プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第三百三十三話君はいいよなあ。勇者の力もあって、強くなれて、どうせ僕なんて普通だよ…………

 

「君はいいよなあ。勇者の力もあって、強くなれて、どうせ僕なんて普通だよ…………」



    ケイネスは虚ろな声で喋りはじめる。



「喋った！あれか、君は本当はそう思ってた。その口か！」



     勇はアニメなどでは大体その手の洗脳が多いと察した。



「ああ、そうさ。だから、君を倒して僕の方が強いと証明するのさぁ！！」



   ケイネスは震える声で剣を振るう。



   勇は咄嗟に離れた。アニメや漫画で見たようなものではない、本物の増幅された恨みだ。



「はあ、はあ。なら…………そうしてみろよ！全部受け止めてやる！」



    勇は圧倒されそうになるが怯まずに叫んだ。



「ちょっと、なにまともに答えてるのよ！あれは浄化でもしないとダメなのよ！」



     リンネはその態度に眉を潜める。



     エルハはその間にその呪文を唱えはじめていた。



「セインプリフィード！」



「ぐっ、うう…………。なにをしたんだ？痛いじゃないか」

 

    だがケイネスは虚ろな声で黒いオーラをまとったままだ。