プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第三百六十九話 もし迂闊なことを言えばこの二人に殺されるのでは

   疾風の声は少々震えていた。もし迂闊なことを言えばこの二人に殺されるのではという恐怖をよぎったのだ。



「ならよし」

「よしっていうかいえ、問題ないわ」



    リンネとエルハはその答えに納得する。



「ふう…………」



     疾風は安心感からため息を深くついた。



    どうもこの感じ、生きた感じがしないと感じるのだ。もしや下手な行動をすれば刃物で刺してくるのではという恐れもある。



「この人達、こんな性格だっけ…………」



     その様子にアステリア王女は困惑した。   



「あたし、イサミの婚約者でいいのか…………」



     クリム王女はますます不安になる。



「それはまあ、好きならいいんだよ？」



「それがわかんないからビビってんじゃねえか」



     アステリア王女の言葉にもクリム王女は不安が拭えなかった。



「じゃあいいんじゃない？憧れの勇者様てことで」



「適当かよ…………」



     クリム王女はもしやからかわれてるのではと思い始める。