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第三百二十三話 話は聞いたぜ兄貴。悪いけどその仕事、前半は俺様に譲ってくれねえか。頼む!チャンスをくれ!

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「んー?」



    その魔族はヘヴィメタルデーモンと同じ紫の肌と金髪を上に伸ばしたリーゼントにし顔部分を白、目や口を黒くメイクしていた。



「お呼びにより参上しました、デスメタルデーモンでございます」



    パンドラドの部屋に行くと低く、渋い声で彼は膝まづく。



「昨日あんたの弟が負けたのは知ってるでしょう?」



「ええ、それはもう無様とお聞きしました。お恥ずかしいかぎりです」



     弟がやったことということでデスメタルデーモンは眉を潜めた。



「で、多分勇者パーティなんだけど次、伊甲賀の里に出ると予想してるわ。そこ行って嫌がらせでも戦力低下でもなんでもやってちょうだい」



    パンドラドはもはや誰かを抹殺しろなどとは言わない。





    その後自室に戻るデスメタルデーモンの元にヘヴィメタルデーモンが現れ頭を下げた。



「話は聞いたぜ兄貴。悪いけどその仕事、前半は俺様に譲ってくれねえか。頼む!チャンスをくれ!」



 「んー、策はあるのか?」 



    一度負けた以上デスメタルデーモンは彼に任せるのは不安があるのだ。



「ああ、あるっつうか貰った。自分の力じゃねえ、でも頼む」



    ヘヴィメタルデーモンは格好がつかないと自覚しつつも必死に懇願した。



「ふーむ。ふっ、いいだろう、やっと見せろ」



    デスメタルデーモンは唸りながら顎を触って考えると承諾する。

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