252 / 719
第二百五十二話 俺は……………君と一緒に暮らしてただけで結局は他人だったんだな
しおりを挟む
「イサミくんすまない。昨日はちょっと動転してたみたいだ。あまり気にしないでくれ」
翌朝、ケイネスは勇に頭を下げた。
「そ、そう。ならいいけど…………」
勇はそう言うがケイネスの顔見てあまり信じられないでいる。
あれは口では言うが腹の中はまったく変わってないという顔だ。あくまでこちらの信用を取り戻すための方便だとすぐ気づいた。
「あんた、義兄弟に嘘つくなんていい趣味してるじゃない。こいつのどこが気にいらないのよ。こいつの記憶が戻ったのだって最近じゃない!」
リンネがしまいにはカンカンになってケイネスに迫る。
「そう、だが……………」
ケイネスは目を伏せ答えることができなかった。
「いや、いいんだそれで。でも俺は、嫌われるより本当のことを隠される方が嫌だな。気を使われるほうが迷惑だ。俺は……………君と一緒に暮らしてただけで結局は他人だったんだな」
勇はリンネが怒ったことでつい本音を漏らしてしまう。
「ケイネスくん、わたし達はパーティーよ。パーティーには信頼と信用が必要だと騎士学校で習ったはずよ。今の君はあくまで戦力でしかない。一緒にいても勇者の力にはなれないわ。正直勇者と本職の軍隊が強すぎてイサミくんと合体する人以外はいらない気がするけど」
エルハは眉を潜めてケイネスを叱りつけた。
勇は最後のは余計な発言だと思ったが言わないことにする。
「ぐ、すいませんエルハ先輩……………」
「すいませんじゃねえ!ほんとのことを話せって言ってるんだよ!イサミをどう思ってんだ!」
クリム王女を拳を固めて問う。
「じゃあいうよ!15年連れ沿った義兄弟が実はほぼ別人で異世界人だったんだぞ!不安になるのは当然じゃないですか!気持ち悪いに決まってるじゃないか!」
ケイネスも強い口調で言い切った。
「はあ…………………ふっ、ありがとうほんとのこと言ってくれて。じゃあ改めてはじめまして、纏勇です。よろしく」
勇は正直なケイネスの気持ちにため息をつくとお礼を言って手を差し出す。
「はじめ、まして?」
ケイネスはわけがわからなくなった。
「だからぁ、俺はもうイサミ・ユーディラドじゃなくて纏勇なわけだよ。君にとっては初対面なわけ、だから改めてよろしく」
勇はしかめっ面をしつつ理由を説明する。
「ふっ、あははははは!こちらこそよろしく、勇くん」
ケイネスは思わず大笑いするとその手を掴み返した。
「ひとまず、一見落着かな。うん、うん…………」
アステリア王女は一安心と腰に手を当て頷く。
翌朝、ケイネスは勇に頭を下げた。
「そ、そう。ならいいけど…………」
勇はそう言うがケイネスの顔見てあまり信じられないでいる。
あれは口では言うが腹の中はまったく変わってないという顔だ。あくまでこちらの信用を取り戻すための方便だとすぐ気づいた。
「あんた、義兄弟に嘘つくなんていい趣味してるじゃない。こいつのどこが気にいらないのよ。こいつの記憶が戻ったのだって最近じゃない!」
リンネがしまいにはカンカンになってケイネスに迫る。
「そう、だが……………」
ケイネスは目を伏せ答えることができなかった。
「いや、いいんだそれで。でも俺は、嫌われるより本当のことを隠される方が嫌だな。気を使われるほうが迷惑だ。俺は……………君と一緒に暮らしてただけで結局は他人だったんだな」
勇はリンネが怒ったことでつい本音を漏らしてしまう。
「ケイネスくん、わたし達はパーティーよ。パーティーには信頼と信用が必要だと騎士学校で習ったはずよ。今の君はあくまで戦力でしかない。一緒にいても勇者の力にはなれないわ。正直勇者と本職の軍隊が強すぎてイサミくんと合体する人以外はいらない気がするけど」
エルハは眉を潜めてケイネスを叱りつけた。
勇は最後のは余計な発言だと思ったが言わないことにする。
「ぐ、すいませんエルハ先輩……………」
「すいませんじゃねえ!ほんとのことを話せって言ってるんだよ!イサミをどう思ってんだ!」
クリム王女を拳を固めて問う。
「じゃあいうよ!15年連れ沿った義兄弟が実はほぼ別人で異世界人だったんだぞ!不安になるのは当然じゃないですか!気持ち悪いに決まってるじゃないか!」
ケイネスも強い口調で言い切った。
「はあ…………………ふっ、ありがとうほんとのこと言ってくれて。じゃあ改めてはじめまして、纏勇です。よろしく」
勇は正直なケイネスの気持ちにため息をつくとお礼を言って手を差し出す。
「はじめ、まして?」
ケイネスはわけがわからなくなった。
「だからぁ、俺はもうイサミ・ユーディラドじゃなくて纏勇なわけだよ。君にとっては初対面なわけ、だから改めてよろしく」
勇はしかめっ面をしつつ理由を説明する。
「ふっ、あははははは!こちらこそよろしく、勇くん」
ケイネスは思わず大笑いするとその手を掴み返した。
「ひとまず、一見落着かな。うん、うん…………」
アステリア王女は一安心と腰に手を当て頷く。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
元勇者の俺と元魔王のカノジョがダンジョンでカップル配信をしてみた結果。
九条蓮@㊗再重版㊗書籍発売中
ファンタジー
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。
異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度はゼロ。
人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。
もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。
「わたくし、魔王ですのよ」
そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。
元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。
「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」
果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。
無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。
これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる