プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第二百五十六話 わたし達の家族ならば十字に星のついた紋章があります

「わたし達の家族ならば十字に星のついた紋章があります。そこれが残って……………あるのですね……………」



     女王は微笑みながら言うと言葉の途中で勇達の口があんぐりと空いたことでその事実を受け入れる。



     勇達は今まで懸念していた仲間が本当に王族という事実に衝撃を受け入れるしかなかった。



    当のエルハはずっと緊張していた。自分のような教会育ちの孤児が王族など恐れ多いと思っていたのだ。



    だが外の世界の普通の人達のように自分だけの親がいないことを羨ましいと思っていたことも事実だ。



    そしてその母親が目の前に現れている。



    その感動は図り知れず思わず大粒の涙を流して彼女に抱きついた。



「お母さまーーーー！！」



「ええ、よくきてくれました。我が娘、エルステンウェル」



    女王も涙ながらエルハを迎えいれる。



   その光景には勇達も和まざるを得なかった。



「んっん。で、話は変わりますがこの国は魔王軍は来てるんですか？」



     エルハが落ち着くと勇は気を取り直して女王に問う。



「いえ、この国にはまだ来てませんね。しかし、この国は優れた軍隊たる神聖大教会の騎士団がいますから。特に闇の力を操る魔王軍には負けませんよ。マシナリティとは比べものにはなりません」



     女王は自信をもって説明した。