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第494話リンネはよからぬ顔で王我たちに迫る
しおりを挟む「まあ、そういうことだな」
「つまりはこちらが魔王軍との戦いでは実戦経験がある、ということよねぇ」
リンネは少々邪悪な笑みを浮かべた。
「なにが言いたい」
「旦那様、嫌な予感がするぞ」
王我が嫌な顔をするとフェイリーン皇女が耳打ちする。
まさかその経験とやらが上たがらとよからぬことを要求するのではと二人には思えてしまった。
「人数もこちらが上、ある程度こちらの作戦に従ってもらうわ。今回は建前上、朝廷に近いのはあなた達だけど」
リンネは落ち着いた顔で言う。
「その程度か、まあいい」
王我は安心しため息をついた。
てっきり金やら手柄を寄越せと思っていただけに軽い要求だ。
もしや他人にはきつい顔なだけでそこまでではないと推測できる。
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