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第二百四十四話 レースゲーム
しおりを挟む「ふむ。方向を操ったりなんらかのアクションを指示するようね」
エルハはそれを分析した。
「いや、それは見れば大体分かるぞ?あたし達が気になるのは操作方法だっつうの」
クリム王女は呆れて指摘する。
「おらおらぁ!そこどけよぉ!」
「ちょっとクリムちゃん!ひどいよぉ」
そのレースゲームはミサイルなどで相手の妨害ができるものでクリム王女の攻撃を受けたアステリア王女が悲鳴を上げる。
「隙ありね」
エルハはその間にクリム王女の背後からアステリア王女も含めて追い抜く。
「ああっー!」
「ひどいよエルハちゃーん」
今度はクリム王女もアステリア王女と悲鳴を上げた。
「イサミくん、覚悟なさい!」
ゲームの素人の中ではエルハが一番直ぐ慣れており口の端を上げながらイサミを狙う。
「ちょ、まさか先輩ここまで!?」
勇はそんなこと予想だにせず口を歪めた。
「まったく、飛んだ知能派ね」
「さすがは主席卒業生と言ったところかな」
リンネとケイネスも関心する。
勇はそのコースではそろそろ妨害のギミックかでることを思い出した。よし、これを使おうと判断する。
「え、なに!?ひゃあっ!」
エルハが慌てるも勇が避けた先からきたミサイルに動きを阻害されてしまう。
結果勇が一位を取ることになった。
「ちょっと、それはないんじゃない?卑怯、というやつかしら」
エルハはむっとして勇に抗議する。
「すいません、ちょっとムキになってつい……………」
勇は気まずくなり謝罪した。
「まあ、今日だけにして、あ、げ、る」
エルハは勇の唇に人差し指を当てる。そんな仕草に勇はやはり彼女は美人で色っぽいと顔を赤くした。
その抜け駆けのような仕草にアステリア王女達は眉を潜める。
カイルナはそんな少女達に囲まれた勇をどう攻略するか悩んでしまった。
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