プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第511話勇とエルハの朝

「おはよう…………」



    ざさやくようにエルハが挨拶する。



    勇は一瞬心臓を掴まれたかのようにドキリとする。



    顔も思わずくずれるもそんな場合じゃないと思いなおして微妙な顔をした。



「おはようございます。えっと、いい顔が見れて俺も嬉しいんですけど今日戦いあるんでいきましょう」



「ごめんなさい。でも、勇くんて昔からかわいい寝顔してたもの。つい、見入っちゃう」



    エルハの声はとろけるようなものでまだ寝ぼけている。





    勇は騎士学校時代を思い出していた。



    彼女に弟子いりした後、彼は昼休みに彼女の友人やケイネス達と共に魔法の練習をやるようになっている。



「ねえ、たまには練習を休んで二人で散歩しない？」



    ある日エルハは前から振り向ききつつ甘い声でイサミに言った。