プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第二百六十話 上々ですよ。作戦第一段階、デモンストレーションの準備は完了です

   今は魔王軍を撃つために一つでも多くの魔法を覚えた方がいい。それはケイネスも分かっていた。



   だがそれでも勇が異世界人ということは自覚したばかりで慣れないでいる。



「ライブやりまーす！どうすっかー！」



    街を歩いていると前髪の長い男がチラシを配っておりそれを受け取った。



    それにはギターと共にデーモンズのヘヴィメタルライブと書かかている。



    ケイネスは勇が好みそうな前衛的なバンドだがこの心神深い国でその名前は教会や国に捕まらないのかと思う。





    その夜、宿屋にてヘヴィメタルデーモンはパンドラドからの通信魔法を受け取る。



「調子はどうかしら、ヘヴィメタルデーモン」



「上々ですよ。作戦第一段階、デモンストレーションの準備は完了です」



    ヘヴィメタルデーモンは気楽に答えた。



「ふふ、それは見ものね」



    パンドラドはちょっと興奮する。



   釣られてヘヴィメタルデーモンもひひひと気が高ぶってきた。



    昼間のこと、彼は旅の音楽芸人として部下と共にこの国に現れたのだ。



    その後街の小さい教会に取り入るためこう言った。



「少々派手な姿とライブになりますが悪魔払いの呪いを兼ねておりますので魔王軍が来ても安心なんですよ」



「おおー、それは素晴らしい！是非ともお願いしたいです！」



    教会の司祭は感激して両手を思わず合わせた。