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第588話 まあとは言っても最近までそうしてないですんよね
しおりを挟む「いや、まあとは言っても最近までそうしてないですんよね…………」
「最近?なにかあったの?」
「クラスメイトに、振られたんですよね。そしたら他の人にアドバイスされてて感じです」
(白状していて恥ずかしいのによくもペラペラと言えるな…………)
実際はたどたどしく言っているが勇はそう思った。
「そう。じゃあその二人に感謝しなくちゃね」
「え?」
思ってもない言葉に勇は虚をつかれた気分になる。
「だって、その二人のおかげで今の優しい勇くんになれたんだもの。だから感謝しなくちゃ」
「あー、そういうのはありですね。確かにそれがなかったら俺は今も変わんないままです」
しっかり説明されると勇はしっくりした。
「そう、だな。あの時悔しいって思ったから今の俺こうしてこの人に会えたわけだ」
勇は思わず呟く。
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