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第三百六十一話とりまみたらし、いや
しおりを挟むその様子では日本人であることは知らないようだと勇は判別する。
「それもいいけど、長くなるからメニュー決めよう。とりまみたらし、は一個でいいか。あんこにする?」
勇は疾風の言葉に答えずリンネ達に問うた。
「まあ、見た目はチョコっぽいから悪くないかもね」
リンネの言葉に疾風は人の記憶にあるものが名前だけでなく見た目までわかるのは流石に便利すぎじゃないかと感じる。
「でもわたしはよもぎっていうの興味あるかも」
エルハの言葉にアステリア王女とクリム王女はえっと目を見開いた。
「じゃ、じゃあわたしあんこでいいかな」
「あたしも」
アステリア王女とクリム王女は控え目な気持ちで答える。さすがにうどんはともかくスイーツで冒険はしたくなかったのだ。
「で、勇さんが日本人な件ですが!」
注文を店員に言うと疾風は再び興奮して勇に迫る。
彼女の中でもはや勇はこの世界の貴族のイサミ・ユーディラドではなく日本人の何某勇となっていた。
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