プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

兵郎桜花

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第二百八十四話勇者先達王我 の章一

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アインガル帝国の勇者、 先達王我は仲間と共に城を出ようとしていた。



    その頭は髪を一々整えるのが面倒だという風に散切りで悪党を許すまいとするするどい目をしている。



    そこの皇女、フェイリーンは銀髪に紫の目をし水色のドレスを纏っている。



     そのメイドの一人、ポニーテールの柳生十三は護衛としており強い実力があった。十三などという男らしい名前だがれっきとした女である。



    刀を背負い北国ゆえにコートを羽織っているが王我はその下部分が気になり聞いてみる。



「柳生十三、前から気になっていたがその下は着物か?」



「なんだ、着物がそんなに珍しいか」



    十三はちょっと眉を潜めた。野蛮とでも言うつもりかという目だ。



「いや、侍、いいよな。悪くない、に………この世界のいい文化だ」



    王我は顔を上に向けて感涙に更けた。



「ああっ。お前は相変わらずいいことを言ってくれる。いかにこの一族に生まれて良かったと思える」



    十三もまた顔を上げて酔ったような顔をしつつ頬に手を当てる。  



「旦那様、わたしというものがありながら何をしている!わたし以外のものを褒めるな」



    国を救ったことで王我と婚約しているフェイリーンは王我の胸元をガックンガックン揺らした。   





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