金色の髪の華奢な後ろ姿は、やはり彼だった。
フリーデル・プラネルトの事件の後遺症で、日が落ちた後は時計塔の近くを通れなくなってしまったティルアを、彼は毎日食堂まで送り迎えしてくれていた。
もともと不機嫌だった彼に、枕を投げつけた上に、あんな捨て台詞を吐いた。
だから彼が今、目の前にいることが信じられなかった。
慌てて立ち上がると、彼の三歩ほど後ろまで近づいてみた。
すると彼は背を向けたまま、また、ゆっくりと歩きだす。
ティルアを導くように——。
並んで歩く勇気はさすがにないから、ティルアはそのままの距離を保ってついていく。
ティルアがすぐ後ろにいることは分かっているはずなのに、彼は何も言わない。
振り返りもしない。
けれど彼の華奢な背中は、自分を守ってくれる盾のように見えた。
夕食後も、ユーリウスはいつの間にか、寮に戻ろうとするティルアの前を歩いていた。
時計塔を避けて他の生徒たちより遠回りする上、どういう訳か彼が普段よりゆっくり歩くから、いつしか周囲には誰もいなくなってしまった。
薄い雲に霞んだ月が、辺りの木々や草や、前を歩く彼の輪郭をぼんやりと浮かび上がらせている。
怒りに任せて部屋を出たから上着を着ていなかったが、ふわりとまとわりつく春の夜風は優しく、寒さは感じなかった。
けれども、二人きりで黙ったまま歩く夜道は、とてつもなく気まずい。
彼に対する怒りはとっくに消えていたから、この状況をなんとかしたかった。
明るい場所で面と向かってでは、きっとうまく話せない。
寮に着く前に切り出したい。
お守りのペンダントをぎゅっと握りしめてきっかけを探すが、二人とも黙ったままではどうにもならなかった。
土を踏む二人の足音が、残り時間を刻んでいた。
もうすぐ寮の裏口。
もう、今しかない。
「あ、ありがとう、ユーリ。あの……送ってくれて」
思い切って口を開くと、彼は足を止めてちらりと振り返った。
しかし、すぐさま顔を背けると、右手で前髪をぐしゃりと握る。
『ああっ……くそっ』
かすかに聞こえた声は、そんな風に聞こえた。
薄暗くて表情がよく見えないが、彼はまだ、怒っているのかもしれない。
それはそうだ。
あんなことをしたのだから。
だから、謝らなきゃ。
「枕をぶつけたことは謝るわ」
『…………別に。あんなの、痛くも痒くもなかった』
ずいぶん間を置いてから、ぶっきらぼうな答えが返ってきたが、そこに刺々しさは感じられない。
だから、思い切ってもう少し。
「あと、ばかって言ったことも」
『……んなこと、どうでもいい』
ぼそりと低く呟く声。
前髪を握って俯いたまま、こっちを見ようともしない。
せっかく人が謝っているのに、この態度はなんだろう。
「でも、それ以外のことでは、謝らないわよ。あたしは何も悪くないもの」
ふて腐れたような彼の様子に腹が立ち、下から顔を覗き込んで言い放つと、ようやく目が合った。
彼は、今度はその視線を外さなかった。
『それは……分かってる』
「え?」
反論されると思って身構えていたから、思いがけない言葉に拍子抜けした。
『分かってんだよ! あれは、ただの八つ当たりなんだ。クリスタが見つけた本を読めなかったことが、悔しかっただけなんだ。彼女が俺の知らないことを得意げに説明していたことに、むかついたんだ。だってそうだろ? この俺が、七年生に何かを教えてもらわなきゃならないなんて、あり得ない!』
「ユーリ……」
ティルアは呆気にとられた。
彼の弁明は、あまりにも正直で、あまりにも傲慢だった。
『でも……だからって、あんたに当たるのは間違ってた。ごめん。俺が悪かった』
そこまで一気に言うと、彼は口を結んだ。
悔しいのか恥ずかしいのか、奥歯をきつく噛み締めているらしく、ほっそりと整った顔の輪郭が歪んでいる。
薄暗い中でもはっきりと分かる——彼の顔は真っ赤だ。
あのプライドの高いユーリウス・オスヴァルトが、こんな風に謝るなんて……。
不思議な感動を覚えて、彼の顔を見つめていると、彼はばつが悪そうに顔を背けた。
『なんでティルアが先に言うんだよ。俺が、謝ろうと思ってたのに』
拗ねたような言葉に、ティルアはぷっと吹き出した。
なんて、かわいい。
きっと彼もティルアと同じように、謝罪の言葉を切り出すことができず、ひりひりとした焦りを胸に抱えて、ここまで歩いてきたのだろう。
「こんなことにまで、負けず嫌いなの?」
『……うるさい!』
ちょっと意地悪を言ってみると、彼は払いのけるような言葉を吐いて、裏口の向こうにするりと消えた。
彼を追って扉を開けて寮の中に入ると、廊下を足早に遠ざかっていく彼の姿が見えた。
「ふふ……。これ以上の意地悪はやめておこうかな」
ティルアはあえてゆっくりと自室に向かった。
ちょっと、スキップでもしてみたい気分だった。
すっくとベッドから立ち上がり、扉を開けて廊下に出た。
『おいっ! ティルア、待てよ!』
そんな声が扉の向こうから漏れ聞こえたが、無視して歩き始めた。
二つも年下の生意気な子ども相手に、こんなにムキになって馬鹿みたい……。
そう自分に言い聞かせて、目頭に溜まった水分をぐしぐしと拭った。
休日だから帰省している生徒も多く、寮の中は普段より静かだ。
惨めな気分でとぼとぼと廊下を歩いていると、同じように食堂に向かう生徒たち数人が、後ろから追い抜いていった。
寮から中庭に出ると、遠くの時計塔が目に入った。
鐘が鳴ったばかりだから、辺りはまだそれほど暗くない。
しかし、西陽の名残を受けた塔の裏側に黒々と張り付いた影は、死者の世界へと続く隙間のように見えた。
「しまった」と思ったが、恐怖で地面に縛り付けられた足は、もうそれ以上動かなかった。
庭の中ほどを歩くさっきの女生徒に追いつけば、食堂までたどり着けるかもしれない。
けれども、すくんだ足は一歩も踏み出せなかった。
喉が張り付いて声をかけることもできぬまま、彼女たちの背中が遠ざかっていく。
あっという間に、魔法円が描かれた中庭に一人取り残された。
「どう……しよう……」
ティルアはその場にへなへなと座り込んだ。
遠くの時計塔の影が、こちらをじっと見つめている気がして、怖くて仕方がなかった。
「誰か、助けて……」
身を縮めて震えていると、すぐそばを誰かが通り過ぎる気配がした。
この人についていけば、大丈夫かも——。
はっと顔を上げると、思いがけない人物が目の前をゆっくり歩いていた。
そして、ティルアから十歩ほど離れた場所で立ち止まる。
「え? ユーリ……」
両目をごしごし擦ってもう一度よく見てみたが、男子の制服をまとった金色の髪の華奢な後ろ姿は、やはり彼だった。
フリーデル・プラネルトの事件の後遺症で、日が落ちた後は時計塔の近くを通れなくなってしまったティルアを、彼は毎日食堂まで送り迎えしてくれていた。
もともと不機嫌だった彼に、枕を投げつけた上に、あんな捨て台詞を吐いた。
だから彼が今、目の前にいることが信じられなかった。
慌てて立ち上がると、彼の三歩ほど後ろまで近づいてみた。
すると彼は背を向けたまま、また、ゆっくりと歩きだす。
ティルアを導くように——。
並んで歩く勇気はさすがにないから、ティルアはそのままの距離を保ってついていく。
ティルアがすぐ後ろにいることは分かっているはずなのに、彼は何も言わない。
振り返りもしない。
けれど彼の華奢な背中は、自分を守ってくれる盾のように見えた。
夕食後も、ユーリウスはいつの間にか、寮に戻ろうとするティルアの前を歩いていた。
時計塔を避けて他の生徒たちより遠回りする上、どういう訳か彼が普段よりゆっくり歩くから、いつしか周囲には誰もいなくなってしまった。
薄い雲に霞んだ月が、辺りの木々や草や、前を歩く彼の輪郭をぼんやりと浮かび上がらせている。
怒りに任せて部屋を出たから上着を着ていなかったが、ふわりとまとわりつく春の夜風は優しく、寒さは感じなかった。
けれども、二人きりで黙ったまま歩く夜道は、とてつもなく気まずい。
彼に対する怒りはとっくに消えていたから、この状況をなんとかしたかった。
明るい場所で面と向かってでは、きっとうまく話せない。
寮に着く前に切り出したい。
お守りのペンダントをぎゅっと握りしめてきっかけを探すが、二人とも黙ったままではどうにもならなかった。
土を踏む二人の足音が、残り時間を刻んでいた。
もうすぐ寮の裏口。
もう、今しかない。
「あ、ありがとう、ユーリ。あの……送ってくれて」
思い切って口を開くと、彼は足を止めてちらりと振り返った。
しかし、すぐさま顔を背けると、右手で前髪をぐしゃりと握る。
『ああっ……くそっ』
かすかに聞こえた声は、そんな風に聞こえた。
薄暗くて表情がよく見えないが、彼はまだ、怒っているのかもしれない。
それはそうだ。
あんなことをしたのだから。
だから、謝らなきゃ。
「枕をぶつけたことは謝るわ」
『…………別に。あんなの、痛くも痒くもなかった』
ずいぶん間を置いてから、ぶっきらぼうな答えが返ってきたが、そこに刺々しさは感じられない。
だから、思い切ってもう少し。
「あと、ばかって言ったことも」
『……んなこと、どうでもいい』
ぼそりと低く呟く声。
前髪を握って俯いたまま、こっちを見ようともしない。
せっかく人が謝っているのに、この態度はなんだろう。
「でも、それ以外のことでは、謝らないわよ。あたしは何も悪くないもの」
ふて腐れたような彼の様子に腹が立ち、下から顔を覗き込んで言い放つと、ようやく目が合った。
彼は、今度はその視線を外さなかった。
『それは……分かってる』
「え?」
反論されると思って身構えていたから、思いがけない言葉に拍子抜けした。
『分かってんだよ! あれは、ただの八つ当たりなんだ。クリスタが見つけた本を読めなかったことが、悔しかっただけなんだ。彼女が俺の知らないことを得意げに説明していたことに、むかついたんだ。だってそうだろ? この俺が、七年生に何かを教えてもらわなきゃならないなんて、あり得ない!』
「ユーリ……」
ティルアは呆気にとられた。
彼の弁明は、あまりにも正直で、あまりにも傲慢だった。
『でも……だからって、あんたに当たるのは間違ってた。ごめん。俺が悪かった』
そこまで一気に言うと、彼は口を結んだ。
悔しいのか恥ずかしいのか、奥歯をきつく噛み締めているらしく、ほっそりと整った顔の輪郭が歪んでいる。
薄暗い中でもはっきりと分かる——彼の顔は真っ赤だ。
あのプライドの高いユーリウス・オスヴァルトが、こんな風に謝るなんて……。
不思議な感動を覚えて、彼の顔を見つめていると、彼はばつが悪そうに顔を背けた。
『なんでティルアが先に言うんだよ。俺が、謝ろうと思ってたのに』
拗ねたような言葉に、ティルアはぷっと吹き出した。
なんて、かわいい。
きっと彼もティルアと同じように、謝罪の言葉を切り出すことができず、ひりひりとした焦りを胸に抱えて、ここまで歩いてきたのだろう。
「こんなことにまで、負けず嫌いなの?」
『……うるさい!』
ちょっと意地悪を言ってみると、彼は払いのけるような言葉を吐いて、裏口の向こうにするりと消えた。
彼を追って扉を開けて寮の中に入ると、廊下を足早に遠ざかっていく彼の姿が見えた。
「ふふ……。これ以上の意地悪はやめておこうかな」
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